JPH0139382B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガイドレールに案内される搬送台車
に駆動ギヤーとこのギヤーを駆動するモーターを
設け、台車走行経路側には前記駆動ギヤーに咬合
するラツクギヤーを配設した台車式搬送装置に関
するものであつて、前記駆動ギヤーをラツクギヤ
ー側へスプリングにより押圧せしめ乍ら両ギヤー
の噛み合い深さを常に一定に保ち得るようにし
て、上下方向のカーブ経路部分に於ても前記駆動
ギヤーとラツクギヤーとの咬合を円滑確実に行わ
せ得るようにし、搬送台車を良好に推進せしめよ
うとするものである。

以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
跨座式搬送台車であつて、１つの駆動ユニツト２
と３つのガイドユニツト３とが荷台４の四隅下側
に取付けられている。５，６は左右一対のガイド
レールであつて、前記搬送台車１に於ける各ユニ
ツト２，３の内側に位置しており、下端から内側
に張り出したレール部５ａ，６ａを上下から挾む
案内車輪７，８及び前記レール部５ａ，６ａの内
端面に近接する振れ止め用垂直軸ローラー９が、
前記搬送台車１の各ユニツト２，３に於けるガイ
ドレール巻き込み部２ａ，３ｂに軸支されてい
る。１０は左右一対のガイドレール５，６をその
上端部で片持ち状に支持する支持材であつて、ガ
イドレール５，６の長さ方向適当間隔置きに配置
され、前記搬送台車１に於ける各ユニツト２，３
のガイドレール巻き込み部２ａ，３ａはこの支持
材１０とガイドレール５，６との間を移動する。
１１は左右一対のガイドレール５，６の上端間に
架設されたカバープレートである。

前記搬送台車１の駆動ユニツト２には、その下
端から内方に連設された支持台部２ｂ上に減速機
１２が搭載され、第３図乃至第５図に示すように
この減速機１２から左右両側に突出する出力軸１
２ａ，１２ｂの内、外方に突出する出力軸１２ａ
には高速駆動ギヤー１３が直接固定され、内方に
突出する出力軸１２ｂには伝動ギヤー１４が固定
されている。これ等両出力軸１２ａ，１２ｂは、
前記減速機１２に前後方向向きに取付けられたモ
ーター１５によつて駆動され、このモーター１５
は、前記ガイドレール支持材１０に上下複数段に
支持された給電及び制御信号授受レール１６から
前記支持台部２ｂの内端に取付けられた集電手段
１７を介して与えられる電力及び制御信号によつ
て駆動される。

１８は低速駆動ギヤーであつて、前記支持台部
２ｂ上に取付けられた軸受部材１９に支軸２０の
周りで上下揺動自在に枢支された揺動アーム２１
の先端に軸支され、該支軸２０によつて枢支され
た小ギヤー２２と咬合する。２３は該小ギヤー２
２と同心一体の大ギヤーであつて、前記伝動ギヤ
ー１４と咬合する。従つて、伝動ギヤー１４の回
転は、大ギヤー２３及び小ギヤー２２を介して低
速駆動ギヤー１８に減速された状態で伝達され
る。２５は前記揺動アーム２１を上向きに付勢す
る圧縮コイルスプリングであり、２６は揺動アー
ム２１の上動限を規制するストツパーボルトであ
る。前記低速駆動ギヤー１８には、そのピツチ円
直径と等しい外径の補助車輪２７が同心状に取付
けられている。

前記ガイドレール５，６によつて構成される搬
送台車１の走行経路の内、水平経路部分には、第
３図及び第６図に示すように前記高速駆動ギヤー
１３に咬合するラツクギヤー２８が架設され、上
り或いは下りの傾斜経路部分には、第１図及び第
６図に示すように前記低速駆動ギヤー１８が圧縮
コイルスプリング２５に抗して若干押し下げられ
た状態で咬合するラツクギヤー２９が架設され
る。前記ラツクギヤー２８はガイドレール５に取
付けられ、ラツクギヤー２９はガイドレール支持
材１０に取付けられている。３０は、低速駆動ギ
ヤー１８に咬合するラツクギヤー２９の片側に並
設されたフラツトガイドレールであつて、この下
面を前記補助車輪２７が接触転動することによ
り、低速駆動ギヤー１８とラツクギヤー２９との
噛み合い深さを一定に維持する。

