JPH0140616B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は処置具挿入口を設けてなる内視鏡に関
する。

一般に、内視鏡には鉗子などの処置具を体腔内
に導入するための挿通用チヤンネルが設けられて
おり、この挿通用チヤンネルの処置具挿入口部は
操作部に設けられるようになつている。ところ
で、最近、この処置具挿入口部が操作部の把持部
カバーの下部に一体的に組み付ける形式の内視鏡
が提供されている。そして、この形式の内視鏡で
は把持部カバーの一部に取付け孔を形成して把持
部カバーを操作部本体に組み付けた後、上記取付
け孔から挿入口体用の管体を差し込んで挿通用チ
ヤンネルに気密的に連結する構成になつている。

しかしながら、上記導入管体を挿通用チヤンネ
ルに連通させる場合、その両者間の軸方向へのず
れにより、その間には内径の大きな間隙が生じる
のが普通であつた。上記ずれは上記挿入口体用の
管体を取り付けるに際してそれ自身、および被取
付け部材やそれらに関連する部材の寸法のばらつ
きによつて生じる。そして、上記間隙部内には汚
染された粘液や血液などが入り込み、固着しやす
く、その間隙が微小であればある程ブラシなどを
用いる洗浄方法ではブラシの毛がとどかず、充分
に洗浄できないことがあり、不衛生で危険があつ
た。

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは処置具挿入口部の挿入口
体と挿通用チヤンネルとを洗浄困難な隙間などを
生じさせることなく連結できる衛生的な内視鏡を
提供することにある。

以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図中１は内視鏡２の操作部であり、
この操作部１は上端側の操作部本体３とこれに連
接する下端側の把持部４とからなる。上記操作部
本体３の一側壁部分にはライトガイド用のユニバ
ーサルコード５の基端が連結されている。また、
操作部本体３の上端には接眼部６が設けられ、さ
らに、操作部本体３の側面には送気送水切換え弁
７および吸引切換え弁８が設けられている。

上記把持部４は操作部本体３に連結されるほぼ
円筒状の把持カバー９からなり、この把持カバー
９の上端開口縁９ａは操作部本体３の下端縁３ａ
の外周に嵌め込まれている。また、この嵌合部間
にはリング状の弾性パツキン１１が介挿されてい
て、その嵌合部分の水密性を保持するようになつ
ている。また、把持カバー９の下端には同軸的に
円筒体１２が連結され、この円筒体１２の下端に
は挿入部１３の基端が止めリング１４を用いて連
結されている。上記円筒体１２の外周には円筒状
の化粧カバー１５，１６が被嵌されている。ま
た、挿入部１３の接続部外周は折止め部材１７で
被覆されている。なお、上記円筒体１２は連結具
を兼ねたフレーム１８を介して上記操作部本体３
に連結されて支持されている。

一方、上記挿入部１３には鉗子などの処置具を
体腔内に挿通させて案内するためのチヤンネル２
１の一部を形成するチユーブ２２が挿入配置され
ている。また、チユーブ２２の操作部１側の端部
はその操作部１内に導びかれていて、分岐管体２
３に接続されている。この分岐管体２３は操作部
１内において円筒体１２の一部に止めねじ２４，
２４を用いて取付け固定されている。そして、こ
の分岐管体２３はチヤンネル２１の一部を形成す
るほぼ直線状のメイン通路２５と、このメイン通
路２５の途中に連通する分岐管体２６とによつて
三つ又状の通路２７が形成されている。メイン通
路２５の一端には上記チユーブ２２の操作部１側
の端部が接続用リング２８を用いて気密的に接続
されている。また、メイン通路２５の他端には外
周にリングパツキン２９を被嵌したほぼ円筒状の
口部受け３１が取付け固定され、これによりチヤ
ンネル２１の操作部側開口端を構成している。上
記分岐通路２６には接続リング３２を用いて吸引
チユーブ３３の一端が気密的に接続されている。
上記吸引チユーブ３３の他端側は操作部１および
ユニバーサルコード５の各内部を通じて上記ユニ
バーサルコード５の延出先端側に導びかれてい
て、図示しない吸引源に接続されるようになつて
いる。この吸引チユーブ３３の途中には前記吸引
切換え弁８が介挿されていて、その吸引チユーブ
３３の途中を開閉して吸引動作を制御するように
なつている。

一方、上記メイン通路２５の口部受け３１は把
持カバー９の下部の一側部分に近接して配置され
る。そして、この口部受け３１に近接する上記把
持カバー９の部分には処置具挿入口部３４が構成
されている。この処置具挿入口部３４は把持カバ
ー９に取付け孔３５を設けてなり、この取付け孔
３５に対して挿入口体３６を差し込み、この挿入
口体３６を上記口部受け３１に連結するようにな
つている。すなわち、挿入口体３６は全体として
管状に形成され、その外方端部には上記取付け孔
３５に複数の止めねじ３７を用いて定位置に着脱
自在に取付け固定されている。なお、挿入口体３
６の外方端部外周には取付け孔３５の内面との間
を気密的に閉塞するリングパツキン３８が被嵌さ
れている。また、挿入口体３６の内端部の内径は
他の部分より比較的大きく形成されている。そし
て、この大径の内腔部３９の周辺にはその軸方向
へ弾性的に変形可能な管状のダンパ部材４０が嵌
め込まれている。すなわち、ダンパ部材４０はそ
れぞれ金属製のリング４１，４２，４３と、それ
ぞれ環状の弾性パツキン４４，４５，４６とを交
互に、その軸方向へ密着して配置してなり、各リ
ング４１，４２，４３および弾性パツキン４４，
４５はそれぞれ断面形状が三角形に形成されてい
て、隣り合うものの各三角形状の向きは互いに逆
向きとしてある。なお、最外方端側の弾性パツキ
ン４６の断面形状は矩形状である。

