JPH0137074Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスチール家具に於ける引出の安全ロツ
ク装置に関するものである。

フアイリングキヤビネツト、カードキヤビネツ
ト、データフアイルキヤビネツト、テープキヤビ
ネツト等スチール家具に於て多段の引出を有する
場合、誤つてすべての引出を引き出した時、重心
が本体前方へ移つてキヤビネツトが前傾動するこ
とがある。

本考案は斯る多数の引出を有する各種キヤビネ
ツト等のスチール家具において引出は一度にいず
れか一つのみしか引き出されないようになした安
全ロツク装置に関するものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

図に於て１は各種キヤビネツト等のスチール家
具の本体で、該スチール家具には複数段の引出２
が摺動自在に設けられ、選択的にいずれか一つの
引出が引出可能となつている。この一度に引出さ
れる引出は必ず一引出で、同時に二もしくは二以
上の引出は引き抜き不能となるようスチール家具
の内側面に安全ロツク装置が施される。

この安全ロツク装置は第２図以下に詳示される
如く本体１のいずれか一方もしくは双方の内側面
に、しかも本体１の全高に亘つてロツクバー３を
上下方向に摺動自在に配設する。このロツクバー
３は平板状であつても又図示の如くコ字形断面に
屈曲形成したものであつてもよく、このロツクバ
ー３を本体１の前部内側面に縦方向に形成された
ガイド溝４内に嵌挿され、ロツクバーは上下方向
にのみ摺動可能とし、またこのロツクバーがガイ
ド溝よりはみ出さないようにガイド溝上面に係板
５が設けられる。このロツクバー３には引出２の
各段毎に逆Ｌ字形のロツク孔３１，３１…を引出
の高さのピツチに合わせて穿孔され、このロツク
孔３１の水平部３１ａは引出の引出方向に平行で
垂直部３１ｂはロツクバーの昇降方向に平行とな
るようになす。またこの本体内側面には引出高さ
及び段に合わせてロツクバーと直交方向にガイド
レール６を突設し、引出２を摺動自在に支持せし
めるが、このガイドレールは本体両内側面に夫々
対設される。そしてこのガイドレール６より上方
位置のロツクバーに沿つた本体内側面にロツクリ
ンク７を揺動自在に設ける。このロツクリンク７
は第４図に詳示する如く金属板をクランク状に屈
曲し、その中央部に先端鍔付の枢軸８を突設する
と共に上端を二叉状のロツク溝７１を形成するが
ロツクリンクを本体内側面に枢着した場合スチー
ル家具本体の前面側の突片７２が奥側の突片７３
よりも高さが低いようになし、またロツクリンク
下端をロツクリンクの一端側方へ少し突出するよ
うになしこの下端片７４にピン９を突設するが、
このピン９の突設方向は枢軸８と同方向即ちロツ
クリンクが本体内側面とそう面となるようにす
る。

本体内側面には上記枢軸８が嵌合支持される係
合孔１１とガイド孔１２とが穿設されるもので、
この係合孔１１は上部が枢軸の先端鍔８ａが嵌合
される径を有し、下部はこの大径の上部と連設さ
れしかも枢軸の中央部径を嵌合するよう先端鍔８
ａより小径とするもので、これにより本体内側面
にロツクリンクを添わせ枢軸の先端鍔８ａを係合
孔上部へ嵌合した後、該リンクを下方へ少し移動
させることによりロツクリンク７は鍔にて係止さ
れ揺動自在に装着される。ガイド孔１２は枢軸８
を中心としてロツクバーが揺動する場合ロツクリ
ンクに嵌合された抜け止め用のピン１０がロツク
リンクに嵌合されてともに揺動できるようピン１
０の揺動軌跡となるように円弧形に形成されるガ
イド孔１２の高さはいかにロツクリンクが揺動し
ても或いは持ち上げ力が作用しても枢軸の先端鍔
が係合孔の上部に移動して抜け出ないようにして
定められている。

