JPH0159389B2 - - Google Patents

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JPH0159389B2
JPH0159389B2 JP57144871A JP14487182A JPH0159389B2 JP H0159389 B2 JPH0159389 B2 JP H0159389B2 JP 57144871 A JP57144871 A JP 57144871A JP 14487182 A JP14487182 A JP 14487182A JP H0159389 B2 JPH0159389 B2 JP H0159389B2
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JP
Japan
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antistatic
resin
urethane resin
acid
compound
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JP57144871A
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JPS5936776A (ja
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Shogo Hiraiwa
Shigeru Aoki
Yoshihiro Fujii
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は卓越した多種の改質された性能を同時
に有し、かつその性能を永久的に有する吸水・制
電・防汚性を有する耐溶融性合成繊維に関する。 従来から合成繊維に各種加工剤を付与して改質
することが行なわれている。かかる改質合成繊維
は通常一種の性能のみが付与されたものであり、
用途的にも制約されるものであつた。このような
合成繊維は数多く提案され、市場にもその一部が
出廻つている。しかしこれらの繊維はいずれも、
性能、耐久性、風合の3条件を満足するものはな
く、いずれかの性能を犠牲にしていた。 かかる従来技術としては合成繊維に改質加工剤
を付着させるかあるいはグラフト重合させたもの
や合成繊維ポリマにかかる物質をブレンドしたも
のなどがあげられる。これら従来技術において、
改質物質を付着させたものは耐久性がなく、洗濯
する毎に性能が劣化が著しく、またグラフト重合
したものはグラフト重合可能な改質加工剤の性能
に限界があると同時に繊維を粗硬化する欠点を有
し、それぞれ致命的な欠点を有していた。 本発明者らはかかる従来欠点に鑑み、性能、耐
久性ならびに風合の3拍子そろつた改質性能を合
成繊維に付加する技術について検討した結果、ト
リアジン環含有樹脂と特定なウレタン樹脂系加工
剤とを組合した被膜がこれを満足することを見い
出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明の特定なウレタン樹脂系加工
剤とは、分子内に少なくとも1個の第4級アンモ
ニウム塩基または/およびポリアルキレングリコ
ール単位を有する制電性ウレタン樹脂である。こ
の樹脂はトリアジン環含有樹脂と組み合せると、
驚くべきことに耐溶融性のみならず、実用に充分
なレベルの耐久性をもつ制電性、吸水性、防汚性
等が同時に良好に発揮される事実を究明したもの
である。すなわち上記樹脂と化合物は耐洗濯性に
すぐれ、永久的に脱落などしない特徴を併せて有
することを見い出したものである。 本発明は次のような構成を有する。 トリアジン環含有樹脂からなる被膜で被覆され
た合成繊維の該被膜表面に、分子内に少なくとも
1個の第4級アンモニウム塩基または/およびポ
リアルキレングリコール単位を有する制電性ウレ
タン樹脂の被膜層を設けたことを特徴とする吸
水・制電・防汚性を有する耐溶融性合成繊維。 かかる技術構成を採用したことにより、高レベ
ルの各種性能たとえば耐溶融、制電、吸水、防汚
性能を同時にかつ永久的に有する風合良好な合成
繊維を初めて提供し得たものである。 本発明でいう合成繊維としては、ポリエステル
系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリ
ル系繊維などであり、これらの変性、改質繊維な
どが含まれるが、特に疎水性の繊維に本発明は好
適である。 かかる合成繊維は通常の混紡、混繊率で他の繊
維を含有するものであつてもよい。たとえばセル
ロース系繊維を50重量%以下更には30重量%以下
