JPH0156164B2 - - Google Patents

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JPH0156164B2
JPH0156164B2 JP56187801A JP18780181A JPH0156164B2 JP H0156164 B2 JPH0156164 B2 JP H0156164B2 JP 56187801 A JP56187801 A JP 56187801A JP 18780181 A JP18780181 A JP 18780181A JP H0156164 B2 JPH0156164 B2 JP H0156164B2
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JP
Japan
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polymer
liquid crystal
fibers
molten liquid
spinning
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JP56187801A
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JPS5891811A (ja
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Takashi Fujiwara
Hideo Kasatani
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、溶融液晶形成性重合体の紡糸方法に
関するものであり、更に詳しくは、溶融液晶形成
性重合体から、太さむら等のない均質な繊維を得
る方法に関するものである。 液晶形成性重合体として2種類知られている。
その1つは、例えばパラ配向性の全芳香族ポリア
ミドのように、溶剤に溶解したときその濃厚溶液
において所謂リオトロピツク液晶を形成するもの
である。このタイプの液晶を利用して紡糸した繊
維は一部商業生産化されている。もう1つのタイ
プは、溶剤が実質的に存在しない条件下に高温に
溶融したとき液晶を示すもので、このような溶融
液晶形成性の重合体として、ポリエステル(例え
ば、特開昭49−72393号公報、特開昭50−43223号
公報、特開昭55−106220号公報、特公昭55−
20008号公報など)やポリアゾメチン(例えば、
特開昭51−138800号公報)などが知られている。
後者のタイプの重合体を繊維化することについて
も上記の公報等に開示されていて、紡糸したまま
で高配向かつ高ヤング率の繊維が得られること及
び紡糸したままの繊維を熱処理することにより高
強度化しうることなども知られている。また、後
者のタイプに重合体から繊維を製造する場合、前
者のタイプの場合に比べ溶剤を使用しなくてよい
ために、相対的に安価に製造できる可能性があり
かつ溶剤の取扱いにより派生する安全上及び環境
上の制約がないなどの望ましい特徴を有してい
る。 溶融液晶形成性重合体及びその繊維のもつこの
ような好ましい特徴にもかかわらず、未だ商業的
規模での生産が行なわれていない原因は種々ある
が、その1つに、液晶のもつ大きな非ニユートン
粘性に起因すると思われる繊維の糸長方向への太
さのむら及びそれに関連する繊維諸物性のバラツ
キをあげることができるよう。 本発明者らは、溶融液晶形成性重合体の溶融紡
糸時に起るこのような問題点の解決を図るべく研
究を重ねた結果、溶融液晶を押出したのち、一旦
液体層を特別な条件に通過させることが有効であ
ることを見出し、更にこのような手段を加味した
紡糸によつて得られた繊維は紡孔直下の糸条部に
伸長応力が集中的に付加され、かつ急速に冷却さ
れることによると考えられる非常に高い強度を有
しているという知見を得て、本発明を完成するに
