JPH0141170B2 - - Google Patents

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JPH0141170B2
JPH0141170B2 JP58052517A JP5251783A JPH0141170B2 JP H0141170 B2 JPH0141170 B2 JP H0141170B2 JP 58052517 A JP58052517 A JP 58052517A JP 5251783 A JP5251783 A JP 5251783A JP H0141170 B2 JPH0141170 B2 JP H0141170B2
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JP
Japan
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particles
film
particle size
biaxially stretched
range
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JP58052517A
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English (en)
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JPS59179555A (ja
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Tsutomu Kiryama
Shigeru Horie
Masahiro Oshida
Tetsuo Ichihashi
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Priority to US06/593,237 priority patent/US4539389A/en
Priority to KR1019840001624A priority patent/KR890004356B1/ko
Priority to DE8484302231T priority patent/DE3478847D1/de
Priority to EP84302231A priority patent/EP0124291B1/en
Publication of JPS59179555A publication Critical patent/JPS59179555A/ja
Priority to US06/755,142 priority patent/US4619869A/en
Publication of JPH0141170B2 publication Critical patent/JPH0141170B2/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は製膜時における巻き性が良好でありか
つ巻き皺ができにくく、製品としては電磁変換特
性の雑音レベルが低く、しかもハンドリンク性、
走行性、繰返使用による耐久性等に優れた磁気記
録媒体用二軸延伸ポリエステルフイルムに関す
る。 現在ポリエステルフイルムは、例えばビデオテ
ープ、コンピユーターテープ、フロツピーデイス
ク、オーデイオテープ等の磁気用途;コンデンサ
ー、モーターのスロツトライナー、電気絶縁テー
プ等の電気用途;ラミネート、金属蒸着を含む包
装用途;その他レントゲンフイルム、マイクロフ
イルム、グラフイツクアート、設計図、スタンピ
ングホイル等の種々の用途に広く用いられてい
る。これらの各種の用途の為に、最近のポリエス
テルフイルムの需要伸長にはめざましいものがあ
る。 一方、これらの用途製品のコンパクト化、高密
度化、高級品質化等のニーズに従いポリエステル
フイルムに対する品質要求も益々厳しくなつてき
ている。 上記の各種用途の中で、殊に磁気用途では記録
の乱れを防ぐためベースフイルム表面の平坦性が
要求されると同時にフイルム形成時の作業性(巻
き性、巻き皺無発生等)や製品の取扱い性(走行
性、耐久性等)の面から易滑性が要求されてい
る。 本発明のフイルムは、上述の厳しい要求品質に
充分に適合でき得る高級グレードの磁気用途分野
において利用が期待されるものである。 従来技術 従来、ポリエステルフイルムの易滑性を向上さ
せる方法として、ポリエステルに酸化ケイ素、二
酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等
の単なる無機質粒子を添加する方法又はポリエス
テルの合成時に重合系内で、カルシウム、リチウ
ムあるいはリンを含む微粒子を析出せしめる方法
が提案されている。製膜した際、微粒子はフイル
ム表面に突起を生成し、フイルムの易滑性を向上
させる。 しかしながら、上記の如き微粒子による突起の
みによつて、フイルムの滑り性を改善する方法で
は、フイルムに易滑性を付与する微粒子突起は、
一方ではフイルム表面の平坦性を阻害することと
なるため、平坦性と易滑性とを同時に満足したフ
イルムを得ることは不可能ではないまでも極めて
困難である。これらの相反する平坦性と易滑性と
を解決する方策の一つとして、大粒径の粒子と小
粒径の粒子とを併存する複合系無機質粒子を利用
する手段が米国特許第3821156号明細書、同第
3884870号明細書、又は特公昭55−40929号公報に
よつて公知である。しかしながら、これらの複合
系添加粒子における平坦性と易滑性との調整技術
は製品のコンパクト化、高密度化、高級品質化等
の高級グレードの磁気用途分野における厳しい要
求品質に対してまだ満足できるレベルでない。 この理由を詳細に述べると、前述の複合系添加
物において用いられる大粒径の粒子サイズが、高
級グレードの磁気用途分野の平坦性の要求品質に
