JPH0139287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、ビルその他の建築物などの壁体パネル
の外周に取付けられる環状、方形のパネル用ガス
ケツトに関し、そのコーナ部に生じる継目による
シールの低下を防止するとともに、隣接したパネ
ルの各コーナ部のシールを確実化するものであ
る。

建築物などの外壁として使用されるパネル用の
方形で枠状のガスケツトはすでに公知であるが、
これは、直線状のガスケツトと、ほぼ直角に折曲
されたガスケツトとが接着その他の手段で一体化
されて方形にされている。そして、直角に折曲さ
れたコーナ部用ガスケツトは、その各辺の長さが
同じにされたものがある。したがつて、第５図に
示すように同寸法のガスケツトａがパネルｂの外
周に取付けられて、互いに接合されると、図中点
ｃとして示す前記の継目ｄと継目ｄとが重なる状
態になるから、継目ｄに段差や凹凸部などがある
と、その部分の密着性が悪くシール効果が低下す
るおそれがある。このため継目ｄは、その表面に
凹凸や段差などが生じないように仕上げることが
必要で、かなりの手間を要している。

又、第６図に示すように、パネルｂ外周面にシ
ール材が隆起帯状に装着されかつその各角部のシ
ール材が膨出状に形成されてなるパネル用のガス
ケツトa′は公知である。このパネル用のガスケツ
トは、隣接したパネルの各コーナ部のシールを行
なうことができるが、ガスケツト本体ｅのたわみ
が生じ易く、しかも膨出状部ｆの当り面は少ない
ので施行が困難である。

本案はこのような問題を解決するもので、ゴム
または合成樹脂などの柔軟性を有する材料で形成
されたガスケツトの直線部と、それがほぼ直角に
折曲されたコーナ部とが交互に配置され、かつ互
いに固着されて環状、方形に形成されたパネル用
ガスケツトにおいて、各コーナ部の一方の辺がガ
スケツトの厚み以上の長さを有する他方の辺より
も長くされ、環状、方形にされたガスケツトの各
辺に、各コーナ部の長辺と短辺とが共に配置され
るとともに、ガスケツト本体の内周面と相対する
コーナ部外周面の位置に、その折曲した両方にわ
たつてガスケツト本体の長さ方向に突条が形成さ
れたことを要旨とする。

本案のガスケツトを図面の実施例について説明
すると、１はゴム、合成樹脂などの柔軟性を有す
る中空または中実の材料で環状にかつ方形に形成
されたガスケツトで、これはその各辺の中央部に
配置された直線部２と、各直線部２，２間に配置
された、ほぼ直角に折曲されたコーナ部３とが接
着剤による接着その他の適当な手段で固着されて
構成されたものである。コーナ部３は、その一方
の辺が長辺４、他方の辺が、長辺４よりも短かく
されているが、ガスケツトの厚み以上の長さを有
する短辺５とで構成され、方形になつたガスケツ
ト１の辺のそれぞれには長辺４と短辺５の両方が
共に位置するように、コーナ部３が配置されてい
る。すなわち、長辺４と短辺５とが交互になるよ
うに、コーナ部３が配置されている。６は直線部
２とコーナ部３の継目である。

環状、方形に形成されたガスケツト１の各辺
に、コーナ部３の長辺４と短辺５とを共に位置さ
せたのは、同じ状態でパネルにガスケツト１を取
付けたものを第４図に示すように建築物の外壁と
して取付けていけば、隣接するパネルのガスケツ
ト１のコーナ部３では、長辺４と短辺５が接合
し、継目６と継目６とが互いに重ならないように
できるからである。

７はガスケツト１の内周面に設けられた脚体
で、これがパネルの外周面に形成されたみぞ内に
挿入されてガスケツト１がパネルの周面に固着さ
れる。ただし、パネルの外周面に接着されるガス
ケツトでは、脚体７は不要である。８はガスケツ
ト１本体の内周面と相対するコーナ部外周面の位
置に、その折曲した両方にわたつてガスケツト本
体１の長さ方向にほぼ全長にわたつて形成された
突条である。

