JPH0131690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は断熱壁板材の改良に関するものであ
る。

＜従来例の構成とその問題点＞ 発泡ポリエチレン板や発泡ポリスチレン板は断
熱性に秀れ、断熱壁板材として使用できる。

而るに、壁下地に発泡ポリエチレン板を張付け
たのち、その板の表面をモルタル塗工により化粧
し得ればより便宜である。

しかしながら、モルタルと発泡ポリエチレンと
は熱膨脹係数が相当に異り、発泡ポリエチレン板
とモルタル層との間にかなり大きなせん断熱応力
が発生するから、界面剥離が生じ易い。この界面
剥離を防止するために、発泡ポリエチレン板に表
面加工を施し、界面の接着強度を大にすることが
考えられるが、この場合は、モルタル層に大なる
引張り応力が作用し、モルタル層が脆弱であるこ
とからモルタル層の破断が懸念される。

＜考案の目的＞ 本考案は、上記の不利なく発泡ポリエチレン板
にモルタル仕上げを施し得る断熱壁板材を提供す
ることにある。

＜考案の構成＞ すなわち、本考案に係る断熱壁板材は表面にモ
ルタル仕上げを施す発泡プラスチツク板のその表
面にプラスチツク不織布を積層し、同発泡プラス
チツク板の表面に粘着層を設けたことを特徴とす
る構成である。

＜実施例の説明＞ 以下、図面により本考案を説明する。

第１図において、１は発泡プラスチツク板であ
り、発泡ポリエチレン板、発泡ポリスチレン板を
使用できる。２はプラスチツク不織布、例えばポ
リエステル不織布であり、発泡プラスチツク板の
表面に熱融着または接着剤によつて積層してあ
る。３は発泡プラスチツク板１の裏面に設けた粘
着層であり、例えば、ブチルゴム組成物を塗付し
てある。４は剥離紙である。

第２図は本考案テープの使用状態を示し、本考
案テープを粘着層３において壁基面５（例えば、
下地合板）に接着し、不織布２にモルタル６を塗
布してあり、モルタルの一部が不織布２に浸透し
ているから、モルタル層の固定状態は安定であ
る。

第２図において、モルタルのみの層を、モル
タル含浸不織布の層、発泡プラスチツク板の層
をで示し、各層の熱膨脹割合をα〜、厚さ
をｔ〜、ヤング率をＥ〜とすれば、各層
に作用する圧縮または引張り力（F〓並びにF〓は
引張り力、F〓は圧縮力）は F〓＝t₃E₃／ΣtnEn｛α₂t₂E₂＋α₁t₁E₁−α₃（t₂E₂＋ t₁E₁）｝ − F〓＝t₂E₂／ΣtnEn｛α₃t₃E₃＋α₁t₁E₁−α₂（t₃E₃＋ t₁E₁）｝ − F〓＝F〓＋F〓 − となり、発泡プラスチツク板とモルタル含浸不織
布層との界面に作用するせん断力、すなわち、
F〓−F〓＝F〓は第１式で与えられる。

上記に対し、不織布が存在しない場合のせん断
力F₀は第１式において、t₃→t₃＋t₂，E₂→E₃，α₂
→α₃として得ることができる。而るに、モルタル
含浸不織布層は熱膨脹割合、ヤング率ともに発
泡プラスチツク体とモルタルとの中間的な特
性を示し、α₁＞α₂＞α₃，E₁＜E₂＜E₃である。而
して、これらの条件のもとで上記したF₀とF〓と
を比較すれば、F〓＜F₀となり、従つて、本考案
によれば、熱応力による界面剥離を良く防止でき
る。

＜考案の効果＞ 上述した通り、本考案に係る断熱壁板材におい
ては、発泡プラスチツク板の表面にプラスチツク
不織布を積層してあり、その表面にモルタルを塗
工すれば、モルタル層と発泡プラスチツクとの間
に、熱膨脹、ヤング率が共にモルタルと発泡プラ
スチツクとの中間値である中間層を介在させるこ
とができ、それらの界面に作用するせん断熱応力
を充分に軽減できる。従つて、本考案によれば、
表面にモルタル仕上げを施しても、モルタル層の
熱歪クラツクを防止できる発泡プラスチツク製の
断熱壁板材を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る断熱壁板材を示す説明
図、第２図は本考案に係る板材の使用状態を示す
説明図である。 図において、１は発泡プラスチツク板、２はプ
ラスチツク不織布、３は粘着層である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面にモルタル仕上げを施す発泡プラスチツク
   板のその表面にプラスチツク不織布を積層し、同
   発泡プラスチツク板の裏面に粘着層を設けたこと
   を特徴とする断熱壁板材。