JPH0135116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業の利用分野］ 本考案は、管漏れ防止装置に係わり、特に、確
実かつ容易に配管途中からの水漏れを防止するこ
とができるようにした管漏れ防止装置に関する。

［従来技術とその問題点］ 一般に、配管の途中に損傷が生じて破口から水
漏れがする場合、漏れ部位にゴムシート等を当て
て（パツチ当て）漏れを防いだり、漏れ部分を部
分的に切り出して新たな管部材を接続する切替え
が従来から行なわれている。特に、十分な漏れ防
止効果を必要とする場合には、切替えが施され
る。なお、上述したパンチ当てによる漏れ防止手
段では、ゴムシート等をバンドにより締め付けて
半径方向に圧着させることによつて漏れ部位を覆
うようにしている。

ところが、パツチ当て手段では、管外周の肌荒
れや溶接部のように、管表面に大きな凹凸がある
場合にゴムシート全体を管外周に完全に圧着させ
ることが不可能であり、漏れ防止効果を十分に得
ることができない。また、切替えを行なう場合に
は、配管中の流れを長期にわたつて停止させなけ
ればならず、そのためにその配管系統の使用を中
止しなければならないとうい欠点があつた。

そこで本考案は、配管系統の使用を中止するこ
となく管漏れを確実に防止することができるよう
にした管漏れ防止装置を提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は、配管途中
に生じた漏れ部位を挟むように固定体と管軸方向
に活動する移動体とを管外側に着脱自在に設け、
上記固定体と移動体との間に漏れ部位を被覆する
リング状のパツキン部材を設けるとともに、この
パツキン部材の外周をカバー部材により覆い、前
記移動体を締め付け手段を介して固定体側に引き
寄せ可能に連結してなることを特徴とし、漏れ部
位を覆うパツキン部材を固定板と移動板との間に
軸方向に圧縮するようにしている。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

（第１実施例） まず、第１図ないし第５図に示すように、管１
の途中のＡ部に水漏れが生じているとする。この
水漏れ部Ａを挟むように、管１に固定体２および
移動体３が取付けられている。固定体２は、管１
の外周部を取り巻く２つの半円状板部材４，４を
有し、これらをボルト５により、リング状に連結
してなるものである。上記半円状板部材４，４の
各端には取付フランジ部４ａが設けられている。
これら各取付フランジ部４ａは、互いに接触しな
いように設置されており、これらの間の間隙がい
わゆる締め代となるように設定されている。これ
により、固定板２は管１側に強く押し付けられて
管１の外側に固定されるようになつている。さら
に、各半円状板部材４には、移動体３側に向つて
延びる半筒状部材６がそれぞれ設けられており、
２つの半円状板部材６，６により管１の外周表面
が所定幅にわたつて覆われている。

一方、移動体３は、フランジ継手部材を半割り
にしてなるものであり、両半割部材７，７がボル
ト８により環状に連結されている。この移動体３
の内径は、管１の外径よりやや大きく、管１の外
側を管軸方向に自由に活動しうるようになつてい
る。

また、前記固定体２には、移動体３に向つて管
軸方向に延出するスタツドボルト９が複数本立設
されている。そして、このスタツドボルト９の先
端部分は、移動体３のフランジ状板部分１０に貫
通形成された締め孔１１を貫通した後、反対側か
らナツト１２が螺着されている。したがつて、上
記ナツト１２を締め込むことにより、移動体３が
固定体２側に向つて管軸方向に引き寄せられてい
くようになつている。

さらに、上記固定体２と移動体３との間には、
Ｏリング状をなすグランドパツキン１３が複数本
配設されている。このグランドパツキン１３は、
漏れ部Ａを覆うように固定体２の半円筒状部材６
と移動体３のフランジ状板部材１０との両端面の
間で管１側に密着して巻き付けられている。ま
た、このグランドパツキン１３は、所定の長さの
ものをリング状に接続してなるもので、第６図に
示すように、両端部が円錐状の凹凸関係をもつて
嵌合・接着されている。このようにすると、極め
て良好なシール特性をもつたパツキンに形成する
ことができる。装着するグランドパツキン１３の
本数は、破口の大きさ、形状等により状況に応じ
て決定する。