の割合いで含有するものであつても本発明には何
らさしつかえない。 本発明において、トリアジン環含有樹脂からな
る被膜を介して制電性ウレタン樹脂が合成繊維に
結合しているとは、合成繊維表面に形成されたト
リアジン環含有樹脂被膜の表面に該制電性ウレタ
ン樹脂を結合せしめて2層構造にすることによ
り、初めて制電性のみならず吸水、防汚などの性
能が増強、増幅される。この場合結合が化学的結
合であれば、耐久性は高くなる。 本発明でいうトリアジン環含有樹脂とは、トリ
アジン環を含有し、かつ重合性官能基を少なくと
も2ケ有する化合物からなる重合体であつて、特
に繊維とのぬれ特性に優れたものが好ましい。か
かる化合物としては、たとえば下記一般式で示さ
れるものがあげられる。 (式中、R0〜R2:−H、−OH、−C6H5、−Co0
H2o0+1(n0:1〜10)、−COOCo1H2o1+1(n1:1〜
20)、−CONR3R4、−NR3R4 ただし、R3R4:−H、−OH、−OCo3H2o3+1、−
CH2OCo3H2o3+1、−CH2COOCo3H2o3+1(n3:1〜
20)−CH2OH、−CH2CH2OH、−CONH2、−
CONHCH2OH、−O(−X−O)−o4R5 X:C2H4、C3H6、C4H8、(n4:1〜1500) R5:−H、−CH3、−C2H5、−C3H7 上記一般式の中でも更に好ましい化合物は、
R0、R1が−NR3R4である化合物であり、その中
でもR2が−CONR3R4、−NR3R4であるものであ
り、更にR3、R4が−CH2OH、−CH2CH2OH、−
CONH2、−CONHCH2OHである化合物が好適で
ある。またR0〜R2が−NR3R4であり、かつR3
R4が −H、−OCoH2o+1、−CH2OCoH2o+1(n:1〜
16)、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CONH2、−
CONHCH2OH である化合物は特に室温で湿潤状態に放置するこ
とによつても被膜形成可能な性質を有するもので
あり、省エネルギー対策ならびに風合(柔軟性)
の点から極めて好都合なものである。 また、本発明の目的を達成する上で、補助的な
意味で尿素、チオ尿素などのジアミン誘導体化合
物、ホルマリン、フエノール化合物、トリアゾン
化合物、エチレン尿素、グリオキザール化合物、
ウロン化合物などを併用することができ、たとえ
ば上記一般式で示される化合物とのエチレン尿素
共縮合物あるいはジメチロール尿素共縮合物、ジ
メチロールチオ尿素縮合物などからなる被膜も有
効である。 本発明はかかる化合物からなる樹脂被膜が繊維
表面に形成されているものであり、特に該被膜が
繊維を均一にかつ完全に被覆した状態に形成さ
れ、繊維露出部のない形が最も好ましいものであ
る。 本発明の上記トリアジン環含有化合物は対象繊
維の種類によつて、重合性官能基の種類を選択す
ることによつて、ぬれ特性をさらに向上せしめ、
膜の性質たとえば均一性、被膜性、耐久性などを
改善することが出来る。すなわち含窒素化合物を
構造単位とする繊維の場合は、該化合物の官能基
を選択する必要はないが、構造単位が含窒素化合
物以外の単位で構成されている繊維たとえばポリ
エステル系繊維などの場合は、一般式のR0〜R2
がエステル系あるいはエーテル系の官能基を有す
る化合物を選択することにより、ぬれ特性を更に
改善せしめることができ、更に該化合物を繊維表
面で重合せしめた際、該化合物と繊維基質の官能
基とが部分的に化学結合を惹起し、膜の耐久性を
著しく向上せしめることが出来る。 本発明の特徴はかかる化合物からなる樹脂被膜
が、各種性能を有する制電性ウレタン樹脂の少な
くとも1種を含有するところにある。 本発明でいう制電性ウレタン樹脂としては通常
後加工において処理に供される樹脂タイプとモノ
マータイプの2種のものがあり、これらのいずれ
でも本発明には適用できるが、耐久性の点でモノ
マータイプのものが好ましく適用される。 本発明はトリアジン環含有樹脂に対して制電性
ウレタン樹脂が極めて包含(結合)され易い性質
を有することを究明して完成したものである。こ
の包含され易さが適用した制電性ウレタン樹脂が
潜在的に有していた未だ知られていなかつた性能
を表面にひき出し、かつ従来から知られていた性
能と相剰的に作用し、両者を完全に両立せしめ
て、その効果を発揮する特徴をひき出したもので
ある。 本発明でいう制電性ウレタン樹脂(以下ウレタ
ン樹脂という)とは制電性能を有する官能基を有
し、かつ少なくとも2ケのイソシアネート基を有
する化合物からなる重合体である。かかる制電性
能を有する官能基として、本発明において特にポ
リアルキレングリコール単位(基)と第4級アン