対してやや粗大であることが第1の欠点である。 更に、添加粒子の分布が従来技術では全く制御
されていないことから、フイルム表面の突起が設
計された通りに調整し難いことが第2の欠点とな
る。 本発明者は上記の問題点を解決し、高級品質の
磁気用途分野に適用可能な平坦性と易滑性とを兼
備したフイルムの開発に成功したものである。 発明の目的 本発明の目的は記録材料として、記録の乱れが
ないベースフイルムを提供することにあり、フイ
ルムにおいて、(1)表面に大きな凹凸がなく、実質
的に平滑であるが、ドロツプアウト等のノイズの
原因とならない程度の微小な凹凸が存在してお
り、(2)走行時の摩擦係数が小さく操作性が良く、
(3)磁気記録再生装置(ハードウエア)の部分との
接触摩擦によるベースフイルムの削れが極めて少
なく、継続的使用における耐久性が良好な二軸延
伸フイルムを提供することである。 本発明の他の目的は単に製品としての長所が発
現されるフイルムを提供するだけでなく、フイル
ム形成時の作業性や製品性の良いフイルムを提供
することにもある。即ち、フイルム形成時の巻き
性が良好であつて、巻き皺が発生することなく、
スリツト性の良好な二軸延伸ポリエステルフイル
ムを提供するものである。 本発明の別な目的および利点は以下の説明から
明らかとなろう。 発明の構成 本発明者は前述の背景にかんがみ、前述の目的
を的確につかみながら高級グレードの磁気用途分
野の要求品質を充分にかつ同時に満足させる特定
の平坦性と特定の易滑性とを備えたフイルムを鋭
意研究した結果、本発明に到達した。 即ち、本発明は、芳香族カルボン酸を主とする
二官能性酸成分と少くとも一種のグリコール成分
よりなるポリエステルと、該ポリエステル中に微
分散する不活性無機粒子とから成るフイルムであ
つて該不活性粒子の中の大粒子が下記式の粒度分
布比〔γ〕の値が1.5から2.3までの範囲にある炭
酸カルシウムからなり 〔γ〕=粒子の積算重量が25%の時の直径/粒子の積
算重量が75%の時の直径 更に、該不活性粒子の中の小粒子はその粒度分
布比〔γ〕の値が1.4から2.3までの範囲にあるア
ナターゼ型二酸化チタンから構成されることを特
徴とする二軸延伸フイルムである。 本発明において用いられるポリエステルとは、
芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレ
ングリコールを主たるグリコール成分として成る
実質的に線状のものである。すなわち、これらの
ポリエステルはエステル構成単位としてはポリア
ルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレ
ンナフタレートを主たる構成成分として成る。か
かるポリアルキレンテレフタレート及び/又はポ
リアルキレンナフタレートには、ホモポリマーは
勿論のこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モル
%以上がテレフタル酸及び/又はナフタレンジカ
ルボン酸であり、全ジオール成分の80モル%以上
がエチレングリコールである共重合体が包含され
る。 共重合体を形成するテレフタル酸及び/又はナ
フタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸として
は、例えばイソフタル酸、ジフエノキシエタンジ
カルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、ジフエニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフエニルスルホンジ
カルボン酸、ジフエニルケトンジカルボン酸、ア
ンスラセンジカルボン酸の如きテレフタル酸及び
ナフタレンジカルボン酸以外の芳香族ジカルボン
酸;アジピン酸、セバチン酸の如き脂肪族ジカル
ボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸
の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げることができ
る。 共重合体を形成するジオールとしては、例えば
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコールの如き炭
素数3〜10個のポリメチレングリコール;シクロ
ヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール;ハ
イドロキノン、レゾルシノール、2,2′−ビス
(4−ヒドロキシフエニル)プロパンの如き芳香
族ジオール;1,4−ジヒドロキシメチルベンゼ
ンの如き芳香核を含む脂肪族ジオール;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールの如きポリアルキレ
ングリコール(ポリオキシアルキレングリコー
ル)等を挙げることができる。 上記共重合体は、テレフタル酸及び/又はナフ
タレンジカルボン酸又はエチレングリコール以外
の上記ジカルボン酸又は上記ジオールに替えて又
はそれと共に、例えばヒドロキシ安息香酸の如き
芳香族オキシ酸;ω−ヒドロキシカプロン酸の如
き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来す
る成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボ
ン酸成分の総量に対し20モル%以下で含有するも
のも包含する。また、上記共重合体は実質的に線
状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル
%以下の量で、3官能以上のカルボン酸又はヒド
ロキシ化合物、例えばトリメリツト酸、ペンタエ
リスリトールを共重合したものをも包含する。 本発明に用いられる上記ポリアルキレンテレフ
