JPH0147398B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車の車体などの被加工物を昇
降させて加工する場合に使用される、トランスフ
ア搬送装置における駆動力伝達装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

自動車の車体などのように大きな寸法の被加工
物を加工する場合には、被加工物を台車に乗せて
搬送し、その過程においてこれを台車ごと上昇さ
せ、上昇した位置で加工をし、加工後降下させて
次の工程へ搬送することが行なわれる。このため
に使用されるのがトランスフア搬送装置である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

被加工物を台車ごと昇降させるには、台車を載
せたリフタレールに昇降駆動装置を取付け、台車
がこのリフタレールに載つた時点で、昇降駆動装
置を作動させることになる。そして、リフタレー
ルに載つた状態の台車を進行させるため、台車の
外側から台車に走行駆動力を与える必要がある。
従来においては、リフタレールに走行駆動装置を
取付けて、台車に走行駆動力を与えるようにして
いた。

走行駆動装置は、モータと減速機とを有し、ま
たその出力をリフタレール上の台車に伝達する機
構も必要となる上に、これを支持する部分を強固
にする必要もあり、高重量となる。したがつてリ
フタレールを昇降させる昇降駆動装置に、これら
の重量が加わることになるので、昇降駆動装置に
はこの重量を支えて昇降させる大きな駆動力が求
められることになる。また、走行駆動装置がリフ
タレールの近傍に取付けられるので点検、修理が
行ないにくい問題もある。この発明はこれらの問
題を解決するためになされたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明が上記問題点解決のために構成した手
段は、昇降駆動装置から駆動力を受けて昇降する
リフタレールと、このリフタレールに上端が枢着
されたアームと下端が床上の基台に枢着されたア
ームとを軸着してなるリンク機構と、このリンク
機構の上端に支持されたピニオンと、このピニオ
ンに噛み合うよう台車の下部に設けられたラツク
ギヤと、ピニオンに回転力を与える回転駆動装置
と、この回転駆動装置とピニオンとの間を連係す
るようにリンク機構のアームに設けられたチエ
ン・スプロケツト機構と、を具備するようにした
ことである。

〔作用〕

このような構成とすれば、台車に走行力を与え
る回転駆動装置の重量が、昇降駆動装置の負荷に
ならないので、昇降駆動装置の容量を小さくでき
て省エネルギになり、また、回転駆動装置が低い
場所にくるので点検、修理が容易になる。

〔実施例〕

つぎに、この発明の一実施例を図について説明
すると、１はリフタレールで、図示しない昇降駆
動装置から駆動力を受けて昇降するものである。
昇降駆動装置そのものは従来のものと変らないの
で、その説明は省略する。リフタレール１には台
車２の車輪３が載つている。これにより台車２は
リフタレール１に沿つて走行できることになる。
台車２の下面にはラツク４がリフタレール１に沿
う方向に取付けられ、後述するピニオン５に噛み
合うようになつている。

リフタレール１にはブラケツト６が取付けら
れ、このブラケツト６にはアーム７の上端が軸８
によつて枢着されている。アーム７の下端は、基
台９に設けられた軸受１０に軸１１で下端を枢着
されたアーム１２の上端に、軸１３で軸着されて
いる。アーム１２はアーム７とともにリンク機構
を形成する。基台９には、軸１１に回転力を与え
るモータ１４が取付けられており、モータ１４に
は、内部に減速機とカツプリングが設けられてい
る。

軸１１にはスプロケツト１５が取付けられてお
り、軸１３には２つのスプロケツト１６，１７が
取付けられている。また軸８にはスプロケツト１
８が取付けられている。そしてスプロケツト１
５，１６間にはチエン１９が掛渡され、スプロケ
ツト１７，１８にはチエン２０が掛渡されてい
る。軸８，１３の両端にはベアリングが設けられ
ており、アーム７，１２の回動と軸８，１３の回
転とをそれぞれ円滑にするようにしてあるが、図
示は省略する。

このように構成されたこの装置は、リフタレー
ル１が図示しない昇降駆動装置によつて昇降する
とき、アーム７，１２もこれに追従して変位する
ことになる。そしてリフタレール１が上昇時、下
降時のいずれにあつても、モータ１４を回転さ
せ、カツプリングを結合すると、減速機によつて
減速された回転出力が、軸１１からスプロケツト
１５、チエン１９、スプロケツト１６、軸１３、
スプロケツト１７、チエン２０、スプロケツト１
８、軸８を介してピニオン５に伝達され、このピ
ニオン５をモータ１４に連係して回転させること
になる。ピニオン５は台車２のラツク４に噛み合
つているので、台車２は前進する。したがつて台
車２に載置された被加工物の加工手順に合わせて
台車２を前進または停止させることができる。

〔発明の効果〕

この発明は、以上説明したように、リフタレー
ル１の昇降に追従するリンク機構としてのアーム
７，１２を設け、台車２の走行駆動を基台９上の
モータ１４からスプロケツト１５，１６，１７，
１８とチエン１９，２０を介してピニオン５で台
車２のラツク４に伝えるような構成としたもので
あるから、モータ１４は基台９上にあるのでその
重量が昇降駆動装置の負担とならず、小容量のも
のにすることができる上に、点検、修理も容易に
行なえる特長がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例の斜視図である。 １……リフタレール、２……台車、４……ラツ
ク、５……ピニオン、７，１２……アーム、１４
……モータ、１５，１６，１７，１８……スプロ
ケツト、１９，２０……チエン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇降駆動装置から駆動力を受けて昇降するリ
   フタレールと、該リフタレールに上端が枢着され
   たアームと下端が床上の基台に枢着されたアーム
   とを軸着してなるリンク機構と、該リンク機構の
   上端に支持されたピニオンと、該ピニオンに噛み
   合うよう台車の下部に設けられたラツクギヤと、
   前記ピニオンに回転力を与える回転駆動装置と、
   該回転駆動装置と前記ピニオンとの間を連係する
   ように前記リンク機構のアームに設けられたチエ
   ン・スプロケツト機構と、を備えたことを特徴と
   するトランスフア搬送装置における駆動力伝達装
   置。