JPH0132590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は室内ランプに係り、更に詳述すれば
室内およびスポツトランプ兼用の車輌等の室内ラ
ンプに関するものである。

［従来の技術］ 車輌等にはドアの開閉に連動あるいはスイツチ
操作により点灯する室内ランプと、運転席あるい
は助手席で地図等を見るのに都合のよいような光
ビーム方向が固定あるいは可変できるスポツトラ
ンプが取付けられている。

例えば実開昭58−139240号公報に示されるよう
に、内部にランプソケツトを有する半球状の灯筐
と、該灯筐の開口部に係着される半透過部材で形
成され、レンズ部とフードを一体的に設けた半球
状のランプキヤツプと、該ランプキヤツプの一部
が表出する透孔を有するランプカバーと、前記灯
筐の外周に弾接する弾片を有する押え用バネ板と
からなり、前記ランプキヤツプと灯筐との係着体
をランプカバーの透孔内周面と押え用バネ板の弾
片で弾接支持して構成することにより、ランプカ
バーの外物部に表出したフードを操作してランプ
キヤツプのレンズ光軸を可変できるようにしかつ
ランプキヤツプのほぼ全体からも光が投射される
ようにしたものが提案されている。

また、中型あるいは大型乗用車の如く室内ラン
プとスポツトランプとが別個にその取付け位置を
異ならして設置されているような場合の外、実公
昭59−269号公報に記載のように、内部に挾止弾
片を一体的に設けた灯筐と、該灯筐の開口部に嵌
着せられ、光透過部材からなる２分割の球形ラン
プキヤツプの一部が表出する孔と乱反射面とを形
成した灯蓋とを具備し、前記ランプキヤツプの一
方のキヤツプの内部にランプを設けると共に、他
方のキヤツプの外周にレンズ部とストツパとを一
体的に設け、前記挾止弾片でキヤツプを弾圧する
ことにより、灯筐、該灯筐内のランプキヤツプの
レンズ光軸を前記ストツパが灯蓋に当る範囲内で
変位できるようにした車輌等の室内ランプが提案
されている。

しかし、これら両者の室内ランプではいずれも
ランプを内装したランプキヤツプとレンズを取付
けたランプキヤツプと云うようにランプキヤツプ
が２分割されており、組立性が悪い上に灯蓋を外
すとランプキヤツプが落下してしまうと云う欠点
があつた。

このような欠点をなくすために、灯筐内にこれ
と一体に形成した係止片にランプキヤツプを保持
する環体をもつて係止する構成の室内ランプの提
案がある。

［考案が解決しようとする問題］ しかし、灯筐内にこれと一体に形成した係止片
をランプキヤツプの直径よりも若干少径の保持環
体の係着部に係止して前記キヤツプを回転自在に
取付けることにより灯蓋を灯筐より外してもラン
プキヤツプの落下はないが、ランプキヤツプを鉢
巻きするように保持環体が取付くため、光の陰が
でき、灯蓋の周辺部分が中央部に比し著しく暗く
なつてしまうと云う欠点のほかに灯蓋のほぼ全面
から光が照射されるためスポツト効果が少なく他
人に迷惑をかける欠点がある。

この考案は上述した欠点である灯蓋周辺部に生
じる光の陰をなくし、しかも灯蓋からの光線を遮
断し灯筐から灯蓋を外してもランプキヤツプが落
下しない車輌用室内灯を提供することを目的とす
るものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記したこの考案の目的は、底部にランプソケ
ツト挿入孔を配設した灯筐と、光透過部材からな
る２分割のほぼ球形のランプキヤツプの一部が表
出する孔を形成し、前記灯筐に係着し得るように
した不透明灯蓋と、一方のランプキヤツプ形成体
は球頭部分を裁断して前記孔より灯筐内に表出す
るランプがキヤツプ内に入り得るように開口を形
成し、他方のランプキヤツプ形成体の球頭部分の
レンズ取付部にレンズフードを突出させると共に
前記２分割面に形成した嵌着部材をもつて結合し
得る前記ランプキヤツプとを具備し、前記ほぼ球
形のランプキヤツプをその外側に弾接する複数の
抱持部材で保持し、レンズフードが灯蓋に形成し
た孔縁に当る範囲でレンズの光軸を変位せしめ得
るようにすることで達成できる。