タレート及び/又はポリアルキレンナフタレート
はそれ自体公知であり、且つそれ自体公知の方法
で製造することができる。 本発明においては、上記ポリアルキレンテレフ
タレート及び/又はポリエキレンナフタレートが
好ましく用いられる。 本発明において用いられるポリアルキレンテレ
フタレート及び/又はポリアルキレンナフタレー
トとしては、0−クロロフエノール中の溶液とし
て35℃で測定して求めた固有粘度が約0.4〜約0.9
のものが好ましい。 本発明に用い得る不活性粒子を構成する大粒子
は、組成的には炭酸カルシウムよりなり製法的に
は軽質炭酸カルシウム又は重炭酸カルシウムのい
ずれのものでもよい。この大粒子の炭酸カルシウ
ム粒子は、その粒度分布に特徴があり対数確率紙
上に炭酸カルシウム粒子の粒度分布をプロツトし
た際、炭酸カルシウムの積算重量が25%の時の粒
子直径と炭酸カルシウムの積算重量が75%の時の
粒子直径との比で表わされる粒度分布比〔γB25/
75〕が、1.5から2.3までの範囲、好ましくは1.5〜
2.2の範囲、更に好ましくは1.5〜2.1の範囲となる
ように制御された粒度分布を有することが必要で
ある。本発明に用いられる炭酸カルシウム粒子の
制御された粒度分布は前述の本発明の目的を達成
する為には必須条件であり、この粒度分布比〔γB
25/75〕の値が低いほど炭酸カルシウム粒子の粒
度分布がシヤープであることを示している。この
様な特定の範囲の粒度分布比を有する炭酸カルシ
ウム粒子は単に市販品を使用するだけでは得られ
ず、エチレングリコールの如き溶媒中で粉砕処理
を施し、沈降処理により粗大粒子分を分離し、更
に濾過処理等の前処理を実施して初めて得られる
ものである。かように粒度分布が制御された特定
の粒子を使用する点に本発明の改良技術の特色が
ある。 本発明で用いられる不活性粒子を構成する小粒
子は、組成的には二酸化チタンからなり、結晶形
態的にはアナターゼ研二酸化チタンである。更
に、後述する如く燐元素とカリウム元素を特定量
含有する特殊な二酸化チタンである。このアナタ
ーゼ型二酸化チタン粒子は、その粒度分布に特徴
があり、対数確率紙上に二酸化チタン粒子の粒度
分布をプロツトした際、二酸化チタンの積算重量
が25%の時の粒子直径と二酸化チタンの積算重量
が75%の時の粒子直径との比で表わされる粒度分
布比〔γS25/75〕が1.4から2.3までの範囲、好ま
しくは1.4〜2.2の範囲、更に好ましくは1.4〜2.1
の範囲にある制御された粒度分布を有することが
特徴である。本発明に用いられる二酸化チタン粒
子の制御された粒度分布は前述の本発明の目的を
達成する為には必須条件であり、この粒度分布比
〔γB25/75〕の値が小さい程、二酸化チタン粒子
の粒度分布がシヤープであることを示している。
しかしながら、粒度分布比〔γB25/75〕が1.4未
満の粒度分布を持たせることは経験的に大変困難
で達成が難しい。この様な特定の範囲の粒度分布
比を有する二酸化チタン粒子は単に市販品を使用
するだけでは得られずエチレングリコールの如き
溶媒中に粉砕又は解砕処理を施し、沈降処理によ
り粗大粒子分を分離し、更に濾過処理等の前処理
を組合せて実施して初めて得られる粒度分布が制
御された特定の粒子である。この粒度分分布比
〔γ25/75〕が、2.3を超える場合に、不活性粒子
中の粗大粒子が多くなり、フイルム表面の突起形
状が大きくなり、Ta光線による干渉縞が3環以
上になる突起が急激に多数になる傾向がある。そ
して製品の電磁変換特性も急激に悪化する傾向が
ある。また、炭酸カルシウム粒子又はチタン粒子
のどちらか一方の粒度分布比〔γ25/75〕が2.3を
越る場合にも不活性粒子中の粗大粒子が、重量%
的には少ないにも拘らず個数的には多く存在する
様になり、フイルム表面においてTa光線による
干渉縞が3環以上になる突起が増加し、100cm2
り20ケより多くなつてしまう。 本発明に供する炭酸カルシウム粒子は、その平
均粒径が0.3〜1.5μの範囲、好ましくは0.4〜1.4μ
の範囲、更に好ましくは0.5〜1.3μの範囲にある
ことを特徴としている炭酸カルシウム粒子のフイ
ルム中の含量(WB)は0.01〜0.30重量%の範囲、
好ましくは0.02〜0.28重量%の範囲、更に好まし
くは0.03〜0.25重量%の範囲にあることも特徴と
するものである。炭酸カルシウム粒子の平均粒径
が1.5μよりも大きく、炭酸カルシウムのフイルム
中の含量(WB)が0.30重量%よりも多い場合に
はベースフイルムの易滑性は良好であるが、フイ
ルム表面の凹凸の頻度が増し磁気記録時の雑音が
大きくなりやすい。炭酸カルシウム粒子のフイル
ムにおける含有量が、0.1〜0.3重量%の場合と
0.01重量%以上0.1%未満(重量)(殊に0.01〜
0.08重量%)の場合とを比較すると前者はフイル
ム表面の粗さ(CLAの値)を増加させる傾向を
有し、後者はフイルム走行面の走行摩擦係数
〔μk〕が繰返し使用によつても変化しないという
傾向を示す。従つて、炭酸カルシウムの含有率が
0.1重量%未満ではフイルムの走行(使用)によ
る耐久性、滑り特性の安定さが現われる。 本発明に供する不活性粒子の中の二酸化チタン
粒子はその平均粒径が0.10〜0.50μの範囲、好ま
しくは0.15〜0.50μの範囲、更に好ましくは0.20〜
0.50μの範囲にあると好ましい。本発明に供する
二酸化チタン粒子のフイルム中含量(WB)は、
0.01〜0.50重量%の範囲、好ましくは0.02〜0.45
重量%の範囲、更に好ましくは0.05〜0.40重量%
の範囲にあることを特徴としている。二酸化チタ
ン粒子の平均粒径が0.10μよりも小さくフイルム
中の含量(WS)が0.01重量%未満の場合にはベ
ースフイルム表面の滑性が低く、フイルム成形時
において巻き取れないというトラブルが多発す
る。 本発明に供する二酸化チタン粒子のフイルム中
の含量(WS)は、炭酸カルシウム粒子のフイル