モニウム塩基を選択したことにより、トリアジン
環含有樹脂との親和性をはかり、高レベルの制電
性能とともに、驚くべきことに吸水性、防汚性を
も満足する特徴を惹起せしめ得、その上、耐溶融
性能をも加えた4つの性能を同時に永久的に付与
し得たものである。 ポリアルキレングリコール単位を制電性官能基
とするウレタン樹脂は、少なくとも2ケのイソシ
アネート基を有する化合物とポリアルキレングリ
コールとを共重合するか、あるいは封鎖されたイ
ソシアネート基を含有する化合物とポリアルキレ
ングリコールとを反応させて、ポリアルキレング
リコール単位を該化合物に内在させて得られる少
なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物
を重合することによつて得られる。この場合のポ
リアルキレングリコール単位としては下記一般式
で示される化合物である。 −O−(CoH2oO)−n ここでn=2〜4で、異性体を含み、またm≧
4であり、平均分子量は300〜60000である。好ま
しくはm≧10、平均分子量500〜20000である。 本発明のウレタン樹脂としては上記ポリアルキ
レングリコール単位のみを制電性官能基とするも
のより、更に第4級アンモニウム塩基を制電性官
能基とするウレタン樹脂の方が防汚、吸水、制電
性の耐久性の点で好ましい。 かかる第4級アンモニウム塩基を有するウレタ
ン樹脂とは、少なくとも1個の第4級アンモニウ
ム塩基と少なくとも2個のイソシアネート基を有
する化合物を重合して得るか、あるいは少なくと
も2個のイソシアネート基を有する化合物とイソ
シアネート基と反応する官能基を有する少なくと
も1個の第4級アンモニウム塩基含有化合物とを
重合するか、あるいはこれらの組合せ組成物を重
合することにより得られる。 第4級アンモニウム塩基量は重合体中の分子量
単位として200〜20000に少なくとも1個あれば、
上記トリアジン環含有樹脂との相剰効果をより好
ましく発揮することができる。 本発明のかかるウレタン樹脂のなかでも、特に
後者の少なくとも1個の第4級アンモニウム塩基
と少なくとも2個のイソシアネート基を有する化
合物からなるウレタン樹脂が制電、防汚、吸水性
能ならびに耐久性の点で好ましい。 かかる化合物においては、第4級アンモニウム
塩基以外にポリエーテル、ポリエーテルエステル
ならびにポリエステルをウレタン樹脂中の単位と
して含んでいてもよく、その場合ポリエーテル以
外の単位においては、重合体中の分子量単位200
〜20000に少なくとも1個のアンモニウム塩基を
含有する構成をとるのが好ましい。 上記ポリエーテル単位としては、例えばエチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレン
オキシド等の重合体、およびそれらのランダム又
は、ブロツク共重合体あるいは、多価アルコール
への付加重合体からなる単位があげられ、またポ
リエステルならびにポリエーテル・エステル単位
としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、フタル酸、無水マレイン酸等の多価の
カルボン酸、または、それらの酸無水物とエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グ
リセリン等の多価アルコール類、比較的低分子量
のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類、および
それらの混合物からなる重合体単位があげられ
る。 本発明でいう第4級アンモニウム塩基は、4級
化可能な窒素原子を有する化合物をウレタン樹脂
中の単位として含有せしめた後(あるいは前)に
4級化したものであつてもよい。かかる単位はア
ミン類とアルキレンオキシド類との重合体から構
成することができる。すなわち、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラアミン等のアルキレン
アミン類、ラウリルアミン、ステアリルアミン等
のアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等のアルキロールアミン類等に
エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアル
キレンオキシド類を付加重合、あるいはランダム
又はブロツク共重合させた重合体単位を、ウレタ
ン樹脂中に分子量単位として200〜20000に、少な
くとも1個のアンモニウム塩基が形成されるよう
に含有せしめるものである。 かかる単位の4級化に用いる4級化剤として
