JPH0159004B2 - - Google Patents
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- JPH0159004B2 JPH0159004B2 JP55001283A JP128380A JPH0159004B2 JP H0159004 B2 JPH0159004 B2 JP H0159004B2 JP 55001283 A JP55001283 A JP 55001283A JP 128380 A JP128380 A JP 128380A JP H0159004 B2 JPH0159004 B2 JP H0159004B2
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Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は石灰石スラリーと燃焼排ガスを接触さ
せることにより該排ガス中に含まれる亜硫酸ガス
を吸収除去する湿式脱硫方法に関するものであ
る。詳しくは、吸収塔で亜硫酸ガスを吸収し、PH
の低くなつたスラリーに空気を吹き込み、スラリ
ー中の亜硫酸根を酸化することにより脱硫性能を
向上させる方法に関する。
せることにより該排ガス中に含まれる亜硫酸ガス
を吸収除去する湿式脱硫方法に関するものであ
る。詳しくは、吸収塔で亜硫酸ガスを吸収し、PH
の低くなつたスラリーに空気を吹き込み、スラリ
ー中の亜硫酸根を酸化することにより脱硫性能を
向上させる方法に関する。
石灰石−石こう法による湿式脱硫プロセスは、
すでに確立されており、そのフローシートを第1
図に示す。吸収塔では石灰石スラリーと排ガスが
気液接触することにより、ガス中の亜硫酸ガスが
石灰石スラリーに吸収され、その後石灰石と反応
して亜硫酸カルシウムとなる。また、一部の亜硫
酸カルシウムは、排ガス中の酸素により吸収塔内
で一部酸化されて硫酸カルシウムとなる。従つ
て、スラリー中の固形成分は、石灰石、亜硫酸カ
ルシウム、及び硫酸カルシウムの混合物となつて
いる。吸収塔入口におけるスラリーのPHは通常6
前後であるが、吸収塔出口、即ち亜硫酸ガス吸収
後においてはPHはほぼ5〜4まで低下する。亜硫
酸ガス吸収後のスラリーは、循環タンクに導か
れ、ここで石灰石の溶解とともにPHが元の値に回
復した後、再び吸収塔に循環される。ここで、装
置の脱硫性能に大きな影響を及ぼすのが、吸収塔
に循環されるスラリーのPHである。前述したよう
に、スラリーは循環タンク内での石灰石の溶解に
よりPH6前後に調整されてから吸収塔に導かれる
が、このPHの微少な変化によつて、脱硫性能がか
なり大きく変動することが知られている。従来、
スラリーのPHを調整するのに、循環タンクの容量
を大きくしてタンク内でのスラリーの滞留時間を
長くする、あるいは石灰石を過剰に添加する等の
方法で対処されて来た。しかし、これらの方法で
は装置の建設費及び運転費が大きくなる、石灰石
の消費量が大きくなりラニングコストが高くな
る、あるいは処理排ガスの性状が変わつた場合に
適切な処置をするのがむずかしいと言う問題があ
つた。
すでに確立されており、そのフローシートを第1
図に示す。吸収塔では石灰石スラリーと排ガスが
気液接触することにより、ガス中の亜硫酸ガスが
石灰石スラリーに吸収され、その後石灰石と反応
して亜硫酸カルシウムとなる。また、一部の亜硫
酸カルシウムは、排ガス中の酸素により吸収塔内
で一部酸化されて硫酸カルシウムとなる。従つ
て、スラリー中の固形成分は、石灰石、亜硫酸カ
ルシウム、及び硫酸カルシウムの混合物となつて
いる。吸収塔入口におけるスラリーのPHは通常6
前後であるが、吸収塔出口、即ち亜硫酸ガス吸収
後においてはPHはほぼ5〜4まで低下する。亜硫
酸ガス吸収後のスラリーは、循環タンクに導か
れ、ここで石灰石の溶解とともにPHが元の値に回
復した後、再び吸収塔に循環される。ここで、装
置の脱硫性能に大きな影響を及ぼすのが、吸収塔
に循環されるスラリーのPHである。前述したよう
