JPH0142630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、窓枠に収納された障子が強風あるい
はいたずら等により窓枠より離脱することを防止
する障子の外れ止め装置に関する。

従来、この種の障子の外れ止め装置としては、
実公昭51−6953号公報に開示されているように、
上下に伸びる長孔を有する挿入部と、この挿入部
の上方に突出する外れ止め部を有する外れ止め具
を、障子の堅框に上端部において当該堅框の中空
部に挿入し、前記長孔に挿通されるビスを介して
堅框に固定したものが知られている。

この構造であると、障子を窓枠に収納した後に
外れ止め具を上方に移動調節して上枠内に臨ま
せ、この状態でビスによつて外れ止め具を堅框に
固定することで障子が窓枠から離脱することを防
止できる。

しかし、このような装置では、障子を窓枠に収
納した後に外れ止め具の調節・ビス固定の操作を
する必要があるので、サツシを取付ける際、ある
いは一度外した障子を再び窓枠に収納する際に前
記の操作を忘れたり、おこたる事が時々あり、こ
の場合には障子堅框に取付けた外れ止め具の機能
が生じなくなる。

その結果、窓枠に収納された障子に強風による
風圧がかかつた時、前記障子が室内外方向にたわ
み窓枠から離脱する不具合を有する。

すなわち、前述の外れ止め装置であると、障子
を窓枠に収納する時に外れ止め具が邪魔になるの
で下方に移動させ、収納後に上方に移動調節して
ビス固定しなければならないから、障子収納後に
外れ止め具の上方移動調節・ビス固定操作を忘れ
たり・おこたつたりすると障子が窓枠から離脱す
ることがあり好ましくない。

そこで、前述の不具合を解消した外れ止め装置
が実公昭55−624号公報に開示されている。

すなわち、上枠の溝部内に回転体を障子上框と
干渉する位置と干渉しない位置とに回動自在でか
つ干渉位置に回動付勢して取付けると共に、回転
体の干渉位置への回転を阻止する弾性体を設け、
障子を上枠の溝内にケンドン方式により吊り込む
際に弾性体が弾性変形されて障子を窓枠に収納完
了すると回転体が干渉位置に自動的に回転して障
子の上方移動を規制することで障子が窓枠から離
脱することを防止できるようにしている。

この構造であると、障子を窓枠に収納すること
により自動的に外れ止め機能を奏するので、前述
の不具合を解消し、極めて実用的な障子の外れ止
め装置となる。

しかし、この構造であると障子を収納した後に
回転体を特別な工具を使用するまでもなくいとも
簡単に非干渉位置に回転操作できて障子の外れ止
め機能を解除することが可能であり、第三者によ
つて故意に外れ止め機能を解除されることがあり
危険である。

特に、病院・図書館・学校・その他不特定多数
の人々が出入する公共機関の建物の窓に設置した
場合には、不特定多数の第三者たる立場の人々に
よつて外れ止め機能を解除されることが応々に生
じ易いので、非常に危険である。

また、小・中学校の建物の窓に設置した場合に
は開窓状態において、上枠に装着した回転体が外
部に露出し容易に視覚できるので、子供達が興味
半分に回転体をいじつたり、いたずらをしたりし
て外れ止め機能が解除される事があり好ましくな
い。

したがつて、不特定多数の第三者的立場の人々
が多数出入りする公共機関等の建物の窓に装着さ
れる障子の外れ止め装置としては、障子を吊り込
み収納した時に自動的に障子の外れ止め機能が発
揮され、かつ何かの工具を使用しないと外れ止め
機能を解除できないようにした障子の外れ止め装
置が要望される。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、窓枠に障子を吊り込んで収納す
ることにより自動的に障子の外れ止め機能を奏す
ると共に、不特定多数の第三者的場の人々により
前記外れ止め機能が解除されることがなく、かつ
関係者が簡単な工具を使用しいとも簡単な操作に
より外れ止め機能を解除できる外れ止め装置を提
供することにある。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

図において、１は窓の上枠、２は障子の上框、
３は障子の堅框、４はガラスである。上框２の上
側の凹溝５内には長尺の操作杆１０が長手方向に
移動可能に設けられているとともに、ストツパー
２０とバネ３０の対が上框２の長手方向に離され
て設けられている。

操作杆１０は、障子の幅とほぼ同じ長さを有し
ており、かつ上框２の上部のたて壁６に沿つて設
けられている。また、障子を窓枠に吊り込む前の
状態のとき及び窓枠から外すときは操作杆１０
は、第１図及び第２図に示すように障子の堅框３
から側方に突出する。この操作杆１０は窓の堅框
に当る側の端部に引抜き孔１１を有し、かつバネ
３０に対応する個所に切欠部１２を有し、さらに
上框２のたて壁７に向けて水平に突出する連結ピ
ン１３をストツパー２０の設置個所に有してい
る。

ストツパー２０は、下方開口のコ字状をした支
持体２１と、この支持体２１に回転可能に取付け
られた円板２２と、この円板２２に固着され、た
て壁７に向けて水平に突出した止め部材２３とで
構成されている。止め部材２３は円板２２と一体
であつてもよいし、別体であつてもよい。

支持体２１は、両脚部２４，２４が階段状に屈
曲されて両脚部２４，２４を連結する連結部２５
が上框２のたて壁６に沿うように脚部２４，２４
において上框２の中間壁８にビス止めされてい
る。操作杆１０は、脚部２４，２４と、連結部２
５と、上框２のたて壁６及び中間部８により形成
される空間部を貫通している。

円板２２は、支持体２１連結部２５に支持軸２
６により取付けられて、上框２のたて壁６に近接
し、かつたて壁６と平行な面内で回転可能になつ
ている。円板２２には、長孔２７が半径方向に形
成されており、この長孔２７に連結ピン１３が遊
嵌されている。

