JPH0193397A - インキ装置のインキ受渡しロール及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はインキ装置及びその製造方法に関し、特に印刷
機に用いられるものである。

［従来の技術］ 近年、印刷機の簡略化を図るため、インキ量を調節する
装置（インキ調整ボタン）を省いたキーレス印刷機が普
及しつつある。このキーレス印刷機の主眼は、印刷機械
のコストダウンと、印刷技能者の熟練度の不要化にある
。即ち、従来の印刷機は印刷物の幅方向のインキ量を調
節するために数多くのインキ調整ボタンを有し、印刷物
を観察しながらインキ量の調整を行っていた。以下に、
キーレス印刷機について第２図を参照して説明する。

図中の１は、インキ２を収容したインキ溜である。この
インキ溜１の上方には、該インキ溜１からインキ２を汲
み上げて表面にインキ被膜３を形成する元ロール４が設
けられている。前記元ロール４の上方には、該元ロール
４からのインキの受渡しとインキ調節を行うアニロック
スロール（インキ受渡しロール）５が設けられている。

このアニロックスロール５は、図示しない芯金とこの芯
金の表面のアルミナセラミック層（又はタングステンカ
ーバイド層）からなる構成されている。このセラミック
ス層の表面は、例えば第５図（Ａ）。

（Ｂ）に示す如く無数の四角錐状の凹部５ａや、第６図
（Ａ）、（Ｂ）に示す如く無数の四角錘台状の凹部５ｂ
が形成されている。前記アニロックスロール５の近くに
は、該ロール５の表面の余裕なインキをかき落とすドク
ターブレード６が設けられている。前記アニロックスロ
ーラ５の上方には、該ロール５からのインキを版胴７へ
供給するインキつけロール８が設けられている。

こうしたキーレス印刷機においては、アニロックスロー
ル５の表面に前述の如くセラミック層が形成されている
場合には、例えばレーザでセラミック層表面に無数の凹
部を形成する。また、アニロックスロールの表面に柔ら
かい金属層が形成されている場合には、芯金の表面の金
属層を別途用意した表面に無数の凸部を形成した鋼鉄製
ロール表面に押付けて凹部を形成する。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来のキーレスインキ装置によれば、以
下に述べる問題点を有する。

■レーザによりアニロックスローラ５の母材層に凹部を
形成するには、レーザ装置やレーザ彫刻機などの特殊な
装置を必要とするため、コスト高となる。

■レーザにより凹部を形成する場合、レーザの出力条件
によってバラツキが生じ易い。また、鋼鉄製ロールを用
いる場合、物理的にアニロックスローラの金ｉ層表面に
圧力を加えて行うため、ローラの抑圧箇所によりパター
ンバラツキが生じる。

従って、印刷面の濃度ムラが生じる。

■表面層の摩耗によりパターンが変化し、寿命の低下を
招く。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、受渡し０−
ラの表面が摩耗しても新たに球状の凹部が現われて表面
状態が変化せず、もって印刷品質が安定、持続し、しか
も低コストで長寿命なインキ装置及びその製造方法を提
供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段と作用コキーレス印刷機
は、インキをインキ溜から元口−うによって汲み上げ、
インキ受渡しローラとドクターブレードによってインキ
量を調整した後、インキつけローラによって版面に供給
する。従って、インキ受渡しローラの表面に一定のイン
キ溜まりのための凹凸（セル）をもつことが第１の要件
であり、本発明者らもいかにローラ表面に均一な凹凸部
を形成させるかに的を絞って検討を進めた。最も考え易
い方法は、ゴム、樹脂などに発泡剤を混入して発泡剤の
分解温度以上に加熱し、窒素ガスを発生せしめて気孔を
形成させ、しかる後表面を研磨して凹部を形成させるこ
とである。しかし、この方法では、第１に加工条件、即
ちゴムや樹脂の硬化条件と発泡とのバランスをとること
が難しく、硬化が先行すると発泡が十分にいかす気孔が
小さすぎる。第２に、硬化が遅く発泡が先行すると気孔
が成長しすぎ、インキ受渡しロールとして不適切切なセ
ルとなるなど、コントロールが極めて困難である。第３
に、セル同志が集合し、いわゆる連続気泡化し、インキ
が浸透する。第４に、膨張により気孔を形成するため、
気孔サイズを目標とするサイズにすることが困難である
。そこで、本発明者らは、インキ受渡しローラの母材の
中に一定の球径をもった予め膨張させた中空微小球を形
成させ、研磨によって表面にも球状の凹部が現われるよ
うにさせ、前述した問題点の解決を図った。即ち、 本願筒１の発明は、インキ溜からインキを汲み上げて表
面にインキ被膜を形成する元ロールと、この元ロールか
らのインキの受渡しを行うインキ受渡しロールと、この
インキ受渡しロールに近接して設けられ該ロール表面の
余分なインキをかき落とすドクターブレードと、前記イ
ンキ受渡しロールからのインキを版胴へ供給するインキ
つけロールとを具備するインキ装置において、前記イン
キ受渡しロールが芯金とこの表面に形成されたゴム又は
樹脂からなる母材層からなり、この母材層の表面に複数
の球状の凹部が形成されかつ内部に複数の球状の中空体
が形成されていることを要旨とする。

