JPH0138157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、高所作業車の作業者搭乗用のバケツ
ト組立体を水平状態に保つためのバケツト組立体
の水平制御装置に関するものである。

（従来技術の説明） 高所作業車は第１図に示す如く、車輛１上へ旋
回並びに起伏調節自在に取り付けられたブーム
２、およびブーム２の先端部３に当該ブーム２の
起伏軌跡面と直交する水平支軸４を介して取り付
けられた作業者搭乗用のバケツト組立体５を備え
ている。この種の高所作業車は、バケツト組立体
５へ作業者が搭乗して、ブーム２を起伏並びに旋
回して高所作業をするものであるが、ブーム２の
起伏動に関りなくバケツト組立体５が常に水平姿
勢を維持するためのバケツト組立体の水平制御装
置が取り付けられている。この水平制御装置は、
バケツト組立体５に取り付けられバケツト組立体
５が水平状態から正方向（第１図において時計ま
わりの方向）および逆方向（第１図において反時
計まわりの方向）に一定角度以上傾斜したとき逆
駆動電気信号および正駆動電気信号を出力する如
く構成した傾斜検出装置６、および傾斜検出装置
６の前記逆駆動電気信号および正駆動電気信号で
もつて制御され前記逆駆動電気信号により前記バ
ケツト組立体５を逆方向に駆動させまた前記正駆
動電気信号により前記組立体を正方向に駆動させ
るバケツト組立体駆動装置７とから構成されてお
り、ブーム２の起伏動により、バケツト組立体５
が正方向に一定角度以上傾斜すると前記傾斜検出
装置６が逆駆動信号を出力しこれにより、前記バ
ケツト組立体駆動装置７がバケツト組立体５を水
平支軸４を中心に逆方向へ駆動し、バケツト組立
体５が逆方向に一定角度以上傾斜すると前記傾斜
検出装置６が正駆動電気信号を出力しこれにより
前記バケツト組立体駆動装置７がバケツト組立体
５を水平支軸４を中心に正方向へ駆動し、もつて
バケツト組立体５の水平に維持するようにしてい
る。傾斜検出装置６およびバケツト組立体駆動装
置７からなる従来の水平制御装置を第２図に基づ
いて詳述する。傾斜検出装置６は、水平支軸４と
平行な軸８により揺動自在に吊下した振り子９、
バケツト組立体５が正方向（図において水平状態
から時計まわり方向）に2゜以上傾斜したとき振り
子９に設けたカム９′に係合して接となり後述す
る電路１３へ逆駆動電気信号を出力する傾斜検出
スイツチ１０、およびバケツト組立体５が図にお
いて水平状態から逆方向（図において反時計まわ
り方向）に2゜以上傾斜したとき前記カム９′に係
合して接となり後述する電路１４へ正駆動電気信
号を出力する傾斜検出スイツチ１１を備えてい
る。傾斜検出装置６の前記各検出スイツチ１０お
よび１１の一方の接点は夫々電源１２に接続され
ており、他方の接点は夫々電路１３および１４を
介して後述のバケツト組立体駆動装置７に接続し
ている。上記構成により傾斜検出装置６は、バケ
ツト組立体５が水平状態から正方向に2゜以上傾斜
するとこれを検出して電路１３に逆駆動電気信号
を出力し、バケツト組立体５が水平状態から逆方
向に2゜以上傾斜するとこれを検出して電路１４に
正駆動電気信号を出力する。すなわち、傾斜検出
装置６は、バケツト組立体５の水平状態からの正
方向（時計まわり方向）および逆方向（反時計ま
わり方向）への傾斜が一定角度（ここでは2゜以
上）傾斜したときこれを検出して逆駆動電気信号
および正駆動電気信号を出力するようになつてい
る。バケツト組立体駆動装置７は、ブーム２の先
端部３とバケツト組立体５の適所間に介装されバ
ケツト組立体５を水平支軸４を中心に回動させる
ための油圧シリンダ１５と、前記傾斜検出装置６
の電路１３および電路１４を通つて印加される逆
駆動電気信号および正駆動電気信号によつて夫々
そのソレノイド１７および１８を励磁し逆駆動電
気信号が印加されたときには前記油圧シリンダ１
５をして前記バケツト組立体５を逆方向に駆動さ
せ、正方向電気信号が印加されたときには前記油
圧シリンダ組立体５をして前記バケツト組立体５
を正方向に駆動させるよう操作される制御弁１６
とから構成されている。尚図において、１９は高
圧油路、２０はタンク油路である。