上記の構成によれば、搬送台車１が水平経路部
分にあるときは、モーター１２によつて駆動され
る高速駆動ギヤー１３とラツクギヤー２８との咬
合により、該搬送台車１はガイドレール５，６に
案内され乍ら高速で走行する。搬送台車１が傾斜
経路部分にあるときは、モーター１２によつて前
記高速駆動ギヤー１３と同方向に駆動されている
低速駆動ギヤー１８とラツクギヤー２９との咬合
により、該搬送台車１はガイドレール５，６に案
内され乍ら低速で同方向に走行することになる。

尚、両ラツクギヤー２８，２９の始端部は、高
速駆動ギヤー１３や低速駆動ギヤー１８の噛み合
い深さが徐々に深くなるように、第６図に示すラ
ツクギヤー２９の始端部の如く傾斜させておくの
が望ましいが、特に第７図に示すようにこの傾斜
したラツクギヤー始端部３１を支軸３２の周りで
一定範囲内上下揺動自在に構成し、スプリング３
３により所定角度に傾斜した出限姿勢となるよう
に付勢させておくときは、ラツクギヤー２８，２
９の始端部に対する高速駆動ギヤー１３や低速駆
動ギヤー１８の噛み合い始めをより確実円滑に行
わせることが出来る。

又、第６図に示すように傾斜経路部分の始端位
置に於て、ラツクギヤー２８から高速駆動ギヤー
１３が外れた後、低速駆動ギヤー１８がラツクギ
ヤー２９に咬合するまでの間に、低速駆動ギヤー
１８と一体に回転している補助車輪２７のみがフ
ラツトガイドレール３０に当接する小区間を設け
ておくことにより、高速駆動ギヤー１３がラツク
ギヤー２８から外れた後の搬送台車１の走行速度
を、低速回転の補助車輪２７がフラツトガイドレ
ール３０に対してスリツプを伴い乍ら転動する間
に減速させることが出来、低速駆動ギヤー１８と
ラツクギヤー２９との咬合を、シヨツクを伴うこ
となく円滑に行わせ得る。

上記実施例のように、搬送台車に軸支した駆動
ギヤーと咬合するラツクギヤーを走行経路側に配
設し、前記駆動ギヤーの回転により搬送台車を推
進させるようにした台車式搬送装置に於ては、水
平経路部分では駆動ギヤーに咬合するラツクギヤ
ーを搬送台車ガイドレールと平行に配設すれば良
いが、駆動ギヤーを搬送台車案内車輪から離れた
位置に軸支せざるを得ない関係から、上下方向の
傾斜経路部分の出入口（上下方向に湾曲する部
分）では、駆動ギヤーの位置が固定されている場
合、そのギヤーの移動軌跡と搬送台車ガイドレー
ルとの間の間隔が一定ではなくなり、前記ラツク
ギヤーの湾曲形状を決定することが非常に困難と
なり、延いてはラツクギヤーと駆動ギヤーとの円
滑な咬合状態を得ることが困難となる。

然るに本発明によれば、前記駆動ギヤー（実施
例では低速駆動ギヤー１８）が対応するラツクギ
ヤーに対して遠近方向に運動し得ると共にスプリ
ングによつて該ラツクギヤー側へ押圧されている
ので、当該ラツクギヤーは、前記のような傾斜経
路部分の出入口に於ても第６図に示すように例え
ば搬送台車ガイドレールに対して略一定間隔を保
つように配設するだけで、その位置に多少のバラ
ツキがあつても、駆動ギヤーをして当該ラツクギ
ヤーに確実円滑に咬合させることが出来るのであ
る。従つて当該ラツクギヤーの製造及び据え付け
が容易となる。換言すれば駆動ギヤーを任意の位
置に配置することが出来るのである。