ム中含量(WB)に対して、1.0〜30の範囲、好ま
しくは1〜28の範囲、更に好ましくは1〜26の範
囲にあることを特徴としている。 二酸化チタン粒子のフイルム中の含量(WS
が炭酸カルシウム粒子のフイルム中の含量(WB
に対して1.0未満の場参には、フイルム表面の凹
凸が大きくなり磁気記録の雑音が生じ易い傾向に
ある。 本発明では、炭酸カルシウム粒子の平均粒径と
二酸化チタン粒子の平均粒径との比は1.5〜10の
範囲、好ましくは1.5〜8の範囲、更に好ましく
は1.6〜8の範囲にあることを特徴としている。 炭酸カルシウム粒子の平均粒径と二酸化チタン
粒子の平均粒径の比が10よりも大きい場合には、
フイルム表面の凹凸が大きくなり磁気記録の再現
性がよくない。また炭酸カルシウム粒子の平均粒
径と二酸化チタン粒子の平均粒径との比は1.5よ
りも小さい場合に、ベースフイルム形成時におけ
る巻き性が悪くベースフイルムの巾方向の巻き硬
さに硬度の差が生じる場合が多くなる傾向があ
る。 本発明で用いられる二酸化チタン粒子は、その
組成においてP2O5換算で0.25重量%以上、好まし
くは0.25重量%から1.0重量%までの範囲、更に
好ましくは0.28重量%から1.0重量%までの範囲
の燐元素を含み、かつK2O換算で0.1重量%以上、
好ましくは0.1重量%乃至0.30重量%の範囲、更
に好ましくは0.1重量%乃至0.28重量%の範囲の
カリウム元素を含んであることを特徴としてい
る。二酸化チタン粒子の組成において、P2O5
算による燐元素の含有量が0.25重量%未満である
場合、或はK2O換算によるカリウム元素の含有量
が0.1重量%未満である場合には、二酸化チタン
粒子の色調が悪くなりやすく二酸化チタン粒子の
エチレングリコール中での凝集安定性が低くなる
という傾向がある。二酸化チタン中にリン元素及
びカリウム元素を含有せしめるには、二酸化チタ
ンの焼成時にリン元素(成分)及びカリウム元素
(成分)を存在させるとよいことが知られている
[久保輝一郎編、現代工業化学講座18、「無機合成
化学」第292頁、第19行〜第27行(共立出版株
式会社刊、1972年)]。例えば、予め所定量のリン
元素及びカリウム元素を含有しているチタン原鉱
石を使用してもよいし、またチタン原鉱石中のリ
ン元素及び/又はカリウム元素が少ないときには
二酸化チタン製造時に所定量のリン化合物及び/
又はカリウム化合物を添加・配合してもよい。二
酸化チタン中におけるリン元素及びカリウム元素
はいかなる状態にあるか明らかでないものの、焼
成時にリン成分及びカリウム成分を存在せしめる
ことによつて、これが二酸化チタン中に取込まれ
ることから、恐らく酸化物の状態にあると推定さ
れる。そして製造時に添加配合した上記化合物は
その種類に関係なく焼成によつて酸化物に変換さ
れているものと推測される。これらリン元素及び
カリウム元素は二酸化チタンの結晶構造に何らか
の影響を与えているものと考えられる。なお本発
明で用いられる二酸化チタン粒子は、上記範囲の
リン元素とカリウム元素を含んであるために、低
摩耗性を呈することが特徴である。その結果、使
用する装置特にダイヤスリツターの刃等の損傷が
少なく作業性、装置メンテナンス、コストなどの
点において低摩耗性の効果が現われる。 次に本発明フイルムについて詳細に述べる。本
発明のフイルムはその表面粗さ〔CLA〕とフイ
ルムの走行面の走行摩擦係数〔μk〕とが下記式
を満足する範囲にあることを特徴とし 0.001<〔CLA〕0.016μ 0.01<〔μk〕0.20 0.10<10〔CLA〕+〔μk〕0.31 ている。 磁気記録用のベースフイルムの用途は多岐にわ
たるが、例えばコンピユーター分野ではフイルム
の表面粗さ〔CLA〕が0.03μよりも大きく、フイ
ルム表面の走行摩擦係数〔μk〕が0.20未満の領域
のものが用いられている。またオーデオ分野では
フイルムの表面粗さが0.015μよりも大きく0.04μ
未満でありかつフイルムの走行摩擦係数〔μk〕
が0.05よりも大きく0.25未満であり、更にフイル
ムの表面粗さ〔CLA〕とフイルムの走行面の走
行摩擦係数〔μk〕の関係が次式を満足する領
域の中の含まれるものが知られている。 10〔CLA〕+〔μk〕>0.31 …… 一方ビデオ分野ではフイルムの表面粗さが
0.015μよりも大きく0.032未満でありフイルムの
走行面の走行摩擦係数〔μk〕が0.25未満でありか
つ前記式を満足する領域に含まれるもののみが
知られているにすぎない。この様に、フイルムの
表面粗さを小さくしてフイルム表面を平坦にすれ
ば走行摩擦〔μk〕が大きくなるという二律排反
要件によつて、前記経験式を越えることが、大
変難しく殆んど不可能であつた。高級グレードの
磁気記録用のベースフイルムを開発するに当り、
フイルムの表面粗さ〔CLA〕が0.015未満でも易
滑性において耐久性のあるベースフイルムを得る
には、フイルムに添加する不活性物質を特定のも
のとすることが不可欠である。言い換えると、特
定の組成からなり、かつ制御された粒度分布を有
する、凝集安定性のある不活性無機粒子を用いる
ことによつて高級グレードの磁気記録用フイルム
の厳しい要求品質を達成し得ることとなる。 本発明において、下記式を満足する場合と、
下記式を満足する場合とを比較すると 0.10<10×〔CLA〕+〔μk〕0.17 …… 0.17<10×〔CLA〕+〔μk〕0.31 …… 前者の方がフイルム製膜時の巻き操作が若干し
やすいという傾向がみられ、一方後者の方が、繰
り返し測定した時のフイルムの走行面の走行摩擦
係数〔μk〕が、あまり変化しないという耐久性
が優れている。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムはフイ
ルム表面におけるTa光線による干渉縞が4環以
上である突起数が10ケ以下/100cm2でありTa光線
による干渉縞が3環以上である突起数が20ケ以