今、ブーム２が第１図に示す状態から起仰して
バケツト組立体５が正方向すなわち時計まわり方
向へ2゜以上傾斜すると、カム９′が傾斜検出スイ
ツチ１０を接とする。その結果電路１３を介して
バケツト組立体駆動装置７における制御弁１６の
ソレノイド１７へ逆駆動電気信号が通電され、制
御弁１６は油圧シリンダ１５を縮小させるよう切
換られる。これによりバケツト組立体５は水平支
軸４を中心に逆方向すなわち反時計まわり方向へ
復帰駆動される。この復帰駆動は、傾斜検出スイ
ツチ１０が断となるまで、すなわち傾斜検出スイ
ツチ１０とカム９′の係合が解かれるまで行なわ
れる。

ブーム２が第１図に示す状態から倒伏してバケ
ツト組立体５が逆方向すなわち反時計まわり方向
へ2゜以上傾斜した場合のバケツト組立体５の正方
向すなわち時計方向への復帰動は、上記に準じて
行なわれる。

（本考案が解決しようとする問題点） 上記の如く構成した従来の高所作業車における
バケツト組立体の水平制御装置は、バケツト組立
体５がブーム２の起伏動により水平状態から一定
角度（2゜以上）以上傾斜したとき、バケツト組立
体５を自動的に水平方向に復帰駆動するものであ
るが、次の如き問題があつた。

すなわち、傾斜検出装置６における傾斜検出装
置スイツチ１０又は１１が故障しこれら傾斜検出
装置１０又は１１がカム９′との係合が外れても
尚接続状態を維持するか、あるいは傾斜検出装置
スイツチ１０又は１１部分が短絡する等して、バ
ケツト組立体５の傾斜如何に関らず正駆動電気信
号又は逆駆動電気信号が出力され続けた場合にあ
つては、バケツト組立体駆動装置７における制御
弁１６が操作され続け、その結果バケツト組立体
５が反時計まわり方向又は時計まわり方向へ回動
され続けて当該バケツト組立体５に搭乗した作業
者が転落の危険にさらされるという問題である。
すなわち、従来の高所作業車におけるバケツト組
立体の水平制御装置は、その傾斜検出装置の逆駆
動電気信号あるいは正駆動電気信号が、傾斜検出
装置の故障により出力され続けた場合においてバ
ケツト組立体５の過傾斜を停止させる手段を備え
ていないのである。

本考案の目的は、バケツト組立体５が傾斜検出
装置６の故障によつて過傾斜させられた場合、そ
の過傾斜動を自動的に止めるようにし、もつてバ
ケツト組立体５に搭乗した作業者が転落の危険に
さらされることのない高所作業車におけるバケツ
ト組立体の水平制御装置を提供しようとするとこ
ろにある。

