JPH0144447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、玩具・文房具・日用雑貨品・食品・
薬品・化粧品等の包装に利用されるブリスターパ
ツクに関する。

［従来の技術］ 従来、ブリスターパツクから商品を取り出す
際、台紙からブリスター全体を剥さなければ商品
を取り出す事ができず、非常に不便であつた。ま
た、ブリスターと台紙の接着力が強い為に台紙表
面層がブリスターに固着するので、更に該表面層
をブリスターから剥離、若しくは、破断しなけれ
ば商品を取り出せないという欠点があつた。前記
欠点を防止する目的で、ブリスターのフランジ部
と接合する台紙の接合部の内側に設けたミシン目
や切欠部を切断して、ブリスターを剥離する事な
く台紙の裏側から商品を取り出す様に工夫した技
術が既に知られている。また、ブリスターの両端
部を屈曲させて形成した案内溝に台紙の端部を挿
入して組み立てる、所謂接着剤を使用しないスラ
イド式ブリスターパツクの技術も考案されてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、台紙にミシン目や切欠部を設け
たものでは、ブリスター全体を剥す必要のない点
では一応の効果が認められるものの、ミシン目や
切欠部を切断するのに手間がかかつたり、商品を
取り出しにくい等の不便さがあり、使い易さとい
う点では抜本的な解決はなされていなかつた。ま
た、台紙をミシン目や切欠部に沿つて切断してし
まう為、台紙表面に印刷された商品案内用の説明
文や説明図を破損してしまう欠点も依然解消され
ておらず、使用上、問題があるばかりでなく、パ
ツケージとしての美観も損われてきた。

一方、接着剤を使用しないスライド式ブリスタ
ーパツク方式では、却つてブリスターから容易く
台紙を抜脱でき得る為に、商品の未使用性を保証
できず、また、自然にブリスターと台紙が外れた
り、不正使用される恐れもあり、商品の品質保証
という点で解決しなければならない問題点であつ
た。

［問題点を解決する為の手段］ 本考案は前記欠点を解消し、特に商品を簡便且
つ速やかに取り出す為に改良されたもので、ブリ
スターのフランジ部の一部に切断線を設けて切離
部を形成し、該切離部に配断操作用の摘みを突設
すると共に、前記ブリスターの周壁部の一部を前
記ブリスターより切り離し可能となるように、前
記切断線を延長して前記周壁部の上端及び下端に
沿つて平行して設けた事を特徴とするものであ
る。

［実施例］ 以下本考案の構造をその一実施例を示す図面に
従つて説明すれば、第１図に示す如く１は合成樹
脂製シートを成型したブリスターで、２は台紙で
ある。前記ブリスター１の凹部３に商品４を収納
した後、ブリスター包装機にかけるが、前記ブリ
スター１の成型時にフランジ部５を外周に形設す
る。前記フランジ部５の一部には切断線６を設け
て切離部７を形成し、該切離部７に、配断操作用
の摘み１０を突設すると共に、前記ブリスター１
の周壁部８の一部を前記ブリスター１より帯状に
切り離し可能となるように、前記切断線６を延長
して前記周壁部８の上端及び下端に沿つて平行し
て設ける。前記切断線６は特にその形状に如何を
問わないが、例えば、第２図に示す如くブリスタ
ー１の厚みに達しない深さの楔状溝９やミシン目
等が適している。また、前記切断線６の形設位置
は特に限定するものではなく、その長さも、商品
の外径より長いものであれば良い。これらは共
に、ブリスター１の形態や使用性等の条件を考慮
して適宜選定すれば良い。尚、前記切断線６の形
設方法は、ブリスター１の成型と切断線６の加工
を別工程にしても良いが、前記ブリスター１をプ
レス成型法により成型すれば前記切断線６も成型
と同時に設ける事が可能であり、適宜加工条件に
合わせて選べば良い。

然して、前記ブリスター１と前記台紙２を、商
品４を収納後ブリスター包装機にかけ、接着剤を
塗布して接着層１１を形成した前記台紙２の表面
１２に、前記フランジ部５を熱接着、若しくは、
高周波溶着してブリスターパツク１３を形成す
る。

［作用］ 本考案は以上の如く構成したので、これを使用
する際は、第３図に示す如くフランジ部５の一部
に突設した摘み１０を引き上げ、フランジ部５を
台紙２の表面から徐々に剥離して行くと共に、ま
ず、切離部７を切断線６に沿つて他のフランジ部
５より切り離せば良い。次いで、周壁部８の上端
及び下端に沿つて平行して設けた切断線６を徐々
に切断しながら、ブリスター１の周壁部８の一部
をブリスター１から帯状に切り離して行けば、台
紙２の表面１２から切離部７以外のフランジ部５
は、接着したまま全く剥離する必要なく、商品４
を取り出す事ができる。

［考案の効果］ 以上詳述せる如く、本考案はブリスター１のフ
ランジ部５の一部に形成した切離部７から、周壁
部８の上端及び下端に沿つて平行して設けた切断
線６を切断しながらブリスター１の周壁部８の一
部をブリスター１から帯状に切り離す事によつ
て、極めて簡便、且つ、速やかに商品４を取り出
せるという効果がある。更に、切離部７以外のフ
ランジ部５は、台紙２の表面１２に接着したまま
全く剥離する必要がないので、従来に比して非常
に容易く、且つ、円滑な操作で商品４を取り出せ
るばかりでなく、パツケージとしての美観も損わ
ないという効果もあり便利である。また、従来の
接着方式のブリスターパツクの工程と何等変わら
ず大量生産に適し、しかも、品質保証上の不正使
用防止効果も有するので、消費者に対して安心感
のある製品を提供できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図はブリスターの周壁部に設けた楔状溝の形
状を説明した部分拡大断面図、第３図は使用状況
を説明した斜視図である。 １……ブリスター、３……凹部、４……商品、
５……フランジ部、６……切断線、７……切離
部、８……周壁部、１０……摘み、１３……ブリ
スターパツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製シートを成型して成るブリスター１
   の凹部３に商品４を収納した後、ブリスター包装
   機にかけて形成するブリスターバツク１３に於
   て、前記ブリスター１のフランジ部５の一部に切
   断線６を設けて切離部７を形成し、該切離部７に
   配断操作用の摘み１０を突設すると共に、前記ブ
   リスター１の周壁部８の一部を前記ブリスター１
   より切り離し可能となるように、前記切断線６を
   延長して前記周壁部８の上端及び下端に沿つて平
   行して設けたことを特徴とするブリスターパツク
   １３。