JPH018612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、人体局部洗浄装置に係わり、特にノ
ズル部の洗浄装置を有するような人体局部洗浄装
置に関するものである。

一般に、この種人体局部洗浄装置においては、
排便後の肛門洗浄（以下、「シヤワー洗浄」とい
う）と、女性の陰部洗浄（以下「ビデ洗浄」とい
う）とができるような構成となつている。そし
て、このようなシヤワー洗浄及びビデ洗浄を行な
う方法として、シリンダノズルを軸方向に延在せ
しめて行なう方法とか、曲折シリンダノズルを円
弧状に回動せしめて行なう方法など種々の方法が
採られている。

本考案は、前者のシリンダノズルを軸方向に延
在せしめて行なう方法に属するもので、通常シリ
ンダノズルは使用者の排便により先端部などが汚
れることがあり、種々の洗浄手段が講じられてい
る。

しかるに、従来はシリンダノズルの洗浄装置を
装備していないものも多く、装備しているとして
もノズルの伸長時又は復帰時のいずれか一方の行
程時のみ洗浄水がノズルに吹き付けられるという
構成のものであつたため洗浄効率が悪いという欠
点があつた。

本考案は、上記従来の欠点に鑑み、サイホン型
逆Ｕ字管を有する人体局部洗浄装置において、該
逆Ｕ字管の中央部に設けたオリフイスを介して落
下する水を受けるべく設けた部材の側壁に空気孔
を穿設し、シリンダノズル装置の外壁部に設けた
流水用の溝と前記受け部材の端部とをパイプで連
結し、もつてシリンダノズルの伸長時及び復帰時
のいずれにおいても洗浄作用が生じるような洗浄
効率良好な人体局部洗浄装置を提供せんとするも
のである。

以下、本考案の実施例を添付図面に基ずいて説
明する。第１図は本考案の一実施例を示す全体図
で、人体局部洗浄装置Ｚにおけるシリンダノズル
装置Ｓのノズルを洗浄すべく、給水装置Ｋとノズ
ル洗浄装置Ｔが適用された状態を示している。

該第１図において、符号１は水タンクで、該タ
ンク１からの水はフイルタ２を経てポンプ３によ
り温水タンク４に送られ、ここで適度な温度に暖
められた温水は、シヤワー洗浄時にはパイプ５を
介して水タンク１の水面よりも上方に配設された
サイホン型逆Ｕ字管６に送られ、さらにパイプ７
を介してシリンダノズル装置Ｓのポート８に送ら
れる。他方、ビデ洗浄時には、パイプ９の途中の
ウオータバルブ１１を介して他のポート１２に送
られると同時に逆Ｕ字管６を介して前記ポート８
へも送られる。上記符号１〜７及び９，１１によ
り給水装置Ｋが構成される。

前記シリンダノズル装置Ｓの詳細構造は第２図
の如くである。該第２図において、１８は便器の
陶磁壁で、固定シリンダ１９の前方（図示右方。
以下同じ）端が座板部材２０，２０′等を介して
そのネジ部上のナツト２１及び締め部材２２によ
り固定される。前記固定シリンダ１９の後方（図
示左方。以下同じ）端には、前記ポート８及び１
２を持つキヤツプ部材２３がシール部材２４を介
して螺合固着されている。

而して、前記キヤツプ部材２３のポート８は前
記パイプ７に連結され、他方のポーート１２は前
記パイプ９に連結されており、凹部内にゴム弁２
６及び該ゴム弁２６に対向する第１ピストン体２
７が配置される。この第１ピストン体２７はシー
ル部材２８を介しその大径部が前記固定シリンダ
１９内に摺動自在に装着され、前方に小径筒部２
７ａが形成されている。２９は可動シリンダで、
該可動シリンダ２９の後方端は、前記第１ピスト
ン体２７の小径筒部２７ａに螺合固着され、前方
端にはストツパ３５を介してナツト３６が固定さ
れ、外周部がスリーブ３０によつてガイドされて
いる。