に、スラリーは循環タンク内での石灰石の溶解に
よりPH6前後に調整されてから吸収塔に導かれる
が、このPHの微少な変化によつて、脱硫性能がか
なり大きく変動することが知られている。従来、
スラリーのPHを調整するのに、循環タンクの容量
を大きくしてタンク内でのスラリーの滞留時間を
長くする、あるいは石灰石を過剰に添加する等の
方法で対処されて来た。しかし、これらの方法で
は装置の建設費及び運転費が大きくなる、石灰石
の消費量が大きくなりラニングコストが高くな
る、あるいは処理排ガスの性状が変わつた場合に
適切な処置をするのがむずかしいと言う問題があ
つた。
本発明は、上記の難点を解決し、広範囲の運転
条件下で安定した脱硫性能を有する石灰石−石こ
う法脱硫方法を提供することを目的とする。
条件下で安定した脱硫性能を有する石灰石−石こ
う法脱硫方法を提供することを目的とする。
本発明は二酸化硫黄を含有する燃焼排ガスを二
酸化硫黄吸収塔の下部より供給し、その上部より
供給された石灰石スラリーと接触させて前記排ガ
ス中より二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸
収した石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設け
られた循環タンクに供給し、該循環タンク底部近
傍の前記石灰石スラリーを撹拌し、該石灰石スラ
リーのPHを上昇させて前記循環タンクの下部より
取出し再び前記吸収塔に供給するとともに、前記
二酸化硫黄を吸収した石灰石スラリー中の石膏を
回収する脱硫方法であつて、前記循環タンク上部
において実質的に撹拌されない低PHの石灰石スラ
リー中に空気を供給して該石灰石スラリー中の亜
硫酸カルシウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを
上昇させることを特徴とする排煙脱硫方法にあ
る。
酸化硫黄吸収塔の下部より供給し、その上部より
供給された石灰石スラリーと接触させて前記排ガ
ス中より二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸
収した石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設け
られた循環タンクに供給し、該循環タンク底部近
傍の前記石灰石スラリーを撹拌し、該石灰石スラ
リーのPHを上昇させて前記循環タンクの下部より
取出し再び前記吸収塔に供給するとともに、前記
二酸化硫黄を吸収した石灰石スラリー中の石膏を
回収する脱硫方法であつて、前記循環タンク上部
において実質的に撹拌されない低PHの石灰石スラ
リー中に空気を供給して該石灰石スラリー中の亜
硫酸カルシウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを
上昇させることを特徴とする排煙脱硫方法にあ
る。
又、二酸化硫黄を含有する燃焼排ガスを二酸化
硫黄吸収塔の下部より供給し、その上部より供給
された石灰石スラリーと接触させて前記排ガス中
より二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸収し
た石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設けられ
たタンクを介して循環タンクに供給し、該循環タ
ンク底部近傍の前記石灰石スラリーを撹拌し、前
記循環タンクの下部より取出し再び前記吸収塔に
供給するとともに、前記二酸化硫黄を吸収した石
灰石スラリー中の石膏を回収する脱硫方法であつ
て、前記タンク内の低PH石灰石スラリー中に空気
を供給して前記石灰石スラリー中の亜硫酸カルシ
ウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを上昇させて
前記循環タンクに供給することを特徴とする排煙
脱硫方法にある。
硫黄吸収塔の下部より供給し、その上部より供給
された石灰石スラリーと接触させて前記排ガス中
