JPH0141574B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、微粉炭などの爆発性あるいは反応活
性のある危険性粉粒体の輸送のための収容タンク
への充填、輸送、排出の過程を安全管理する輸送
システムに関する。

例えば石炭をエネルギー源として利用する場
合、粉粒体の形態として取扱うことは、収容タン
ク内での空隙率の減少による充填比率の増大、タ
ンクの小形化、粉体の流体的運動による取扱上の
便利さ、火炉での燃焼性あるいは反応性の向上、
灰分処理の容易さなどの諸点で有利である。しか
し微粉炭は空気の混入により威力の大きい粉塵爆
発を惹起する危険のあるものであるから、管路空
気輸送は行なうことができず、また収容タンクに
よる車輛輸送を行なうについても、受入基地と供
給基地との間の長距離輸送に関して、受入基地で
の収容タンクへの微粉炭の積込時、動揺を伴なう
輸送中、および供給基地での排出時に爆発防止の
安全対策を充分にかつ効果的に実施する必要があ
る。

本発明は、不活性ガスの効率的使用と粉体の流
体的運動特性の活用とによりこの問題に解決を与
えたものであつて、微粉炭などの車輛輸送方法と
して、受入基地にて車体上に搭載され、不活性ガ
スが充填された収容タンクに危険性粉体を積込
み、収容タンク内の温度を監視しながら輸送し、
供給基地にて収容タンク内の危険性粉体を基地側
の不活性ガスを導入して圧送することを特徴とす
る。

また本発明による装置は、車体上に微粉炭など
の収容タンクを搭載し、該収容タンク内の温度を
検出して危険度に達すると緊急用不活性ガスを注
入できるよう構成するとともに、微粉炭の排出
時、収容タンクの吸入口と基地側の不活性ガス供
給口とを接続しうるようにしたことを特徴とす
る。

本発明における収容タンク搭載車輛はバルクロ
ーリとして形成され、車体上における収容タンク
の容量を最も大きくとることができる。

以下、本発明を添付図の実施例により具体的か
つ詳細に説明する。

第１図は本発明による輸送システムの一実施例
を作動順序に従つて示すものである。第１図イ
は、受入基地において、車輛１の車体２上に搭載
された収容タンク３に基地サイロ４から接続部を
通じ微粉炭を積込中の状態を示す。積込前に収容
タンク３内には炭酸ガス、窒素等の不活性ガスが
充填されているものであり、このガスは微粉炭の
積込に伴ない排出されてゆくが、積込後も不活性
ガス雰囲気を維持する。若し微粉炭の積込時に収
容タンク内に不活性ガスが充填されていない場合
には、受入基地の不活性ガス源等を利用して不活
性ガスを注入することができる。積込中、車輛１
はアース５と接続され、粉体流入に伴なつて生ず
る静電気は放電される。

第１図ロは車輛１が接続ホースおよびアース５
から接続を外され、走行中の輸送状態を示す。車
輛はアースベルト６で放電され、収容タンク３内
には微粉炭と不活性ガスが充満密閉されている。

第１図ハは車輛１が供給基地のサイロ７の側方
に到着した後の状態を示す。車輛１はアース５Ａ
に接続される。収容タンク３の吸入口は供給基地
側の不活性ガス源の供給口と接続ホース８はより
接続され、また収容タンク３から微粉炭排出用ホ
ース９をサイロ７上のサイクロンセパレータ１０
に接続し、基地側の不活性ガスを導入して収容タ
ンク内を加圧して微粉炭をサイロ７に圧送する。
なお、基地側の不活性ガス源としては一般にガス
タンクが用いられ、そのタンク内に７Kg／cm²程度
でガスが加圧封入されているため加圧手段を別設
する必要はなく、これを導入するだけで収容タン
ク３内は加圧され圧送可能となる。さらに、実施
態様によつては減圧弁を介して導入する場合もあ
る。

収容タンク３から微粉炭の排出が終れば、ホー
ス接続を外しタンクを締切りアース５Ａ接続を外
しタンク内に不活性ガスを充填したまま受入基地
に帰場する。

第２図イ，ロ，ハは排出方法の若干異なる本発
明の実施例につき第１図と同様にして作動順序を
示した図である。第１図に示す実施例と同一また
は均等の部分は同一符号により指摘し説明の重複
する点は反覆説明を省略する。この実施例におい
ては、第２図ハに示すように、不活性ガスホース
８および微粉排出ホース９を接続して微粉炭を収
容タンク３からサイロ７に排出中に、基地側不活
性ガスによる圧送のタンク内圧力が下ると、その
都度、車体２とタンク３前部とに連結した多段伸
縮油圧シリンダ１１を伸長させてタンクの傾倒角
度を増して行き微粉炭の圧送排出を有利に遂行さ
せる。

微粉炭を車輛に搭載した収容タンク内に受入れ
輸送中に、微粉炭が直射日光によるタンク温度の
上昇或いはタンク内残留酸素による微粉炭の配化
熱により昇温して危険温度に達することがあるの
で、この危険の防止のため、本発明の装置は、車
輛１に緊急用不活性ガスボンベ１２を設備し収容
タンク３に温度監視機構としての測温体１３を取
付け、収容タンク内の温度を検出して危険温度に
達すると緊急用不活性ガスをボンベ１２からタン
ク３内に注入することにより酸素濃度を低下させ
ることができるようにした不活性ガス注入機構を
含み、第３図はこのための管系を示す。第３図に
おいて、ボンベ１２から減圧弁１４および電磁開
閉弁１５を経て収容タンク３内に向つて不活性ガ
ス注入管１６が配管され、測温体１３は制御器１
７を介し電磁開閉弁１５に接続されている。１８
は基地側の不活性ガスの注入を可能とするための
接続口で、逆止弁１９を介して不活性ガス注入管
１６に通じる。２０は収容タンク３に設けたばね
負荷逆止弁である。

以上のように本発明によると、微粉炭などの車
載収容タンクによる輸送、受渡しの過程において
粉塵爆発を起す危険は回避され、不活性ガスの有
効利用がなされ、収容タンクは容量が大きく輸送
効率が高い等の諸効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハは本発明の１実施例を作動の
順序に示す図、第２図イ，ロ，ハは他の実施例を
作動の順序に示す図、第３図は収容タンク側にお
ける配管配線図である。 １……車輛、２……車体、３……収容タンク、
４……受入基地サイロ、５，５Ａ……アース、６
……アースベルト、７……供給基地サイロ、８…
…接続ホース、９……微粉炭排出用ホース、１０
……サイクロンセパレータ、１１……多段伸縮油
圧シリンダ、１２……緊急用不活性ガスボンベ、
１３……測温体、１４……減圧弁、１５……電磁
開閉弁、１６……不活性ガス注入管、１７……制
御器、１８……接続口、１９……逆止弁、２０…
…ばね負荷逆止弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 受入基地にて車体上に搭載され、不活性ガス
   が充填された収容タンクに危険性粉体を積込み、
   収容タンク内の温度を監視しながら輸送し、供給
   基地にて収容タンク内の危険性粉体を基地側の不
   活性ガスを導入して圧送することを特徴とする危
   険性粉体の輸送方法。 ２ 車体上に搭載され不活性ガスとともに危険性
   粉体を積載する収容タンクと、収容タンク内の温
   度を監視し危険温度を検出する温度監視機構と、
   該温度監視機構の危険温度の検出により収容タン
   ク内に緊急用不活性ガスを注入する不活性ガス注
   入機構と、基地側の不活性ガス源と接続される接
   続口とを具備する危険性粉体の輸送装置。