JPH0149575B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は中実棒、中空管等の棒状の圧延材料を
傾斜ロールにより圧延し、横断面を変化させる傾
斜ロール型圧延装置に関する。

従来の技術 上記圧延装置は３個の傾斜ロールをそれぞれ圧
延材料の軸心に対し対称的かつ傾斜して配備し、
各ロールを自転並びに公転させ、各ロールを圧延
材料に対し進退させることにより圧延材料の横断
面積を変化させると共に圧延材料に推力を与え、
軸心方向に送り出す構造が採られている（例えば
特公昭59−44124号公報）。

発明が解決しようとする問題点 しかしこの構造によるときは構造複雑で大型と
なると共に、ロールの咬み込み量が少いとき等ロ
ールと圧延材料間の摩擦係数が小さいときは、圧
延材料の送り出しが困難または不可能となる等の
問題がある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明を実施例に対
応する第１図乃至第４図を用いて説明する。傾斜
ロール型圧延装置１は圧延材料Ｗを挾持する複数
例えば３個の傾斜ロール２，３，４と、この圧延
材料Ｗを回転しつゝ軸心方向に押し出す駆動手段
５と圧延材料先端に取付けられるテンプレート６
とを備える。各傾斜ロール２，３，４は圧延材料
Ｗを挾んで対称的にかつ圧延材料軸心に直交して
移動可能に直交して移動可能に支持されると共に
回動機構１７により回動される。駆動手段５は圧
延材料Ｗを回動する回転機構２６及び押出し機構
２８とよりなる。上記テンプレート６には昇降規
制手段３１を対設し、昇降規制手段３１はテンプ
レート６に做つて上記各傾斜ロール２，３，４を
圧延材料Ｗに対し進退させる。

作 用 各傾斜ロール２，３，４を回転しつゝ圧延材料
Ｗを挾持し、かつ該圧延材料Ｗに対し駆動手段５
は回転を保持しつゝこれを押し出す。これに伴い
テンプレート６も移行し、昇降規制手段３１はテ
ンプレート６に做つて各傾斜ロール２，３，４を
圧延材料に対し進退させ、テンプレート６に做つ
た断面形状の圧延部Ｓを形成する。

実施例 本発明の実施例を第１図乃至第４図に示す。傾
斜ロール型圧延装置１は、圧延材料Ｗを挾持する
３個の傾斜ロール２，３，４と、圧延材料後端に
配備されかつこれを回転しつゝ軸心方向に押し出
す駆動手段５並びに圧延材料先端に取付けられる
テンプレート６を備える。

各傾斜ロール２，３，４は何れも紡錘形または
尖頭卵形とし、取付ブラケツト１０，１１，１２
により回動自在に、かつ圧延材料Ｗを挾んでほゞ
対称的に、また圧延材料に対し傾斜して支持され
る。この場合各ロール２，３，４は圧延材料が回
転しつゝ押し出される流れに沿うようにはすかい
に配列することが好ましい。上記取付ブラケツト
１０，１１，１２は駆動手段Ｗを嵌挿する取付板
１３上にシリンダ等の昇降手段１４，１５，１６
により圧延材料Ｗに対し進退可能に取付けられ
る。

また各傾斜ロール２，３，４は共通の回動機構
１７により同一方向に回動される。この回動機構
１７は各傾斜ロール２，３，４に歯車機構１８，
１９，２０を連結し、各歯車機構は従動スプロケ
ツトホイル２１，２２，２３と介して駆動モータ
２５により回動されるチエン２４に連結される。

前記駆動手段５は圧延材料Ｗに回転を付与する
回転機構２６並びにシリンダ等による押出し機構
２８とからなり、回転機構２６は圧延材料端部に
着脱可能とし、かつ圧延材料と共に移行すべく摺
動台２７上に摺動可能に載置される。この回転機
構２６はスリツプするクラツチを内蔵することが
好ましく、ロール２，３，４による圧延材料Ｗに
対する駆動トルクが一定値以下のときはクラツチ
が作動して回転機構２６により圧延材料Ｗを回動
し、ロール２，３，４の駆動トルクが一定値以上
のときは、クラツチはスリツプして圧延材料の回
転を許容する。これにより圧延材料をねじ切るこ
とがない。

圧延材料Ｗの先端に取付けられるテンプレート
６は圧延形成すべき做い面３０を有し、この做い
面３０には適宜の昇降規制手段３１の接触子３２
を対設する。この接触子３２の做い面３０に沿つ
ての昇降により、昇降手段３１は前記昇降規制手
段１４，１５，１６を作動し、傾斜ロール２，
３，４を圧延材料Ｗに対し進退させる。

