JPH0143817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバツテリ取付装置に関し、特にスクー
タ形式の自動二輪車等に於いて座席シート等が載
置される車両後部の支持構造を左右に平行に配置
された一対のフレームにて構成する場合にそのフ
レーム間の前部スペースを利用してバツテリを配
置するようにしたバツテリ取付装置に関する。

従来、低床式のスクータの如き形式の自動二輪
車等に於いては車両に形成されるスペースが少な
く、そのために例えばバツテリの配置のために車
体フレームの上部、側部のスペースを使用すると
他の小物入れ等を設けるためのスペースを確保す
ることが難しく、問題であつた。ところで、低床
式のスクータ型自動二輪車等の車両は、特徴的な
支持構造、即ちヘツドチユーブから垂下するとと
もに後方に向つて略水平に延設するメインフレー
ムと、該メインフレームの後端部に結合されたク
ロスメンバと、該クロスメンバの両端に夫々その
前下端部を接合し、後上方に向つて立上る一対の
サイドフレームとを備えており、斯かる構造的特
徴を利用して全く新しいバツテリの取付装置を考
案し、これによつて他の部品装置のためのスペー
スを確保し、より有効なスペース利用を図ること
が期待される次第である。

本考案者は上記の如き課題に鑑みこれを有効に
解決すべく本考案を成したものであつて、本考案
の目的は、低床式のスクータ型車両特有の支持構
造を利用し、その支持構造のデツドスペースにバ
ツテリを配設し得るようにしたバツテリ取付装置
を提供することにある。

以上の目的を達成するために、本願考案は、上
記の低床式のスクータ型車両特有の支持構造にお
いて、前記クロスメンバ上で、且つ前記サイドフ
レームの間にバツテリボツクスを配設固定した。

以上のバツテリ取付装置によれば、バツテリボ
ツクスをサイドフレーム間のデツドスペースに設
けたため、他のスペースを小物入れ等の配設場所
として利用する等が可能となる。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は自動二輪車１の側面図であつて、実施
例はスクータを示し、車体２の前下部には一本の
パイプ材から成る側面略Ｌ型のメインフレーム３
が設けられ、このメインフレーム３の前端のヘツ
ドチユーブで枢支されるフロントフオーク４の下
方には前輪５を支持して備え、上方にはハンドル
６が付設され、低いフレーム３の中間部上にステ
ツプ７が設けられる。

メインフレーム３の後端部には、クロスメンバ
を介して左右に平行して配置される側面逆Ｌ型の
リヤフレームの対が上後方且つ後方に延出され
て、車体後部８の座席シート９等が取り付けられ
る部分の支持構造を形成しているが、第１図では
図示されていない。リヤフレームの左右外側には
夫々リヤカバー１０が取り付けられると共に、そ
の前部外側にはシートポストカバー１１が取り付
けられ、リヤカバー１０、シートポストカバー１
１が車体外観を形成している。

上記リヤフレームの下側であつて、リヤカバー
１０の内側には、一体的に組み付けられた後輪１
２、パワーユニツト１３等から成る装置がリヤフ
レームに対し懸架装置で支持されつつパワーユニ
ツト１３の前部下端をリンクを介して回動自在に
リヤフレームに取り付けられている。

第２図にて車体後部８の支持構造を成す上記リ
ヤフレームの平面図を示す。サイドフレーム１
４，１４は車体の両側に配設され、メインフレー
ム３の後端部に結合されたクロスメンバ１５の両
端にその前下端部を接合され、サイドフレーム１
４，１４は外向きに解放されたチヤンネル状の鋼
板素材から成り、その強度アツプを図つている。
従つてサイドフレーム１４，１４の外側の略々全
周囲縁には外方に突出する帯状フランジ部１４ａ
が形成されることになる。

第３図にて上記サイドフレーム１４，１４の前
部の構造を拡大して示した側面図を、第４図にて
第３図中の４方向矢視図を示す。サイドフレーム
１４，１４の前部上側にはフユーエルタンク１６
が両サイドフレーム１４，１４間に配置され且つ
その両側下面をサイドフレーム１４，１４の前記
フランジ部１４ａ，１４ａにて支持するようにし
て載置固定される。フユーエルタンク１６の上側
には上記座席シート９が配設されることになる。
フユーエルタンク１６の下方であつて階段状のク
ロスメンバ１５、サイドフレーム１４，１４によ
つて囲まれるスペースに本考案に係るバツテリの
取付装置１７が設けられ、斯かる取付装置１７に
バツテリ１８が配置されることになる。従つてフ
ユーエルタンク１６とバツテリの取付装置１７と
は略同一鉛直線上に位置する。