より二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸収し
た石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設けられ
たタンクを介して循環タンクに供給し、該循環タ
ンク底部近傍の前記石灰石スラリーを撹拌し、前
記循環タンクの下部より取出し再び前記吸収塔に
供給するとともに、前記二酸化硫黄を吸収した石
灰石スラリー中の石膏を回収する脱硫方法であつ
て、前記タンク内の低PH石灰石スラリー中に空気
を供給して前記石灰石スラリー中の亜硫酸カルシ
ウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを上昇させて
前記循環タンクに供給することを特徴とする排煙
脱硫方法にある。
発明者等は、石灰石−石こう法脱硫方法に関す
る開発及び改良研究において、上記の問題点の原
因の解明とその対策法について鋭意検討した結
果、吸収塔入口におけるスラリーPHが脱硫性能に
影響を及ぼす原因は、スラリー中に脱硫生成物で
ある亜硫酸カルシウムが存在するためであること
が判明した。
る開発及び改良研究において、上記の問題点の原
因の解明とその対策法について鋭意検討した結
果、吸収塔入口におけるスラリーPHが脱硫性能に
影響を及ぼす原因は、スラリー中に脱硫生成物で
ある亜硫酸カルシウムが存在するためであること
が判明した。
亜硫酸根を全く含有しない水溶液に亜硫酸ガス
を吸収させる場合、水溶液中での亜硫酸の解離平
衡計算から、吸収液の初期のPHが約4〜6の間で
は、亜硫酸ガスの吸収速度はほとんど変化しない
ことがわかる。事実、2.84Nの塩酸水溶液による
亜硫酸ガスの吸収速度は、純水の場合とほとんど
変わらないと言う報告がある(S.Lynn et al、
Chem.Eng.Sci.、4(2)、49(1955))。しかるに、
実際の脱硫装置においては、吸収液のPHが6前後
であるにもかかわらず、脱硫性能、すなわち亜硫
酸ガスの吸収速度は吸収液の微少なPH変化により
第2図に示したように、大きく変動する。
を吸収させる場合、水溶液中での亜硫酸の解離平
衡計算から、吸収液の初期のPHが約4〜6の間で
は、亜硫酸ガスの吸収速度はほとんど変化しない
ことがわかる。事実、2.84Nの塩酸水溶液による
亜硫酸ガスの吸収速度は、純水の場合とほとんど
変わらないと言う報告がある(S.Lynn et al、
Chem.Eng.Sci.、4(2)、49(1955))。しかるに、
実際の脱硫装置においては、吸収液のPHが6前後
であるにもかかわらず、脱硫性能、すなわち亜硫
酸ガスの吸収速度は吸収液の微少なPH変化により
第2図に示したように、大きく変動する。
スラリー中の固形成分は、前述したように、石
灰石、硫酸カルシウム、及び亜硫酸カルシウムの
混合物となつており、その比率は運転条件により
異なるが、代表的なものとして、各々10%、20
%、70%である。この様に、吸収スラリー中には
亜硫酸カルシウムが大きな比率で存在している。
また、この亜硫酸カルシウムは、溶液中のカルシ
ウムイオンと亜硫酸イオンとの反応により生成す
るため、その粒径は小さく、石灰石の粒径の約1/
10〜1/20である。ここに、亜硫酸ガスの吸収を考
えて見るに、良く知られているように気液接触界
面付近に境膜が形成される。この時、接触面での
液のPHは著しく低下する。亜硫酸カルシウムの粒
子は徴小であり、この境膜内にも存在する。ま
た、亜硫酸カルシウムの溶解度は第3図に示した
ように、PHの低下により急激に増大する。かくし
て、境膜内のPH低下により、そこでの亜硫酸カル
シウムが溶解して、亜硫酸ガスの吸収平衡分圧を
高めるために、その吸収速度は低下する。
灰石、硫酸カルシウム、及び亜硫酸カルシウムの
混合物となつており、その比率は運転条件により
異なるが、代表的なものとして、各々10%、20
%、70%である。この様に、吸収スラリー中には
亜硫酸カルシウムが大きな比率で存在している。
また、この亜硫酸カルシウムは、溶液中のカルシ
