JPH0139488Y2

JPH0139488Y2 -

Info

Publication number: JPH0139488Y2
Application number: JP1986052246U
Authority: JP
Priority date: 1986-04-07
Filing date: 1986-04-07
Publication date: 1989-11-27
Also published as: JPS62164876U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、表裏両面を起毛した毛布に関するも
のである。

［従来技術その問題点］従来、表裏両面を起毛した毛布を製造するため
には、主として、第７図に示す構造のカツトパイ
ル専用のダブルラツシエル機が使用されている。
これは、筬Ｌ１，Ｌ２とＬ４，Ｌ５とで挿入糸お
よび鎖糸を前後針床にそれぞれ導いて前後つまり
表裏面に地組織を形成するとともに、中央部にあ
る筬Ｌ３によりパイル糸Ｐを前後針床に導いてパ
イル糸Ｐを編針１，２にラツピングさせて編成す
る。

このように編成された表裏地間に掛渡されたパ
イル糸の中央で、ナイフＫにより、前記パイル糸
Ｐをカツトし、２枚の片面カツトパイル生地Ｆ，
Ｂを形成し、これを染色、起毛する。そして、第
８図に示すように前記両パイル生地Ｆ，Ｂをそれ
ぞれ地組織が内側になるように重ね合せ、その周
囲を縫合することにより、表裏両面が起毛された
毛布１０が得られる。

このようにして製造された毛布１０は、パイル
糸Ｐの地組織に掛つている部分以外が全て起毛さ
れているため、全体が柔らかではあるが、毛布に
腰がなく、嵩が低くなつてしまう。また、毛布の
周囲が縫合されただけであるため、変形し易いと
ともに、縫合するためにかなりの手数を要するも
のである。

［問題点を解決するための手段］本考案は、上記の問題点を解決するために、表
裏２枚の素地が所要間隔を存して編成されるとと
もに、パイル糸が前記表裏素地間に掛渡されてな
り、表裏素地間に所要間隔を有するよう前記パイ
ル糸が前記表裏素地の外面から引出され、前記引
出されたパイル糸の部分が起毛されたものであ
る。

［作用］本考案に係る毛布は、表裏素地間にパイル糸に
より、所要間隔の芯層が形成され、毛布両面の表
裏素地から引出されたパイル糸が起毛されるよう
になつている。

［実施例］以下に、本考案の一実施例を第１図〜第６図に
基づいて説明する。

この毛布Ｍの素地は、第２図に示す構造のダブ
ルラツシエル機を用いて編成するもので、１，２
は前後針床の編針（ニードル）、３，３は前後針
床のトリツクプート、Ｌ１，Ｌ２はフロント側の
挿入糸筬と鎖糸筬、Ｌ３はパイル糸の筬、Ｌ４，
Ｌ５はバツク側の鎖糸筬と挿入糸筬を示し、これ
らの筬Ｌ１，Ｌ２とＬ４，Ｌ５とで挿入糸および
鎖糸を前後針床にそれぞれ導いて前後両面の地組
織つまり表裏素地Ｆ，Ｂを形成するとともに、中
央部にある筬Ｌ３によりパイル糸Ｐを前後針床に
導いてパイル糸Ｐを編針１，２にラツピングさせ
て毛布Ｍの素地を編成するものである。

この毛布Ｍの素地の編組織は、フロント側の挿
入糸筬Ｌ１と鎖糸筬Ｌ２、パイル糸の筬Ｌ３のお
よびバツク側の鎖糸筬Ｌ４と挿入糸筬Ｌ５のラツ
ピング運動を分解して示す第３図に明記してい
る。このパイル糸Ｐとしては、アクリルの32番双
糸を用い、表裏素地Ｆ，Ｂの挿入糸と鎖糸として
は、エステルの150デニールの糸を使用している。

このように編成された毛布Ｍの素地は、第４図
に示すように、例えば、約26mmの間隔をおいて配
された表裏素地Ｆ，Ｂ間にパイル糸Ｐが掛渡され
た状態である。

そして、上記の状態に編成された素地を染色す
る。このとき、染色によつて素地が縮み、表裏素
地Ｆ，Ｂの間隔が約14mmに収縮する。

染色された上記の状態からパイル糸Ｐが表裏素
地Ｆ，Ｂの外面に引出され、第５図に示すように
表裏素地Ｆ，Ｂの間隔が約６mmとなる。

次に、上記で引出されたパイル糸Ｐを、第６図
に示すように起毛する。このとき、表裏素地Ｆ，
Ｂの間にパイル糸Ｐによつて芯層Ｃが形成され
る。この芯層Ｃは、第１図および第６図に示すよ
うに、表裏素地Ｆ，Ｂの間を支持しており、丁
度、表素地Ｆと裏素地Ｂとの間にパイル糸Ｐの柱
が連立されたような状態となり、対面する表裏素
地Ｆ，Ｂ間に良好な弾性を得ることができる。

その後、前記起毛されたパイル糸Ｐの長さが、
第６図に示すように不揃いであるので、この毛の
長さを揃えるために、パイル糸Ｐを捌いて刈る。

最後に、この毛布Ｍをダンブル乾燥機にいれて
乾燥させて仕上る。なお、この出来上つた毛布Ｍ
の厚みは約26mmである。

上記の示すようにこの毛布Ｍは、表裏素地Ｆ，
Ｂ間に適度の弾性を有するため、敷物や座ぶとん
等、他の用途にも使用できる。

［考案の効果］本考案は、上記の記載から明らかなように、毛
布の表裏素地の外面からパイル糸を引出して起毛
することにより、表裏素地間にパイル糸による芯
層を形成しているため、嵩が高く、腰の強い毛布
を得ることができる。

また、毛布の表裏素地間に芯層が介在するた
め、変形し難く、クツシヨン性および保温性が良
好である。したがつて、毛布としてのみ使用する
のでなく、敷物や座ぶとん等、幅広く利用するこ
とができる。

さらに、この毛布は、従来のように、表裏素地
間の中央にあるパイル糸を、ナイフによりカツト
する必要がない上、毛布の周囲を縫合する必要も
なく、製造が容易で、安価に提供できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は、本考案の実施例を示すもの
であり、第１図は、毛布の仕上り状態を示す一部
を切断した斜視図、第２図は、ダブルラツシエル
機の要部の側面図、第３図は、毛布の素地の各糸
のラツピング状態を分解して示す編組織図、第４
図は、毛布の素地の編成状態を示す概略断面図、
第５図は、前図からパイル糸を引出した状態の概
略断面図、第６図は、前図において引出したパイ
ル糸を起毛した状態を示す概略断面図、第７図
は、従来の毛布を製造する場合に用いるダブルラ
ツシエル機のカツトパイル専用機の要部の側面
図、第８図は、前図のダブルラツシエル機によつ
て製造された従来の毛布の断面図である。符号の説明、Ｍ……毛布、Ｆ……表素地、Ｂ…
…裏素地、Ｐ……パイル糸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

表裏２枚の素地が所要間隔を存して編成される
とともに、パイル糸が前記表裏素地間に掛渡され
てなり、表裏素地間に所要間隔を有するよう前記
パイル糸が前記表裏素地の外面から引出され、前
記引出されたパイル糸の部分が起毛されてなるこ
とを特徴とする毛布。