は、通常の4級化剤たとえば、塩化ベンジル等の
ハロゲン化ベンジル類、エピクロルヒドリン等の
エピハロヒドリン類、メチルクロライド、エチル
ブロマイド等のアルキルハライド類、アリルクロ
ライド等のアルキルハライド類、アリルクロライ
ド等のアリルハライド類、硫酸ジメチル等の硫酸
ジアルキル類、p−トルエンスルホン酸メチル等
のp−トルエンスルホン酸アルキル類ならびにモ
ノクロル酢酸およびそのエステル、塩酸等の無機
酸、酢酸等の有機酸があげられる。 本発明の被膜は、トリアジン誘導体化合物とウ
レタン樹脂とからなる被膜であり、かつ、好まし
くはトリアジン環含有樹脂の被膜の上にウレタン
樹脂の被膜によつて形成されるものであつて、両
者はそれぞれ極めて薄い被膜であつても有効であ
るが、好ましくは、0.01〜10μ、実用性の点から
0.05μ以上好ましくは、0.5〜3μ程度の厚さを有す
る。これを付着量に換言していえば繊維重量の
0.5〜40%好ましくは、3%〜20%である。 かかる範囲を外れて少なすぎると、本発明の目
的を達成しにくくなり、制電、防汚、吸水、耐溶
融性の劣るものとなり、逆に上記範囲を越えて被
膜を形成しても、風合が粗硬になり、更には染色
堅牢度の低下と色相の変化を生じる。 本発明の多機能合成繊維は、トリアジン環含有
樹脂とウレタン樹脂との結合により、永久的に高
レベルの制電、吸水、防汚、耐溶融性の4つの性
能を付与したものである。 以下本発明の改質合成繊維の製造方法の一例に
ついて説明する。 本発明の制電、吸水、防汚、耐溶融性繊維は2
つの工程の組合せによつて製造される。 その1つの工程は、上記トリアジン環含有化合
物を繊維製品に付与し、樹脂化して被膜を形成せ
しめる工程である。 処理液は該トリアジン環含有化合物と重合触媒
を含む水性媒体からなる溶液または、分散液が適
用される。 かかる処理液に含有されるトリアジン環含有化
合物の量は、0.01〜40重量%好ましくは0.1〜10
重量%の範囲であり、0.01重量%以下では、耐溶
融性を発揮するに充分な膜を形成することができ
ず、また40重量%を越えて多量に含有せしめる
と、風合が粗硬になるばかりであり、耐溶融性は
必要以上に向上するが、用途にもよるが通常のイ
ンテリアおよび衣料用素材としては、商品価値の
点で好ましくない。 次に処理液中に添加される重合触媒としては、
無機酸あるいは有機酸などの酸およびそれらの塩
類が適用される。かかる無機酸としては、硫酸、
亜硫酸、過硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、塩酸、あ
るいはウルトラ領域にあるリン酸化合物などがあ
げられる。有機酸としては、カルボキシ基を有す
る化合物である。具体的に例をあげれば、ギ酸、
酢酸などの脂肪族カルボン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などのオレフインカルボン酸、シユウ
酸、マロン酸、コハク酸などの飽和ジカルボン
酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などのオキシカ
ルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などの
アミノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、メ
チルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸、フター
ル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸な
どがあげられるが、特に上記した酸に限定するも
のではない。 かかる触媒の添加量は通常の触媒量であつて、
たとえば0.01〜10重量%、一般には0.01〜3重量
%である。 かかる処理液を繊維製品に付与する方法として
は浸漬、スプレー、コーテイングなどいかなる方
法を採用してもよいが、浸漬法が簡便である。 次にかかる被処理繊維製品を室温以上の温度条
件好ましくは、40℃〜140℃で加熱処理して、該
化合物を重合反応せしめ被膜化されるが、この時
重要なことは水分存在下で反応させることであ
る。この水分量は形成される膜性能を大きく左右
するものであり、通常繊維重量の25%以上もしく
は、相対湿度40%以上の雰囲気下で反応させるこ
とである。この水分量は形成される膜性能を大き
く左右するものであり、通常繊維重量の25%以
上、もしくは相対湿度40%以上の雰囲気下で反応
させる。勿論処理液中に浸漬させた状態で加熱反
応せしめても差し支えない。加熱処理を別工程で
行なう場合の方法としては加熱水蒸気(飽和、不
