JPH0133545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複写機の自動給紙装置に関するもの
である。

従来技術 複写機の自動給紙装置は第１図に示すようにな
つていて、カセツトａに収納した用紙ｂはスナバ
ーｃにてさばかれながら送りロールｄにて１枚１
枚づつ複写装置（図示せず）に通ずる送り通路ｅ
へ送られるようになつている。そしてカセツトａ
内の用紙ｂはばねｇにて上方へ付勢された底板ｆ
にて支持され、その上側が送りロールｄに圧接す
るようになつている。

このためカセツトａを複写機内に装入するとき
には、このカセツトａ内に収納した用紙ｂの先端
の上面は送りロールｄの下面より高くなつてい
る。

従来の自動給紙装置にあつては上記状態でカセ
ツトａを複写機内に装入するようになつていたた
め、カセツトａの装入のたびに用紙ｂの先端が送
りロールｄに強く当接し、この用紙ｂの先端を変
形させてしまい、その後の送り動作に支障をきた
していた。

更に用紙ｂがなくなつた状態では、スナバーｃ
と、ばねｇにより上方に回動されている底板ｆの
先端とが接触状態にあり用紙ｂをカセツトａに補
充するには、手で底板ｆを押し下げる動作をしな
がら用紙ｂを補充しなければならず、非常に面倒
であつた。

これらの不具合を解決するものとして、実公昭
53−46020号及び実開昭55−140033号の各公報に
示されるように、底板を下方位置に係合保持し、
複写機にカセツトを挿入すると係合状態を解除す
るものがある。しかしこれらのものは、何れも係
合機構、解除機構が複雑で、部品数も多くなり、
安価に製作できないばかりか、解除動作が不確実
であるという不具合がある。

考案の目的 本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、用紙を載置する底板をばねに抗してカセツト
の底面に沿わせた状態で係合でき、これによりカ
セツトへの用紙の補充を容易に行い得るように
し、更にこの状態のカセツトを複写機の自動給紙
装置内に装入し、底板上に載置された用紙の先端
が送りロールを過ぎたときに、上記底板とカセツ
ト底面との係合が自動的に解除できるようにする
ことにより、カセツト装入時の用紙の送りロール
に当接することによる変形を防止でき、用紙の自
動送り動作が円滑に行なうことができ、さらに従
来の装置に対して僅かな構造変更ですみ、殊更に
コストアツプとなることなしに上述の如き機能を
奏することができ、しかもカセツトの底壁外面を
含む外周には突出物あるいは付帯物がないことか
ら、カセツト取扱い時他の物体に障突させてカセ
ツトを破損したり、人を傷つけたりすることがな
くなるばかりか、積重格納が可能である等格納が
し易くなると共に、カセツトの複写機内の占有体
積も上述の如き機能を備えているにも拘らず従来
と同様であつて、延いては複写機のコンパクト化
にも寄与する複写機の自動給紙装置を提供しよう
とするものである。

実施例 以下その構成を第２図に示した実施例に基づい
て説明する。

図中１は複写機の自動給紙装置であり、２はこ
の自動給紙装置１内に装入されるカセツト、３は
その底板で磁性体にて構成されている。４はスナ
バであり、用紙５は上記底板３上に載置され、ス
ナバ４でその先端両角部が押さえられている。６
は底板３を上方へ付勢するばねである。７は上記
カセツト２の底壁内面に固設した磁石で、上記底
板３をカセツト２の底壁内面に沿う状態に回動し
たときにこの底板３に吸着し、ばね６に抗してそ
の状態を保持するようになつている。８はカセツ
ト２の前部に設けた切欠き穴である。一方複写機
側のカセツト装入部の奥部には上記カセツト２の
切欠き穴８に対してカム９が設けてある。このカ
ム９は、底板３を下動して磁石７に吸着した状態
でカセツト２を装入し、用紙５の上側先端が送り
ロール１０の位置を越えたときに上記切欠き穴８
より底板３の先端下側に当接する位置に設けてあ
る。

上記構成において、底板３は下動することによ
り磁石７に吸着されてその状態が保たれる。これ
により用紙５を底板３上に容易に載置することが
でき、また載置した用紙５の高さを低い位置に保
持できる。この状態でカセツト２を複写機の自動
給紙装置１内に装入する。このとき、上記用紙５
の高さが低いので、用紙５の上側先端が送りロー
ル１０に当接することなく装入される。カセツト
２の装入終端では底板３の先端が直接カム９に当
接して持ち上げられ、これにより磁石７による吸
着がはずれ、底板３はばね６により所定の高さま
で回動し、用紙５の上面が送りロール１０に当接
される。