また、前記移動体３の管状部分１４は、上記グ
ランドパツキン１３の外周部にほぼ接触する内径
を備えている。

このような構成からなる装置においては、ナツ
ト１２を次第に締込んでいくと、移動体３が固定
体２側に引き寄せられていき、それに伴つてグラ
ンドパツキン１３が両者間で管軸方向に圧縮され
ていく。これにより、グランドパツキン１３は、
半径方向に長くなるように変形されようとする
が、移動体３の管状部分１４により広がりを規制
され、半径方向内方に向つて管１側に押し込まれ
ていく。その結果、グランドパツキン１３は、管
１側に圧着され、漏れ部Ａは、グランドパツキン
１３により完全に閉塞される。このように、グラ
ンドパツキン１３を管軸方向に圧縮するようにす
れば、グランドパツキン１３の弾性的性質を良好
に機能させることができ、従来のように、直接半
径方向に圧縮力を加えるようにしたものに比して
極めて良好なシール特性を得ることができる。

また、本実施例の構成によれば、配管系統の使
用を中断することなく確実に漏れ止めを行なうこ
とができるので機能性、経済性を著るしく向上し
うるものである。

（第２実施例） 第７図は本考案の第２実施例を示す一部破断し
た側面図である。

当該実施例は第１実施例の固定体２と移動体３
を使用して管１の水漏れ部Ａをシールする場合に
換えて２個の移動体３，３′を使用して水漏れ部
Ａをシールする場合の実施例である。

しかして、第７図示の如く、管１の漏れ部Ａの
外周に所要数のグランドパツキン１３を装着する
とともに第１実施例と同様にして２個の移動体
３，３′を対向せしめて管１の外周に装着し、か
つ両移動体３，３′を、両者のフレンジ状板１０
部分の締め孔１１にボルト９０を装着し、これに
サツト９１を螺着して締め付けることにより両移
動体３，３′を漏れ部Ａの外周部に締着すること
ができ第１実施例と同様の作用効果を得ることが
できる。

また、当該実施例によれば、第１実施例に比較
し、複数の移動体３を用意するのみにて所期効果
を得られ固定体２を不要とすることができる等の
効果が得られる。

尚、各構成上第１実施例と同一部分については
同一番号を付してその説明を省略する。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案による管漏れ防止装
置は、漏れ発生部に、固定体および移動体と、両
者間にはさまれるパツキン部材とを取付けるだけ
で容易に管漏れを防止することができ、しかもそ
の管漏れ防止機能は、パツキン部材を管軸方向に
に圧縮して得るものであるため、管並びに管系統
の使用を中止することなく確実なシール性を得る
ことができ、機能性、経済性の向上を図りうる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は本考案の第１実
施例における装置の斜視図、平面図および側面
図、第４図および第５図は第２図中の−線
−線断面図、第６図はグランドパツキンの端部
側面図、第７図は本考案の第２実施例を示す一部
を破断した側面図である。 １……管、２……固定体、３……移動体、４…
…半円状部材、５，８……ボルト、７……半割部
材、９……スタツドボルト、１０……フランジ状
板部材、１１……締め孔、１２……９のナツト、
１３……グランドパツキン、１４……管状部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配管途中に生じた漏れ部位を挟むように管外側
   に着脱自在に取付ける固定体と管軸方向に滑動か
   つ着脱自在に取付ける移動体または管軸方向に滑
   動かつ着脱自在に取付ける２個の移動体と、前記
   固定体と移動体間に介装して漏れ部位を被覆する
   リング状のパツキン部材と、前記移動体を固定体
   側に引き寄せ可能に連結する締め付け手段とから
   構成したことを特徴とする管漏れ防止装置。