ウムイオンと亜硫酸イオンとの反応により生成す
るため、その粒径は小さく、石灰石の粒径の約1/
10〜1/20である。ここに、亜硫酸ガスの吸収を考
えて見るに、良く知られているように気液接触界
面付近に境膜が形成される。この時、接触面での
液のPHは著しく低下する。亜硫酸カルシウムの粒
子は徴小であり、この境膜内にも存在する。ま
た、亜硫酸カルシウムの溶解度は第3図に示した
ように、PHの低下により急激に増大する。かくし
て、境膜内のPH低下により、そこでの亜硫酸カル
シウムが溶解して、亜硫酸ガスの吸収平衡分圧を
高めるために、その吸収速度は低下する。
以上が、種々検討した結果判明した脱硫性能の
低下原因であるこの問題の解決策としては、もは
や明らかなように、吸収スラリー中の亜硫酸カル
シウムを取り除くことである。しかし、スラリー
の固形分から亜硫酸カルシウムのみを分離するの
は困難であり、現実的ではない。そこで、発明者
らはスラリー中の亜硫酸カルシウムを酸化して硫
酸カルシウムと成すことによりこの問題を解決す
ることが出来た。
低下原因であるこの問題の解決策としては、もは
や明らかなように、吸収スラリー中の亜硫酸カル
シウムを取り除くことである。しかし、スラリー
の固形分から亜硫酸カルシウムのみを分離するの
は困難であり、現実的ではない。そこで、発明者
らはスラリー中の亜硫酸カルシウムを酸化して硫
酸カルシウムと成すことによりこの問題を解決す
ることが出来た。
亜硫酸カルシウムを酸化する方法は種々考えら
れる。最も簡単な方法はオゾンや過酸化水素など
の酸化剤を添加することであるが、経済上あまり
好ましくない。そこで発明者らは空気中の酸素に
より酸化する方法を考えた。水溶液中の亜硫酸カ
ルシウムの酸素酸化は、良く知られているよう
に、溶解した亜硫酸イオンと酸素による反応であ
り、その速度は、溶液のPHが低く、亜硫酸カルシ
ウムの溶解度が大きくなる程速い。前述したよう
に、吸収塔で亜硫酸ガスを吸収したスラリーは、
吸収塔出口でPH4〜5と低くなつている。従つ
て、このPHの低下したスラリーに空気を供給して
亜硫酸カルシウムを硫酸カルシウムに酸化するこ
とは効率の高い酸化が得られるが、この酸化によ
つてPHの高くなつた石灰石スラリーがPHの低い石
灰石スラリーに混入することはその部分でPHが高
くなつてしまうので、その中に空気を供給しても
効率の高い酸化ができなくなる。従つて、循環タ
ンク内で空気を供給する部分までスラリーを循環
させることはPHが高まり効率の高い酸化ができな
くなるので、循環タンクの空気を供給する部分に
はPHが高くなつた石灰石スラリーが混入しないよ
うに循環タンク内の循環を行うことにより、吸収
塔2で吸収した亜硫酸分を効率良く酸化出来る。
具体的には、後述する第4図に示したように、循
環タンク4手前に小型タンク14を設置し、吸収
塔を出た直後の液に例えばエジエクタ6等を用い
て空気と混合する。あるいは、第5図に示したよ
うに、循環タンク4上部に多孔板を設け、循環タ
ンク4内の撹拌器7による混合流を減衰させ、吸
収塔2を出た直後の液を一旦タンク上部に保留す
る型として、この液にエジエクタ6等により空気
と混合することにより酸化を行なう。いずれの図
においても攪拌器7は循環タンク4内の底部に設
けられ、水平方向の攪拌が行なわれるように設け
られる。従つて、循環タンク4内では、空気を吹
き込む部分にはPHの高い石灰石スラリーが直接混
合しないように循環される。
れる。最も簡単な方法はオゾンや過酸化水素など
の酸化剤を添加することであるが、経済上あまり
好ましくない。そこで発明者らは空気中の酸素に
より酸化する方法を考えた。水溶液中の亜硫酸カ
ルシウムの酸素酸化は、良く知られているよう
に、溶解した亜硫酸イオンと酸素による反応であ
り、その速度は、溶液のPHが低く、亜硫酸カルシ
ウムの溶解度が大きくなる程速い。前述したよう
に、吸収塔で亜硫酸ガスを吸収したスラリーは、
吸収塔出口でPH4〜5と低くなつている。従つ
て、このPHの低下したスラリーに空気を供給して
亜硫酸カルシウムを硫酸カルシウムに酸化するこ