（問題点を解消するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、次の如く
構成する。すなわち、本考案の高所作業車におけ
るバケツト組立体の水平制御装置は、車輛上へ旋
回並びに起伏調節自在に取り付けられたブーム、
およびブームの先端部に当該ブームの起伏軌跡面
と直交する水平支軸を介して取り付けられた作業
者搭乗用のバケツト組立体の水平制御装置、特
に、前記バケツト組立体に取り付けられバケツト
組立体が水平状態から正方向および逆方向に一定
角度以上傾斜したとき逆駆動電気信号および正駆
動電気信号を出力する如く構成した傾斜検出装
置、および前記傾斜検出装置の逆駆動電気信号お
よび正駆動電気信号でもつて制御され前記逆駆動
電気信号により前記バケツト組立体を逆方向に駆
動させまた前記正駆動電気信号により前記バケツ
ト組立体を正方向に駆動させるバケツト組立体駆
動装置とからなる作業者搭乗用のバケツト組立体
の水平制御装置であつて、前記傾斜検出装置は、
バケツト組立体が水平状態から正方向へ前記一定
角度を所定角度越えて傾斜したとき作動する正方
向過傾斜検出手段と、バケツト組立体が水平状態
から逆方向へ前記一定角度を所定角度越えて傾斜
したとき作動する逆方向過傾斜検出手段を備えて
おり、前記正方向過傾斜検出手段が作動したとき
は少なくとも前記正駆動電気信号の出力を停止
し、前記逆方向過傾斜検出手段が作動したときは
少なくとも前記逆駆動電気信号の出力を停止する
如く構成したものである。

（作用） 上記の如き構成をもつ本考案によれば、傾斜検
出装置が正常に作動している間は、従来の高所作
業車におけるバケツト組立体の水平制御装置と同
様、バケツト組立体が水平状態から一定角度以上
傾斜すれば、傾斜検出装置の発する正、逆駆動電
気信号によりバケツト組立体駆動装置がバケツト
組立体を水平方向に駆動するものであるが、傾斜
検出装置が故障し正駆動電気信号又は逆駆動電気
信号が出力し続けバケツト組立体が前記一定角度
を所定量越えて傾動したときは、正方向過傾斜検
出手段又は逆方向過傾斜検出手段が作動し、この
作動結果でもつて少なくとも正駆動電気信号又は
逆駆動電気信号の出力を停止するものであるか
ら、バケツト組立体の過傾動は未然に防止される
のである。

（実施例） 以下本考案の高所作業車のバケツト組立体の水
平制御装置の実施例を第３図に基づいて説明す
る。

本実施例は、第１図および第２図に示し且つ上
述した従来の高所作業車のバケツト組立体の水平
制御装置とは、傾斜検出装置６部分が異つている
のみであり、且つその傾斜検出装置６にしても従
来のものに一部構成を付加したものであるので、
第１図および第２図で用いた符号およびその意味
は以下の説明においてもこれを援用する。

第３図において、２１は、傾斜検出装置６に設
けられた正方向過傾斜検出手段であつて、この正
方向過傾斜検出手段２１は、バケツト組立体５が
水平状態から正方向へ前記一定角度（傾斜検出ス
イツチ１０が接となる角度）を所定角度越えて傾
斜したとき、カム９′と係合して作動し接となり、
電路２２へ通電するリミツトスイツチで構成され
ている。２３は、電路２２への通電により作動す
るリレーである。２４は、傾斜検出装置６に設け
られた逆方向過傾斜検出手段であつて、この逆方
向過傾斜検出手段２４は、バケツト組立体５が水
平状態から逆方向へ前記一定角度（傾斜検出スイ
ツチ１１が接となる角度）を所定角度越えて傾斜
したとき、カム９′と係合して作動し接となり、
電路２５へ通電するリミツトスイツチで構成され
ている。２６は、電路２５への通電により作動す
るリレーである。２７は、傾斜検出装置６からバ
ケツト組立体駆動装置７へ正駆動電気信号を伝達
する電路１４中へ介装された常閉型のリレースイ
ツチであつて、このリレースイツチ２７は、前記
正方過傾斜検出手段２１が作動したとき断となる
よう前記リレー２３に関連してある。２８は、傾
斜検出装置６からバケツト組立体駆動装置７へ逆
駆動電気信号を伝達する電路１３中へ介装された
常閉型のリレースイツチであつて、このリレース
イツチ２８は、前記逆方向過傾斜検出手段２４が
作動したとき断となるよう前記リレー２６に関連
してある。

すなわち、傾斜検出装置は、前記正方向過傾斜
検出手段２１が作動したときは正駆動電気信号の
出力を停止し、前記逆方向過傾斜検出手段２４が
作動したときは逆駆動電気信号の出力を停止する
如く構成しているのである。

