JP7149576B2 - パイル織物およびパイル織物の製造方法 - Google Patents

パイル織物およびパイル織物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パイル織物およびパイル織物の製造方法に関する。
特許文献1のように、経糸と緯糸から織成された二枚の基布と、前記二枚の基布間にジグザグ状に交絡させることで前記基布同士を連結するパイル糸と、からなる二重織物を準備し、前記二重織物を連結する前記パイル糸を切断して、前記基布と、前記基布から立ち上がる前記パイル糸のカットパイルと、からなる一対のパイル織物を作製することがおこなわれている。
この種のパイル織物では、シーツや毛布等の用途に応じて、様々な種類の糸を組み合わせることで、吸湿性や保温性を高める試みがなされている。
しかし、吸湿性や保温性を高めようとすると、一般に生地の厚みが増し重量が大きくなるなどして、ドレープ性に劣り取り扱いにくくもなる。また、通気性が悪くなるなどして蒸れやすく使用感も悪くなる。
特許第3560578号公報
そこで本発明の解決すべき課題は、パイル織物について、良好な吸湿性や保温性を維持しつつ、軽量化および通気性の向上を実現することである。
上記した課題を解決するため、発明にかかるパイル織物について、経糸と緯糸から織成されその経糸または緯糸の一部として弾性糸を用いられ前記弾性糸の収縮により表裏面に凹凸が形成された基布と、前記基布から立ち上がるパイル糸からなるカットパイルと、からなる構成を採用したのである。
発明にかかるパイル織物を以上のように構成すると、パイル織物の基布が、弾性糸の収縮により表裏面に凹凸が形成された嵩高のものとなるため、パイル織物全体としても嵩高となり、吸湿性や保温性が維持されつつ、軽量化および通気性の向上が図られる。
発明にかかるパイル織物について、前記基布の裏面の側のカットパイルに、起毛処理および立毛処理が施されている構成を採用するのが好ましい。
ここで、起毛処理とは、カットパイルのパイル糸を構成する繊維を人為的に毛羽立たせる処理をいう。また、立毛処理とは、カットパイルのパイル糸を構成する繊維の束が分かれるように人為的にほぐす処理をいう。
このように構成すると、パイル織物の裏面に露出するカットパイルがほぐされ毛羽立つことで嵩高となるため、パイル織物全体としても一層嵩高となり、吸湿性や保温性が維持されつつ、軽量化および通気性の向上が図られる。
また、パイル織物の裏面で、パイル糸がほぐされ毛羽立たせられていることで、パイル織物の製造中に生まれる繊維の切れ端などのいわゆる糸くずが、織物内部に残留しにくくなるため、パイル織物の使用中や洗濯中などに糸くずが出ることも抑制される。
発明にかかるパイル織物について、前記基布の表面の側のカットパイルに、立毛処理が施されている構成を採用するのがより好ましい。
このように構成すると、パイル織物の表面に露出するカットパイルがほぐされて嵩高となるため、パイル織物全体としてもより一層嵩高となり、吸湿性や保温性が維持されつつ、軽量化および通気性の向上が図られる。
上記した課題を解決するため、発明にかかるパイル織物の製造方法について、経糸と緯糸から織成されその経糸または緯糸の一部として弾性糸を用いた二枚の基布と、前記二枚の基布間にジグザグ状に交絡させることで前記基布同士を連結するパイル糸と、からなる二重織物を準備する工程と、前記二重織物を連結する前記パイル糸を切断して、基布と、前記基布から立ち上がる前記パイル糸のカットパイルと、からなる一対のパイル織物を作製する切開工程と、前記各パイル織物の表面に対して、回転する立毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維束をほぐす表面処理工程と、前記各パイル織物の裏面に対して、回転する起毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維を毛羽立たせ、次いで回転する立毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維束をほぐす裏面処理工程と、前記基布の弾性糸を熱収縮させて前記基布の表裏面に凹凸を形成する熱処理工程と、を含む構成を採用したのである。
ここで表面処理工程と、裏面処理工程と、熱処理工程は、前後関係を問わない。
