JPH0132041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、現像処理されたシート状写真感光材
料の乾燥装置の改良に関するものである。

一般に、現像処理されたシート状写真感光材料
の乾燥装置は、シート状写真感光材料を乾燥用気
流中で移送しながら乾燥するものであるが、その
移送方式には、一対の網状ベルト間に挾持して移
送せしめる方式、あるいは上下二段に配装した上
部ローラー群と下部ローラー群とよりなる移送用
ローラー群により移送せしめる方式などがある
が、前者の場合には、シート状写真感光材料にベ
ルトの跡がついたり、乾燥むらが生ずるなどの重
大な欠陥があるため、最近では後者の方式の採用
が次第に増してはきているものの、この後者の場
合には、上部、下部を問わず、その各ローラー間
には乾燥用気体が流通し得るだけの間隔があけて
あるため、シート状写真感光材料のカーリング性
とあいまつてシート状写真感光材料がローラー間
から脱落することがあるという欠陥があつた。

本考案は、かかる現状に鑑み、現像処理された
シート状写真感光材料を乾燥用気流中に配装され
た上部ローラー群と下部ローラー群とよりなる移
送用ローラー群により移送しながら乾燥する前記
後者の方式を採用した装置において、下部ローラ
ー群をシート状写真感光材料を傷つけない材料で
被覆したローラーと、該ローラーより小径にし
て、外周に細かい凹凸が施された数個のローラー
を間隔をおいて同軸上に取着した乾燥用気体通路
形成用兼シート状写真感光材料移送方向付与用ロ
ーラーとを交互に配して形成することにより、乾
燥用気体の流れを良くし、しかもシート状写真感
光材料がローラー間から脱落することを皆無なら
しめるなど、この種在来の乾燥装置の欠点を一掃
し得たシート状写真感光材料の乾燥装置の提供を
可能ならしめるものにして、以下本考案をシート
状印画紙の処理装置に実施した図示の実施例に基
づいて詳細に説明することとする。

先ず、本考案になる乾燥装置を現像処理装置に
一連状に連設してなるシート状印画紙の処理装置
の外観図である第１図において、１は、挿入ガイ
ド２、補充コントロールボツクス３、フイルター
ユニツト４、薬液流量計５、水洗水流量計６、ガ
ス抜きフアン７を備えた現像処理装置にして、１
０は後述の本考案になる乾燥装置であり、３０は
現像処理装置１および乾燥装置１０の乾燥用主制
御部材を内蔵し、かつ一部が操作用ボタン３２や
作動スイツチ３３等が装着されたコントロールパ
ネル３１で形成されているコントロールボツクス
である。

次に、本考案に係る乾燥装置の構成を説明する
に、１１はダンパー付使用済み乾燥用気流散逸孔
１２を備えた頂板、１３は現像処理装置１との境
界用となり、現像処理済みシート状印画紙の導入
孔１４が施された前側板、１５は下方にエアー導
入孔１６が、上部に導入孔１４と略同高の位置に
施された全処理済みシート状印画紙の送出孔１７
が施され、かつ全処理済みシート状印画紙受け皿
１８が固定された後側板であり、この外、左右両
側板や台盤等で機体機枠が形成され、前記現像処
理済みシート状印画紙の導入孔１４と全処理済み
シート状印画紙の送出孔１７との間には、この両
孔１４，１７を上下から挾むように、その上方に
は移送用ローラー群２０構成用の上部ローラー群
２１が、下方には下部ローラー群２２が配装され
ている。ところで、上部ローラー群２１は外周に
シート状印画紙を傷つけないようにパイル地で被
覆した略同径同形状のローラーを乾燥用気体が流
通し得るように間隔を置いて配設することにより
形成され、下部ローラー群２２は外周にシート状
印画紙を傷つけないようにパイル地で被覆したロ
ーラー２３と、このローラー２３より小径にして
外周に細かい凹凸が施された数個のローラー２５
を間隔をおいて同軸２６に取着してなる乾燥用気
体通路形成用兼シート状写真感光材料移送方向付
与用ローラー２４とを交互に配して形成されてい
る。