本実施例は上記構成からなり、圧延材料Ｗを３
個の傾斜ロール２，３，４により挾持し先端にテ
ンプレート６を取付け、回転機構２６により回転
しつゝ押出し機構２８により押し出し、かつ各傾
斜ロールは回動機構１７により回動させる。圧延
材料Ｗの押し出しに伴い接触子３２は做い面３０
に沿つて昇降し、これに伴つて昇降規制手段３１
は昇降手段１４，１５，１６を作動し、傾斜ロー
ル２，３，４を上記做い面３０に応じて昇降し、
これによりテンプレート６の做い面３０と同一断
面形状の圧延部Ｓを形成する。

この場合、従来の傾斜ロールの回転により圧延
材料を回転しかつ送り出す方式では、第４図に示
す如く圧延材料Ｗの素材直径Ｄと圧延部の直径ｄ
との比Ｄ／ｄが小さいとき、即ちロール２の咬み
込みが僅少でロール接触面と圧延材料間の摩擦係
数が僅少の場合にはスリツプを生じ材料の回転及
び送り出しが困難であるが、本発明は圧延材料Ｗ
を駆動手段５により最低のトルク及び送り出し力
で圧延材料Ｗを駆動する機構となつているため、
傾斜ロール２，３，４の送り出し速度及び回転ト
ルクに逆うことなく作動し、傾斜ロール２，３，
４のスリツプ時には最低トルクで駆動される。こ
れにより圧延作業を確実に行うことができる。

なお、本例に示す傾斜ロールは尖頭卵形とした
例を示したが、必ずしもこれに限るものではな
い。第５図及び第６図は傾斜ロールの他の例を示
す。本例の傾斜ロール４０，４１，４２に裁頭円
錐形とし、ロール軸心４３，４４，４５を圧延材
料Ｗと平行に配備し、ロール外表面を圧延材料に
対し所要の傾斜角度を有するようにしたものであ
る。

また第７図及び第８図は傾斜ロールの更に異な
つた例を示す。

本例の傾斜ロール５０，５１，５２は前例と同
様に裁頭円錐形とし、ロール軸心５３，５４，５
５は第１図と同様に圧延材料Ｗに対し傾斜すると
共に、ロール軸と材料中心軸とは交叉して配備す
る。

なお上記各実施例は何れも傾斜ロールは３個を
対称的に配備した例を示したが、必ずしも３個に
限ることはない。圧延材料の直径に応じ３個もし
くはそれ以上配備してもよく、あるいは２個とし
てもよく、これは圧延材料の直径に応じ適宜選択
すればよい。

発明の効果 本発明によるときは、回転する複数の傾斜ロー
ルにより圧延材料を挾持し、圧延材料は駆動手段
により回転を付与しつゝ押出すと共に、上記傾斜
ロールはテンプレートに做つて圧延材料と直交し
て進退させるようにしたから、従来の傾斜ロール
圧延装置の如き傾斜ロールの公転を必要とぜず構
造簡単であり、しかも傾斜ロールの咬み込み量の
少いとき等傾斜ロールと圧延材料間の摩擦係数の
小さいときでもスリツプによる圧延材料の回転斑
あるいは送り出し速度に斑を生ずることがなく、
圧延を円滑かつ正確に行うことができると共に特
に断面の直径変化の多い複雑な形状の正延に効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の傾斜ロール型圧延装置の全体
正面図、第２図は第１図におけるＸ−Ｘ線に沿う
矢視図、第３図は傾斜ロールに対する回動機構の
説明図、第４図は圧延要領の説明図、第５図及び
第６図は傾斜ロールの他の例を示し、第５図は正
面図、第６図は右側面図、第７図及び第８図は傾
斜ロールの更に他の例を示し、第７図は正面図、
第８図は右側面図である。 １は傾斜ロール型圧延装置、２，３，４は傾斜
ロール、５は駆動手段、６はテンプレート、１７
は回動機構、２６は回転機構、２８は押出し機
構、３１は昇降規制手段、４０，４１，４２，５
０，５１，５２は傾斜ロール、Ｗは圧延材料であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧延材料を挾持する複数の傾斜ロールと、こ
   の圧延材料を回転しつゝ軸心方向に押し出す駆動
   手段並びに圧延材料先端に取付けられるテンプレ
   ートとを備え、各傾斜ロールは圧延材料を挾んで
   対称的にかつ圧延材料軸心に直交して移動可能に
   支持されると共に回動機構により回動され、駆動
   手段は圧延材料を回動する回転機構及び押出し機
   構とよりなり、圧延材料の押し出しに伴いテンプ
   レートは前進し、これに対向する昇降規制手段に
   より前記各傾斜ロールを圧延材料に対しテンプレ
   ートに做つて進退させることを特徴とする傾斜ロ
   ール型圧延装置。