JPH0199822A - 合成樹脂成形品の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、表面光沢、ハードコート、耐紫外線性、赤外
線吸収性、その他の機能または文字、マーク、その他の
意匠模様を有するフィルム或いはシート（以下、単にシ
ートと記す）を−法化してなる射出成形品の製造法であ
り、該シートを金型に装着・固定するための磁石固定部
を設けた金型を使用することにより、該シートの金型の
所定位置への自動装着を容易とし、かつ、大型成形品や
表面形状が二次元はもとより三次元形状の良好な成形品
を提供できるものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

金型にシートを装着し、熱可塑性樹脂を射出−法化して
なる成形品の製造法は知られている。

この方法において、シートを金型キャビティーの所定部
に装着する方法としては、単なる挿入装着、ピンによる
装着及び真空吸引装着が知られている。シートの単なる
挿入による装着では特定の大きさ、形状を有するものを
除き装着したシートが射出樹脂の流動に伴い移動するな
どの問題が生じ易く、ピンによる装着では特定の大きさ
、形状を有するものを除き装着したシートが射出樹脂の
流動と熱による伸縮により皺などが発生するなどの問題
が生じやすい。又、真空法は、大型の成形品や曲面を持
ったものの場合、金型を閉じる時のショックや振動など
によりシートと型表面との間に隙間が生じて真空吸引力
が大幅に減少した状態で樹脂が射出される場合が生じ、
位置ずれや皺が発生したり、射出樹脂の熱によってシー
トが伸縮して皺などの派生の原因、とったり、さらに曲
面の場合、シートの剛性により特に端部が吸着不可能で
あったり、吸着出来ても吸着不良が生じやすく同様の不
良が発生する間４があった。更に真空法は、真空吸引の
ための特別の吸引口を金型キャビティ一部に、真空路を
金型内部に形成し、シートの装着に合わせて真空吸引す
ることが必須であることなど金型が高価となり操作も煩
雑であるという欠点があった。

更に、ピン止めや真空装着法を用いて金型へのシートの
装着を自動化する場合、ロボットなどは極めて不得意の
分野であるため困難であった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記の欠点の改良された方法について鋭意検
討した結果、磁石によりシートを金型キャビティーの所
定部に装着する方法を見出し完成した。

すなわち、本発明は、金型キャビティーの所望部にフィ
ルム或いはシートを装着して熱可塑性樹脂を射出成形し
、射出樹脂とフィルム或いはシートとが一体化された合
成樹脂成形品の製造する方法において、該金型として少
なくともゲート或いはその近傍の樹脂流路又は該流路に
対して対象位置に磁石を埋め込んで固定部を形成した金
型を用い、該磁石固定位置に相当する部分に磁石又は強
磁性体片を装着した所定形状のフィルム或いはシートを
該金型に装着、固定して熱可塑性樹脂を射出することを
特徴とする合成樹脂成形品の製造法であり、好ましい実
施態様においては、該金型のゲート或いはその近傍に、
シートづれ防止補助部設けてなる金型を用いること、更
に該シートづれ防止補助部が、該金型のゲート或いはそ
の近傍の射出樹脂流路の脇に袖状部として形成され、該
袖状部に磁石固定部を形成してなる金型を使用するもの
である。

以下、本発明の構成について説明する。

まず、理解を容易とするために、本発明の製造法による
成形品および該成形品を製造するための磁石固定部を含
むゲート部分の金型の一例を示した添付の図面に基づい
て説明する。

第１図は、本発明による透明な成形品の平面図であり、
第２図は第１図の成形品を製造するため金型のゲート及
びその近傍の断面図を示す。

第１図において、成形品は本体部分〔１〕とゲート〔２
〕とからなり、ゲート２は、透明な大型成形品を製造す
るため成形品本体１に向かって扇形に広がった形状をし
たものを使用している。ゲート２は、ランナー〔５〕に
直結した樹脂導入部〔６〕、シート〔３〕を磁石固定す
るための固定部〔７〕及び扇形に広がった成形部〔８〕
からなる。磁石固定部７は樹脂流路の両脇に設けたシー
トの横づれ防止用の袖状部に設けられ、シート３には鉄
片〔４〕が装着され、磁力により金型に装着、固定され
る。又、成形品の本体部分１には、所望によりシート３
の装着をより完全とする磁石固定部〔７′〕がゲートの
反対側及び両サイドに設けられている。本例の場合、成
形品が平面で３０ｃｍ角程度で、平面であることから固
定部〔７′〕は特に使用する必要はないが、金型を閉じ
る時の振動、その他によってシートのバタッキ、金型間
に挟まれるなどのトラブルを防止する為、ゲートの反対
側のものも使用した。更に曲面やより大きいものの場合
には全て、更に適宜例示した場所以外にも磁石固定部を
形成してそれら全てを使用するのが好ましい。

