JPH0158977B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電気掃除機の吸込口体に関するも
のである。

まず、従来の一般例を第１図ないし第５図に示
す。１は電気掃除機で、その集塵部２には吸込ホ
ース３と延長管４とが順次接続され、この延長管
４に接続される回転管５を回転自在に保持する本
体ケース６が設けられている。この本体ケース６
は前記回転管５とバンパ７とを挾み込みつつ上ケ
ース８と下ケース９とを組立てたものである。前
記本体ケース６の内部は、互いに上下の関係で縁
接合する仕切壁１０，１１，１２を下ケース９と
上ケース８とに形成することにより、ブラシ室１
３と吸込風路１４と伝動室１５とに仕切られてい
る。ブラシ１３の底は床面に向けて開口され、内
部にはブラシ１６が回転自在に収納され、前記吸
込風路１４に収納したタービン１７とブラシ１６
とは前記伝動室１５においてベルト１８により連
結されている。そして、前記仕切壁１０には前記
ブラシ室１３と前記吸込風路１４とを連通する連
風孔１９，２０が形成されている。一方の通風孔
１９は小さく吸込気流を絞つて前記タービン１７
に吹き当てるものであり、他方の通風孔２０は大
きく吸込気流を絞らずにタービン１７を迂回して
前記回転管５に向わせるものである。

ついで、仕切壁１０には開閉板２１がスライド
自在に設けられている。この開閉板２１の操作部
２２は前記下ケース９に形成したガイドリブ２３
にスライド自在に保持され、操作部２２のつまみ
２４は上記上ケース８に形成した窓２５から突出
されている。操作部２２には突起２６が形成さ
れ、この突起２６と弾発的に係合する凹部２７，
２８を有する板２９が前記下ケース９に取付けら
れている。

したがつて、絨毯を掃除する場合には、操作部
２２を外側へ引いて突起２６を一方の凹部２７に
係合し、開閉板２１により大きい通風孔２０を閉
じて掃除する。すなわち、吸込気流は通風孔１９
に絞られて吸い込まれ、タービン１７は風速の早
い吸込気流により駆動されてブラシ１６とともに
回転し、ブラシ１６は絨毯の毛足に付着する細塵
を遊離させて吸塵作用を促進する。

絨毯以外の硬質の床は回転するブラシ１６によ
り細かい傷がつくのでブラシ１６の回転を止め
る。すなわち、操作部２２を中央寄りにスライド
して突起２６を凹部２８に係合する。これによ
り、開閉板２１により通風孔１９を閉じ、大きい
通風孔２０を開く。したがつて、吸込気流はあま
り絞られず風速が弱まり、しかもタービン１７を
迂回して流通するので、タービン１７は駆動され
ない。

しかしながら、第４図に示すように、つまみ２
４は上ケース８から上方へ突出していることによ
り家具等に当接してスライドする恐れがある。ま
た、突起２６が二つの凹部２７，２８間に位置し
て止ることがあり、この状態は外力を与えない限
り突起２６が凹部２７，２８に係合することはな
い。すなわち、第５図に示すように開閉板２１は
位置が定まらず、絨毯を掃除する場合でも通風孔
２０が開きタービン１７及びブラシ１６の回転効
率が低下したり、逆に硬質の床を掃除する場合に
通風孔１９が開きブラシ１６を回転させて床に傷
をつけたりする恐れがある。また、糸屑等がその
両端が通風孔１９，２０に吸込まれて開閉板２１
に引掛ける問題も生じてくる。さらに、ブラシ１
６を駆動する必要性がないのに通風孔１９を開く
と、風速が高まりタービン１７に吸気流が吹き当
てられるので吸込騒音も大きくなる欠点を有して
いる。

この発明は上述のような点に鑑みなされたもの
で、開閉板を安定状態で望みの切換位置に固定
し、使用目的にかなつた正しい操作を簡単に行い
うる電気掃除機の吸込口体をうることを目的とす
るものである。

この発明は、床面上を走行する本体ケースに、
負圧状態となる集塵部に接続されるとともにター
ビンを位置させる吸込風路と、前記タービンに連
結されるブラシを収納する下面開口のブラシ室と
を仕切壁により仕切つて形成し、この仕切壁に前
記タービンに対面する吹付通風孔と前記タービン
に対面しない迂回通風孔とを形成し、前記本体ケ
ースに前記迂回通風孔を開閉する開閉板を前記迂
回通風孔の開位置と閉位置との間をスライドする
とともにスライド方向に付勢して設け、前記本体
ケースに前記開閉板の一部に係合してその開閉板
をその付勢方向とは逆位置に保持する係止部を設
けたことを特徴とするものである。したがつて、
風速調節板は係止部で係止されていない場合には
一方向に付勢されていることによりその係止部と
逆方向に移動するものであり、これにより、風速
調節板の位置は迂回通風孔を開放しているか閉塞
しているかのいずれかであり、ブラシを駆動する
状態とブラシを駆動しない状態とに確実に切り替
えることができるように構成したものである。

