JPH0137628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は弾性材料の環状弁手段を備え、そして
パイプ内部の圧力が周囲の圧力より低いとき周囲
の空気が該パイプ内へ侵入することを許容するこ
とにより該圧力が均等化されるようになつている
パイプへ接続するのに適した安全弁に関する。弁
ハウジング内に形成されそして前記パイプと連通
する弁室内の圧力は前記環状弁手段の一方の側に
作用し、大気圧が前記弁室へ通ずる入口を経て前
記弁手段の他方の側に作用し、前記他方の側は二
つの互いに実質的に同心のかつ実質的に環状の座
の形の弁座手段と向い合つている。座の間にはそ
の間に入口開口を形成する支柱が延びる。

このような弁は特開昭50−152317号公報に記載
されている。この公知の弁の一つの欠点は、周囲
の空気とパイプ内の空気との間に起こり得る温度
差が結露をおこし易いことである。弁が加温され
ていない空間に位置し、そして例えば浴槽の温水
を排出するときは、弁ハウジング内の温度は該ハ
ウジングの内側に結露が生ずるほど高くなり、そ
して入口開口を経てパイプの外側を流れ落ち、多
分それを損傷するであろう。最悪の場合は結露が
可動弁手段のまわりに集まり、低い周囲温度下に
おいて凍結し、それによつて弁を使用不能にす
る。

本発明の目的は、それ故前述の不都合を全面的
に解消する序文に記載した型式の改良された弁を
提供することである。

この目的は、特許請求の範囲に定義されそして
添付図面を参照して以下記載される本発明によつ
て全面的に実現される。

本発明の技術的手段 排水用パイプへ接続し、該パイプから流体の流
出を防止しつつ該パイプ内に発生した真空を軽減
するための安全弁であつて、 内室と、該内室を周囲の大気と連通させるため
の空気入口手段とを有するハウジングを備え、 前記空気入口手段は内側および外側の同心状の
間隔を置いた弁座を備え、 前記外側弁座のすぐ外側を取り巻いている環状
の水収集みぞと、そして 前記内室内に取り付けられ、平常は閉位置に押
し付けられているがしかし前記パイプ中に発生し
た真空に応答した開位置へ持ち上げられる弁手段
とを備え、 前記弁手段はそれが閉位置にある時前記外側弁
座と係合するには十分であるがしかし外側弁座を
取り巻く前記環状水収集みぞを覆うには足りない
直径を持つ弾性材料製の環状デイスクを含んでお
り、そして 前記弁手段が閉位置にあり、前記環状デイスク
が前記内側および外側の同心状の間隔を置いた弁
座と係合している時パイプ内の真空が前記内室へ
伝達され、かつ前記水収集みぞ内の水が前記パイ
プへ伝達されるように前記内室と前記パイプとの
間の連通を維持するため前記水収集みぞと前記パ
イプとを接続する流路を備えていることを特徴と
する前記安全弁。

本発明の作用 家庭用排水管と下水道本管の間にはサイホンの
原理を利用したトラツプが設けられている。これ
は下水道本管から悪臭のある空気が排水管を通つ
て屋内へ逆流するのを防止するためである。もし
常時水の張つてあるトラツプの上流の排水管内で
水蒸気の凝縮等によつて真空が発生するとトラツ
プ内の水が上流側へ吸い出され、トラツプが役に
立たなくなる。そのためトラツプの上流にもし真
空が発生しても外から空気を取り入れ、真空を軽
減する安全弁を設置する必要がある。

本発明の安全弁はこの目的のためのものであ
り、前記の構成を有する。同一発明者による特開
昭50−152317号公報記載のものには、結露によつ
て弁室内にたまつた水を逃がす手段が存在しない
ので、水が弁外部へ徐々ににじみ出したり、冬期
には凍結して弁を作動不能にすることがあつた
が、本発明の安全弁では結露した水は外側弁座の
まわりに設けた水収集みぞにたまり、そこから流
路を通つて弁を取り付けたパイプへ戻るから結露
した水がにじみ出したり、凍結して弁が作動しな
くなるなどの不都合がない。

またこの流路はパイプと弁の内室との連通を提
供し、従つてパイプ内の圧力が低下すれば弁室内
の圧力も低下する。そうすると内側および外側の
環状弁座によつて区切られた空気入口手段は平常
閉鎖している環状デイスクが大気圧によつて持ち
上げられ、空気が該入口手段から流入し、流路を
通つてパイプへ入り、パイプ内の真空を軽減する
作用を果たす。パイプ内の圧力が大気圧と等しく
なれば弁手段が重力によつて下降して環状デイス
クが空気入口手段を閉鎖し、もとの状態へ戻る。

第１図は本発明による安全弁の軸方向断面図で
あり、第２図は第１図の線−に沿つた断面図
である。

第３図は変形具体例の軸方向断面図であり、ま
た第４図は第３図の線−に沿つた断面図であ
る。

第１図および第２図はシリンダ２上にシール嵌
着している取外し自在なキヤツプ３を有するシリ
ンダ２よりなる弁ハウジング１を図示する。シリ
ンダは支柱４によつて根本５に接続され、該根本
は、例えば水洗便所において図示しない排水パイ
プへ水を流すときにその内部に減圧が生じる図示
しないパイプへ該シリンダを接続するための手段
を形成する。

