JPH0137017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、洗浄装置を備えた便器の洗浄水噴
射装置に関し、特に肛門部および女性局部の洗浄
を選択的に行なえるタイプの装置に関する。

［従来技術およびその問題点］ 従来、この種の装置として例えば実開昭56−
105589号公報に見られるように、ノズル部を形成
したプランジヤー体をシリンダー内に進退可能に
形成し、洗浄水圧によりプランジヤー体を突出さ
せて所要の人体局部を洗浄する装置が知られてい
る。

ところで、上記タイプの装置では、肛門部を洗
浄するシリンダーと女性局部を洗浄するシリンダ
ーとをそれぞれ設けなければならず、装置の複雑
化ならびに大型化が免れ得ない欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記問題点に対処して成され、シリ
ンダーと、該シリンダー内に摺動可能に収容さ
れ、スプリングによりシリンダー内収容状態に保
持する方向に附勢される第１プランジヤーと該第
１プランジヤー内に摺動可能に収容され、スプリ
ングにより第１プランジヤー内収容状態に保持す
る方向に附勢される先端部にノズル穴を設けた第
２プランジヤーと、前記シリンダー内に第１およ
び第２の水路を介して洗浄水を圧送するポンプと
を備え、前記第１の水路は収容状態にある第１プ
ランジヤーへシリンダーから突出する方向に送水
圧を印加するよう形成し、前記第２の水路は第２
プランジヤーへ第１プランジヤーから突出する方
向に附勢して送水するよう形成されると共に、前
記第１の水路には開閉弁を備え該開閉弁の開閉に
より第１プランジヤーの移動を制御するよう構成
して、問題点の解決をはかつたものである。

［作用］ これによりこの考案では、ポンプが作動し開閉
弁が開かれると、第１および第２の水路の双方よ
りシリンダー内に洗浄水が送られ、第１プランジ
ヤーと第２プランジヤーがそれぞれの附勢に抗し
て摺動突出し、第２プランジヤーの先端より放水
して女性局部の洗浄を行ない、また開閉弁が閉じ
られていると、ポンプからの洗浄水は第２の水路
より第２プランジヤーに向けてもたらされ、第２
プランジヤーのみを突出させて肛門部の洗浄を行
なうよう作用する。

［実施例］ 以下、その実施例を図面を基に説明する。

１は便器であり、便座２を備えている。３は便
器１の洗浄水タンクであり、図示例においては、
便器と同体的に組合されているが別体として壁等
に取付けても良い。４は便座２の後方背面側に位
置して取り付けられるシリンダーであり、該便座
２内に埋込むようにして組込まれる。

５はシリンダー４内に摺動可能に内装される中
空筒状の第１プランジヤーで、該プランジヤーで
はプランジヤー５の外周とシリンダー４の内周と
の間に、第１プランジヤー５を第３図の収容状態
に保持する方向に附勢するスプリング６を具備し
ている。７は第２プランジヤーで、同じく中空筒
状に形成され先端にノズル穴８を設けて第１プラ
ンジヤー５内に摺動可能に内装され、第１プラン
ジヤー５の内周と第２プランジヤー７の外周との
間には、やはりスプリング９を具備して第２プラ
ンジヤー７を第１プランジヤー５内に収容する方
向に附勢している。

１０はシリンダヘツドで、第１プランジヤー５
および第２プランジヤー７を内装したシリンダー
４を蓋しており、このシリンダヘツド１０に対し
て、第１プランジヤー５へ送水する第１の水路１
１と、第２プランジヤー７へ送水する第２の水路
１２とが設けられ、このうち第１の水路１１には
開閉弁１３を備えている。１４は洗浄水を一時貯
える水槽、１４′は該水槽１４内の洗浄水を前記
第１および第２の水路１１，１２を介してシリン
ダー４内へ圧送するポンプである。１５は第２プ
ランジヤー７の端部に具備された逆止弁で、開閉
弁１３が閉じられ第２の水路１２からのみ洗浄水
が送出されるとき、第２プランジヤー７への送水
圧を受けて第１プランジヤー５基部側に対してシ
ールし、第１プランジヤー５の移動を阻止するよ
う作用する。又、前記水槽１４にはヒーター１７
が備えられ水槽１４の洗浄水を保温している。

１８はコントローラユニツトで、電源スイツチ
１９、開閉弁１３を制御する切換スイツチ２０洗
浄水温水コントローラスイツチ２１等が備えられ
る。２２，２３は第１プランジヤー５と第２プラ
ンジヤー７のそれぞれの位置決め用段部である。

次にこの実施例の動作について説明する。通常
シリンダー部は前記スプリング６，９の附勢によ
り第３図に示す収容状態に保持されている。ここ
で排便後の肛門部の洗浄に使用する場合は、ポン
プ１４′を駆動させて第２プランジヤー７へ第２
の水路１２より洗浄水を送出する。これに伴い第
４図に示すように、ノズル穴８より洗浄水が噴射
され、同時に第２プランジヤー７は水圧により移
動して位置決め用段部２２において所定位置に保
持される。

又、女性局部の洗浄、すなわちビデとして使用
する場合は、ポンプ１４′を駆動させ開閉弁１３
を開放して第１および第２の水路より洗浄水を送
出する。これに伴い第５図に示すように、第１プ
ランジヤー５は洗浄水圧によりシリンダー４より
抜出して位置決め用段部２３まで伸長し、更に第
２プランジヤー７は前記と同様に洗浄水圧により
第１プランジヤー５より所定位置まで伸長する
為、ノズル穴８は前記の肛門部洗浄時より前方に
移動し、いわゆるビデとして使用の行なえるもの
である。

［考案の効果］ この考案は以上のように構成されるもので、１
本のシリンダーで肛門部と女性局部の両方の洗浄
に使用でき、しかも２段階に伸縮するコンパクト
な構造であるから、装置の大巾な小型化がはかれ
る。また肛門部と女性局部との切り替えは、開閉
弁を開閉するだけの簡単な操作で達成でき、構造
が簡単で確実な動作が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の使用例図。第２図は第１図
例の外観図。第３図はこの考案の要部の構成を示
す断面図。第４図は第３図の第１段階の作動状態
の断面図。第５図は第３図の第２段階の作動状態
の断面図である。 ４はシリンダー、５は第１プランジヤー、６は
スプリング、７は第２プランジヤー、８はノズル
穴、９はスプリング、１１は第１の水路、１２は
第２の水路、１３は開閉弁、１４′はポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダーと、該シリンダー内に摺動可能に収
   容され、スプリングによりシリンダー内収容状態
   に保持する方向に附勢される第１プランジヤー
   と、該第１プランジヤー内に摺動可能に収容さ
   れ、スプリングにより第１プランジヤー内収容状
   態に保持する方向に附勢される先端部にノズル穴
   を設けた第２プランジヤーと、前記シリンダー内
   に第１および第２の水路を介して洗浄水を圧送す
   るポンプとを備え、前記第１の水路は収容状態に
   ある第１プランジヤーへシリンダーから突出する
   方向に送水圧を印加するよう形成され、前記第２
   の水路は第２プランジヤーへ第１プランジヤーか
   ら突出する方向に附勢して送水するよう形成され
   ると共に、前記第１の水路には開閉弁を備え該開
   閉弁の開閉により第１プランジヤーの移動を制御
   することを特徴とする水洗便器の洗浄水噴射装
   置。