下/100cm2であることを特徴としている。この干
渉縞の観察は、後述する表面突起数の測定法にお
いて、可視光(単色光)を用いた多重干渉反射式
顕微鏡を使用して、なし得る。 本発明フイルムはその表面において0.05μ以上
の高さの突起のうち、少くとも2割以上がアナタ
ーゼ型二酸化チタンによつて生成するものであり
少くとも0.3%以上の個数のものが炭酸カルシウ
ムによつて生成されていることを特徴とする。 フイルム表面の凸部を形成する滑剤の組成分析
は後の実施例部において詳述する方法により、概
略の定量性をもつて測定することが出来る。 発明の効果 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムはその
表面において(1)表面に大きな凹凸がなく実質的に
平滑であるが、電磁変換特性が乱れない程度の微
小な凹凸が存在しており、(2)走行時の摩擦係数が
小さく操作性が大変良好であり、(3)磁気記録再生
装置(ハードウエア)の走行部分との接触摩擦に
よるベースフイルムの削れが極めて少なく、耐久
性が良好である。 更に、本発明の二軸延伸ポリエステルフイルム
はフイルム形成時において巻き性が良好であり、
かつ巻き皺が発生しにくく、その上スリツト段階
において寸法安定的にシヤープに切断されるとい
う長所がある。 以上のフイルム製品としての長所と、フイルム
形成時の長所との組合せによつて、高級グレード
の磁気用途分野に効果が発揮できるベースフイル
ムが容易に製造でき工程的にも安定に生産でき
る。高級グレードの磁気記録材料を具体的に述べ
ると、マイクロ記録材、フロツピーデイク等のコ
ンパクト化、高密度化製品、オーデイオ及びビデ
オ等の長時間録画用の超薄物、高密度記録磁気フ
イルム等、高品質画像記録再生用の磁気記録フイ
ルム例えばメタルや蒸着磁気記録材等である。こ
れらの用途に本発明のフイルムが適用できる。ま
た表面平滑性への要求が比較的あまい汎用グレー
ドの磁気記録材等にも本発明の二軸延伸フイルム
は勿論使用できる。 実施例 以下実施例により本発明を詳述する。 なお、本発明における種々の物性値および特性
は以下の如くして測定されたものであり且つ定義
される。 (1) 不活性無機粒子の平均粒径 島津製作所製CP−50型Centrifugal Particle
SizeAnalyserを用いて測定した。得られた遠心
沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存
在量とのcumulative曲線から、50mass percent
に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒
径とした(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞社
発行、1975年、頁242〜247参照)。 (2) 不活性無機粒子の粒度分布比〔γ〕 不活性無機粒子の平均粒径の測定において得ら
れた遠心沈降曲線を基に、各粒径の粒子とその存
在量とのcumulative曲線を算出して描き、粒子
の積算重量が25mass percentに相当する粒径と、
粒子の積算重量が75mass percentに相当する粒
径を読みとり、前者の値を後者の値で除して各々
の不活性無機粒子の粒度分布比〔γ〕を算出す
る。 (3) フイルムの走行摩擦係数(μk) 第1図に示した装置を用いて下記のようにして
測定した。第1図中、1は巻出しリール、2はテ
ンシヨンコントローラー、3,5,6,8,9お
よび11はフリーローラー、4はテンシヨン検出
機(入口)、7はステンレス鋼SUS304製の固定
棒(外径20mmφ)、10はテンシヨン検出機(出
口)、12はガイドローラー、13は巻取りリー
ルをそれぞれ示す。 温度20℃、湿度60%の環境で、巾1/2インチに
裁断したフイルムを7の固定棒(表面粗さ
0.3μm)に角度θ=152/180πラジアン(152゜)で接 触させ、毎秒25cmの速さで移動、摩擦させる。入
口テンシヨンT1が30gとなるようにテンシヨンコ
ントローラー2を調整した時の出口テンシヨン
T2g(出口テンシヨン検出機10で検出)より次
式で走行摩擦係数μkを算出する。本発明では後
述する方法によりフイルムの片面に磁性層を設け
た後に測定し、90m走行時の走行摩擦係数をもつ
てμkとする。 μk=2.303/θlogT2/T1=0.868logT2/30 (4) 表面粗さ CLA〔センター・ライン・アベレツジ(Center
Line Average・中心線平均粗さ)〕JIS B 0601
に準じ、東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM 3B)を使用して、針の半径2μm、
荷重0.07gの条件下にチヤートをかかせ、フイル
ム表面粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さ
Lの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線
をX軸、縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲線を
Y=f(x)で表わした時、次の式で与えられた
値をμm単位で表わす。 RCLA=1/L∫L p|f(x)|dx この測定は基準長を0.25mmとして8個測定み、
値の大きい方から3個除いた5個の平均値で表わ
す。 (5) 表面突起数 表面を観察しようとする部分のフイルム表面に
400〜500Å乃至それ以下の厚みにアルミニウムを
均一に真空蒸着し、反対の非蒸着面(フイルム
面)にコロジオン貼付けし、乾燥して後、Ta単
色光多重干渉反射式顕微鏡(例えば、Carl Zeiss
JENA社製)を用い100倍で任意100cm2を観察し、
顕微鏡視野中の突起物の突起高さに対応して生じ