至つたものである。 即ち、本発明は、溶融液晶形成性重合体を溶融
紡糸するにおいて、溶融液晶状態の重合体を空気
中に押出して重合体流を伸長し、ついで150℃以
下液体層を通過させることによつて該重合体流の
温度を少なくとも30℃低下させて、該重合体流が
捲取りまでの間に実質的に伸長変形をおこさない
程度にまで固化させたのち捲取ることを特徴とす
る紡糸方法である。 本発明に用いられる溶融液晶形成性重合体と
は、加熱して融解又は流動化したとき光学的に異
方性の相(液晶相)を形成しうる重合体を指し、
溶融液晶を形成しているか否かは、例えば特公昭
55−20008号公報に記載された方法で決めること
ができる。溶融液晶形成性重合体としては、例え
ば、特開昭49−72393号公報、特開昭50−43223号
公報、特開昭55−106220号公報、特公昭55−
20008号公報等に記載されたポリエステル、特開
昭51−138800号公報に記載されたポリアゾメチ
ン、ジヤーナル オブ ポリマーサイエンス ポ
リマー レター エデイシヨン 第13巻第455頁
(1975年)等に記載されたポリエステルアゾメチ
ルなどを挙げることができる。ただし、本発明に
用いられる溶融液晶形成性重合体はこれらの引用
文献に記載された重合体に限定されるものではな
く、上記定義にあてはまる性質を有しているもの
であればどのような化学組成のものでもよい。 本発明において溶融液晶形成性重合体は溶融紡
糸されるべきである。即ち、溶融液晶形成性重合
体を、加熱して融解又は流動化して溶融液晶状態
とし、溶剤を全く又は実質的に加えることなく、
紡孔より押出す。溶剤を用いた重合体系における
液晶の紡糸については、例えば特開昭47−39458
号公報に記載されているが、前述した通り、溶剤
の使用に伴なう諸種の不利な点があり、本発明の
分野と異なるものである。 溶融紡糸を安定的に実施する上で、溶融液晶形
成性重合体が、200〜450℃の間にいわゆる流れ温
度をもつているのが望ましく、より好ましくは
250〜350℃の間にあるときである。ここで、流れ
温度とは、該温度以上で該重合体が流動化する
(つまり固定から溶融液晶に転移する)温度のこ
とを指し、いわゆる結晶性の重合体(例えば共重
合性の程度の少ないポリエステル)では融点をも
つているのでこの融点と一致することが多いが、
非晶性の重合体の場合、熱分析法その他では明確
な融点が確認できないにもかかわらず、加熱下に
観察すると明らかに流動化しはじめる温度の存在
することが認められ、その場合、この温度を指
す。 本発明の溶融紡糸を行なうにあたつて、溶融液
晶形成性重合体は、分子量が約1000以上の完全に
又は実質的に線状の重合体であることが高配向の
繊維を得る上で好ましい。より好ましくは分子量
が約3000以上である。 溶融紡糸を行なうための押出し装置は、ナイロ
ンやポリエチレンテレフタレート繊維を製造する
ために用いられてきた通常のものを使用すること
ができる。 押出し装置中において、流れ温度又はそれ以上
の温度に加熱されて、溶融液晶となつた重合体
は、紡孔より空気中に押出される。紡孔下の空気
は、もし必要ならば窒素等の不活性ガスで部分的
に、又はほぼ完全に置換されていてもよいし、温
度調整のための紡孔下空気の加熱又は冷却用の装
置上の工夫がされていてもよい特に、加熱のため
の筒を用いることは、製糸性を向上させる上で好
ましい。 空気層を通過する重合体流は、ここでほぼ全面
的に伸長変形をうける。つまり、紡孔と液体層の
間の比較的短い空気層中において、紡糸ドラフト
(空気中への押出し線速度に対する捲取速度の比)
に対応する伸長変形をほぼ全面的にうけて、他の
工程部分では殆んど伸長されないことが、本発明
の方法による効果を発揮する。例えば得られる繊
維の太さのムラを小さくする上で肝要である。 空気層を通過して伸長をうけた重合体流は、次
いで150℃以下に保持された液体層中に導入され
る。紡孔から液体層までの長さ、つまり空気層の