さらに、１９は一部にエアーフイルター２７を
備えた中仕切板で、その上には、前記上部ローラ
ー群２１、下部ローラー群２２構成用の各ローラ
ーの軸芯方向に沿つているヒーター付乾燥用気体
送出口２８，２８を備えた乾燥フアン２９，２９
が配置されている。

上記のように、乾燥用気体通路形成用兼シート
状写真感光材料移送方向付与用ローラー２４を形
成する小径のローラー２５は、軸２６に間隔をお
いて数個取着されているから、各ローラー２５間
は乾燥用気体が流通し得るようになされているた
め、ローラー２３との間を接近せしめても乾燥用
気体の流通が妨げられることがなく、またシート
状印画紙が現像処理の都合上、乳剤面を下面にし
て導入された場合でも乾燥装置内で⌒状にカール
するも、下部ローラー群２２の間から脱落するこ
とがない。特に、乾燥用気体通路形成用兼シート
状写真感光材料移送方向付与用ローラー２４の小
径のローラー２５における外周には、ローレツト
状等の凹凸が施されているため、シート状印画紙
がカールしたとしても、その先端がこれにより強
制的に誘導され、円滑な移送が可能となる。

以上の説明から明らかなように、本考案に係る
シート状写真感光材料の乾燥装置は、特に移送用
ローラー群における下部ローラー群をシート状写
真感光材料を傷つけない材料で被覆したローラー
と外周に細かい凹凸が施された数個のローラーを
間隔をおいて同軸に取着した乾燥用気体通路形成
用兼シート状写真感光材料移送方向付与用ローラ
ーとを交互に配して形成したので、各ローラー間
を接近しても乾燥用気体の流通は妨げられず、し
かも単にシート状写真感光材料がローラー間から
脱落せしめられないばかりでなく、移送方向への
誘導が強制的になされるから、円滑に移送される
などの優れた作用効果を奏するをもつて、本考案
は、この種従来よりの乾燥装置の欠点を一掃し得
たシート状写真感光材料の乾燥装置の提供を可能
ならしめたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るシート状写真感光材料の乾
燥装置の一実施例を示すものであつて、第１図は
これを現像処理装置に一連状に連設してなる処理
装置の外観図、第２図は乾燥装置の縦断側面図、
第３図はその要部説明図、第４図は乾燥用気体通
路形成用兼シート状写真感光材料移送方向付与用
ローラーの斜面図である。 １：現像処理装置、１０：乾燥装置、１１：頂
板、１２：ダンパー付使用済み乾燥用気流散逸
孔、１３：前側板、１４：導入孔、１５：後側
板、１６：エアー導入孔、１７：送出孔、１８：
受け皿、１９：中仕切板、２０：移送用ローラー
群、２１：上部ローラー群、２２：下部ローラー
群、２３，２５：ローラー、２４：乾燥用気体通
路形成用兼シート状写真感光材料移送方向付与用
ローラー、２６：軸、２７：エアーフイルター、
２８：ヒーター付乾燥用気体送出口、２９：乾燥
フアン、３０：コントロールボツクス、３１：コ
ントロールパネル、３２：操作用ボタン、３３：
作動スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 現像処理されたシート状写真感光材料を乾燥用
   気流中に配装された上部ローラー群と下部ローラ
   ー群とよりなる移送用ローラー群により移送しな
   がら乾燥する装置において、下部ローラー群をシ
   ート状写真感光材料を傷つけない材料で被覆した
   ローラーと、該ローラーより小径にして、外周に
   細かい凹凸が施された数個のローラーを間隔をお
   いて同軸上に取着した乾燥用気体通路形成用兼シ
   ート状写真感光材料移送方向付与用ローラーとを
   交互に配して形成したことを特徴とするシート状
   写真感光材料の乾燥装置。