而して、３１は、第１スプリングで、前記可動
シリンダ２９の外周部において前記第１ピストン
体２７の小径筒部２７ａとスリーブ３０との間に
張設されている。

前記可動シリンダ２９内には、シール部材３２
を外周部に有し小径筒部３３ａを持つ第２ピスト
ン体３３が遊嵌され、前記小径筒部３３ａにはノ
ズル３４の後方端が螺合固着されている。前記ノ
ズル３４の前方端には適数の噴出口３４ａが穿設
され、栓３４ｂが打込固着され、かつ噴出口３４
ａの反対側（下側）には１個の水抜き用の小孔３
４ｄが穿設されている。３７は第２スプリング
で、ノズル３４の外周部において前記第２ピスト
ン体３３の小径筒部３３ａと前記ストツパ３５と
の間に張設される。また３８はポペツト弁で、ノ
ズル３４内の後方部において小さなバネ３９によ
り第２ピストン体３３の内部シート部に圧接さし
められている。

前記スリーブ３０の前方端面は、固定シリンダ
１９の内周面に嵌め込まれたストツパリング４１
に当接しているために前方への動きが規制され
る。該スリーブ３０には軸方向に長い溝３０ａが
形成され、該溝３０ａは前記ノズル洗浄装置Ｔの
一部を形成するパイプ４２に連通しており、該パ
イプ４２内を流れる水は前記溝３０ａ及び締め部
材２２の中心孔２２ａを介して矢印の如くに排出
される。

前記ノズル洗浄装置Ｔは次の要素から成つてい
る。すなわち、前記逆Ｕ字管６の中央部に設けら
れたオリフイス４３と、前記逆Ｕ字管６に固設さ
れ側壁に空気孔４４ａを有する受け部材４４と、
該受け部材４４の下端に一端が連結され他端が前
記のように溝３０ａに連結されたパイプ４２と、
前記スリヘブ３０に設けられた溝３０ａと、前記
締め部材２２の中心部に設けられた孔２２ａとか
ら成つている。

次に本実施例装置の作用について述べる。シヤ
ワー洗浄時には、使用者が図示していないスイツ
チ機構を作用せしめることによりウオータバルブ
１１は閉状態にあるので、温水タンク４からの水
は、逆Ｕ字管６を介してキヤツプ部材２３の一方
のポート８へ対してのみ送られる。この結果、そ
の水圧はゴム弁２６内を通つて第１、第２ピスト
ン体２７，３３間に形成される空間Ａに入り、第
２ピストン体３３を前方に押す。このため、該ピ
ストン体３３は第２スプリング３７を圧縮しつつ
ノズル３４と一体的に前方に移動する。そして、
肩部３４ｃが第２スプリング３７を介してストツ
パ３５に当接し前方移動が停止する。この停止と
ほぼ同時に、ポペツト弁３８が開くようにバネ３
９の強さが設定してあるため、水（ないし温水）
は該弁３８を介してノズル３４内の空間Ｂに流入
し前方端の噴出口３４ａから勢いよく上方に噴出
する。これにより所望のシヤワー洗浄をなしう
る。次にビデ洗浄について述べる。使用者が既述
のスイツチ機構を作用せしめるとバルブ１１が開
となり、温水タンク４からの水は、キヤツプ部材
２３の双方のポート８及び１２に対して送られ
る。ポート１２内の水圧は第１ピストン体２７に
働き、シヤワー洗浄位置にある、第１ピストン体
２７、可動シリンダ２９、第２ピストン体３３、
並びにノズル３４の全体を、諸共に前方に移動せ
しめる。そして、可動シリンダ２９の図示してな
い肩部（前記ノズル３４の肩部３４ｃと同様なも
の）が第１スプリング３１を介しスリーブ３０に
当接して第１ピストン体２７の前進移動が停止す
る。この第１ピストン２７の、第１図示状態から
前方へ移動する距離は現実には約100mmである。

