JPH0518284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、開封が容易で且つ開封に際しての台
紙の表裏面の破損が極めて小さく、且つ開封後も
歯ブラシを再収納可能な、歯ブラシ１本包装用の
ブリスターパツクに関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来より歯ブラシ、カミソリ替刃等の包装に
は、物品収納凸部を有する成形シートと台紙とで
形成されるブリスターパツクが利用されている。
これらのブリスターパツクは、内容物の保護に重
点が置かれているため、成形シートと台紙との接
着部については、種々の工夫が施され、ブリスタ
ーパツクの流通過程において接着部が破壊されな
いように構成されている。

一方、消費者が商品を取り出す際のブリスター
パツクの開封手段としては、一般に台紙に破線上
の切込みを入れ、この切込み部から台紙を破つて
取り出す方法や一部接着を剥離させることによつ
て商品を取り出す方法が採用されている。

しかし、上記のような開封手段による場合、開
封を容易に行い難く、また、開封性に劣るため台
紙の破損が著しく、開封後のパツクが商品を再収
納可能になるようには開封し難く、更に台紙に記
載された商品の説明文の読み取りを困難にする等
の問題があつた。

また、実公昭58−26929号公報には、開封性を
改良したブリスターパツクとして、台紙に成形シ
ート側表面より表半切り線を物品収納用の成形凸
部の立ち上がりラインの近傍で且つ該ラインに略
沿わせて設け、該表半切り線の一部を外側に凸出
した全切線に代えて摘持部を作成し、上記台紙に
成形シートと反対側の表面より上記表半切り線の
外側に近接し且つ上記全切線の両端部に連結させ
る裏半切り線を設けてなるブリスターパツクが記
載されている。

しかし、上記公報に記載のブリスターパツクに
おいては、台紙が、成形シート側及びその反対側
の表面から半切り線を設けたものであるため、１
回の打抜き工程で斯る台紙を得ることができない
問題があり、しかも前述の従来の開封手段による
場合の問題点も残つている。

従つて、本考案の目的は、開封が容易で且つ開
封に際しての台紙の表裏面の破損が極めて小さ
く、更に開封後も商品を再収納可能なブリスター
パツクを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、１個の物品収納凸部１１を有する成
形シート１０をその接着縁部１２を介して台紙１
の表面に接着した、歯ブラシ１本包装用のブリス
ターパツクにおいて、前記台紙１にその表面から
前記接着縁部１２の内周近傍に沿つて半切線２を
設け、且つ前記物品収納凸部１１における歯ブラ
シＢのブラシ部収納部の立上りライン部分１３の
近傍の台紙１に前記半切線２の両端部２ａが連結
される全切線３を設けることにより、前記半切線
２及び前記全切線３で環状線を形成すると共に、
前記環状線を形成する全切線３によつて前記台紙
１に摘持部４を形成し、また前記全切線３の両端
部をそれぞれ前記台紙１の縁部迄延設し且つ前記
半切線２の両端部２ａを前記全切線３に交差して
延設し、更に前記全切線３の一部に不連続部３ａ
を形成したことを特徴とするブリスターパツクを
提供することにより、前記目的を達成したもので
ある。

〔実施例〕

以下、本考案のブリスターパツクを図面に示す
実施例に基づいて説明する。

第１図及び第２図は本考案のブリスターパツク
の一実施例を示す正面図及び背面図、第３図は第
１図上Ａ−Ａ線断面図である。

実施例のブリスターパツクは、台紙１の表面
に、物品収納凸部１１を有する成形シート１０
を、該物品収納凸部１１内に１個の歯ブラシ（物
品）Ｂを収納した状態で該成形シート１０の外周
に設けられた接着縁部１２を介して接着した例を
示すもので、接着縁部１２及び台紙１はそれぞれ
の外周において略同一の大きさとなしてあり、接
着縁部１２内における物品収納凸部１１以外の部
分は台紙１から僅かに浮き上がつた状態の平板部
１３となつている。