る3ないし4環以上の突起数をカウントする。 (6) 削れ性 第1図に示したフイルムの走行面の走行摩擦係
数〔μk〕の測定装置を使用し、同じ条件でフイ
ルムを90m走行させ、7の固定棒に付着する白粉
の付着程度より肉眼観察により官能判定する。 (5段階判定) ◎ 全く白粉発生せず。 〇 少量の白粉が、固定棒の接触部の1/5未満の
面積部に存在する。 △ 白粉が固定棒の接触部の1/5以上1/2未満の面
積部に存在する。 × 白粉が固定棒の接触部の1/2以上の面積部に
存在する。 ×× 白粉が固定棒に接触部のほぼ全体に付着
し、さらに、白粉が固定棒のまわりに一部飛散
して存在する。 (7) 製膜時の巻き性評価 (イ) 巻き姿(巾方向) 二軸延伸後厚さ15〜20μになる様に製膜し耳部
の両端を巻取部の約1.5m手前にて切り落し、セ
ンター部300mm巾のフイルムを15分間巻き取り、
その時の端部の最も凸部と最も凹部との高低差を
実測し、ランクづけする。 A:凹凸部の高低差 2mm未満 B: 〃 4mm〃 C: 〃 6mm〃 D:凹凸部の高低差6mm以上 (ロ) 巻き姿(左右円周方向) 巻き姿(巾方向)の評価と同じ様に30分間、
300mm巾でロール巻き取りし、ロールの両端から
2cm内側のところでの左右の直径を大型ノギスで
測定し、左右の直径差よりランクづけする。 A:左右の巻き直径差 2mm未満 B: 〃 4mm〃 C: 〃 6mm〃 D: 〃 6mm以上 (ハ) 巻き皺(走行時) 巻き姿(巾方向)の評価と同じ様に30分間、
300mm巾でロール巻き取りし、巻き取り時に発生
する皺数によつてランクづけする。 A 巻皺 なし B 小さい巻き皺 1ケ所発生 C 大きい巻き皺 1ケ所発生 D 巻き皺 2ケ所以上発生 (ニ) 巻き皺(2週間経時) 上記、走行時巻き皺評価のA及びBランクのも
のを、2週間にわたり湿度65%、温度20℃の空調
雰囲気下に保存し、新たに巻き皺が発生するかど
うかチエツクして走行時巻き皺評価と同様に4段
階にランクづけする。 (8) フイルム表面凸部の滑剤組成分析 二軸延伸した厚み15〜20μのフイルムから3枚
のフイルムサンプルを採集し、それらの表面を新
品のカミソリ刃で慎重に削り取る。うまく削り取
つた部分をエネルギー分散形X線分析装置(日立
走査電子顕微鏡S430型、日立KEVEX型)にてチ
タン元素及びカルシウム元素の面分析を行い、そ
の拡大分析写真の任意の部分の1cm2の検出点を、
実体顕微鏡にて20倍で観察し、フイルム表面凸部
のカルシウム部分及びチタン部分をカウントし
た。これを3枚のフイルムサンプルにおいて実施
しカルシウム元素の検出点数とチタン元素の検出
点数の比の平均値を求めてフイルム表面凸部の滑
剤組成分析を実施した。 本発明の二軸延伸フイルムの品質の高級性を評
価する為に下記に詳述する如く、評価の一手段と
して例えば本発明のフイルムの上に磁性粉よりな
る磁性層を形成させて、得られた磁気フイルムよ
り磁気テープを試作し、更に市販の家庭用VTR
を用いて電気特性の評価を実施した。電気特性と
しては下記に定義されるクロマS/Nを一つの評
価手段として用いた。 磁性層の形成 また磁性粉のコーテイングは次の方法で作成す
る。 下記に示す磁性粉末塗料をグラビアロールによ
り塗布し、ドクターナイフにより磁性塗料層をス
ムージングし、磁性塗料の未だ乾かぬ間に常法に
より磁気配向させ、しかる後オープンに導びいて
乾燥キユアリングする。更にカレンダー加工して
塗布表面を均一にし約5μmの磁性層を形成した1/
2インチ巾のテープを作成する。 磁性塗料の組成 Co含有酸化鉄粉末 100重量部 エスレツクA(積水化学製塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体) 10 〃 ニツポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレ
タンエラストマー) 10 〃 コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシ
アネート) 5 〃 レシチン 1 〃 MEK 75 〃 MIBK 75 〃 トルエン 75 〃 添加剤(潤滑剤、シリコン樹脂) 0.15 〃 クロマS/N 磁気コーテイングテープを下記の方法にて測定
する。 市販の家庭用VTRを用いて50%白レベル信号
に100%クロマレベル信号を重量した信号を記録
しその再生信号をシバソクノイズメーター925℃
を用い市測定を行う。なお、クロマS/Nの定義
はシバソクの定義に従い次の通りである。 クロマS/N=20logES(p−p)/EN(rms)(dB) 但し、ES(p−p)=0.714V(p−p) EN(rms)=AMノイズ実効値電圧(V) 実施例の部の第1表及び第2表において用いた
略号は下記の内容を示す。 Γ ポリマー素材の欄の略号 PET;ポリエチレンテレフタレート PEN;ポリエチレン−2,6−ナフタレート 部分共重合PET;ポリエチレンテレフタレー
ト主成分であり、主にグリコール部分の10
重量部がブタンジオールとプロパンジオー
ルで共重合された特殊共重合体。 Γ 不活性無機粒子添加時期の欄の略号 EI;エステル変換反応時 PN;(減圧)重縮合反応時 DE;直接エステル化反応時 〔実施例 1〕 〔スラリーの調製〕 A 炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールス
ラリーの調製 市販の炭酸カルシウム粒子30部をエチレングリ
コール70部に撹拌しながら投入し、ホモゲナイサ
ーにて高速撹拌して濃度30重量%のスラリー(1)を
作成した。このスラリーを構成している炭酸カル
シウムの粒径分布をCentrifugal Particle−Size
Analyzerで測定すると平均粒径は1.53μ粒度分布
比(γB25/75)は2.9であつた。次にサンドグラ
イダー粉砕機にて該炭酸カルシウムの30重量%エ