一方、上記のように駆動ギヤーをラツクギヤー
側へスプリングにより押圧せしめるときは、その
押圧力が大きければ大きい程、駆動ギヤーがラツ
クギヤーに対して食い込み勝手になり、両ギヤー
を正常に噛み合わせることが出来なくなる。然し
乍ら本発明によれば、前記駆動ギヤーに補助車輪
を並設し、この補助車輪が当接することにより前
記駆動ギヤーとラツクギヤーとの噛み合いを一定
深さに規制するガイドレールを前記ラツクギヤー
に並設したので、前記駆動ギヤーをラツクギヤー
に押圧するスプリング力を大きくして強力な推進
力を得るように構成した場合でも、駆動ギヤーが
ラツクギヤーに対して食い込み勝手になることが
なく、両ギヤー間の噛み合い深さを正常に保ち、
搬送台車の推進を円滑に行わせることが出来るの
である。

上記補助車輪は駆動ギヤー（実施例の低速駆動
ギヤー１８）に対して相対回転自在に軸支するこ
とも出来る。この場合の補助車輪は駆動ギヤーに
対して任意の直径をもたせることが出来るが、実
施例にも示したように、前記補助車輪を駆動ギヤ
ー（低速駆動ギヤー１８）のピツチ円直径と同径
とした状態で該駆動ギヤーと一体に回転するよう
に構成するときは、前記駆動ギヤーがラツクギヤ
ーに咬合する前に前記補助車輪が前記ガイドレー
ル（実施例のフラツトガイドレール３０）に接触
転動する区間を有せしめて、前記駆動ギヤーの周
速度とは異なる速度で走行して来た搬送台車を、
前記駆動ギヤーがラツクギヤーに咬合する前に該
駆動ギヤーの周速度と等しいか又はそれに近い速
度に矯正し、駆動ギヤーとラツクギヤーとの噛み
合い開始を良好円滑に行わせることが出来る。

尚、本発明に於ては、実施例に示した高速駆動
ギヤー１３とこれに咬合するラツクギヤー２８と
は必須のものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断正面図、第２図は片側の駆動ユニ
ツト及びガイドユニツトを示す側面図、第３図は
高速駆動ギヤーを使用する経路部分での要部の縦
断正面図、第４図は駆動ユニツトの要部の平面
図、第５図は同一部切り欠き側面図、第６図は上
り経路部分に於ける始端位置近傍での作用説明
図、第７図はラツクギヤー始端位置の具体構造を
示す側面図である。 １……搬送台車、２……駆動ユニツト、３……
ガイドユニツト、４……荷台、５，６……ガイド
レール、７，８……案内車輪、９……振れ止め用
垂直軸ローラー、１０……ガイドレール支持材、
１２……減速機、１３……高速駆動ギヤー、１５
……モーター、１６……給電及び制御信号授受レ
ール、１７……集電手段、１８……低速駆動ギヤ
ー、２１……揺動アーム、２５……揺動アーム付
勢用圧縮コイルスプリング、２６……ストツパー
ボルト、２７……補助車輪、２８，２９……ラツ
クギヤー、３０……フラツトガイドレール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガイドレールに案内される搬送台車に駆動ギ
   ヤーとこのギヤーを駆動するモーターを設け、台
   車走行経路側には前記駆動ギヤーに咬合するラツ
   クギヤーを配設した台車式搬送装置であつて、前
   記駆動ギヤーは前記ラツクギヤーに対する遠近方
   向に一定範囲内で移動可能に支持すると共に該ラ
   ツクギヤー側へスプリングにより付勢し、前記ラ
   ツクギヤーに並設したギヤー噛み合い深さ規制用
   ガイドレールに当接する補助車輪を前記駆動ギヤ
   ーと同心状態に並設して成る台車式搬送装置。 ２ 前記補助車輪を前記駆動ギヤーのピツチ円直
   径と同径とすると共に該駆動車輪と一体に回転す
   るようにした第１項記載の搬送装置。