第２図は、第１図に示した成形品を製造するための金型
のゲート２の周辺の断面を示したものであり、金型〔２
０〕には、ランナー〔２５〕に直結したゲート（２２）
および成形品本体〔２１〕が設けられ、ゲート（２２）
は、黄銅を側面に被服した磁石〔２９〕を埋め込んでな
る固定部〔２７〕が成形品本体２１より彫り込まれて形
成され、ついで成形品本体２１に向かって第１図の如く
扇形に広がった扇形部〔２８〕が形成されたものである
。機能性のシー）　（２３）は、予め磁石に引きつけら
れる鉄片やプラスチック磁石シートなどの磁石又は強磁
性体片を取りつけた所定形状とされて、金型に挿入、装
着される。

図面においては、上記に説明した磁石による固定部分は
、成形品本体部より樹脂導入部位に対しては上流に設置
するものであることから成形品本体部分より肉厚、言い
換えればより彫り込んだ部分に設け、更に、シート装着
のための鉄片などが溶融樹脂の流れによって成形品本体
側に移動して金型を傷つけたり、シートが射出樹脂流動
方向に移動することが無いようにするために樹脂流路直
下ではなく、その脇に配置する工夫がなされたより信頼
性の高い方法を示したものである。装着するシートの金
型側に磁石又は強磁性体片を取りつける場合には、通常
、樹脂流路直下であっても実用上は上記のようなシート
装着のための鉄片などが金型を傷つけるなどのトラブル
の発生の問題ないものであるので、袖状部とすることは
必須ではないものである。しかし、シートが射出樹脂流
動方向に移動することが無いようにするためのシートづ
れ防止部として、ピン、真空吸引口、その他を併設する
のが好ましい。又、本例においては使用していないが、
上記したその他の磁石固定部７′は、成形品本体部より
樹脂導入に対しては下流であり、また、射出樹脂により
シートが伸縮することを吸収して皺などが発生するのを
防止する面から、上記の如き工夫は必要はないものであ
る。

本発明を図面により説明したが、本発明は当然に図面に
限定されるものではな（、より大型の適宜曲面を持った
成形品などに好適に適用されるものであり、又、機械的
研磨によって整面した表面を有する金型で充分に鏡面性
に優れた成形品を製造することが可能である。

金型に埋め込む磁石としては、永久磁石や電磁石の何れ
でも使用可能であり、成形品の形状と金型作成コスト等
の点から適宜選択するが、金型の製作の容易さからは永
久磁石が好適である。永久磁石としてはアルニコ磁石、
Ｆｅ−Ｃｒ−Ｃｏ磁石、Ｃｕ−Ｎ１−ｒｅ電磁石Ｍｎ−
Ａｌ磁石などの合金系磁石；酸化物（フェライト）磁石
；希土類コバルト磁石など及びこれらを樹脂その他で結
合したボンド磁石などが例示され、又、純鉄、鉄−ニッ
ケル系合金、ケイ素鋼、鉄−アルミニウム系合金、鉄−
コバルト系合金、フェライトその他の磁心材料を適宜使
用してなる電磁石が例示され、埋め込み法としては、磁
石を耐熱性の熱硬化性樹脂で固定する方法、磁石周囲に
、銅、銅合金その他の軟質の材料で被服し、これを装着
部に形成した孔に押し込む方法などによる。

磁石固定部−つ当たりのシートの吸着力は、磁石の強度
とシートに装着する磁石或いは強磁性体片の厚みや大き
さによりある程度の範囲内で調整可能なものであるが、
通常、０．５ｋｇ程度あれば、真空装着に比較しても充
分良好に使用できる。また、上記のゲート付近以外に設
置する磁石固定部の配置及びその吸着力は、目的とする
成形品の形状（平面、曲面など）、用いるシートの大き
さ、厚みにより、適宜選択して設置する。例えば、曲面
の場合には、金型キャビティー面にシートが沿って装着
されるように磁石固定部を複数設け、その強度は装着す
るシートの厚み及び装着面の曲率とを考慮し、特にシー
トの剛性による力を受ける部分については、より強力に
吸着されるように、磁石の強度、シートに装着する強磁
性体片の厚みと大きさなどを大きめとして吸着力を大き
くするで決定するものである。又、シートをキャビティ
ーの両面に装着する場合、磁石のキャビティー側の磁極
を同極とする。