とは効率の高い酸化が得られるが、この酸化によ
つてPHの高くなつた石灰石スラリーがPHの低い石
灰石スラリーに混入することはその部分でPHが高
くなつてしまうので、その中に空気を供給しても
効率の高い酸化ができなくなる。従つて、循環タ
ンク内で空気を供給する部分までスラリーを循環
させることはPHが高まり効率の高い酸化ができな
くなるので、循環タンクの空気を供給する部分に
はPHが高くなつた石灰石スラリーが混入しないよ
うに循環タンク内の循環を行うことにより、吸収
塔2で吸収した亜硫酸分を効率良く酸化出来る。
具体的には、後述する第4図に示したように、循
環タンク4手前に小型タンク14を設置し、吸収
塔を出た直後の液に例えばエジエクタ6等を用い
て空気と混合する。あるいは、第5図に示したよ
うに、循環タンク4上部に多孔板を設け、循環タ
ンク4内の撹拌器7による混合流を減衰させ、吸
収塔2を出た直後の液を一旦タンク上部に保留す
る型として、この液にエジエクタ6等により空気
と混合することにより酸化を行なう。いずれの図
においても攪拌器7は循環タンク4内の底部に設
けられ、水平方向の攪拌が行なわれるように設け
られる。従つて、循環タンク4内では、空気を吹
き込む部分にはPHの高い石灰石スラリーが直接混
合しないように循環される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。
る。
実施例
500Nm3/hのガス処理能力を有するパイロツ
トプラントにより本発明を確認した。吸収塔2は
内径700mmのスプレイ式吸収塔である。ガス中の
亜硫酸ガス濃度は約1000ppm、吸収塔2内でのガ
ス温度は55℃である。吸収液中の石灰石は吸収亜
硫酸ガス量に対し約5%過剰に添加した。循環タ
ンク4と吸収塔2の間に、第4図に示したように
循環タンク4と吸収塔2の間に小型タンク14を
設置し、エジエクタ6を用いて空気と混合する。
液の空気酸化を行なわない場合はこのタンク14
をバイパスして、液は直接循環タンク4に導かれ
る。酸化を行なわない場合、液ガス比15/N
m3、循環タンク4での滞留時間10分で、吸収液の
PHは6.0となり、脱硫率97%を得ることが出来る。
循環タンク4での滞留時間を短かくすることによ
り吸収液の定常PH値を下げることが出来るが、こ
のようにして、吸収液PHと脱硫率の関係を調べる
と第6図に示したように、吸収液PHの低下ととも
に脱硫率は急激に低下し、PH4.5付近になるとほ
ぼゼロとなる。このときのスラリー中固形分の組
成は石灰石12%、亜硫酸カルシウム69%、及び硫
酸カルシウム19%である。これに対し、液の酸化
を行なうと、第6図中破線で示した様にスラリー
のPHが変化しても脱硫率はほとんど変化しないこ
とが実証できた。このときのスラリー中固形分の
組成は、石灰石19%、亜硫酸カルシウム1%以
下、及び硫酸カルシウム80%であつた。ただし、
酸化に用いた空気量は100/分、酸化系の循環
液量は125/分である。即ち、第7図に示すよ
うに亜硫酸カルシウムの酸化率はスラリーのPHに
よつて急激に変化することが分る。PH5以下では
その酸化率はほぼ100%であるが、PHがそれより
高くなるにつれて徐々に酸化率が低下し、スラリ
ー中に亜硫酸カルシウムが残留することになり亜
硫酸ガスの吸収率が低下する。従つて、亜硫酸カ
ルシウムはできるだけPHの低い酸性の状態で酸化
してやることによつて高い酸化率が得られる結
果、高い亜硫酸ガスの吸収率が得られる。図は石
灰石スラリー15、亜硫酸カルシウム濃度0.5wt
%、空気吹込み量0.1Nm3/h、スラリー温度55
℃で行つたものを示したものである。
トプラントにより本発明を確認した。吸収塔2は
内径700mmのスプレイ式吸収塔である。ガス中の
亜硫酸ガス濃度は約1000ppm、吸収塔2内でのガ
ス温度は55℃である。吸収液中の石灰石は吸収亜
硫酸ガス量に対し約5%過剰に添加した。循環タ
ンク4と吸収塔2の間に、第4図に示したように
循環タンク4と吸収塔2の間に小型タンク14を