チレングリコールスラリーを処理をし、炭酸カル
シウムのエチレングリコールスラリー(2)を作成し
た。このスラリー粒子の粒径分布を測定すると、
平均粒径は0.96μ粒度分布比(γB25/75)は3.1で
あつた。次に高速回転するデカンター分級機によ
りスラリー(2)を処理して炭酸カルシウムの粗大粒
子部分を分級し続いてフイルター(市販公称目開
き3μ)にて濾過してエチレングリコールスラリ
ー(3)を作成した。このスラリー粒子の粒径分布を
測定すると、平均粒径は0.92μ、粒度分布比(γB
25/75)は1.8であつた。 B アナターゼ型二酸化チタン粒子のエチレング
リコールスラリーの調製 市販のアナターゼ型二酸化チタン粒子をエチレ
ングリコールと、ホモゲナイザー混合機にて高速
撹拌混合し、濃度30重量%のスラリー(1)を作成
し、次にサンドグラインダー粉砕機にスラリー(1)
を通して処理し、スラリー(2)を作成した。更に、
高速回転するデカンター分級機で処理してからフ
イルターにて濾過してスラリー(3)を作成し、各々
のスラリーの粒度分布を測定した。 スラリー種類 平均粒径 (DPS) 粒度分布比 (rB25/75) (1) 0.64μ 2.9 (2) 0.45 3.0 (3) 0.43 1.8 〔フイルム用ポリマーの製法〕 ジメチルテレフタレート100部およびエチレン
グリコール70部にジメチルテレフタレートに対し
て酢酸マンガン0.015モル%、及び酢酸ナトリウ
ム0.010モル%を加え、150〜250℃でメタノール
を留出しつつエステル交換反応を行つた。その
際、前以つて調製しておいた炭酸カルシウム粒子
のエチレングリコールスラリー(濃度10%)を添
加した。 エステル交換反応終了後、エチレングリコール
共存下加熱還流されたトリメチルホスフエートを
ジメチルテレフタレートに対し0.015モル%添加
した。更に、三酸化アンチモンをジメチルテレフ
タレートに対し0.030モル%添加し、1Torr以下
の高真空下で重縮合反応を行つた。水冷後、切断
して炭酸カルシウム粒子が分散されたポリエチレ
ンテレフタレートペレツトを得た。同様に、前以
つて調製しておいた二酸化チタン粒子のエチレン
グリコールスラリーを添加してエステル交換反応
及び重縮合反応を行い、二酸化チタン粒子が分散
されたポリエチレンテレフタレートペレツトを得
た。 〔製膜〕 炭酸カルシウム粒子が分散されたポリエチレン
テレフタレートペレツトと二酸化チタン粒子が分
散されたポリエチレンテレフタレートペレツトと
を混合し180℃で4時間乾燥後、280〜300℃でエ
クストルーダー押出し、樹脂温度290℃でドラム
にキヤステイングして厚さ140μの未延伸フイル
ムを得た。このフイルムを縦方向に90℃で3.5倍
に延伸し、続いて横方向に100℃で4.0倍に延伸
後、210℃で10秒間熱固定し、厚さ10μmの二軸延
伸フイルムを得、これを50m/分でロール状に巻
き取り、巻き姿(巾方向及び左右円周方向)及び
巻き皺をチエツクしたところ全て良好であつた。 〔二軸延伸フイルムの評価〕 実施例部の最初に記述した方法により、フイル
ムの表面粗さ〔CLA〕、干渉縞によるフイルム表
面の突起数、削れ性等を測定したところ第1表に
記した如き結果を得た。 〔商品評価〕 実施例1で得られた二軸延伸フイルムが高級グ
レードの磁気記録媒体用フイルムとして使用可能
か否かをチエツクする為に、実施例部の最初に記
述した方法により、フイルム表面に磁性層をコー
テイングして磁気テープを試作し、フイルムの走
行面の走行摩擦係数〔μk〕を測定し更に、市販
の家庭用VTRにてクロマS/Nの電磁変換特性
を測定評価したところ第1表の通り極めて良好な
結果が得られ、高密度記録用フイルムとして充分
に使えることが判つた。 〔実施例 2〕 第1表に示した通り炭酸カルシウム粒子と二酸
化チタン粒子を変える以外は、実施例1と同様に
して二軸延伸フイルムを製造した。結果は第1表
に併記した通り高級グレードの磁気記録媒体用ベ
ースフイルムとして良好な品質を有していた。 〔実施例 3〕 小粒径の二酸化チタンを用い、ポリマー素材と
してグリコール成分がブタンジオール及びプロパ
ンジオールが共重合された特殊な共重合ポリエチ
レンテレフタレートを用いた他は、実施例1と同
様な方法で第1表に示す条件で実施した。得られ
たフイルムは非常に平坦であるにもかかわらず易
滑性のすぐれたものであつた。 〔実施例 4〕 炭酸カルシウム粒子と二酸化チタン粒子のエチ
レングリコールスラリーをジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールとの重縮合反応時に添加
し、また製膜時の延伸条件を変えた他は実施例1
と同様な方法により第1表に示す条件で実施し
た。得られたフイルムは第1表に示す如く良品質
のものであつた。 〔実施例5,6及び7〕 製膜条件を種々変えて、二軸延伸フイルムを得
たが、このフイルムは第1表に示した通り高品質
なものであつた。 〔実施例 8〕 ポリマー素材としてポリエチレン−2,6−ナ
フタレートを用い、炭酸カルシウム及び二酸化チ
タンスラリーを直接エステル化反応時に添加する
他は実施例1と同様な方法によつて第1表に示し
た条件で実施した。得られたフイルムは良好であ
つた。 〔比較例 1〕 市販の炭酸カルシウム粉体の中で粒度分布が平
均粒径3.0μのものと、市販の水和珪酸アルミニウ
ム粉体の中で精製グレードの平均粒径0.5μのもの
とを使用した。実施例1で用いたホモゲナイザー
によつてエチレングリコールスラリーを調製し、
それらの各々のスラリーの粒度分布比γ25/75を
測定したところ各々2.7及び2.6であつた。これら
のスラリーを用いて第2表に示す条件にて、実施
例1にならつて、ポリエステルポリマーを合成し
このポリマーを用いて製膜し、更に得られたフイ
ルムを評価したところ第2表に示す結果が得られ
た。その結果はNa光線による干渉縞ができる3