本発明のシート（或いはフィルム）とは、通常表面光沢
性、耐擦り信性、耐紫外線性、赤外線吸収性、防曇性、
反射防止性、その他の機能性を有し、適宜文字、マーク
、その他の意匠模様を形成してなる通常、厚み０．２〜
ｌ　ｍｍのポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、
アクリル樹脂、その他の透明熱可塑性樹脂製のフィルム
であり、特にポリカーボネート製のシートが好適である
。又、射出成形に用いる熱可塑性樹脂との接着性を付与
する為に、例えば、アクリル樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＡＳ樹
脂、ポリスチレン樹脂などを射出成形する際に、ポリカ
ーボネート製のシートを用いる装着する場合はアクリル
系樹脂による層を裏面に形成した該シートを、ＰＥＴ、
ＰＢＴ等の芳香族飽和ポリエステル樹脂を射出成形する
場合に、ポリカーボネート製のシートを用いる場合はホ
ットメルト接着剤用等として使用されている非結晶性飽
和ポリエステル系Ｓ樹脂による層を裏面に形成した該シ
ートを、その他の耐熱性を特に必要としない汎用用途の
場合に、ポリカーボネート製のシートを用いる場合はＥ
ＶＡ系樹脂層を裏面に形成した該シートを用いる。

上記のシートを磁石により固定するためにシートに装着
する磁石又は強磁性体片としては、上記の永久磁石をプ
ラスチックと配合してなるプラスチックマグネットシー
ト、鉄、コバルト、ニッケル等のシートが例示されるが
、亜鉛メツキ鉄板などの鉄製のものが最も入手容易であ
り好ましく、又、厚み０．０５〜０．５　ｍｍ程度のも
のである。厚みが薄い場合には、磁石をより強力なもの
としなければ装着力が不足する場合が生じ、磁石を取り
替えたり或いは電磁石の場合には設定電流を増加するこ
とが必須となり不利である。又、０．５Ｍを越えると、
金型面側に装着した場合には、金型に該装着シートの厚
みに近い窪みを設けないと、シートと型表面との間に大
きな隙間が生じるので好ましくない。逆に反対面のゲー
ト或いはその近傍に設置する場合には、上記に説明した
ように射出樹脂の力により剥離した場合にも成形品本体
側に移動しないような工夫や樹脂流路を妨げることのな
いようにする工夫をすることが必須となる。尚、プラス
チックマグネットシートを使用する場合には、当然にマ
グネットシートの磁極と磁石固定部の磁極とは逆極とな
るようにシートに装着する。

磁石又は強磁性体片のシートへの装着は、例えば、固定
用の爪付きの所定形状片を用いる方法や熱融着、接着剤
、粘着剤などによる接着法を適宜使用することによる。

また、固定面としては、シートのキャビティー面側が当
然に固定力が大きく、流動樹脂に対する抵抗も小さくな
るのでより好ましい。

射出成形に使用する熱可塑性樹脂としては、透明乃至不
透明、充填刻入など特に限定はないものであるが、本発
明の方法の特性を十二分に活かす側面からは透明な熱可
塑性樹脂類が好ましい。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明の詳細な説明する。

実施例　ｌ 金型として、金型の移動側及び固定側の両面のゲート部
２点とゲートの反対側１点とに１０ｗφ×１５　ｍｍ　
Ｌの永久磁石を磁極が互いに反発するように挿入・固定
した第１図形状の成形品（厚み４ｙｍ、３００Ｘ３００
　ｍｍの平板）用の金型を用いた。

金型に装着するシートとして、厚み０．５ｍ１１の片面
ハードコート芳香族ポリカーボネートシートを第１図形
状に打抜いた片を２種（鏡像片）作成し、この打抜き片
のハードコート側面の金型の磁石固定部と同位置に１２
ａｕｓφ×厚み０．１ｍｎ＋の鋼板を粘着テープで固定
した鋼板付きシートを準備した。

上記金型に、前記の鋼板付きシートのハードコート面が
キャビティー側となるように装着した。

鋼板付きシートの装着は、単に該鋼板付きシートを所定
部に近づけるのみで所定位置に装着されるものであり、
磁石固定部１個あたりの垂直方向の引き剥がし強度は約
０．３ｋｇであった。