［作用］ ランプを点灯すればランプキヤツプとレンズと
を通して光がスポツト的に照射され、しかもレン
ズキヤツプを回動することでスポツト光軸を可変
できる。

［実施例］ この考案の車輌等に用いる室内ランプは、第１
図ａ，ｂおよび第２図に示すように、車輌の天井
板５０に取付けられる合成樹脂製の灯筐１０と、
この灯筐の開口部に嵌着される不透明灯蓋２０
と、前記灯筐内に配設されるランプキヤプ３０
と、前記灯筐に取付けられるランプホルダ４０と
で構成されている。

灯筐１０は第１図ａおよび第２図に示すよう
に、非透光性の合成樹脂で作られ、方形の筐体１
１の長手方向の両端に車輌等の天井板５０に設け
られた室内ランプ取付孔５１の内側壁５２に形成
されている一対の係止孔５３に灯筐の取付時に係
止する一対の係止弾片１２と、筐体の底板１３に
ランプホルダ４０の一部であるソケツトとランプ
を筐体１１内に挿入するためのランプソケツト挿
入孔１３１とこの挿入孔の周辺に第１図ｂに示す
ようなばね材をもつてランプキヤツプ３０を抱持
するように弯曲させた抱持部材１５をその一端に
形成した爪１５１を利用して挿入係止させる挿入
孔１４１を設けた弾片挿着駒１４をそれぞれ３個
づつ前記底板に突設すると共に、筐体１１の長手
方向の側板１７には灯蓋に形成した突起２３が係
止する係止溝１８１を外側に刻設した係止突片１
８が設けられている。

不透明灯蓋２０は第１図ａおよび第２図に示す
ように、非透光性の合成樹脂で作られ、浅皿状の
蓋体２１の縁部には外側に張出すようにフランジ
部２２が設けられ、前記縁部内側の一部には前記
係止突片１８の係止溝１８１に係合する一対の突
起２３を設け、蓋体の略中央にはランプキヤツプ
３０の直径よりも若干少径のランプキヤツプ保持
環２６を嵌着するランプキヤツプ表出孔２５が明
けられている。

ランプキヤツプ３０は第１図ｂおよび第２図に
示すように、合成樹脂で作られ、球頭部分を裁断
して内部にランプ４４を挿入し得るように開口３
１２を形成すると共に２分割面に嵌着部材として
の段部３１１を突設した半球状のランプキヤツプ
形成体３１と、球頭部分にレンズ３２１を設け、
その周縁より外方に突出し周囲にローレツト３２
４を形成した筒状のレンズフード３２３を突設
し、２分割面には前記嵌着部材である段部の嵌入
する嵌入孔３２５を設けたほぼ半球状のランプキ
ヤツプ形成体３２とで構成されている。

ランプホルダ４０は底板１３に明けられたラン
プソケツト挿入孔１３１の孔内側面に嵌設し得る
如く外方に弯曲した一対の棧４２を一面に形成し
た保持板４１の前記棧形成面に突設したランプソ
ケツト４３と、このランプソケツトに螺着したラ
ンプ４４とで構成され、導線は保持板に明けられ
た導線導出孔より導出されている。

この考案の室内ランプは以上の部品をもつて構
成されており、組立に当つてはランプ４４を螺着
したランプホルダ４０を灯筐１０のランプソケツ
ト挿入孔１３１近くに設けた係止孔１３２に棧４
２を挿入し、該孔の孔周面に形成した溝に棧４２
の外側に形成した突起を嵌着して取付け、次に嵌
着部材である段部３１１を嵌入孔３２５に挿入す
ることで一対のランプキヤツプ形成体３１，３２
を球体状に組立て、３個の弾片挿着駒１４のそれ
ぞれの挿入孔１４１に抱持部材１５を挿着し、こ
の抱持部材１５の弾力に抗して外方に押し拡げる
ようにして第２図に示すようにランプキヤツプ３
０を挿着し、不透明灯蓋２０の突起２３が係止突
片１８の係止溝１８１に係合する如く圧着するこ
とで第３図に示す如く嵌合して組立てる。

このように組立てられた室内ランプは車輌等の
天井板５０の室内ランプ取付孔５１に挿入され、
前記孔の内側壁５２に形成されている係止孔５３
に係止弾片１２が嵌入して係止する。このあと天
井板内の配線と導線とを接続する。