環以上の突起数が100cm2当り56ケと非常に多く存
在しており、高密度記録媒体用フイルムとしては
不適格であることが判つた。 〔比較例2及び3〕 市販の炭酸カルシウム粒子の添加量を少量にお
さえて、平均粒径が0.1μ以下の二酸化ケイ素のゾ
ル粒子を用いて、比較例1と類似の方法でポリマ
ーを調整した。得られたフイルムの表面には、第
2表に示す如く、大きな突起が存在して電磁変換
特性は良好でなかつた。更に、製膜時において巻
き性が悪く作業性の低いものであつた。その際巻
き皺が発生し、良好なサンプルは部分的しか得ら
れなかつた。 〔品較例4及び5〕 市販の平均粒径2.0μのカオリン粒子と平均粒子
1.7μの二酸化ケイ素粒子との組み合せ及び市販の
平均粒径3.5μのカオリン粒子と平均粒子2.0μの二
酸化ケイ素粒子との組み合せを第2表に示す条件
で製膜した。得られたフイルムの表面にはNa光
線の3環以上の干渉縞ができる突起が数多くあ
り、高密度記録媒体用フイルムとは使えなかつ
た。
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリエステルフイルムの表面
物性を測定する際に使用する走行摩擦係数(μk)
の測定装置の概略模式図である。 図面において1は巻出しリール、13は巻取り
リール、4は入口側のテンシヨン検出機、10は
出口側のテンシヨン検出機である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ジカルボン酸を主とする二官能性酸成
    分と少くとも一種のグリコール成分よりなるポリ
    エステルと、該ポリエステル中に微分散する不活
    性無機粒子とから成るフイルムであつて、該不活
    性粒子の中の大粒子が下記式の粒度分布比[γ]
    の値が1.5から2.3までの範囲にある炭酸カルシウ
    ムからなり [γ]=粒子の積算重量が25%の時の直径/粒子の積
    算重量が75%の時の直径 更に、該不活性粒子の中の小粒子が、その粒度
    分布比[γ]の値が、1.4から2.3までの範囲にあ
    り、組成がP2O5換算で、0.25重量%以上のP元素
    が含まれかつK2O換算で0.1重量%以上のK元素
    が含まれるアナターゼ型二酸化チタンから構成さ
    れることを特徴とする二軸延伸フイルム。 2 フイルムの表面粗さ[CLA(単位μ)]と、
    該フイルムの走行面の走行摩擦係数[μk]とが、
    下記式を満足する範囲にあることを特徴とする請
    求範囲第1項記載の二軸延伸フイルム。 0.001<[CLA]0.016 0.01<[μk]0.20 0.17<10×[CLA]+[μk]0.31 3 フイルムの表面粗さ[CLA]と該フイルム
    の走行面の走行摩擦係数[μk]とが下記式を満
    足する範囲にあることを特徴とする請求範囲第1
    項記載の二軸延伸フイルム。 0.001<[CLA]0.016 0.01<[μk]0.20 0.10<10×[CLA]+[μk]0.17 4 不活性粒子の中のCaCO3からなる粒子の平
    均粒径が0.3μから1.5μまでの範囲にあり該CaCO3
    粒子のフイルム中の含量が0.1ないし0.3重量%で
    ありかつ該不活性粒子の中からTiO2からなる粒
    子の平均粒径が0.1μから0.5μまでの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求範囲第1項、第2項又は第3
    項記載の二軸延伸フイルム。 5 不活性粒子の中のCaCO3からなる粒子の平
    均粒径が0.3μから1.5μまでの範囲にあり該CaCO3
    粒子のフイルム中の含量が0.01重量%以上0.1重
    量%未満でありかつ該不活性粒子の中のTiO2
    らなる粒子の平均粒径が0.1μから0.5μまでの範囲
    にあることを特徴とする請求範囲第1項、第2項
    又は第3項記載の二軸延伸フイルム。 6 フイルム表面におけるTa光線による干渉縞
    が4環以上である突起数が10ケ以下/100cm2であ
    り、該Ta光線による干渉縞が3環以上である突
    起数が20ケ以下/100cm2であることを特徴とする
    請求範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の二
    軸延伸フイルム。 7 不活性粒子の中のTiO2からなる粒子のフイ
    ルム中含量が0.01〜0.1重量%の範囲にあること
    を特徴とする請求範囲第4項又は第5項記載の二
    軸延伸フイルム。 8 不活性粒子の中のTiO2からなる粒子のフイ
    ルム中含量が0.1〜0.50重量%の範囲にあること
    を特徴とする請求範囲第4項又は第5項記載の二
    軸延伸フイルム。 9 不活性粒子の中のTiO2粒子のフイルム中含
    量が該不活性粒子の中のCaCO3粒子のフイルム
    中含量に対して1.0乃至30の範囲であることを特
    徴とする請求範囲第4項乃至第8項のいずれかに
    記載の二軸延伸フイルム。 10 不活性粒子の中のCaCO3粒子の平均粒径
    と該不活性粒子の中のTiO2粒子の平均粒径の比
    が1.5から10までの範囲にあることを特徴とする
    請求範囲第9項記載の二軸延伸フイルム。 11 フイルム表面において0.05μ以上の高さの
    突起のうち、少なくとも20%以上がアナターゼ型
    二酸化チタンによつて生成するものであり少くと
    も0.3%以上の個数のものが炭酸カルシウムによ
    つて生成されていることを特徴とする請求範囲第
    7項乃至第10項のいずれかに記載の二軸延伸フ
    イルム。
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