実施例について更に説明すると、台紙１には、
成形シート１０が接着される表面から、半切線２
（図上一点鎖線）が接着縁部１２の内周近傍に沿
つて設けられている。半切線２の深さは、特に制
限はないが、台紙１の厚さの1/3以上とするのが
好ましい。また、物品収納凸部１１における歯ブ
ラシＢのブラシ部収納部の立上りライン部分１３
の近傍の台紙１に、半切線２の両端部が連結され
る全切線３が設けられている。そして、上記半切
線２及び上記全切線３により環状線が形成されて
おり、且つ環状線を形成する全切線３によつて、
台紙１に摘持部４が形成されている。また、全切
線３の両端部は、それぞれ台紙１の両縁部１ａ，
１ａ迄延設されている。また、上記半切線２はそ
の両端部２ａ，２ａが、全切線３に連結された
後、摘持部４による開封操作を一層効果的に行い
得るように該全切線３と交差して上記全切線３に
よつて形成された摘持部４と同程度の位置（第１
図及び第２図上）迄延設されている。なお、全切
線３は、摘持部４の部分で自然に開封されないよ
うに、一部に不連続部３ａを形成した破線状とな
してある。

この他、本考案のブリスターパツクには、フツ
ク５が形成されており、吊り下げて陳列し得るよ
うになしてある。

次に、上述の構成からなる本考案のブリスター
パツクの開封手順について説明すると、先ず、一
方の手でブリスターパツクの物品収納凸部１１及
び台紙１を握り、他方の手で全切線３を形成した
部分より上部を第４図に示す如く矢印Ｘ方向に折
り曲げる。その結果、台紙１が全切線３の部分で
折り曲がり摘持部４が台紙１から離反した状態
（第４図参照）になる。この際、全切線３の両端
部２ａ，２ａが、それぞれ台紙１の両縁部１ａ，
１ａ迄延設されているため、摘持部４を容易に台
紙１から離反させることができる。また、全切線
３の不連続部３ａは上記の折り曲げにより容易に
切断される。

次に、離反した摘持部４を一方の手で摘んで矢
印Ｙ方向に引つ張ると、台紙１と成形シート１０
とが分離され、物品Ｂを成形シート１０の物品収
納凸部１１から取り出すことができる。この際、
半切線２が台紙１の表面の接着縁部１２の内周に
沿つて形成されているため、半切線２の外側部分
の台紙１の表面のみ、即ち成形シート１０の接着
縁部１２に強固に接着されている台紙部分の表面
のみが台紙１から剥離され、台紙１を、その破損
が極めて小さい状態で成形シート１０から容易に
分離することができる。従つて、台紙１に印刷さ
れた絵図、説明文等が損なわれることがない。ま
た、台紙１の分離を略1/3以下で止めることによ
り開封後も商品を再収納することが可能になる。
更に、半切線２は裏面からカツト線が見えないか
ら、該ブリスターパツクの外観は損なわれない。
更にまた、従来品のように半切線を台紙の表面及
び裏面の両面に設けるものではなく、半切線２を
台紙１の表面からのみ設けるものであるため、ブ
リスターパツクの成形をより容易にし、且つ安価
にすることができるものである。

〔考案の効果〕

本考案のブリスターパツクは、開封が容易で且
つ開封に際しての台紙の表裏面の破損が極めて小
さく、更に開封後も商品を再収納可能なものとす
ることができる等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案のブリスターパツク
の一実施例を示す正面図及び背面図、第３図は第
１図示のＡ−Ａ断面図、第４図は同ブリスターパ
ツクの開封過程の要部を示す断面図である。 １……台紙、１ａ……台紙の縁部、２……半切
線、２ａ……半切線の両端部、３……全切線、３
ａ……不連続部、４……摘持部、５……フツク、
１０……成形シート、１１……物品収納凸部、１
２……接着縁部、１３……立上りライン、Ｂ……
物品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １個の物品収納凸部１１を有する成形シート１
   ０をその接着縁部１２を介して台紙１の表面に接
   着した、歯ブラシ１本包装用のブリスターパツク
   において、前記台紙１にその表面から前記接着縁
   部１２の内周近傍に沿つて半切線２を設け、且つ
   前記物品収納凸部１１における歯ブラシＢのブラ
   シ部収納部の立上りライン部分１３の近傍の台紙
   １に前記半切線２の両端部２ａが連結される全切
   線３を設けることにより、前記半切線２及び前記
   全切線３で環状線を形成すると共に、前記環状線
   を形成する全切線３によつて前記台紙１に摘持部
   ４を形成し、また前記全切線３の両端部をそれぞ
   れ前記台紙１の縁部迄延設し且つ前記半切線２の
   両端部２ａを前記全切線３に交差して延設し、更
   に前記全切線３の一部に不連続部３ａを形成した
   ことを特徴とするブリスターパツク。