設置し、エジエクタ6を用いて空気と混合する。
液の空気酸化を行なわない場合はこのタンク14
をバイパスして、液は直接循環タンク4に導かれ
る。酸化を行なわない場合、液ガス比15/N
m3、循環タンク4での滞留時間10分で、吸収液の
PHは6.0となり、脱硫率97%を得ることが出来る。
循環タンク4での滞留時間を短かくすることによ
り吸収液の定常PH値を下げることが出来るが、こ
のようにして、吸収液PHと脱硫率の関係を調べる
と第6図に示したように、吸収液PHの低下ととも
に脱硫率は急激に低下し、PH4.5付近になるとほ
ぼゼロとなる。このときのスラリー中固形分の組
成は石灰石12%、亜硫酸カルシウム69%、及び硫
酸カルシウム19%である。これに対し、液の酸化
を行なうと、第6図中破線で示した様にスラリー
のPHが変化しても脱硫率はほとんど変化しないこ
とが実証できた。このときのスラリー中固形分の
組成は、石灰石19%、亜硫酸カルシウム1%以
下、及び硫酸カルシウム80%であつた。ただし、
酸化に用いた空気量は100/分、酸化系の循環
液量は125/分である。即ち、第7図に示すよ
うに亜硫酸カルシウムの酸化率はスラリーのPHに
よつて急激に変化することが分る。PH5以下では
その酸化率はほぼ100%であるが、PHがそれより
高くなるにつれて徐々に酸化率が低下し、スラリ
ー中に亜硫酸カルシウムが残留することになり亜
硫酸ガスの吸収率が低下する。従つて、亜硫酸カ
ルシウムはできるだけPHの低い酸性の状態で酸化
してやることによつて高い酸化率が得られる結
果、高い亜硫酸ガスの吸収率が得られる。図は石
灰石スラリー15、亜硫酸カルシウム濃度0.5wt
%、空気吹込み量0.1Nm3/h、スラリー温度55
℃で行つたものを示したものである。
以上述べて来たように、本方法により石灰石−
石こう法脱硫において吸収液スラリーのPH変化に
対し、安定した脱硫性能を得ることが出来るよう
になつた。また付随する効果として、第1図に示
した従来の装置では、酸化塔においてスラリー固
形分の約70%をしめる亜硫酸カルシウムを酸化す
るため、大容量の酸化塔が必要であつたが、本方
法により酸化塔を必要としなくなることが上げら
れる。
石こう法脱硫において吸収液スラリーのPH変化に
対し、安定した脱硫性能を得ることが出来るよう
になつた。また付随する効果として、第1図に示
した従来の装置では、酸化塔においてスラリー固
形分の約70%をしめる亜硫酸カルシウムを酸化す
るため、大容量の酸化塔が必要であつたが、本方
法により酸化塔を必要としなくなることが上げら
れる。
第1図は、石灰石−石こう法脱硫装置のフロー
シート、第2図は、脱硫性能の吸収液PH依存性を
示す線図、第3図は、亜硫酸カルシウム溶解度の
PH依存性を示す線図、第4,5図は、本発明の概
要を示すフローシート、第6図は、本発明による
方法と従来法による場合の脱硫性能の吸収液PH依
存性を示す線図、第7図は亜硫酸カルシウムの酸
化率とPHとの関係を示す線図である。 1……冷却塔、2……吸収塔、3……デミス
タ、4……吸収液循環タンク、5……多孔板、6
……エジエクタ、7……撹拌器。
シート、第2図は、脱硫性能の吸収液PH依存性を
示す線図、第3図は、亜硫酸カルシウム溶解度の
PH依存性を示す線図、第4,5図は、本発明の概
要を示すフローシート、第6図は、本発明による
方法と従来法による場合の脱硫性能の吸収液PH依
存性を示す線図、第7図は亜硫酸カルシウムの酸
化率とPHとの関係を示す線図である。 1……冷却塔、2……吸収塔、3……デミス
タ、4……吸収液循環タンク、5……多孔板、6
……エジエクタ、7……撹拌器。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 二酸化硫黄を含有する燃焼排ガスを二酸化硫
黄吸収塔の下部より供給し、その上部より供給さ
れた石灰石スラリーと接触させて前記排ガス中よ
り二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸収した