この結果、第２ピストン体３３及びノズル３４
の一体物は、上述のシヤワー洗浄位置よりも前記
第１ピストン体２７の移動距離だけ余分に前進し
た位置で（ビデ洗浄位置）となり、この位置で洗
浄水の噴出がなされ所期するビデ洗浄を行い得
る。

使用者が使用し終つた場合は、前記空間Ａ内の
水圧はなくるため第１、第２スプリング３１，３
７の付勢力で第１、第２ピストン体２７，３３は
第２図示の状態に復帰する。この場合、前記空間
Ａ内の水は逆Ｕ字管６の方向に逆流し、一部は温
水タンク４方向に戻り他の一部はオリフイス４３
から受け部材４４内に落下するため、パイプ４２
及び溝３０ａに至る水は洗浄水となつて第１図の
ごとく可動シリンダ２９又はノズル３４に降りか
かる。

一方、空間Ｂ内の水はポペツト弁３８が閉とな
つているためノズル３４先端の小孔３４ｄから外
部に排出される。

このようにノズル洗浄装置Ｔは、使用者が使用
終了した時、つまり空間Ａ内の水が逆Ｕ字管６方
向に逆流するときに洗浄作用をなすのであるが、
逆に、使用し始めるときでも洗浄作用が機能す
る。すなわち、シヤワー洗浄又はビデ洗浄のとき
はパイプ５及び逆Ｕ字管６を介して空間Ａ内に水
が送られるわけであるが、一部のオリフイス４３
から受け部材４４中に落下するため、この水が溝
３０ａから洗浄水となつて前記のように排出され
るのである。

尚、上記実施例では、可動シリンダ２９及びノ
ズル３４の両者が２段式に伸長するいわゆる２段
伸長タイプのシリンダノズル装置Ｓの構成となつ
ているが、可動シリンダが存在しないいわゆる１
段伸長タイプのシリンダノズル装置であつても全
く同様に本考案を適用することができる。

このように本考案は、シリンダノズル装置と、
ノズル洗浄装置と、給水タンクの水面より上方に
位置するように配設された逆Ｕ字管を有する給水
装置とから成る人体局部洗浄装置において、前記
サイホン中央部のオリフイスを介して落下する水
を受けるべく設け側壁に空気孔を有する受け部材
と、該受け部材に一端が連結され他端が前記シリ
ンダノズル装置の外壁部の溝に連結されたパイプ
とから成るノズル洗浄装置を設ける構成としたた
め、ノズルの伸長時及び復帰時のいずれの行程に
おいても前記オリフイスを介して洗浄水がノズル
に吹きかけられるから洗浄回数が増え洗浄効率を
良くすることができる。また、受け部材の側壁に
空気孔を設ける構成としたから、シリンダノズル
装置Ｓ内のポペツト弁３８が開状態である限り常
時空間Ｂ内に空気が送られ該空間Ｂ内の残溜水減
らしに貢献することができる。このため次の使用
者が使用し始めに局部に冷水をあびせられるとい
うことがない。また、上記空気孔の存在によりノ
ズル復帰時に空気の逃げ道をつくることになるか
ら復帰を滑らかにし復帰速度を上昇せしめること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体図、第２
図は第１図中のシリンダノズル装置Ｓの詳細断面
図である。 １……水タンク、２……フイルタ、３……ポン
プ、４……温水タンク、５，７，９……パイプ、
６……逆Ｕ字管、１１……ウオータバルブ、Ｓ…
…シリンダノズル装置、Ｋ……給水装置、Ｔ……
ノズル洗浄装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダノズル装置と、ノズル洗浄装置と、給
   水タンクの水面より上方に位置するように配設さ
   れたサイホン型逆Ｕ字管を有する給水装置とから
   成る人体局部洗浄装置において、 前記逆Ｕ字管中央部のオリフイスを介して落下
   する水を受けるべく設け側壁に空気孔を有する受
   け部材と、該受け部材に一端が連結され他端が前
   記シリンダノズル装置の外壁部の溝に連結された
   パイプとから成るノズル洗浄装置を設けたことを
   特徴とする人体局部洗浄装置。