そしてランプを点灯すればランプ４４からの光
は透光性樹脂で作られたランプキヤツプ３０のレ
ンズ３２１で集光されレンズフード３２３よりス
ポツト光が照射される。

このスポツト光はレンズフード３２３をもつて
このレンズフードがランプキヤツプ保持環２６に
当接するまでランプ位置を中心に抱持部材１５の
弯曲部で保持されて味噌すり運動状に回動させる
ことができるから地図や本等を見る場合に室内よ
りも特に局部的にスポツト照射して見ることがで
きる。

消灯、点灯はスイツチを用いた従来の室内ラン
プと同じである。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案は、底部にランプソ
ケツト挿入孔１３１を配設した灯筐１０と、光透
過部材からなる２分割のほぼ球形のランプキヤツ
プ３０の一部が表出する孔２５を形成し、前記不
透明灯筐１０に係着し得るようにした不透明灯蓋
２０と、一方のランプキヤツプ形成体３１は球頭
部分を裁断して前記孔２５より灯筐１０内に表出
するランプ４４がランプキヤツプ３０内に入り得
るように開口３１２を形成し、他方のランプキヤ
ツプ形成体３２の球頭部分のレンズ取付部３２２
にレンズフード３２３を突出させると共に前記２
分割面に形成した嵌着部材３１１，３２５をもつ
て結合し得る前記ランプキヤツプ３０とを具備
し、前記ほぼ球形のランプキヤツプ３０をその外
側に弾接する複数の抱持部材１５で保持し、レン
ズフード３２３が不透明灯蓋２０に形成した孔縁
に当る範囲でレンズ３２１の光軸を変化せしめ得
るようにしたので、灯蓋を開けてもランプキヤツ
プは筐体内に保持されているため、組立やランプ
交換作業が簡単にでき、組立てにねじ等の取付部
品を一斉使用しないので作業性がよく、ランプキ
ヤツプの位置に対し室内照度が変ることがなく、
しかも不透明灯蓋から光が出ないからランプキヤ
ツプの周面とレンズからだけしか光が投射されな
いため局所的な照明が可能であり隣接している他
人に対して光が照射されないから睡眠時等に迷惑
をかけることがなく、従つてバスや航空機等の多
人数の乗客を運ぶ移動体等に用いて好適である等
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図ａは灯蓋を外し灯筐の一部を裁除した
状態の室内灯の斜視図、第１図ｂはランプホルダ
およびランプキヤツプの斜視図、第２図は第１図
ａと同様灯蓋を外した状態の室内灯の断面図、第
３図はスポツト光が真下を照射している状態の室
内灯の断面図、第４図はスポツト光が最大に斜光
している状態の室内灯の断面図である。 １０……灯筐、１３１……ランプソケツト挿入
孔、１４……弾片挿着駒、１５……抱持部材、２
０……不透明灯蓋、２４……乱反射面、２５……
孔、３０……ランプキヤツプ、３１，３２……ラ
ンプキヤツプ形成体、３１１，３２５……嵌着部
材、３２３……レンズフード、４４……ランプ、
３２１……レンズ、３２２……レンズ取付部、３
１２……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部にランプソケツト挿入孔１３１を配設した
   灯筐１０と、光透過部材からなる２分割のほぼ球
   形のランプキヤツプ３０の一部が表出する孔２５
   を形成し、前記灯筐１０に係着し得るようにした
   不透明灯蓋２０と、一方のランプキヤツプ形成体
   ３１は球頭部分を裁断して前記孔２５より灯筐１
   ０内に表出するランプ４４がランプキヤツプ３０
   内に入り得るように開口３１２を形成し、他方の
   ランプキヤツプ形成体３２の球頭部分のレンズ取
   付部３２２にレンズフード３２３を突出させると
   共に前記２分割面に形成した嵌着部材３１１，３
   ２５をもつて結合し得る前記ランプキヤツプ３０
   とを具備し、前記ほぼ球形のランプキヤツプ３０
   をその外側に弾接する複数の抱持部材１５で保持
   し、レンズフード３２３が不透明灯蓋２０に形成
   した孔縁に当る範囲でレンズ３２１の光軸を変位
   せしめ得るようにしたことを特徴とする車輌等の
   室内ランプ。