JP3041087B2 - 転写紙収納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、収納された転写紙束の
幅に応じて移動可能なサイドフエンスと、このサイドフ
エンスの転写紙搬送方向先端側に回動可能に設けられた
コーナー爪とを有する転写紙収納装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、従来例に係る転写紙収納装置の
要部の縦断面図である。図において、１は装置本体、２
は転写紙Ｓの幅に応じて移動可能なサイドフエンス、３
は転写紙Ｓを載置する底板、４はサイドフエンス２の先
端部２ａで一部を挟まれ、支点２ｂで回動可能に軸支さ
れたコーナー爪、４ａはコーナー爪４の先端部に設けた
起立片、５は装置本体１の底面１ａと底板３との間に介
在された圧縮コイルばねである。

【０００３】底板３はコイルばね５によつて上方に付勢
されており、底板３上に載置された転写紙Ｓの最上位紙
がコーナー爪４を若干上方に押し上げている。このと
き、転写紙Ｓ（の最上位紙）を給紙位置に規制するた
め、コーナー爪４に、底面１ａと係合し、上方への抜け
を防止する抜け止め部４ｂを形成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、装置本体１
の着脱に際しては転写紙搬送方向に対して垂直に移動さ
せるようになつている。この時、転写紙Ｓは慣性力によ
つてサイドフエンス２を外側に向かつて押すことにな
る。すると、サイドフエンス２の取付構造によつては、
サイドフエンス２が外側に傾き、それによつてコーナー
爪４が転写紙Ｓから外れてしまうことがある。

【０００５】また、底板３は転写紙補給時には下降状態
にあり、装置本体１を機内に収納する動作により、底板
３が上昇する機構を有する装置の場合は、底板３の上昇
が急激に行われるため、その振動によつてコーナー爪４
を押し広げてしまい、転写紙Ｓから外れてしまうという
問題が発生する。

【０００６】本発明はこのような背景に基づいてなされ
たものであり、上記従来装置の欠点を解消し、装置の着
脱操作時、コーナー爪が転写紙から外れることのない転
写紙収納装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、収納された
転写紙束の幅に応じて移動可能な２つのサイドフエンス
と、前記２つのサイドフエンスの転写紙搬送方向先端側
に回動可能にそれぞれ設けられ、転写紙束を給紙位置に
規制するコーナー爪とを有する転写紙収納装置におい
て、前記２つのコーナー爪の転写紙幅方向であってかつ
少なくとも２つのコーナー爪が離間する方向への移動を
係合状態とすることによって規制する移動規制手段を備
えたことにより達成される。この場合、移動規制手段
は、具体的には、コーナー爪の起立片に形成した突起部
と、装置本体の給紙側側面に形成されこの突起部と係合
する係合片、あるいは凹溝とで構成される。

【０００８】

【作用】コーナー爪に設けた突起部は、装置本体側に設
けた係止片あるいは凹溝と係合しており、サイドフエン
スが傾いた時、コーナー爪は突起部によつて支えられて
おり、外側に動くのを阻止される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図２は、コーナー爪４の正面図である。コーナー爪
４の起立片４ａには、突起部４ｃが形成されている。

【００１０】図３は装置本体１の要部縦断面図、図４は
装置本体１の斜視図である。装置本体１の給紙側側面に
は、前記突起部４ｃと係合する位置で、かつ突起部４ｃ
の外側になるように、係合片１ｂが形成されている。こ
の係合片１ｂは、転写紙Ｓの幅によつて図４に示すよう
に、例えば、２個所に設けられている。なお、図４にお
いて、矢印ｄは装置本体１の着脱方向を示している。

【００１１】また、サイドフエンス２の移動は、転写紙
Ｓの幅が変わるごとに行われる。サイドフエンス２の移
動にラツクとギヤを用いた方式をとる場合は、底板３が
上昇した時のみ、コーナー爪４の突起部４ｃが装置本体
１側の係合片１ｂと係合するように係合片１ｂの形状が
決定される。

【００１２】図１は、一実施例に係る転写紙収納装置の
要部平面図であり、図２に示すコーナー爪４を図３、図
４に示す装置本体１に組み付けた状態を示している。図
１、図２に示されるコーナー爪４は、機内奥側のもので
あり、幅広の転写紙Ｓ用の外側の係合片１ｂと突起部４
ｃが係合することによつて、図中矢印ｆで示す方向の力
が加わつて、サイドフエンス２が傾いたとしても、コー
ナー爪４は突起部４ｃに支えられているため、外側に動
くことはなく、従つて転写紙Ｓから外れることがない。

【００１３】図５は他の実施例に係る転写紙収納装置の
要部平面図である。この実施例は、係合片１ｂの代わり
に、突起部４ｃが嵌合される凹溝１ｃを装置本体１側に
形成したものである。この実施例においても、図１に示
す実施例と同様に、突起部４ｃと凹溝１ｃが係合するこ
とで、コーナー爪４の移動が阻止される。なお、底板３
の上昇に伴う振動によるコーナー爪４の転写紙Ｓからの
外れ防止機構に関しては、転写紙収納装置の脱着方向が
転写紙Ｓの通紙方向と同じ場合にも同様に構成できる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１ないし５
記載の発明によれば、２つのコーナー爪の転写紙幅方向
であってかつ少なくとも２つのコーナー爪が離間する方
向への移動を係合状態とすることによって規制する移動
規制手段を備えたため、サイドフエンスが傾いたり振動
があったとしても、コーナー爪が外側に動くのを阻止さ
れるから、常に信頼性の高い給紙を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る転写紙収納装置の要部
平面図である。

【図２】そのコーナー爪の正面図である。

【図３】その装置本体の要部縦断面図である。

【図４】その装置本体の斜視図である。

【図５】本発明の他の実施例に係る転写紙収納装置の要
部平面図である。

【図６】従来例に係る転写紙収納装置の要部縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 装置本体 １ｂ 係合片 １ｃ 凹溝 ２ サイドフエンス ４ コーナー爪 ４ａ 起立片 ４ｃ 突起部

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納された転写紙束の幅に応じて移動可
   能な２つのサイドフエンスと、前記２つのサイドフエン
   スの転写紙搬送方向先端側に回動可能にそれぞれ設けら
   れ、転写紙束を給紙位置に規制するコーナー爪とを有す
   る転写紙収納装置において、 前記２つのコーナー爪の転写紙幅方向であってかつ少な
   くとも２つのコーナー爪が離間する方向への移動を係合
   状態とすることによって規制する移動規制手段を備えた
   ことを特徴とする転写紙収納装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、前記移動規制手
   段を、前記コーナー爪の一部に設けた突起部と、収納装
   置本体の給紙側側面に設けられ、この突起部と係合する
   係合部とで構成したことを特徴とする転写紙収納装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載において、前記突起部を、
   前記コーナー爪の転写紙給紙側の起立片に形成したこと
   を特徴とする転写紙収納装置。
4. 【請求項４】 請求項２記載において、前記係合部を、
   前記突起部と外側で係合する係合片で構成したことを特
   徴とする転写紙収納装置。
5. 【請求項５】 請求項２記載において、前記係合部を、
   前記突起部が嵌合される凹溝で構成したことを特徴とす
   る転写紙収納装置。