本願筒２の発明は、インキ溜からからインキを汲み上げ
て表面にインキ被膜を形成する元ロールと、この元ロー
ルからのインキの受渡しを行うインキ受渡しロールと、
このインキ受渡しロールに近接して設けられ該ロール表
面の余分なインキをかき落とすドクターブレードと、前
記インキ受渡しロールからのインキを版胴へ供給するイ
ンキつけロールとを具備するインキ装置の製造方法にお
いて、前記インキ受渡しロールが、樹脂又はゴムを主成
分とする材料に硬化剤、中空微小球を加える工程と、こ
れらを混合、撹拌して流動状の混合物を形成する工程と
、芯金をセットした型内に前記混合物を流し込み、便化
させて芯金の表面に内部に微小球を有した母材層を形成
する工程と、この母材層の表面を、表面に多数の球状の
凹部が形成されかつ内部に多数の中空微小球を有した母
材層を形成するように研磨する工程とからなることを要
旨とする。

本発明において、母材層の材料としては耐インキ性、耐
洗浄性をもつものが好ましく、ニトリルゴム、ウレタン
ゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、フ
ッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレン等のエラストマー、あるいはウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹
脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・
イミド樹脂等の合成樹脂で中空微小球と混合可能なもの
であり、かつ摂氏１０度から８０度で塑性変形しないも
のが挙げられる。

また、前記母材層の硬さは、ＪＩＳ−Ａ硬度計で１０度
〜１００度、及びショアーＤ型硬度針で７０度〜９０度
のものが好ましい。

更に、凹部を形成する中空微小球としては、例えばアル
ミナ、シリカ、アルミノシリケート、ガラス、セラミッ
クなどの無機物を殻とするもの、塩化ビニリデン、フェ
ノール樹脂などの有機物を股とするものである。母材層
に形成する中空微小球の径は、５〜１００譚、望ましく
は２０〜８０−が好ましい。ここで、球径が５ＡＩＩｎ
未満の場合、インク量が少なすぎインクが十分にならな
い。逆に、球径が１００ｕＩｎを越えると、濃度ムラが
生じる。

本発明によれば、印刷品質が安定、持続し、しかも低コ
ストで長寿命なインキ装置及びその製造方法が得られる
。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図を参照して説明する。

実施例１ まず、Ｔボキシ樹脂（商品名；アラルダイトＡＹ１０３
．チバ・ガイギー社製）１００重聞部にノンサグ剤とし
てのシリカ（商品名；カープレックス＃８０．塩野義製
薬製）５重塁部を３本ミルで５分間混合した債、平均粒
径４５Ｉｙｔの中空微小球即ちアルミノシリケート（商
品名：フィライト３ｏＯ／７．フィライト社’！Ｊ＞　
’Ｅ：３０重量部混合、Ｗ１拌する。次に、鋼鉄性の鉄
心をサンドブラストし錆などを除去した侵、トリクレン
で脱脂を施す。そして、鉄心径よりも片肉で１１０ｌｌ
１太い内径をもつシリンダーを用意し、その内径内に前
記鉄心を挿入した後、治具にて中央部に位置するように
調整する。つづいて、これを縦型とし、底面に蓋を施す
。