而して上述の如く形成するスチール家具は本体
内に引出が挿入されている時、該引出の外側面に
水平方向に突設したピン１３がロツクリンク７の
ロツク溝７１内に嵌合され、且ロツクリンク７は
垂直状態にある。次に引き出された引出を挿入す
る場合について説明する。引出を引き出した時、
第３図の最上段位置にあるロツクリンクのように
このロツクリンク７は前方向に傾動状態となつて
いる。しかし引出を再び挿入すると引出外側面に
あるピン１３はこの傾動状態にあるロツクピン７
の先端側突片７２を乗りこえるように、すなわち
ピン１３はこの突片７２と当接することなく引出
挿入動作に伴つて本体内方へ侵入する。そしてロ
ツクリンク７のロツク溝７１内に達するが、さら
に引出を挿入するとこのピン１３がこのロツク溝
７１の奥側突片７３の内側面を押圧するようにな
る。このピン１３による突片７３の内側面押圧力
にてロツクリンク７は押され枢軸８を中心として
本体の奥側に向かつて揺動し、ロツクリンク７は
垂直状態となる。これによりピン１３は垂直状態
にあるロツクリンクの突片７２，７３間にあるロ
ツク溝７１内に嵌合され、引出はこのロツクリン
ク７とピン１３によりロツクされ、妄りに引き出
すことができなくなる。すべての引出が本体内に
挿入されている場合は、全ロツクリンク７は垂直
状態にあり、いずれの引出も引出可能である。こ
の時は全ロツクリンクのピン９がロツクバー３の
逆Ｌ形ロツク孔３１の丁度中間の屈曲部にある。

次にいずれか一つの引出２を引き出すとピン１
３にてロツクリンク７の突片７２を引掛けるよう
にして該リンク７を前傾動させる。このロツクリ
ンク７は枢軸８を中心として傾動するがこれによ
つてピン９も枢軸を中心とする円軌跡に従つて揺
動し、このピン９はロツク孔３１の中央屈曲部よ
り水平方向即ち水平部３１ａの方向に摺動すると
共にピンの揺動にてロツクバー３は上方向へ持ち
上げられた状態となる。これにより引き出した引
出以外のロツクリンクは上昇したロツクバー３に
より他のロツクリンクに突設されたピン９はロツ
ク孔の垂直部３１ｂ内に挿入された状態となる。
これによりロツクリンクは枢軸８とピン９の二点
にて支持されて横方向への揺動が行えなくなり即
ちロツクリンクはロツクされた状態となり、他の
引き出しはロツクされたロツクリンクのロツク溝
に嵌合され引き出しが不可能となるものである。

尚引き出していた引出を元の状態に挿入すると
この前傾動していたロツクリンクは元の状態即ち
垂直状態となりロツクバーは降下し他のロツクリ
ンクのロツクが解除されるものである。

本考案による時はスチール家具本体の内側面に
昇降自在に設けたロツクバーと引出各段と対向し
揺動自在にし、且ピンにてロツクバーと係着した
ロツクリンクを設け、このロツクリンクを引出外
側面に突設したピンにて引出の開閉により傾動さ
せることにより、他の引出を一時的に引出不可と
するようになしているため誤つて全引出を同時に
引き出してスチール家具を転倒させてしまうよう
なことを未然に防止でき、しかも装置及び作動が
簡易確実である等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はスチール家具の外観図、第２図はスチ
ール家具内側面の要部を示した斜視図、第３図は
安全ロツク装置の作動説明図、第４図はロツクリ
ンクの説明図、第５図はロツクバー、ロツクリン
クとの関係図である。 １……スチール家具の本体、１１……係合孔、
１２……ガイド孔、２……引出、３……ロツクバ
ー、３１……ロツク孔、４……ガイド溝、５……
係数、６……ガイドレール、７……ロツクリン
ク、７１……ロツク溝、７２，７３……突片、７
４……下端片、８……枢軸、９……ピン、１０…
…ピン、１３……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スチール家具本体の内側面に引出各段毎に対向
   する位置に逆Ｌ形のロツク孔を穿孔したロツクバ
   ーを上下方向に摺動自在に設けると共にこの各ロ
   ツク孔内にピンを嵌合するようにして該ピンを突
   設したロツクリンクを上記本体内側面に揺動自在
   に設け、且該ロツクリンクの先端に二叉状の突片
   にてロツク溝を形成し引出外側面に突設したピン
   にて該ロツクリンクを引出の開閉にて傾動させる
   ようになしたスチール家具に於ける引出の安全ロ
   ツク装置。