長さは、約1cm〜1mが好ましく用いられ、この
とき本発明の効果、即ち得られる繊維の太さのム
ラを小さくすることが容易である。作業性や安定
生産性を加味することにより望ましくは約5cm〜
70cmの長さである。 液体層に用いる液体は、溶融液晶形成性重合体
に対し不活性な液体であればどのようなものでも
よいが、取扱い性などから、水、エチレングリコ
ール、メタノールやこれらの混合物が好ましく用
いられ、中でも水が最も好ましい。 液体層の温度は150℃以下であるべきである。
何故なら、液体層を通過させることによつて、重
合体流の温度を少なくとも30℃低下させて、該重
合体流が捲取りまでの間に実質的に伸長変形をお
こさない程度にまで固化することが要請され、こ
れによつて本発明の効果が発揮されるからであ
る。なお、本発明の効果を十二分に発揮するとい
う観点からは、重合体の押出し温度よりも少なく
とも100℃低い温度が望ましいであろうし、また、
工業的な実施を行なうにあたつては、用いた液体
の蒸発性から上限が決められることもあろう。例
えば、代表的に用いられる水の場合5〜80℃が好
ましい。液体層の温度の下限は臨界的ではなく、
例えば、必要ならば、ドライアイス−メタノール
系や液体窒素での極低温の液体をつくりこれを液
体層として利用してもよいが、通常の場合そのよ
うな特別な工夫を要しないだろう。なお、液体層
として温度や液体の種類の異なる2つ以上のもの
を重ねて用いてもよい。 重合体流が液体層中を通過する間に、重合体流
の温度が少なくとも30℃低下するように選ばれる
が、これによつて従来公知のいわゆる油剤付与工
程と区別されるであろう。つまり、油剤付与工程
においては油剤と重合体(流)との間には実質的
に熱の出入りは存在しない。液体層中において重
合体流が温度にして少なくとも30℃冷却されるこ
とは、重合体が融点又は流れ温度附近以上の温度
で分子鎖がいわゆるブラウン運動又は/及びミク
ロブラウン運動し易い状態からこれらの運動が実
質的に凍結されてしまう温度にまで冷却されるこ
とと関連していると理解できる。そして、液体層
に突入する前の状態に対応するであろう前者の状
態では重合体流は伸長応力をうけたとき伸長変形
をうけるが、液体層を出る以後の状態に対応する
であろう後者の状態では重合体は伸長応力をうけ
てももはや実質的に伸長変形をおこさないであろ
う。このような観点から、本発明の効果をより一
層特徴的に発揮するのは、液体層中で重合体流が
50℃以上冷却されたときであり、更に望ましくは
80℃以上冷却されたときである。 溶融液晶性重合体の溶融紡糸法として、従来知
られている方法は、空気中に重合体を紡孔から押
出し、そのまま捲取る方法である。この場合、押
出された重合体流が流れ温度よりも高い温度で空
気中を通過する距離が大きく溶融液晶のもついわ
ゆるチキソトロピツクな非ニユートン粘性により
紡孔下で伸長細化を大きくうける部分と少ない程
度にしかうけない部分とが拡大再成長することに
起因して、得られる繊維がその長さ方向に太さの
ムラをもつている現象が見られた。これに対し、
重合体を空気中に押出したのち特別の条件下に液
体層を通過させる本発明の方法においては、熱容
量の大きい液体で効果的に重合体流が冷却固化さ
れるためか、上記の如き繊維の長さ方向の太さの
ムラは殆んど存在しない。また、繊維の太さのム
ラが解消されたことにより、引張強度(以下単に
強度という。)も向上する。何故なら、太さムラ
のある繊維の場合、強力を規制するのは、最も細
い部分であり、この強力を平均の太さで除した商
が強度であるからである。 本発明の方法は、更に、別のいわば本質的な面
からも繊維の機械的性質を向上させていると考え
られる。即ち、本発明の方法においては、重合体
流が液体層で急速かつ効果的に冷却固化されるた
め、重合体流にかけられる伸長応力による伸長変
形が空気中を走行する重合体流の部分にほぼ集中
し、これによつて重合体鎖の配向緩和が殆んどお