発明にかかるパイル織物の製造方法を以上のように構成すると、パイル織物の基布が弾性糸の収縮により表面に凹凸が形成されることで、また、パイル織物の表面で、表面処理工程によりカットパイルの繊維束がほぐされ、裏面で、裏面処理工程によりカットパイルの繊維束がほぐされかつ繊維が毛羽立たせられることで、基布とカットパイルの双方とも嵩高となるため、パイル織物全体として嵩高となり、吸湿性や保温性が維持されつつ、軽量化および通気性の向上が図られる。
パイル織物の裏面については、起毛針布ローラと立毛針布ローラのかき出しにより、繊維の切れ端などのいわゆる糸くずが取り除かれるため、パイル織物の使用中や洗濯中などに糸くずが出ることも抑制され、風合いが持続する。パイル織物のパイルがカットパイルであるためパイル糸が所定長に切断されており、パイル糸が連続するループパイルの場合よりも、いわゆる糸くずの長さが短く、糸くずが除去されやすくなっている。
発明にかかるパイル織物の製造方法において、前記表面処理工程と、前記裏面処理工程のうちのパイル糸の繊維束をほぐす工程とは、対向する前記立毛針布ローラ間に前記パイル織物を通過させることにより同時におこなわれる構成を採用するのが好ましい。
このように構成すると、表面処理工程と、裏面処理工程の一部とが同時におこなわれるため、パイル織物の製造に要する時間を短縮することができる。
発明にかかるパイル織物の製造方法において、前記裏面処理工程のうちのパイル糸の繊維束をほぐす工程は、前記パイル織物の裏面に対する前記回転する立毛針布ローラの当接により、前記パイル織物の表面の側に位置するカットパイルのパイル糸の一部を、前記パイル織物の裏面の側に引き出す工程を兼ねている構成を採用するのが好ましい。
このように構成すると、カットパイルのパイル糸の一部が、パイル織物の裏面の側にも立ち上がることになり、パイル織物が表面のみならず裏面においても風合いのよいものとなる。
発明にかかるパイル織物およびその製造方法を以上のように構成したため、パイル織物全体として嵩高となり、吸湿性や保温性が維持されつつ、軽量化および通気性の向上が図られる。
(a)は実施形態のパイル織物の縦断斜視図、(b)は実施形態のパイル織物の基布の組織図 実施形態のパイル織物の製造方法の模式図 実施形態のパイル織物の製造方法の模式図 実施形態のパイル織物の製造方法の模式図
以下、図1を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
実施形態のパイル織物の製造方法により製造されたパイル織物1は、従来の吸湿性や保温性のみを追求したパイル織物と比較しても、吸湿性や保温性は遜色なく、しかも従来よりも軽量化が図られ通気性やドレープ性が向上している。
図1のように、実施形態のパイル織物1は、交差する緯糸11と経糸12から形成された基布10と、基布10に植設されたパイル糸21からなるカットパイル20と、を備える。
基布10の経糸12や緯糸11として、またカットパイル20のパイル糸21として、抗菌性、防カビ性、冷感性、温感性等を有する機能的繊維を用いることもできる。
図1(b)のように、基布10の緯糸11としては、弾性収縮がほぼない非弾性糸11a(図中細横線で示す)、つまり通常の糸が用いられている。
非弾性糸11aの種類は特に限定されず、天然繊維(植物繊維、動物繊維)、化学繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維)からなる糸を用いることができ、また紡績糸、フィラメントを用いることができるが、通気性、吸湿性等に優れ風合いのよいものとして、綿糸が例示できる。
緯糸11の太さは特に限定されないが、綿糸を用いた場合、双糸で15/2~25/2番手であることが例示できる。
また、図1(b)のように、基布10の経糸12としては、弾性収縮がほぼない非弾性糸12a(図中細縦線で示す)、つまり通常の糸と、この非弾性糸12aの間に一定間隔で配置された弾性糸12b(図中太縦線で示す)が用いられている。
非弾性糸12aの種類は、緯糸11の非弾性糸11aと同様に、特に限定されないが、綿糸が例示できる。
非弾性糸12aの太さは特に限定されないが、綿糸を用いた場合、緯糸11の綿糸の番手よりも大きく、かつ双糸で25/2~35/2番手であることが例示できる。