飽和を含む)あるいは処理液浸漬製品を密封放置
するコールト・バツチ法などが採用出来る。処理
時間は、該化合物の種類ならびに温度条件によつ
て多少異なるが、一般に低温(室温を含む)なら
15〜30時間、40℃以上なら0.5〜180分程度の条件
で処理される。 次にかかるトリアジン環含有樹脂からなる被膜
にウレタン樹脂を付与する。なおこれらの樹脂は
どのように合成繊維に付与してもよいというもの
ではなく、まずトリアジン環含有樹脂被膜を形成
した後、ウレタン樹脂を付与するのが性能面で最
もすぐれている。 ウレタン樹脂の含有量は、有効成分に換算して
0.05〜30重量%、好ましくは0.2〜10重量%の範
囲であり、0.05重量%以下では、制電、吸水、防
汚効果を発揮するに充分な膜を形成することが出
来ず、又30重量%を越えて多量に含有せしめる
と、風合が粗硬になり、又、染色堅牢度の低下や
色相の著しい変化を招く。 なお、ウレタン樹脂処理浴は、ウレタン樹脂の
外に重合触媒、さらに必要に応じてPH調整剤とし
て、重炭酸ナトリウムを含む水性媒体からなる溶
液が適用される。触媒として、一般的に使用され
る有機スズのエマルジヨンが使用される。有機物
質として、ジブチルジラウレートが挙げられる
が、これに限定されるものでない。又風合調整剤
として、グリオキザール系硬仕上剤やアニオン又
は非イオン系柔軟剤を併用してもさしつかえな
い。 かかる処理液を繊維に付与する方法としては、
浸漬、スプレー、コーテイングなどいかなる方法
を採用してもよいが、浸漬法が簡便である。 かかる被処理繊維を80〜140℃好ましくは100〜
120℃で乾燥したのち、100〜200℃、好ましくは
120℃〜180℃×0.5〜5分の条件で加熱処理して、
ウレタン樹脂を重合反応せしめ被膜化させる。 かくして得られる多機能合成繊維には制電、吸
水、防汚、耐溶融性の4つの性能を高レベルで付
与することができ、しかも洗濯、ドライクリーニ
ングに対して極めて優れた耐久性を有するという
特徴をもつものである。 以下、本発明を実施例で更に説明する。 実施例 1 ポリエステル系繊維からなる目付280g/m2
加工系織物を、リラツクス、精練、中間セツト、
染色、乾燥し、第1工程として次のような条件で
メラミン樹脂を用い繊維表面上で樹脂化し、均一
な被膜を形成させた。 Γ 処理浴組成 メラミン系樹脂 Sumitex Resin M−3(住友化学製) 7.0% 触 媒 過硫酸アンモニウム 0.3% 分散剤 メガフアツク F−833(大日本インキ(株)製)
0.1% 水 92.6% 計 100.0% この処理液をピツクアツプ80%でパツドし、直
ちにハンキング型スチーマで湿度100%R・H、
温度105℃で3分間蒸熱処理する。その後、ソー
ピング、乾燥する。 第2工程として、次のような条件で下記ウレタ
ン樹脂を用い処理を行なつた。 Γ 処理浴組成 制電性ウレタン樹脂(熱反応型水溶性ウレタン
樹脂) エバフアノールAS−1(日華化学(株)) 4.0% 触 媒 エバフアノール CS(日華化学(株)) 0.4% 水 95.6% 計 100.0% この処理液をピツクアツプ80%でパツドし、
110℃で3分間乾燥する。その後ピンテンターで
160℃で1分間乾熱処理した。 比較例 1 実施例1に準ずる。ただし第2工程を省略す
る。 比較例 2 実施例1に準ずる。ただし第1工程を省略す
る。 実施例1においては、洗濯20回後でも第1表の
通り、比較例1、2よりもすぐれた制電、防汚、
吸水、耐溶融性を示す。
【表】
【表】 実施例 2 ポリエステル系繊維からなる目付340g/m2
加工糸織物を、実施例1に準じ染色、乾燥を行な
い、第1工程として実施例1に準じてメラミン樹
脂を用い繊維表面上で樹脂化し、均一な被膜を形
成させた。 次いで第2工程として、次のような条件でウレ
タン樹脂を用い、処理を行なつた。 Γ 処理浴組成 制電性ウレタン樹脂 D−1008−1(第一工業製薬(株)製) 4.0% 触 媒 エラストロンキヤタリスト(第一工業製薬(株)
製) 0.3% PH調制剤 重 曹 0.015% 水 95.685% この処理液をピツクアツプ80%でパツドし、
110℃で3分間乾燥する。その後ピンテンターで
160℃で1分間乾熱処理した。 比較例 3 実施例2に準ずる。ただし第2工程を省略す
る。 比較例 4 実施例2に準ずる。ただし第1工程を省略す
る。 実施例2においては、洗濯20回後でも、第2表
の通り、比較例3、4よりすぐれた制電、防汚、
吸水、耐溶融性を示す。
【表】 実施例 3 ポリエステル系繊維からなる目付490g/mの
加工糸編物を、実施例1に準じ染色、乾燥後、第
1工程としてメラミン樹脂を用い繊維表面上で樹