こることなく固化すること及び固化がほぼ完全な
形で終了することなどの好ましい作用を生み出
し、高強度、高ヤング率などの望ましい特徴をも
つた繊維を結果するのである。 液体層を保持する装置としては、液体を単に収
容した容器を用いてもよいが、好ましくは、特開
昭47−39458号公報の第1図の如きいわゆる流管
式斗である。溶融液晶性重合体の溶融紡糸の場
合約200m/分以上の高い速度で紡糸することが、
望ましい性質を有する繊維を得る上で好ましい
が、流管式斗中に保持した液体層を用いたとき
は、流体が重合体流とともに流れやすくまた液体
を重合体流から分離しやすいためか重合体流に付
加される抵抗力が小さく、高い速度での紡糸が円
滑に行なえるからである。また、極めて高い紡糸
速度にしても、繊維の表面が損傷をうけたりする
ことが、殆んどないという追加の利点を有する。 ここで、特開昭47−39458号公報に開示された
如き湿式紡糸における空間吐出後湿式凝固法と、
本発明の方法との違いを明らかにするのが望まし
いと思われる。空中吐出湿式紡糸における液体層
の役割は、凝固つまり糸条物中に含まれている溶
剤の抜きとりにあるのであり、一般に糸条物を冷
却する役割を有しない。一方、本発明の方法の場
合、溶融紡糸であるから液体の役割は冷却を効率
的かつ急速に行なう点にあり溶剤の抜きとりは全
く存在しない。また、例えば、特開昭47−39458
号公報の方法の目的は繊維の長さ方向の太さのム
ラの解消にあるなどということは無関係と考えら
れ、このような発明の目的の点においても本発明
の方法とは異なつている。 別の液体層として、細孔や細いスリツトから噴
霧又は柱状に吐出された「液体層」を挙げること
が出来る。なお、このときは、重合体流の冷却を
効果的に行なうために、液体物質の全部が気化し
ていては不可で、少なくとも一部は液状で存在し
ているべきである。 一方、汎用の重合体例えばナイロンやポリエチ
レンテレフタレートの溶融紡糸において、特に太
い径を有する繊維を製造する場合に、水等の冷却
バスを用いることが知られている。しかし、この
場合、空気等による冷却では単に効率が悪いとい
う理由に基づくものであつて、本発明の溶融液晶
形成性重合体が固有する極度の非ニユートン性に
より発生する繊維の長さ方向の太さムラの解消に
役立てるという技術思想とは無縁のものである。 液体層を通過することによつて冷却固化された
繊維を、必要ならば方向を変えるためのビンやロ
ーラーを介したのち、また必要ならば付着した液
体を取除いたり各種の油剤等を付与したのち、捲
取る。捲取速度は、通常の溶融紡糸だ行なわれて
いる約200m/分以上で実施されてよい。ただし、
紡糸と液体層の間の空間を走行する重合体流に比
較的大きい伸長変形を加えることが、本発明の溶
融液晶形成性重合体から成る繊維について捲取つ
たままで高配向にして高制度高ヤング率にする上
で好ましいので、捲取速度を約300〜1000m/分
又はそれ以上の大きさにするのが望ましい。この
ような高速で捲取る場合には、前記したように流
管式斗を採用するのが好都合である。なお、紡
孔と液体層の間の空間を走行する重合体流に付加
される伸長応力は、より正確には、紡孔から空気
中への押出し線速度に対する捲取速度の大きさが
関連しており、この点から、この大きさが5以上
になるように設定するのが好ましい。空気中への
押出し線速度に対する捲取速度の大きさを10以上
にすると更に好ましい高配向の捲取糸が得られ
る。 本発明の溶融液晶形成性重合体からなる繊維は
捲取つたままの状態で高配向、高強度、高ヤング
率であるためそのまま利用できる。特に本発明の
方法を駆使して得た繊維は、紡孔直下の重合体流
に伸長変形が集中的に付加されたため、従来の方
法で溶融液晶形成性重合体から紡糸されたままの
繊維に比べ強度が一段と向上しているため、捲取
つたままの繊維で利用できる用途が広いという特
徴をもつている。しかし、もし望むられば、捲取
つた繊維を窒素などの不活性雰囲気中又は真空中