弾性糸12bの種類も特に限定されないが、伸縮性に優れるものとしてポリウレタン糸が例示でき、肌触りの良いものとして、ポリウレタン糸の芯糸の外周に螺旋状に他の糸を巻き付けてなるカバードヤーンが例示できる。
非弾性糸12aと弾性糸12bとの配置の態様、配合率は特に限定されないが、図1(b)中、巾w1=30~50mmの綿糸群と、巾w2=1~3mmのポリウレタン糸群とを交互に繰り返し配列することが例示できる。
基布10は、製織後、熱処理されることで弾性糸12bが熱収縮し、これにより図1(a)のように、その表裏面に凹凸が形成されることになる。
この凹凸が形成されることで、基布10は嵩高で風合いの良いものとなっている。
ここで凹凸は、経糸12が非弾性糸12aの箇所にのみ現れ、弾性糸12bの箇所はほぼ平坦となっている。弾性糸12bの長さが、熱収縮により短くなる結果、非弾性糸12aは弾性糸12bと両端部を揃えた状態で長さが余った状態となり、蛇行する結果、凹凸が生成されるからである。
このため、基布10の横方向に凹凸が形成された箇所と平坦な箇所とが交互に並ぶことになり、それが一種の縞模様となってパイル織物1の美感を高めてもいる。
図1(a)のように、カットパイル20は、切断されたパイル糸21からなり、基布10の緯糸11と緯糸11の間を通るように、基布10に対して織り込まれ、基布10の表面の側に立ち上がっている(実施形態の製造方法を示す図2も参照のこと)。
パイル糸21の種類は、緯糸11の非弾性糸11aや経糸12の非弾性糸12aと同様に、特に限定されないが、綿糸が例示できる。
パイル糸21の太さも特に限定されないが、緯糸11の非弾性糸11aと同等の太さであることが例示できる。
カットパイル20のパイル糸21の基布10に対する織り込みの間隔等は特に限定されないが、十二越であることが例示できる。
カットパイル20は、基布10の表面の側において立毛処理が施され、これによりパイル糸21を構成する繊維束が各繊維21aへとばらけるように人為的にほぐされている(実施形態の製造方法を示す図3(a)も参照のこと)。
カットパイル20は、ほぐされることで、基布10の表面の側で嵩高で風合いの良いものとなっている。
カットパイル20の立毛処理の具体的態様は特に限定されないが、後述するようにパイル織物1の表面の側を立毛針布ロールで処理することが例示できる。
また、カットパイル20は、基布10の裏面の側に起毛処理および立毛処理が施されている。起毛処理によりパイル糸21を構成する繊維束の繊維21aの外面が人為的に毛羽立たせられている。
かかる繊維21aの外面の毛羽立ちは、基布10の表面における繊維束の繊維21aの外面の毛羽立ちよりも多くなっている(実施形態の製造方法を示す図3(b)も参照のこと)。
立毛処理により、カットパイル20は、パイル糸21を構成する繊維束が各繊維21aへとばらけるように人為的にほぐされている(実施形態の製造方法を示す図3(b)も参照のこと)。
カットパイル20は、毛羽立たせられほぐされることで、基布10の裏面の側でも嵩高で風合いの良いものとなっている。
カットパイル20の起毛処理の具体的態様は特に限定されないが、後述するようにパイル織物1の裏面の側を起毛針布ロールで処理することが例示できる。
実施形態のパイル織物の構成は以上のようであり、つぎに図2から図4を参照して、実施形態のパイル織物の製造方法について説明する。
まず、図2(a)のように、緯糸11と経糸12から織成されその経糸12の一部として弾性糸12bを用いた二枚の基布10と、二枚の基布10同士を連結するパイル糸21と、からなる二重織物2を準備する。
図示のように、パイル糸21は、各基布10の緯糸11と緯糸11の間を通るようにして基布10に織り込まれ、二枚の基布10間にジグザグ状に架け渡されている。このような二重織物2は公知の織機により作製される。
つぎに、図2(b)のように、パイル糸21の中間部をナイフやナイフゲージなどからなるカッタ30により切断されて、切開工程が施される。
これにより二重織物2は切り離され、基布10と基布10から立ち上がるパイル糸21のカットパイル20と、からなる一対のパイル織物1が作製される。かかる一対のパイル織物1は図示省略の分離ローラを用いて異なる方向に運ばれ、完成に向けて後続の処理に付される。
さらに、図3(a)のように、パイル織物1のカットパイル20が立ち上がる表面の側には、回転する立毛針布ローラ40が当接されて、表面処理工程が施される。このような立毛針布は、パイル針布とも称される。