また、これらの内径はすべてほぼ等しい。そし
て、互いに軸方向へ密着することにより各内周面
の連なりがほぼ平らになつている。上記ダンパ部
材４０は他の部分より大きな内径の上記内腔部３
９の周部内に嵌まり込むため、処置具を通す通路
の内径は全長にわたりほとんど変らない。また、
このダンパ部材４０は上記各弾性パツキン４４，
４５，４６によりその軸方向へ弾性的に変形でき
るようになつている。さらに、このダンパ部材４
０の軸方向の長さは口部受け３１と挿入口体３６
の製作、組立て等の各種寸法誤差を考慮して最先
端のリング４１が必ず口部受け３１の端縁に押し
当る長さに設定されている。上記挿入口体３６の
外端縁外周には処置具を差し込めるスリツト４７
を形成した弾性閉塞栓４８が取り付けられてい
て、その挿入口体３６の外方端開口を閉塞するよ
うになつている。

なお、上記把持カバー９の下端は円筒体１２の
外周に螺着する固定リング４９によつて受け止
め、操作部本体３へ押し付けて保持するようにな
つている。また、円筒体１２と把持カバー９、円
筒体１２と化粧カバー１５，１６との各間には操
作部１内の気密性を確保するためのリングパツキ
ン５１，５２，５３を介在させてある。

上記構成において把持カバー９は操作部本体３
の下方から差し込み、操作部本体３の下端縁３ａ
に上端開口縁９ａを嵌め込んで装着し、円筒体１
２の外周に螺合してある固定リング４９により受
け止めて定位置に固定する。このとき、分岐管体
２３のメイン通路２５の外方端の口部受け３１は
取付け孔３５に対向位置する。そこで、この取付
け孔３５に挿入口体３６を差し込み、ダンパ部材
４０の先端をその口部受け３１に押し当てる。そ
して、ダンパ部材４０をその軸方向へ圧縮しなが
ら挿入口体３６を止めねじ３７で固定する。しか
して、上記ダンパ部材４０はその軸方向へ圧縮さ
れた状態に維持され、上記口部受け３１の端縁に
押し当つてその間を閉塞する。なお、最先端のリ
ング４１は口部受け３１側のリングパツキン２９
にも弾性的に押し当るため、気密性が確保され
る。このリングパツキン２９は挿入口体３６側に
取り付けておいてもよいものである。

このようにして挿入口体３６は取付け孔３５に
差し込まれて定位置に固定されてチヤンネル２１
に連結されるが、その口部受け３１と挿入口体３
６との間には軸方向へ弾性的に変形可能なダンパ
部材４０を介在させているため、口部受け３１と
挿入口体３６との間隙はそのダンパ部材４０によ
つて完全に閉塞される。つまり、挿入口体３６は
チヤンネル２１に間隙なくかつ通路全体の内径を
ほとんど変えずに連続的に連通される。

なお、本発明におけるダンパ部材は上記実施例
のものに限らず、たとえば内面をコーテイングし
た弾性材料からなる円筒体状のものでもよい。

以上説明したように本発明の内視鏡においては
挿通用チヤンネルの操作部側開口端に、操作部の
部材に固定される受け部を設け、処置具挿入口部
には操作部の部材に支持されるとともに上記受け
部に連結される挿入口体を設け、上記受け部と上
記挿入口体との間には処置具の通路を形成する全
体としての筒状のダンパ部材を介在して設け、さ
らに、上記挿入口体を上記受け部に向けて押圧し
上記ダンパ部材を軸方向に弾性変形させて上記挿
入口体を処置具挿入口部の操作部の部材に固定す
る固定部材とを設けたものである。

つまり、上記ダンパ部材により、上記挿入口体
とチヤンネルの開口縁との間に生じようとする間
隙を吸収し、汚物などが詰りやすい隙間を生じさ
せないで互いに連結するようにしたものである。
すなわち、各種寸法誤差によつて生じる上記間隙
を完全にシールするため、汚物などが詰つて除去
できなくなる不衛生な事態を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す内視鏡の操作部
付近の側面図、第２図は同じくその処置具挿入口
部の付近の側断面図である。 １……操作部、２……内視鏡、３……操作部本
体、４……把持部、９……把持カバー、２１……
チヤンネル、２３……分岐管体、３１……口部受
け、３４……処置具挿入口部、３５……取付け
孔、４０……ダンパ部材、４１，４２，４３……
リング、４４，４５，４６……弾性パツキン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 処置具を体腔内に挿通案内するためのチヤン
   ネルを有し、操作部には上記挿通用チヤンネルの
   操作部側開口端に連通する処置具挿入口部を設け
   た内視鏡において、上記挿通用チヤンネルの操作
   部側開口端に設けられ操作部の部材に固定される
   受け部と、上記処置具挿入口部に配設され操作部
   の部材に支持されるとともに上記受け部に連結さ
   れる挿入口体と、上記受け部と上記挿入口体との
   間に介在し処置具の通路を形成する全体としての
   筒状のダンパ部材と、上記挿入口体を上記受け部
   に向けて押圧し上記ダンパ部材を軸方向に弾性変
   形させて上記挿入口体を処置具挿入口部の操作部
   の部材に固定する固定部材とを設けたことを特徴
   とする内視鏡。