で加熱処理して重合度を高めることによつて更に
高強度化できる。このとき、一般に、無緊張下又
は緊張下に行なわれる。 本発明の方法で紡糸するにおいて、各種の工程
で、艶消し剤、紫外線安定剤、熱安定剤、滑剤、
融着防止剤等々の添加物が付加されてよい。 本発明の方法で得られる繊維の特徴は次の通り
である。第1に、紡糸したままの状態で高強度、
高ヤング率であり、これらは溶融液晶形成性重合
体を従来公知の方法で紡糸して得た繊維に比べて
一層改良されている。また、熱処理により、紡糸
したままの繊維の強度を更に向上できる。第2
に、繊維の長さ方向の太さのムラが殆んどなく、
均質である。これに対し、溶融液晶形成性重合体
から従来公知の方法で紡糸された繊維は、繊維の
長さ方向の太さのムラが大きく、またこの事実に
関連して、繊維の長さ方向及びマルチフイラメン
トの場合には単繊維間の強伸度特性のバラツキが
大きい。第3に、本発明の方法で紡糸された繊維
は、構造が緻密で半径方向内での構造の乱れの分
布が小さいためか耐疲労性(繰り返しの伸長及び
圧縮応力がかかつたり繊維の横方向からの応力が
かかつたりしたときの強度の保持寿命)が大きい
という特徴も見出された。更に付言するならば、
特に液体層として水を使用したときは、繊維の耐
熱安定性をすぐれていることも見出された。 本発明の方法で得られた繊維の上記の如き好ま
しい特徴は、特に産業資材用途に使用されたとき
十二分に発揮される。具体的な用途としては、タ
イヤコードやベルト類、ホース等の補強材などゴ
ムの補強用繊維、プラスチツクス等の補強材、ケ
ーブルやロープ、防護服、摩擦部材などに好まし
く用いられる。 以下、本発明を実施例によつて更に詳しく説明
する。本発明はこれら実施例に限定される訳では
ない。 実施例1及び比較例 特開昭55−106220号公報に記載の実施例1に従
い、溶融液晶形成性ポリエステルを得た。ただ
し、重合のサイズは10倍にして行なつた。特開昭
55−106220号公報の記載と同じ方法及び条件で測
定した固有粘度()と融点(このポリマーの場
合流れ温度と一致する。)は、各々、2.56、275℃
であつた。また、融点以上の温度で、光学異方性
をもつていることが、ホツトステージ付の偏光顕
微鏡で確認された。重合したポリエステルは、粉
砕機で粉砕し、ヒゲ状の粉粒体として紡糸に供用
した。 ポスエステル粉砕体を、直径25mmのスクリユウ
を備えた押出機に供給して300〜310℃に溶融し、
直径0.25mmの孔を28個有する紡孔より下方に約
8.4m/分の線速度を押出した。比較例1の場合
は、紡孔の下方約3mの位置のピンで繊維を変向
させて捲取つたが、本発明の実施態様を示す実施
例1においては、紡孔とピンの間に水を満たした
流管式斗を紡孔面の約5cm下にその液面がくる
ように設置し、紡孔より押出され、240℃以上の
温度で走行させた重合体流を、流管式斗内の水
の中を走行させ冷却固化させたのち、流管式斗
下方のピンにより水を分離しつつ変向させて捲取
つた。 流管式斗はガラス製で、斗部の直径は50mm
のものを用いた。流管式斗に満した水の表面が
できるだけ乱れないように水の供給量と走行する
繊維とともに走行して流出する水の量とのバラン
スをとるようにした。水の温度は室温と一致させ
た。 実施例1において、紡孔と流管斗中の水面と
のきよりR及び捲取速度Vtを変化させて紡糸し
た。それらの条件及び結果を比較例1とともにま
とめて表1に示す。表1において、強伸度特性値
及びデニールはJIS規格にもとづいて、全て10点
のマルチフイラメントサンプルについて測定した
値の平均値を示すものであり、表1のかつこ内の
数値は、10点の測定値のバラツキの範囲つまり最
大値と最小値の差を表わしたものである。 表1の結果より、本発明の方法即ち紡孔から吐
出した重合体流を一旦流管斗内の水で冷却した
のち捲取る方法で紡糸した繊維は、空気による冷
却のみで捲取つた繊維に比べ、デニールのバラツ