次に作用を説明する。傾斜検出装置６の従来技
術部分が正常に作動している場合は、既述した従
来技術の作用説明と同様にバケツト組立体５を水
平状態に復帰駆動するものである。今、傾斜検出
スイツチ１０が故障し電路１３へ逆駆動電気信号
が出力され続けた場合、バケツト組立体５が逆方
向に駆動され、ブーム２の逆方向への回動（第１
図において倒仰動）と相まつてバケツト組立体５
が逆方向に傾斜し続ける。その結果バケツト組立
体５の傾斜が逆方向過傾斜検出手段２４を作動さ
せると電路１３に介装したリレースイツチ２８が
断となり、傾斜検出装置６から電路１３を通つて
バケツト組立体駆動装置７へ出力されている逆駆
動電気信号が停止する。したがつて、この時点で
バケツト組立体５の逆方向への回動は停止する。

傾斜検出装置６の傾斜検出スイツチ１１が故障
し電路１４へ正駆動電気信号が出力され続けた場
合には、正方向過傾斜検出手段２１が作動し、こ
の時点で正駆動電気信号が停止するものである。

したがつて、傾斜検出装置が故障してバケツト
組立体が過傾斜しようとしても、未然にその傾斜
動が停止されるのである。

尚、上記実施例においては、正方向過傾斜検出
手段２１が作動したときに正駆動電気信号を、逆
方向過傾斜検出手段２４が作動したときに逆駆動
電気信号を停止するようにしているが、各過傾斜
検出手段が作動したときには、正駆動電気信号お
よび逆駆動電気信号の双方を停止するようにして
も良いこと勿論である。

（効果） 本考案は、以上の如く構成し、作用するもので
あるから、傾斜検出装置が故障しても、バケツト
組立体の過傾斜が防止されるものであるから、高
所作業車の安全性が高度に確保されるのでその効
果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は高所作業車の説明図、第２図は従来の
高所作業車のバケツト組立体の水平制御装置の説
明図、第３図は本考案に係る高所作業車のバケツ
ト組立体の水平制御装置の説明図である。 車輛……１、ブーム……２、水平支軸……４、
バケツト組立体……５、傾斜検出装置……６、バ
ケツト組立体駆動装置……７、正方向過傾斜検出
手段……２１、逆方向過傾斜検出手段……２４。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両上へ旋回並びに起伏調節自在に取り付けら
   れたブーム、およびブームの先端部に当該ブーム
   の起伏軌跡面と直交する水平支軸を介して取り付
   けられた作業車搭乗用のバケツト組立体の水平制
   御装置、特に、前記バケツト組立体に取り付けら
   れバケツト組立体が水平状態から正方向および逆
   方向に一定角度以上傾斜したとき逆駆動電気信号
   および正駆動電気信号を出力する如く構成した傾
   斜検出装置、および前記傾斜検出装置の逆駆動電
   気信号および正駆動電気信号でもつて制御され前
   記逆駆動電気信号により前記バケツト組立体を逆
   方向に駆動させまた前記正駆動電気信号により前
   記バケツト組立体を正方向に駆動させるバケツト
   組立体駆動装置とからなる作業者搭乗用のバケツ
   ト組立体の水平制御装置であつて、前記傾斜検出
   装置は、バケツト組立体が水平状態から正方向へ
   前記一定角度を所定角度越えて傾斜したとき作動
   する正方向過傾斜検出手段と、バケツト組立体が
   水平状態から逆方向へ前記一定角度を所定角度越
   えて傾斜したとき作動する逆方向過傾斜検出手段
   を備えており、前記正方向過傾斜検出手段が作動
   したときは少なくとも前記正駆動電気信号の出力
   を停止し、前記逆方向過傾斜検出手段が作動した
   ときは少なくとも前記逆駆動電気信号の出力を停
   止する如く構成したことを特徴とする高所作業車
   におけるバケツト組立体の水平制御装置。