立毛針布ローラ40は、ローラの外周に立毛針布を固定してなり、その立毛針布に植設された立毛用針41がカットパイル20のパイル糸21に作用する、すなわち引っかかることで、パイル糸21を構成する繊維21aの束が分離するようにほぐされる。
ここで、立毛針布ローラ40は、パイル糸21の繊維21aの束がスムーズに分かれるように、ローラ40の回転数、トルク、立毛用針41の長さ、先端形状、屈曲角度、針布に対する植設密度等が適宜調整されているものとする。
なお、表面処理工程の際に、立毛針布ローラ40は、基布10の表面には作用しないように、立毛用針41の長さ等が調整され、基布10の生地表面が傷むことが防止されている。
また、図3(b)のように、パイル織物1のカットパイル20が立ち上がる表面とは逆側の面である裏面の側には、起毛針布ローラ50と立毛針布ローラ40が並列し、まず回転する起毛針布ローラ50が当接され、ついで回転する立毛針布ローラ40が当接されて、裏面処理工程が施される。
パイル織物1の裏面側に位置する立毛針布ローラ40の構成は、図3(a)に示すパイル織物1の表面側に位置する立毛針布ローラ40と同様である。
起毛針布ローラ50は、ローラの外周に起毛針布を固定してなり、その起毛針布に植設された起毛用針51がカットパイル20のパイル糸21に作用することで、パイル糸21を構成する繊維21aの外面に毛羽21bが形成される。毛羽21bの大きさおよび量は特に限定されない。
ここで、起毛針布ローラ50は、パイル糸21の繊維21aがスムーズに毛羽立つように、ローラ50の回転数、トルク、起毛用針51の長さ、先端形状、屈曲角度、針布に対する植設密度等が適宜調整されているものとする。一般に起毛用針51は立毛用針41よりも短く、起毛用針51として長さ7~12mmのものが、立毛用針41として長さ25~40mmの針が例示できる。
なお、図3は模式図に過ぎず、立毛針布ローラ40と起毛針布ローラ50とは、実際には回転させるための構造ないし機構が異なっていることが多い。一般に立毛針布ローラ40は自転する単一のローラとして、起毛針布ローラ50は太陽ローラの周囲を自転および公転する複数の遊星ローラとして構成される。
この状態でさらに立毛針布ローラ40の立毛用針41の作用により、パイル糸21を構成する繊維21aの束が分離するようにほぐされる。これと同時に、パイル織物1の表面の側のパイル糸21の一部が、立毛用針41の作用によってパイル織物1の裏面の側へと引き出される。裏面の側への引き出し量も、ローラ40のトルク、立毛用針41のパイル糸21への係合力等により適宜調整される。通常は、表面の側のパイル糸21の半分に満たない量が裏面の側へと引き出されることになる。
パイル織物1の裏面においては、カットパイル20はその根元箇所の一部(裏側)となるわずかな箇所しか露出していないが、この箇所をあらかじめ起毛用針51で毛羽立たせることにより、立毛用針41がカットパイル20に対して作用しやすくなっている。
ちなみに、パイル織物1の表面においては、カットパイル20の大部分の箇所が露出しているため、起毛用針51で毛羽立たせなくとも、立毛用針41が作用する。したがって、表面の側は起毛針布ローラ50による処理は不要であり、そのような処理を省略することでパイル織物1の製造時間の短縮化、製造コストの低廉化が図られる。
なお、裏面処理工程の際に、起毛針布ローラ50および立毛針布ローラ40は、基布10の裏面には作用しないように、起毛用針51及び立毛用針41の長さ等が調整され、基布10の生地裏面が傷むことが防止されている。
最後に、図4のように、パイル織物に熱処理工程が施される。熱処理工程は、パイル織物を加熱ブース60に通過させる等、公知の熱処理手段によりおこなわれる。
これによりパイル織物1の基布10の弾性糸12bが熱収縮し、基布10の表裏面に凹凸が形成され、完成状態となる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含むものとする。
たとえば実施形態のパイル織物1では、弾性糸12bを基布10の経糸12に用いているが、緯糸11に用いてもよいし、経糸12と緯糸11の双方に用いてもよい。