脂化し、均一に被膜を形成させた。 第2工程として、実施例1に準じ、制電、吸
水、防汚加工を行なつた。 比較例 5 実施例3に準ずる。ただし第2工程を省略す
る。 比較例 6 実施例3に準ずる。ただし第1工程を省略す
る。 実施例3においては、洗濯20回後でも第3表の
通り、比較例5、6よりもすぐれた制電、防汚、
吸水、耐溶融性を示す。
【表】 実施例 4 ポリエステル90%、木綿10%混繊布帛(目付
220g/m2)を、実施例1に準じ染色、乾燥後第
1工程としてメラミン樹脂を用い繊維表面上で樹
脂化し、均一な被膜を形成させた。 第2工程として、実施例1に準じた処理を行な
つた。 比較例 7 実施例4に準ずる。ただし第2工程を省略す
る。 比較例 8 実施例4に準ずる。ただし第1工程を省略す
る。 実施例4においては、洗濯20回後でも第4表の
通り、比較例7、8よりもすぐれた制電、防汚、
吸水性を示す。なお耐溶融性は、ポリエステル/
木綿混繊布帛の場合、溶融したポリエステルが木
綿に保持される為、見掛上、穴があきにくかつ
た。
【表】 実施例 5 ポリアミド長繊維織物(目付200g/m2)を実
施例1と同様に染色し、第1工程としてトリアジ
ン誘導体化合物で処理した。 Γ 処理浴組成 トリアジン環含有化合物〔化合物において、
R0がC2H3、R1、R2が−NR3R4でR3R4が−
CH2OHであるもの〕 4.0% 触 媒 過硫酸アンモニウム 0.2% 分散剤 メガフアツク F−833 0.3% 水 95.5% 計 100.0% この水溶液をピツクアツプ70%でパツドし、ハ
イキング型スチーマで湿度100%RH、103℃で2
分間蒸熱処理した。次いでソーピング、水洗し
た。 第2工程として、実施例1に準じて処理した。
この織物は洗濯20回後でも実施例1と同様の結果
を得た。 比較例 9〜10 実施例1において、メラミン樹脂被膜形成後、
下記組成の後加工剤処理液を用い、ピツクアツプ
80%でパツドし、130℃で2分間乾熱処理し、さ
らにピンテンターで180℃で1分間乾熱処理した
(比較例9)。 メラミン樹脂(スミテツクレンジM−3:住友化
学社製) 0.3% アミノジメチルポリシロキサン 2.0% 吸水加工剤(SR−1000:高松油脂社製) 1.0% スミテツクスアクセレータACX(住友化学社製)
0.1% また、実施例1において、メラミン樹脂被膜形
成をしないで、直接、被処理織物に下記組成の処
理液をピツクアツプ80%でパツドし、ただちにハ
イキング型スチーマにより湿度100%R.H.、温度
105℃で3分間蒸熱処理した(比較例10)。 メラミン樹脂(スミテツクスレンジM−3:住友
化学社製) 7.0% 過硫酸アンモン 0.3% 制電性ウレタン樹脂(エバフアノールAS−1:
日華化学社製) 4.0% エバフアノールCS(触媒:日華化学社製) 0.4% 分散剤(メガフアツクF−833:大日本インキ社
製) 0.1% 得られた織物の制電性の耐久テストをした。耐
久性は洗濯20回での制電特性で比較した。 結果から明らかなようにメラミン樹脂被膜とウ
レタン系樹脂被膜との組合せが、メラミン樹脂と
ウレタン系樹脂との混合被膜との組合せやオルガ
ノポリシロキサン被膜より優れていることが確認
された。なお、メラミン樹脂とウレタン系樹脂と
の混合被膜は一部被膜破壊が発生しており、膜特
性が弱いことがわかつた。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 トリアジン環含有樹脂からなる被膜で被覆さ
    れた合成繊維の該被膜表面に、分子内に少なくと
    も1個の第4級アンモニウム塩基または/および
    ポリアルキレングリコール単位を有する制電性ウ
    レタン樹脂の被膜層を設けたことを特徴とする吸
    水・制電・防汚性を有する耐溶融性合成繊維。
JP57144871A 1982-08-23 1982-08-23 改質合成繊維 Granted JPS5936776A (ja)

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JPS5365492A (en) * 1976-11-17 1978-06-10 Dainichiseika Color Chem Fiber treating agent
JPS5653281A (en) * 1979-10-01 1981-05-12 Toray Industries Friction heat melting resistant fabric and method

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