次に、上記配合物に硬化剤（商品名；バードナＨＹ９５
６．チバ・ガイギ社製）を１７重量部添加、Ｗ１拌、脱
泡機、注型する。つづいて、前記シリンダーの上面に蓋
を施し、２４時間放置し上記鉄心の表面に樹脂層を形成
し、硬化を完了する。

次いで、常法に従って樹脂層の表面を研磨し、片肉Ｂｍ
ｍの厚さを持ったローラを得た。このローラをショアＤ
型硬度計で測定したところ、８０度であった。得られた
受渡しローラを第３図に示す印刷機のアニロックスロー
ラ５の位置に取付け、印刷を行った。その結果、満足す
べきインキ受渡し機能を有しかつ印刷物は従来のアニロ
ックスローラと同等以上のものが得られた。この時の前
記受渡しローラの断面は、第１図に示す如く樹脂層１１
の表面に球状の凹部１２が形成され、かつ内部に球状の
中空体１３が形成された。

実施例２ まず、次に示す配合を練りロールによって十分に混合練
りする。

ニトリルゴム（商品名：ＪＳＲＮ２３０Ｓ、日本合成ゴ
ム社製） １００重り部 亜鉛華　　　　　　　　　　　　　５重量部イオウ　　
　　　　　　　　　　　２重重部促進剤（商品名；ツク
セラーＣ７、 入内新興化学社製） １重量部 促進剤（商品名；ツクセラーＤ、 入内新興化学社製） ０．５重量部 ステアリン酸　　　　　　　　０．５重量部老化防止剤
（商品名；ツクラック２２４Ｓ。

入内新興化学社製） １重世部 シリカ（商品名；カープレックス＃８０、塩野義製薬社
製 ５重量部 ＨＡＦカーボンブラック（商品名；旭＃７０、旭カーボ
ン社製） ５０重量部 サブ（商品名：黒サブ、東京サブ社製）５重量部 り、Ｏ，Ｐ　（商品名：ビニサイザー＃８０、花王社製
） １０重量部 計１８０重量部 つづいて、混練りのすんだ混合物に平均粒径４０譚の中
空微小球具体的には塩化ビニリデンの発泡品品（商品名
；エクスパンセルＤＥ、エクスパン社製）３０重量部を
練りロールによって混入する。

この場合、中空微小球が破泡しないように練り口−ルの
間隙をあまり狭めないよう注意する。次に、押出し機テ
内径１３０＋ｎｎ＋、外径１５５ｍｍ（７）−Ｆ−ユー
ブ状に押出しする。このチコーブを予め脱錆、脱脂処理
を施したフェノール系接着剤を塗布した鉄心にはめ込み
、加流中のダレを防止するため綿テープを巻き、加硫缶
内で常法に従い、加硫を行う。

冷却後、グラインダーで外径１５０ＩＩｌ！ｌＩに研磨
し、表面に球状の四部１２を有しかつ内部に球状の中空
微小球１３を有したインキ受渡しローラを完成させる。

なお、中空微小球を混入する前の混合物（母材）の硬さ
はＪＩＳ−Ａ硬度計で４０度である。

こうしたローラを第４図に示した印刷機の所定の位置に
取付け、印刷を行った。その結果、実施例１と同様、優
れたインキ受は渡し効果を示し、同時に良好な印刷面が
得られた。

上記実施例に係るインキ装置によれば、インキ受渡しロ
ーラ５の表面に、表面に無数の球状の凹部１２を有し、
内部に無数の球状の中空体１３を有した樹脂又はゴムか
らなる母材層を設けた構造となっているため、母材層の
表面がたとえ摩耗しても球状の中空体１３が新たに球状
の凹部となり、表面状態を摩耗前と同じように保つこと
ができる。