パイル織物1をシーツや毛布等の最終製品とした場合における、基布10の平面視形状は特に限定されず、矩形、円形が例示できる。基布10の厚みも、通気性を向上させたり軽量化を図るためには厚みが小さい方が好ましいが、特に限定されない。基布10の凹凸の大きさや周期等も、嵩高にするには凹凸が大きい方が好ましいが、特に限定されない。凹凸の大きさや周期等については、経糸12において、非弾性糸12aの長さと熱収縮後の弾性糸12bの長さとの差を調整することで、適宜調整可能である。
実施形態のパイル織物1では、図示のようにカットパイル20の高さを均一としているが、高さを不均一として、その高低差により表面に模様が形成されるようにしてもよい。カットパイル20の高さやパイル長も、通気性を向上させたり軽量化を図るためには小さい方が好ましいが、特に限定されない。
また、実施形態のパイル織物の製造方法では、熱処理工程は、切開工程、表面処理工程および裏面処理工程の後におこなわれているが、これら工程の前におこなっても、これら工程の間におこなってもよい。
さらに、表面処理工程と裏面処理工程は順番を入れ替えてもよいし、同時におこなってもよい。たとえば、パイル織物1に、裏面処理工程のうちの起毛針布ローラ50による処理をおこなった後に、上下に並列する立毛針布ローラ40の間を通過させることで、裏面処理工程のうちの立毛針布ローラによる処理と表面処理工程とを同時におこなうことができる。このようにすれば、パイル織物の製造時間を短縮することができる。
製造方法の各工程の間または前後に、抗菌処理工程、防カビ処理工程、予熱工程、冷却工程等、他の工程を付加してもよい。
裏面処理工程のみならず表面処理工程においても、立毛針布ローラの上流側に起毛針布ローラを並列させ、起毛用針により基布の表面の側でカットパイルを毛羽立たせることも可能である。
1 実施形態のパイル織物
2 二重織物
10 基布
11 緯糸
11a 非弾性糸
12 経糸
12a 非弾性糸
12b 弾性糸
20 カットパイル
21 パイル糸
21a 繊維
21b 毛羽
30 カッタ
40 立毛針布ローラ
41 立毛用針
50 起毛針布ローラ
51 起毛用針
60 加熱ブース
w1 非弾性糸群の巾
w2 弾性糸群の巾

Claims (5)

  1. 経糸と緯糸から織成されその経糸または緯糸の一部として弾性糸を用いられ前記弾性糸の収縮により表裏面に凹凸が形成された基布と、
    前記基布から立ち上がるパイル糸からなるカットパイルと、からなり、
    前記基布の裏面の側のカットパイルに、起毛処理および立毛処理が施されているパイル織物。
  2. 前記基布の表面の側のカットパイルに、立毛処理が施されている請求項1に記載のパイル織物。
  3. 経糸と緯糸から織成されその経糸または緯糸の一部として弾性糸を用いた二枚の基布と、前記二枚の基布間にジグザグ状に交絡させることで前記基布同士を連結するパイル糸と、からなる二重織物を準備する工程と、
    前記二重織物を連結する前記パイル糸を切断して、基布と、前記基布から立ち上がる前記パイル糸のカットパイルと、からなる一対のパイル織物を作製する切開工程と、
    前記各パイル織物の表面に対して、回転する立毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維束をほぐす表面処理工程と、
    前記各パイル織物の裏面に対して、回転する起毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維を毛羽立たせ、次いで回転する立毛針布ローラを当接させることで前記パイル糸の繊維束をほぐす裏面処理工程と、
    前記基布の弾性糸を熱収縮させて前記基布の表裏面に凹凸を形成する熱処理工程と、を含むパイル織物の製造方法。
  4. 前記表面処理工程と、前記裏面処理工程のうちのパイル糸の繊維束をほぐす工程とは、対向する前記立毛針布ローラ間に前記パイル織物を通過させることにより同時におこなわれる請求項3に記載のパイル織物の製造方法。
  5. 前記裏面処理工程のうちのパイル糸の繊維束をほぐす工程は、
    前記パイル織物の裏面に対する前記回転する立毛針布ローラの当接により、前記パイル織物の表面の側に位置するカットパイルのパイル糸の一部を、前記パイル織物の裏面の側に引き出す工程を兼ねている請求項3または4に記載のパイル織物の製造方法。
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