この発明の一実施例を第６図ないし第９図に基
づいて説明する。第１図ないし第５図に基づいて
示した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省
略する。下ケース９の仕切壁１０には吸込気流を
絞つてタービン１７に吹き当てる吹付通風孔とし
ての小さな通風孔１９と、吸込気流をあまり絞ら
ずにタービン１７を迂回させて回転管５に向けて
流通せる迂回通風孔としての大きな通風孔３０と
が形成されている。しかして、この通風孔３０を
開閉することにより全体の吸込気流を選択的に絞
つて風速及び風路を調節する開閉板３１が前記仕
切壁１０に沿つてスライド自在に設けられてい
る。この開閉板３１の操作部２２は下ケース９に
形成したガイドリブ２３にスライド自在に保持さ
れ、つまみ２４は上ケース８に形成した窓２５か
ら突出しているが上ケース８の上面以内の突出量
に定められている。また、窓２５の両端はつまみ
２４に当接して前記開閉板３１のストロークを定
めるストツパ３２，３３とされている。

しかして、前記開閉板３１はブラシ室１３と吸
込風路１４との間の風路面積を縮小する方向（本
体ケース６の上央寄り）に付勢されている。すな
わち、第９図に示すように前記操作部２２に形成
した支片３４と前記下ケース９に立設した支柱３
５とに引張バネ３６が張設されている。さらに、
操作部２２に一体成型した可撓係止爪３７に弾発
的に係合して前記開閉板３１を付勢力に抗してス
トツパ３２側に保持する係止部３８が前記下ケー
ス９の底から立設されている。この可撓係止爪３
７と係止部３８との係合力は前記引張バネ３６の
最大撓み時の張力より大きく定められている。

このような構成において、絨毯を掃除する場合
はつまみ２４を引張バネ３６の張力の作用する方
向に押してやることにより、可撓係止爪３７が弾
性的に口撓しつつ係止部３８から外れ、開閉板３
１は引張バネ３６の力によりスライドし、つまみ
２４がストツパ３３に当接する正規の切換位置で
静止し、第６図のように通風孔３０が閉じられ
る。この状態では、つまみ２４の突出高さが低く
家具等に触れる恐れが解消されるとともに開閉板
３１が引張バネ３６の力に付勢されストツパ３３
に当接する正規の切換位置に安定することによ
り、通風孔３０を確実に閉止する状態を維持し、
小さい方の通風孔１９により吸込気流を絞り風速
を高めてタービンを効率よく駆動することができ
る。

絨毯以外の硬質床を掃除するときは、つまみ２
４を引張バネ３６の力に抗して引き、可撓係止爪
３７を係止部３８に弾発的に係合させる。この状
態では開閉板３１は第７図及び第８図に示すよう
に大径の通風孔３０が全開する正規の切換位置に
安定する。これにより、吸込気流の大半は通風孔
３０から緩やかにタービン１７を迂回して吸込ま
れる。一部の吸込気流が通風孔１９からも吸込ま
れるが風力が弱いのでタービンを駆動する力はな
い。

この発明は上述のように構成したので、風路面
積を可変する開閉板を、係止部により保持して一
方の切換位置に安定させるとともに付勢力の作用
するままに他方の切換位置に安定させることがで
き、これにより、風路面積を広げてタービン及び
ブラシを駆動しない使い方と風路面積を狭めてタ
ービン及びブラシを駆動する使い方とに確実に切
換えることができ、タービン駆動時は開閉板によ
り風路を絞つた状態を維持して回転効率を高め、
絨毯の吸塵作用を促進することができる等の効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す全体を縮小した側面図、
第２図はその本体ケースの一部を切欠した斜視
図、第３図はその下ケースの平面図、第４図はそ
の第３図のＡ−Ａ線部において断面して本体ケー
スの一部を示した縦断正面図、第５図はその本体
ケースの一部を切欠して示した斜視図、第６図は
この発明の一実施例を示す本体ケースの一部を切
欠した斜視図、第７図はその一方の通風孔を開い
た状態の本体ケースの一部を切欠した斜視図、第
８図はその下ケースの平面図、第９図はその第８
図のＢ−Ｂ線部において断面して本体ケースの一
部を示した縦断正面図である。 ２……集塵部、６……本体ケース、１０……仕
切壁、１３……ブラシ室、１４……吸込風路、１
６……ブラシ、１７……タービン、１９……通風
孔（吹付通風孔）、３０……通風孔（迂回通風
孔）、３１……開閉板、３８……係止部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床面上を走行する本体ケースに、負圧状態と
   なる集塵部に接続されるとともにタービンを位置
   させる吸込風路と、前記タービンに連結されるブ
   ラシを収納する下面開口のブラシ室とを仕切壁に
   より仕切つて形成し、この仕切壁に前記タービン
   に対面する吹付通風孔と前記タービンに対面しな
   い迂回通風孔とを形成し、前記本体ケースに前記
   迂回通風孔を開閉する開閉板を前記迂回通風孔の
   開位置と閉位置との間をスライドするとともにス
   ライド方向に付勢して設け、前記本体ケースに前
   記開閉板の一部に係合してその開閉板をその付勢
   方向とは逆位置に保持する係止部を設けたことを
   特徴とする電気掃除機の吸込口体。 ２ 迂回通風孔を閉塞する方向に開閉板を付勢し
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   電気掃除機の吸込口体。