ガスケツト１は中空または中実のいずれの材料
で形成してもよく、また非発泡、発泡れの材料で
形成してもよい。また、直線部２とコーナ部３の
断面形状も任意で、また、突条８に代えて、第３
図のように、コーナ部３の外面にみぞ９を設けて
もよく、第２図は発泡材で中実に、第３図は非発
泡材で中空に形成されたコーナ部３の例である。
１０は壁体パネルである。ここで、前記のガスケ
ツト１の厚みとは、第２図で示すガスケツトでは
脚体７の下端から、突条８までの長さをいう。ま
た、第３図で示すガスケツトでは、脚体７の下端
からガスケツト本体の上端までの長さをいう。

このガスケツトのパネルに対する取付けは公知
のそれと同様で、脚体７がパネルのみぞにはめ込
まれ、または接着剤で接着されて、パネルの外周
面に固着される。ガスケツト１が取付けられたパ
ネルを建築物の外壁として取付けるときは、各パ
ネルのガスケツト１のコーナ部３では、第４図の
ように、長辺４と短辺５とが接合するように配置
して、直線部２とコーナ部３間に生じる継目６が
互いに重ならないようにする。

上記のように、本案のガスケツトは、そのコー
ナ部３を長辺４と短辺５とで形成することで、そ
れらと直線部２間に生じる継目６と継目６とが互
いに重ならないようにすることを可能にした。す
なわち、継目６のすべてをガスケツト１の直線部
２とのみ接合させることが可能である。したがつ
て、継目６の表面に多少の凹凸や段差があつたと
しても、それは弾性変形が容易な直線部２と接合
することで、直線部２で吸収され、継目６の凹凸
などによつてシール効果が低下することを防止で
きるから、継目６の表面の仕上げ作業を簡易化で
きる、とともに、ガスケツトとしての役目もより
十分に果たしうる。

また、方形のガスケツト１の各辺に、長辺４と
短辺５が共に位置するようにコーナ部３を配置し
ているので、それを同じ状態でパネルに取付けて
おくのみで、各継目６が重なることを防止でき、
更にコーナ部３の外周面の全長にわたつて、第１
図のように突条８を形成しているので、コーナ部
３の各辺で突条８の長さが異なり、それが長辺４
であるか、短辺５であるかを視覚で容易に確認で
き、継目６が互いに重なることをより確実になく
することができる。そして、各コーナ部３におけ
る長辺４と短辺５の外周に突条８を設けているの
で、該突条８が各コーナ部３を補強するから、各
コーナ部のたわみつまりはガスケツト本体のたわ
みが少なくなり、かつガスケツト本体にたわみが
生じたとしてもそれを突条８が埋める状態にな
る。また、突条８の当り面が、ガスケツトの厚み
以上の長さを有するので、施行し易く、突条８は
互いにかみ合う状態になつて密接するからコーナ
部に空〓が生じることも防止でき、シール効果を
向上させることに対しても適する。これは第３図
のようにみぞ９を設けた場合もほぼ同様な効果を
期待できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図は正面図、
第２図と第３図はコーナ部の異なつた例の拡大断
面図、第４図は壁体パネルをジヨイントしたコー
ナ部の正面図、第５図は従来品のガスケツトをパ
ネル外周に取付け、パネルを互いに接合した状態
の平面図、第６図は他の従来品のガスケツトをパ
ネル外周に取付けた状態の平面図である。 １……ガスケツト、２……直線部、３……コー
ナ部、４……長辺、５……短辺、６……継目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴムまたは合成樹脂などの柔軟性を有する材料
   で形成されたガスケツトの直線部と、それがほぼ
   直角に折曲されたコーナ部とが交互に配置され、
   かつ互いに固着されて環状、方形に形成されたパ
   ネル用ガスケツトにおいて、各コーナ部の一方の
   辺が、ガスケツトの厚み以上の長さを有する他方
   の辺よりも長くされ、環状、方形にされたガスケ
   ツトの各辺に、各コーナ部の長辺と短辺とが共に
   配置されるとともに、ガスケツト本体の内周面と
   相対するコーナ部外周面の位置に、その折曲した
   両方にわたつてガスケツト本体の長さ方向に突条
   が形成されたパネル用ガスケツト。