ついで、金型を閉じ、芳香族ポリカーボネート樹脂（商
品名；ニーピロンＳ−３０００、三菱瓦斯化学■製）を
シリンダー温度２９０°Ｃ１射出圧力１６００　ｋｇｆ
／ａｌｌ、金型温度　８０℃で射出し、両面ハードコー
トされた成形品を得た。

この成形品はゲート部のシートのずれや皺、射出樹脂の
シートと金型との間へのまわり込みなど無く外観も良好
であった。

なお、シートに装着する鋼板の厚みのみ０．３ｎ＋ｍに
変更した場合の磁石固定部１個あたりの垂直方向の引き
剥がし強度は約０．６ｋｇとなる。

〔作用〕

本発明の磁気固定による方法の場合、磁石に吸着された
鉄片は、垂直方向の引き剥がしに対しては強力に抵抗し
、少しの隙間程度ではその引き剥がし力が実質的に低下
することがないものであると共に、装着した状態での横
方向の微小な位置づれに対しては容易に対応するもので
ある。このことから、金型が閉じる時の振動などによっ
てもその吸着力が実質的に減じることがなく型キャビテ
ィーに強固に装着された状態を保持しつづけ、また、シ
ート装着直後よりのシートの熱による伸縮は、横方向の
微小なづれによって吸着力を減じることなく吸収するも
のである。

この結果、装着したシートの装着面積や曲面などの形状
に関わらず、常に安定した装着力を発揮し、良好な成形
品を提供できるものと推定されるものである。なお、磁
石固定は横方向のづれは容易であることから、射出樹脂
の流動方向にシートが移動することを防止するために、
好ましい実施態様においては、金型のゲート或いはゲー
ト近傍にシートのづれ防止部を補助部として設置する。

また、シートの挿入位置が多少ずれている場合にも、磁
石の吸引により特定の位置に位置ずれが訂正されるもの
であることから、単なるピン止めや真空装着等に比較し
て、挿入位置制御が大幅に簡略かされるものであること
から、自動挿入も極めて容易となるものである。

〔発明の効果〕

以上、発明の詳細な説明実施例などから明白な如く、本
発明の磁石装着による製造法は、従来の方法に比較して
大幅に信顛性に優れた装着性を有するものであることか
ら、大型、曲面など従来困難であったものも良好に容易
に製造可能とするものである。

しかも、金型に磁石を予め固定しておくこと並びに装着
シートに鉄片等を装着しておくことが必須であるが、こ
のような金型の製作はピン止めなどと同様に極めて簡便
に工業的に実施可能であり、シートへの鉄片等の装着も
極めて簡単に実施可能なものであり経済性にも優れたも
のであり、しかも、シートの金型への装着も磁石による
ことから位置決めなどの自動化の困難な部分が無くなり
、結果としてピン止め等を併用する場合にも簡略なもの
となることから、自動化が容易であり工業的な意義の極
めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の透明な成形品の一例の平面図であり
、第２図は第１図の成形品のゲート近傍の金型の断面図
である。図面において番号は、１．２１：成形品本体　
　２．２１：ゲート３．２３：シート　　４．２４：鉄
片 ５．２５：ランナー　　６．２６：導入部７．２７．７
′　：固定部　　８．２８：扇形部２９：磁石　　２０
：金型 をそれぞれを示す。 特許出願人　　三菱瓦斯化学株式会社 代理人　弁理士（９０７０）　　手掘　貞文第１図 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　金型キャビティーの所望部にフィルム或いはシート
   を装着して熱可塑性樹脂を射出成形し、射出樹脂とフィ
   ルム或いはシートとが一体化された合成樹脂成形品の製
   造する方法において、該金型として少なくともゲート或
   いはその近傍の樹脂流路又は該流路に対して対象位置に
   磁石を埋め込んだ磁石固定部を形成した金型を用い、該
   磁石固定位部に相当する部分に磁石又は強磁性体片を装
   着した所定形状のフィルム或いはシートを該金型に装着
   、固定して熱可塑性樹脂を射出することを特徴とする合
   成樹脂成形品の製造法。 ２　該金型のゲート或いはその近傍に、シートづれ防止
   補助部を設けてなる金型を用いる特許請求の範囲第１項
   記載の合成樹脂成形品の製造法。 ３　該シートづれ防止補助部が、該金型のゲート或いは
   その近傍の射出樹脂流路の脇に袖状部として形成され、
   該袖状部に磁石固定部を形成してなる金型を用いる特許
   請求の範囲第２項記載の合成樹脂成形品の製造法。