JPH0143556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、製造コストが安価にできるように
改善したデイスクブレーキのキヤリパーブラケツ
トに関する。

オートバイ等の車両にデイスクブレーキを用い
る場合は、通常、第１図及び第２図に示すよう
に、略三角形で、一端の軸孔Ａと他の二つの隅の
取付孔Ｂの部分を厚くしたブラケツトＣを、軽合
金でダイカスト鋳造等によつて鋳造して作り、ブ
ラケツトＣの軸孔Ａを車軸Ｄに嵌挿し、車輪のブ
レーキデイスクＥを跨がせたキヤリパーＦを、二
つの取着孔Ｂにボルトで締着して、キヤリパーＦ
を車軸Ｄに連結している。尚、キヤリパーＦは、
トルクリンクＧで回転方向に固定する。ブラケツ
トＣは、このようにダイカスト鋳造等の鋳造によ
つて成形すると、製造の手間がかかり、製造コス
トが高くついて、具合が悪い。

この考案は、かかる点に鑑み、ブラケツトを安
価に提供できるように改善したもので、以下本考
案を第３図及び第４図に示す実施例について説明
する。

鋼板又は軽合金圧延板をプレス打抜きして、略
三角形状のブラケツト１を設ける。そして、ブラ
ケツト１の一端には軸孔２を穿設し、他の二つの
隅には、取着孔３を穿設する。上記ブラケツト１
は、軸孔２と取着孔との中間において一側に折曲
され、さらに取着孔３が設けられている部分が軸
孔２が突設されている基部と互いに平行になるよ
うに折曲され、軸孔２が設けられている部分と取
着孔が設けられている部分とが互いに平行で且つ
軸孔の軸線方向に偏位するようにしてある。一
方、このブラケツト１とは別に軸筒４を設け、軸
筒４は、ブラケツト１の軸孔２に芯合せして、取
着孔３が偏位させられている側において軸孔２の
一側に添え溶着する。軸筒４及び軸孔２は、車軸
５に嵌挿して保持させ、ブラケツト１の二つの取
着孔３に、車輪のブレーキデイスク６を跨ぐよう
に配置したキヤリパー７をボルト８で締着して取
付ける。尚、キヤリパー７は、トルクリンク９で
回転方向に固定される。

しかして、ブラケツト１は、鋼板又は軽合金圧
延板をプレスによつて打抜き成形でき、軸孔２と
取着孔３を穿設する。特に精度を必要とする軸孔
２だけ、機械仕上げすればでき、安価にできる。
そして、軸孔２の一側に軸筒４を添えることによ
つて、必要な厚さが確保でき、ダイカスト鋳造に
較べて大巾に製造コストを低減できる。

以上説明したように、この考案は、略三角形に
打抜いたブラケツト板の一端に軸孔を設け、他の
二つの隅に取着孔を設け、軸孔の一側に軸筒を添
えて車軸に嵌挿し、二つの取着孔にキヤリパーを
締着するようにしたので、ブラケツトが、鋼板又
は軽合金圧延板をプレス打抜きして安価にでき
る。そして、軸孔の一側に軸筒を溶着することに
よつて必要な厚さが確保できて、ダイカスト鋳造
するのに較べて、製造コストを大巾に安価にでき
る。しかも、ブラケツト板の中間部が軸筒に合わ
せて一側方に折曲され、キヤリパー取着孔の位置
が基部に対して偏位させることによつて、キヤリ
パー取付位置を車軸への軸支部に対して最適位置
に位置させることができる。そして、鋳造に較べ
て、製作用の型も安価にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示し、第１図は側
面図、第２図は一部縦断正面図、第３図及び第４
図は本考案の一実施例を示し、第３図は側面図、
第４図は一部縦断正面図である。 １……ブラケツト、２……軸孔、３……取着
孔、４……軸筒、５……車軸、７……キヤリパ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略三角形に打抜いたブラケツト板の一端に軸孔
   を設け、他の二つの隅に取着孔を設けるととも
   に、上記ブラケツト板の中間部を、軸孔が設けら
   れている部分と取着孔が設けられている部分とが
   互いに平行で且つ軸孔の軸線方向に偏位するよう
   に折曲し、上記軸孔の前記取着孔が設けられてい
   る部分の偏位方向側一側に、軸孔と同心状に軸筒
   を溶着してこの軸筒およびブラケツト板を車軸に
   嵌挿し、上記二つの取着孔にキヤリパーを締着す
   るようにしたことを特徴とする、デイスクブレー
   キのキヤリパーブラケツト。