キヤツプ３を対面する側で、支柱は二つの同心
状の環状座６および７と接続する。座６と７の間
には空気流入開口８が位置し、該流入開口８は図
示する具体例においては根本５の周囲および二つ
の座６，７の間に延びている。図示するようにシ
リンダ状または他のどのような適当な形状でもよ
い弁ハウジングの部分２が外側の座７の外側に設
けられ、その環状底部９には水を集める環状溝１
０が形成される。支柱４の少なくとも一つには該
溝の底と根本５の内部とを接続する流路１１が設
けられる。好都合には流路は水の排出を容易にす
るため溝１０から下方に向つて傾斜している。例
示した具体例においては、流路１１は根本５の内
側と弁ハウジング１の弁室１２との間の自由接続
をも形成する。

キヤツプ３はその内面で座６，７と同心状に配
置された案内軸１３を支承する。

軸１３上にはそれに沿つて自由に滑動し得る二
部材ハブ１７が配置され、そして前記の二つの部
材間には例えばゴムのような可撓性材料の環状プ
レート１８がしつかり締着される。前記プレート
は、弁の閉鎖位置では（第１図および第２図は開
放位置を図示する）それらの環状シール表面は共
通平面内にある座６および７に密着するように配
置される。ハブ１７は、環状溝を設けてその中に
弁手段１８の内縁がはまり込むことができるよう
に単一部材構造にも製作できる。

プレート状の弁手段１８が座６，７に接すると
き、弁室１２は外気に対してシールされ、一方弁
室１２と連通している根本５の内部は、軸または
他のある適当な接続手段によつて流路１１を経て
弁室１２に接続される。後で明らかにする理由に
よつて１個もしくはそれ以上の流路１１を使用す
ることが好ましいが、ハブ１７に１個もしくはそ
れ以上の空気流入口を配置することも可能であ
る。水が排出されるとき、弁室１２内の圧力は周
囲の圧力以下になり、それによつて弁手段１８お
よびハブ１７は案内軸１３上を上昇し、弁手段の
下側に作用している外気が弁室１２内に流入し、
流路を経てパイプ内部の圧力を均等化するであろ
う。溝１０に集まりそして以前には流路１１を経
て流下しなかつたすべての結露はパイプ内に流入
するであろう。

第３図および第４図は変形例の安全弁を図示す
る。変形例の弁と前述の弁との主な相違点は、結
露のための出口流路または流路の構造に存する。

二つの図面から見られるように、この具体例に
おいては少なくとも一つの支柱４に溝１１′が設
けられており、そして座６，７は前記溝１１′の
ところの中間壁１９で終り、それによつて意図す
るシールが提供される。

他の点ではこの安全弁は第１図および第２図に
図示したものと同じである。

本発明は以上に記載しそして図示した具体例の
みに制限されるものではなく、特許請求の範囲内
において改変することができる。例えばプレート
状の弁部材は、どのような方法でも案内されるこ
となく自由回転するように配置することができ
る。すなわちハブ１７および軸１３は省略するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の安全弁の軸方向断面図、第２
図は第１図の線−に沿つた断面図である。第
３図は本発明の別の具体例の軸方向断面図であ
り、第４図は第３図の線−に沿つた断面図で
ある。 １：弁ハウジング、６，７：環状座、２：シリ
ンダ、９：底部、４：支柱、１０：溝、５：根
本、１１，１１′：流路、１８：環状プレート、
１７：ハブ、１２：弁室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 排水用パイプへ接続し、該パイプから流体の
   流出を防止しつつ該パイプ内に発生した真空を軽
   減するための安全弁であつて、 内室１２と、該内室を周囲の大気と連通させる
   ための空気入口手段８とを有するハウジング１を
   備え、 前記空気入口手段８は内側および外側の同心状
   の間隔を置いた弁座６，７を備え、 前記外側弁座のすぐ外側を取り巻いている環状
   の水収集みぞ１０と、そして 前記内室１２内に取り付けられ、平常は閉位置
   に押し付けられているがしかし前記パイプ中に発
   生した真空に応答して開位置へ持ち上げられる弁
   手段１７，１８とを備え、 前記弁手段はそれが閉位置にある時前記外側弁
   座７と係合するには十分であるがしかし外側弁座
   ７を取り巻く前記環状水収集みぞ１０を覆うには
   足りない直径を持つ弾性材料製の環状デイスク１
   ８を含んでおり、そして 前記弁手段１７，１８が閉位置にあり、前記環
   状デイスク１８が前記内側および外側の同心状の
   間隔を置いた弁座６，７と係合している時、パイ
   プ内の真空が前記内室１２へ伝達され、かつ前記
   水収集みぞ１０内の水が前記パイプへ伝達される
   ように前記内室１２と前記パイプとの間の連通を
   維持するため前記水収集みぞ１０と前記パイプと
   を接続する流路１１を備えていることを特徴とす
   る前記安全弁。 ２ 前記内側６および外側の弁座７は支柱４によ
   つて間隔を保たれており、前記流路１１は前記支
   柱４内に形成されている第１項記載の安全弁。