従って、母材層の表面に常に均一な凹凸状態を保つこと
ができ、一定のインキ溜めを行って印刷品質を安定して
持続できる。

し発明の効果」 以上詳述した如く本発明によれば、受渡しローラの表面
が摩耗しても新たに球状の凹部が現われて表面状態が変
化せず、もって印刷品質が安定。

持続し、しかも低コストで長寿命なインキ装置及びその
製造方法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るインキ受渡しロールの要部の断面
図、第２図は従来のインキ装置の説明図、第３図は実施
例１に係る印刷機の説明図、第４図は実施例２に係る印
刷機の説明図、第５図（Ａ＞は従来のキーレス印刷機の
インキ受渡しロール表面の説明図、同図（Ｂ）は同図（
Ａ）の部分拡大図、第６図（Ａ）は従来の他のキーレス
印刷機のインキ受渡しロール表面の説明図、同図（８）
は同図（Ａ）の部分拡大図である。 １・・・インキ溜、２・・・インキ、３・・・インキ被
膜、４・・・元ロール、５・・・アニロックスローラ（
インキ受渡しローラ）、６・・・ドクターブレード、７
・・・版胴、１１・・・母材層、１２・・・球状の中空
体、１３・・・中空体。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第２図 第３図

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. （１）インキ溜からインキを汲み上げて表面にインキ被
   膜を形成する元ロールと、この元ロールからのインキの
   受渡しを行うインキ受渡しロールと、このインキ受渡し
   ロールに近接して設けられ該ロール表面の余分なインキ
   をかき落とすドクターブレードと、前記インキ受渡しロ
   ールからのインキを版胴へ供給するインキつけロールと
   を具備するインキ装置において、前記インキ受渡しロー
   ルが芯金とこの表面に形成されたゴム又は樹脂からなる
   母材層からなり、この母材層の表面に複数の球状の凹部
   が形成されかつ内部に複数の中空微小球が形成されてい
   ることを特徴とするインキ装置。
2. （２）前記インキ受渡しロールの母材層が、ニトリルゴ
   ム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒド
   リンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム
   、クロロスルホン化ポリエチレン、あるいはウレタン樹
   脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、
   塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ジアリ
   ルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・イミ
   ド樹脂からなることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載のインキ装置。
3. （３）前記インキ受渡しロールの母材層の表面の球状の
   凹部及び中空微小球の直径が５〜１００μｍであること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のインキ装置。
4. （４）前記インキ受渡しロールの母材層の凹部が中空微
   小球の殻を内部が露出するように研磨して得られたもの
   であり、かつ前記母材層の中空体が中空微小球の殻より
   構成されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載のインキ装置。
5. （５）中空微小球の殻が、アルミナ（ＡｌＯ＿３）、シ
   リカ（ＳｉＯ＿２）、アルミノシリケート、ガラス、セ
   ラミックからなることを特徴とする特許請求の範囲第４
   項記載のインキ装置。
6. （６）中空微小球の殻が、塩化ビニリデン、フェノール
   樹脂からなることを特徴とする特許請求の範囲第４項記
   載のインキ装置。
7. （７）インキ溜からからインキを汲み上げて表面にイン
   キ被膜を形成する元ロールと、この元ロールからのイン
   キの受渡しを行うインキ受渡しロールと、このインキ受
   渡しロールに近接して設けられ該ロール表面の余分なイ
   ンキをかき落とすドクターブレードと、前記インキ受渡
   しロールからのインキを版胴へ供給するインキつけロー
   ルとを具備するインキ装置の製造方法において、前記イ
   ンキ受渡しロールが、樹脂又はゴムを主成分とする材料
   に硬化剤、中空微小球を加える工程と、これらを混合、
   撹拌して流動状の混合物を形成する工程と、芯金をセッ
   トした型内に前記混合物を流し込み、硬化させて芯金の
   表面に内部に微小球を有した母材層を形成する工程と、
   この母材層の表面を、表面に多数の球状の凹部が形成さ
   れかつ内部に多数の中空微小球を有した母材層を形成す
   るように研磨する工程とからなることを特徴とするイン
   キ装置の製造方法。