止め部材２３は、図示の例では棒であるが、平
板状又は半円筒状をした板体であつてもよい。

このストツパー２０は、操作杆１０が第２図及
び第４図に示すように、障子から突出していると
ともに、止め部材２３が凹溝５の下部、すなわち
円板２２の下死点近くにあるが、操作杆１０が障
子内に没却していると第５図に示すように円板２
２の下死点と上死点の間に位置する。

バネ３０は、Ｚ形に屈曲された板バネであり、
押圧部３１が操作杆１０切欠部１２に位置した状
態で固定部３２がビス３３により上框２の中間壁
８に取付けられている。このバネ３０は、押圧部
３１の長さが操作杆１０の厚さとほぼ同じであ
り、この押圧部３１で切欠部１２の底辺部を付勢
して操作杆１０を上框２に押圧することにより、
上框２に対する操作杆１０の移動に制動をかけて
いる。

この外れ止め装置は、第１図及び第２図に示す
ように、操作杆１０の引抜き孔１１側を障子から
突出させる。この際、連結ピン１３が操作杆１０
の移動にともなつて同方向に移動して円板２２を
第１図及び第４図において反時計方向に回転させ
るから、ストツパー２０は、止め部材２３が円板
２２の下死点近くに位置して外れ止めを解除した
状態になる。この状態において、操作杆１０はバ
ネ３０により上框２に付勢されているから、上框
２に対する移動に制動が加えられる。

この状態で、障子を窓枠に吊り込み、次いで障
子を閉鎖することにより堅框３を窓の堅枠に突き
当てて操作杆１０を障子内に没却させると、操作
杆１０の移動にともなつて連結ピン１３を介して
円板２２が第１図及び第２図において時計方向に
回転するから、止め部材２３が第５図に示すよう
に上方に移動されて円板２２の下死点と上死点の
間に位置し、外れ止めセツトの状態になる。この
状態においても、操作杆１０は、バネ３０により
上框２に押圧されているから、上框２に対する移
動に制動をかけられている。従つて、外れ止めセ
ツトが安定し、多少のことでは解除状態とはなら
ない。

外れ止めセツトの状態を解除するには、ドライ
バー等の先端を操作杆１０の引抜き孔１１に挿入
して操作杆１０を第１図に示すように障子から突
出させればよい。このようにすれば、操作杆１０
の移動にともなつて、連結ピン１３が前述とは逆
に移動して円板２２を第１図及び第４図において
時計方向に回転するから、止め部材２３が円板２
２の下死点近くにまで移動される。

なお、ストツパー２０を上框２の長手方向にお
ける複数個所に設けると、外れ止め機能が確実に
なり好適である。

以上ように本考案によれば、障子の上框の凹溝
に長手方向に沿つて移動可能に設けられ、前記凹
溝を形成するたて壁に向けて水平に突出する連結
ピンを有し障子の側部に出没可能な長尺の操作杆
と、前記上框の凹溝内に固着された下方開口のコ
字状をした支持体と、該支持体に転可能に取付け
られ前記連結ピンが遊嵌係合する長孔を有すると
共に前記たて壁に向けて水平に突出するよう固着
された止め部材を有する円板とからなるストツパ
ーと、前記操作杆に形成された切欠部に位置して
操作杆を上框に押圧する板バネからなるバネと、
からなる外れ止め装置としたので、操作杆を障子
に対して出没させるだけで外れ止めセツト及びそ
の解除することができ、従つて窓枠に障子を吊り
込んで、収納し、障子を閉鎖することにより、自
動的に障子の外れ止め機能を奏するとともに、不
特定多数の第三者的立場の人々により前記外れ止
め機能が解除されることがなく、かつ関係者が簡
単な工具を使用し、いとも簡単な操作により外れ
止め機能を解除できる。

また、バネを用いて操作杆の移動に制動を加え
ているので、障子が傾いたりあるいは障子を持ち
上げても操作杆は簡単に移動せず、従つて、障子
が簡単に外れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案にかかる外れ止め装置の一実
施例を示す一部を切除した斜視図、第２図は、同
装置の一部を切除した平面図、第３図は、第２図
の−線断面図、第４図は、外れ止めセツトの
状態を解除しているときのストツパーの正面図、
第５図は、外れ止めセツトの状態のときのストツ
パーの正面図である。 １：上枠、２：上框、３：堅框、４：ガラス、
５：凹溝、６，７：たて壁、８：中間壁、１０：
操作杆、１１：引抜き孔、１２：切欠部、１３：
連結ピン、２０：ストツパー、２１：支持体、２
２：円板、２３：止め部材、２４：脚部、２５：
連結部、２６：支持軸、２７：長孔、３０：バ
ネ、３１：押圧部、３２：固定部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 障子の上框２の上側の凹溝５に長手方向に沿つ
   て移動可能に設けられ、前記凹溝５を形成するた
   て壁７に向けて水平に突出する連結ピン１３を有
   し障子の側部に出没可能な長尺の操作杆１０と、 前記上框２の凹溝５内に固着された下方開口の
   コ字状をした支持体２１と、該支持体２１に回転
   可能に取付けられ前記連結ピン１３が遊嵌係合す
   る長孔２７を有すると共に前記たて壁７に向けて
   水平に突出するよう固着された止め部材２３を有
   する円板２２とからなるストツパー２０と、 Ｚ形に屈曲され押圧部３１と固定部３２からな
   る板バネであり、該押圧部３１が前記操作杆１０
   に形成された切欠部１２に位置して、操作杆１０
   を前記上框２に押圧するバネ３０と、 からなることを特徴とする障子の外れ止め装置。