考案の効果 本考案は、上述のように、カセツト２に上下方
向に回動自在にかつばね６により上方へ付勢され
て設けた磁性体にて構成された底板３上に用紙５
を載置格納し、上記用紙５の上面に送りロール１
０を当接させるようにした複写機の自動給紙装置
において、上記カセツト２の底壁内面に、下動し
た状態の底板３を吸着する磁石７を固設すると共
に、カセツト２の前部に切欠き穴８を設け、また
複写機側のカセツト装入部の奥部に、上記カセツ
ト２の切欠き穴８に対応し、かつ下動状態の底板
３の先端下側に当接するカム９を設けてなるか
ら、用紙５を載置する底板３をばね６に抗してカ
セツト２の底壁内面に沿わせた状態にでき、これ
によりカセツト２内への用紙５の格納を容易に行
なうことができ、更にこの状態のカセツト２を複
写機の自動給紙装置１内に装入すれば、カセツト
２内の底板３上に載置された用紙５の先端が送り
ロール１０を過ぎたときに、上記底板３とカセツ
ト底壁内面の磁石７との係合が自動的に解除され
る迄は用紙５の高さが低く、したがつてカセツト
装入時に用紙５の先端部が送りロール１０に当接
することがなくなつてカセツト装入時の用紙の変
形を防止でき、用紙の自動送り動作を円滑に行な
うことができる。

また本考案によれば、底板３を吸着する磁石を
カセツト２の底壁内面に固着すると共に、カセツ
ト２の前部に切欠き穴８を設け、また複写機側の
カセツト装入部の奥部に、上記カセツト２の切欠
き穴８に対応し、かつ下動状態の底板３の先端下
側に当接するカム９を設けた構成としたことによ
り、第１図に示す従来例におけるカセツトと同様
に、カセツト２の底壁外面を平らにした形状のま
ま底板３を吸着する磁石７を取付けることがで
き、従つて複写機に対する改造部分としては、カ
セツト装入時における底板３を持ち上げるための
カム９を設けるだけですみ、またカセツト２も従
来のものに対して切欠き８と磁石７を設けるだけ
であることにより、従来の複写機の自動給紙装置
に対してわずかな構造変更ですみ、ことさらにコ
ストアツプとなることなしに上述の機能を備えた
装置を得ることができる。さらに本考案によれ
ば、上下方向に回動する底板３を下動状態に吸着
する磁石７を固定側であるカセツト２の底壁内面
に固着したことにより、磁石７の保持構造が極め
て簡単であり、しかも底板３と磁石７との相対的
な動作は通常動作の底板３だけですみ、装置全体
の構成を簡単にすることができる。

しかも、本考案によれば、カセツト２の底壁外
面を含む外周には突出物あるいは付帯物がないこ
とから、カセツト取扱い時他の物体に障突させて
カセツトを破損したり、人を傷つけたりすること
がなくなるばかりか、積重格納が可能である等格
納がし易くなると共に、カセツトの複写機内の占
有空間も上述の如き機能を備えているにも拘らず
従来と同様であつて、延いては複写機のコンパク
ト化にも寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すカセツト装入状態図、第
２図は本考案の実施例を示す概略的な構成説明図
である。 １は自動給紙装置、２はカセツト、３は底板、
５は用紙、６はばね、７は磁石、８は切欠き穴、
９はカム、１０は送りロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツト２に上下方向に回動自在にかつばね６
   により上方へ付勢されて設けた磁性体にて構成さ
   れた底板３上に用紙５を載置収納し、上記用紙５
   の上面に送りロール１０を当接させるようにした
   複写機の自動給紙装置において、上記カセツト２
   の底壁内面に、下動した状態の底板３を吸着する
   磁石７を固設すると共に、カセツト２の前部に切
   欠き穴８を設け、また複写機側のカセツト装入部
   の奥部に、上記カセツト２の切欠き穴８に対応
   し、かつ下動した状態の底板３の先端下側に当接
   するカム９を設けてなることを特徴とする複写機
   の自動給紙装置。