バツテリ取付装置１７の構造を詳述する。先ず
車体後部８の両側に位置する左右のサイドフレー
ム１４，１４を連結するクロスメンバ１５の上端
に一体的構造によつて断面略逆横Ｌ型の受台を配
設し、樹脂製の断面略コ字型のバツテリボツクス
２０を前方から受台１９側へ移動させて該バツテ
リボツクス２０を受台１９上に載置し、バツテリ
ボツクス２０の両側壁の外側に形成されたブラケ
ツト２０ａ，２０ａをリヤフレーム１４の帯状フ
ランジ１４ａ，１４ａに当接させ、例えばボルト
等の固定具２１，２１により上記帯状フランジ部
１４ａ，１４ａの適宜箇所にブラケツト２０ａ，
２０ａを固定することによつてバツテリボツクス
２０を取り付ける。バツテリボツクス２０が受台
１９の上であつてサイドフレーム１４，１４の間
に取り付けられた後にバツテリボツクス２０の上
にバツテリ１８を前側の開口部より差し入れて載
置し、その載置状態に於いて、バツテリの上部、
前部に当接してバツテリ１８を固定せしめる断面
略逆Ｌ型のステー２２を、その上側端をバツテリ
ボツクス２０の開口係止部２０ｂに着脱自在に引
掛係止し、その下側端を例えばボルト、ナツト等
の固定具２３によりバツテリボツクス２０の下
壁、受台１９等に固定することにより配設し、斯
くしてバツテリ１８がサイドフレーム１４，１４
の間の前部スペースに配設されることになる。

上記実施例によつて本考案の内容は明らかにさ
れたが、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、要旨が逸脱されない範囲内に於いて任意
に設計変更し得るのは勿論である。例えば上記ス
テー２２の代わりにゴムバンド等を使用すること
も出来る。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、
低床式のスクータ型車両の支持構造に特徴的なサ
イドフレーム間のデツドスペースにバツテリボツ
クスを設けたため、これによつて他のスペースを
小物入れ等の配設場所として利用する等、より有
効なスペース利用が可能であり、更にサイドフレ
ームをバツテリの保護部材として利用できる。

また、本考案は、スクータ型車両の支持構造要
素であるクロスメンバをバツテリボツクスの支持
台としたため、バツテリ及びバツテリボツクス配
設用の特別な支持部材を必要とせず、バツテリ取
付による車体構造の複雑化を防止できる等、多大
なる効果を発揮する。

更に本考案ではバツテリボツクスを前方からサ
イドフレーム側へ移動させ、バツテリボツクスの
両側に設けた左右のブラケツトをサイドフレーム
側へ当接させてバツテリボツクスを取付けるの
で、バツテリボツクスの取付時に該バツテリボツ
クスの前後方向の位置決めが容易となる。

又、燃料タンクとバツテリが略同一鉛直線上と
なるので重量物の車体中心近傍に位置し、重量バ
ランスをとりやすい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は自動
二輪車の側面図、第２図はリヤフレーム構造を示
す平面図、第３図はリヤフレーム構造の前部を拡
大して示した側面図、第４図は第３図に於ける４
方向矢視図である。 尚図面中、１は自動二輪車、３はメインフレー
ム、１４はリヤフレーム、１５はクロスメンバ、
１７はバツテリ取付装置、１８はバツテリ、１９
は受台、２０はバツテリボツクスである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドチユーブから垂下するとともに後方に向
   つて略水平に延設するメインフレームと、 前記メインフレームの後端部に結合されたクロ
   スメンバと、 前記クロスメンバの両端に夫々その前下端部を
   接合し、後上方に向つて立上る一対のサイドフレ
   ームとを備える低床式のスクータ型車両におい
   て、 前記クロスメンバ上で、且つ前記サイドフレー
   ムの間にバツテリボツクスを配設し、該バツテリ
   ボツクスの上方のサイドフレームに燃料タンクを
   配置し、前記バツテリボツクスの両側にブラケツ
   トを設け、前記ブラケツトを前記サイドフレーム
   前面へ当接させて該バツテリボツクスをサイドフ
   レームへ取付けたことを特徴とするバツテリ取付
   装置。