石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設けられた
循環タンクに供給し、該循環タンク底部近傍の前
記石灰石スラリーを撹拌し、該石灰石スラリーの
PHを上昇させて前記循環タンクの下部より取出し
再び前記吸収塔に供給するとともに、前記二酸化
硫黄を吸収した石灰石スラリー中の石膏を回収す
る脱硫方法であつて、前記循環タンク上部におい
て実質的に撹拌されない低PHの石灰石スラリー中
に空気を供給して該石灰石スラリー中の亜硫酸カ
ルシウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを上昇さ
せることを特徴とする排煙脱硫方法。 2 二酸化硫黄を含有する燃焼排ガスを二酸化硫
黄吸収塔の下部より供給し、その上部より供給さ
れた石灰石スラリーと接触させて前記排ガス中よ
り二酸化硫黄を吸収し、該二酸化硫黄を吸収した
石灰石スラリーを前記吸収塔の下部に設けられた
タンクを介して循環タンクに供給し、該循環タン
ク底部近傍の前記石灰石スラリーを撹拌し、前記
循環タンクの下部より取出し再び前記吸収塔に供
給するとともに、前記二酸化硫黄を吸収した石灰
石スラリー中の石膏を回収する脱硫方法であつ
て、前記タンク内の低PH石灰石スラリー中に空気
を供給して前記石灰石スラリー中の亜硫酸カルシ
ウムを硫酸カルシウムに酸化し、PHを上昇させて
前記循環タンクに供給することを特徴とする排煙
脱硫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP128380A JPS56100621A (en) | 1980-01-11 | 1980-01-11 | Improvement of performance of stack gas desulfurization apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP128380A JPS56100621A (en) | 1980-01-11 | 1980-01-11 | Improvement of performance of stack gas desulfurization apparatus |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56100621A JPS56100621A (en) | 1981-08-12 |
JPH0159004B2 true JPH0159004B2 (ja) | 1989-12-14 |
Family
ID=11497119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP128380A Granted JPS56100621A (en) | 1980-01-11 | 1980-01-11 | Improvement of performance of stack gas desulfurization apparatus |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56100621A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6058230A (ja) * | 1983-09-09 | 1985-04-04 | Babcock Hitachi Kk | 排煙脱硫方法および装置 |
JPH0773657B2 (ja) * | 1986-08-07 | 1995-08-09 | 三菱重工業株式会社 | 湿式排煙脱硫方法 |
-
1980
- 1980-01-11 JP JP128380A patent/JPS56100621A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56100621A (en) | 1981-08-12 |
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