キが小さく繊維の太さのムラが小さいこと、強度
が大きい上にそのバラツキも小さいことなどがよ
みとれる。 また、実施例1−3で得られた繊維と、比較例
1で得られた繊維とを、各々、ステンレス製のボ
ビンに捲いて、窒素気流下に熱処理した。熱処理
は、まず210℃で5時間行なつたあと240℃で5時
間行なつた。熱処理後の繊維の特性は表2に示す
通りであつた。
【表】
【表】
【表】 測定における最大値と最小値の差を示す。
実施施例2及び比較例2 特開昭49−72393号公報に記載の実施例1に準
じて、液晶形成性ポリエステルを調製した。即
ち、固有粘度(;同公報記載の方法及び条件で
測定。)が0.85のポリエチレンテレフタレート4
モル部とパラアセトキシ安息香酸6モル部との混
合物から共重合化を行ない、固有粘度0.91のポリ
エステルをチツプ状で得た。このポリエステル
は、融点(流れ温度と一致。)が約250℃であり、
この温度より高い温度において光学異方性を示し
た。 ポリエステルチツプを、直径25mmのスクリユウ
付の押出機に供給して280〜290℃に溶融し、直径
0.12の孔を12個有する紡孔より下方に約15m/分
の線速度で押出した。紡孔の下方約15cmにわたり
270〜290℃に保つべく加熱用ヒーターを埋め込ん
だ円筒を設置し、その下に約10cmの間隔を空けて
約60℃の水を満たした流管式斗(実施例1と同
じものの)を設置した。 実施例2においては、紡孔を出た重合体流は、
270〜290℃に保持されたゾーンを走行して伸長変
化をうけたあと、約200℃以上の温度で水面に突
入して水冷され、更に下方のピンにより変向され
油剤をつけられて捲取られた。一方、比較例2に
おいては、流管式斗を設置せずに紡糸したた
め、水冷をうけずに、他は同じ条件で捲取られ
た。 400m/分で捲取つて得られた繊維の性質は表
3に示す通りであつた。
【表】 ※ 表3のカツコ内の数値はサンプル6点の
測定における最大値と最小値の差を示す。
実施例 3 特開昭51−138800号公報に記載の実施例11に従
つて液晶性のポリアゾメチンを得た。ただし、重
合のサイズは5倍で行なつた。 ポリマーを290〜300℃の紡糸温度で実施例2と
同じ方法で溶融紡糸し、300m/分で捲取つた。 得られた繊維は、12.1g/dの強度、1.8%の
伸度、850g/dのヤング率をもつていた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶融液晶形成性重合体を溶融紡糸するにおい
    て、溶融液晶状態の重合体を空気中に押出して重
    合体流を伸長し、ついて150℃以下の液体層を通
    過させることによつて該重合体流の温度を少なく
    とも30℃低下させて、該重合体流が捲取りまでの
    間に実質的に伸長変形をおこさない程度にまで固
    化させたのち捲取ることを特徴とする紡糸方法。 2 溶融液晶形成性重合体が溶融液晶形成性のポ
    リエステルである特許請求の範囲第1項記載の紡
    糸方法。 3 溶融液晶形成性重合体が溶融液晶形成性のポ
    リアゾメチンである特許請求の範囲第1項記載の
    紡糸方法。 4 液体層として水の層を用いる特許請求の範囲
    第1項記載の紡糸方法。 5 液体層として、流管式斗中に存在する水の
    層を用いる特許請求の範囲第1項記載の紡糸方
    法。 6 空気中への押出し線速度に対する捲取速度の
    大きさ5以上にして行なう特許請求の範囲第1項
    記載の紡糸方法。
JP18780181A 1981-11-25 1981-11-25 紡糸方法 Granted JPS5891811A (ja)

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JPS5891811A (ja) 1983-05-31

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