JPS6032987Y2 - 合成樹脂発泡断熱板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防湿、防水性で、パネルの反りの少ない、かつ
、接着性の良好な合成樹脂発泡断熱板に関する。

従来より、硬質合成樹脂発泡体を芯材として使用し、両
側表面に裏面材参貼着した合成樹脂発泡断熱板は、軽量
でかつ高論度、高麟熱を有するが故に幅広く使用されつ
つある。

しかしながら、芯材として使用する硬質合成樹脂発泡体
はそれ自体僅かではあるが吸湿性、透湿性がふるので合
成樹脂発泡断熱板を構成させる場合には防湿、防水層を
形成する必要があった。

従来はこの防湿、防水層を主としてポリオレフィン系合
成樹脂フィルムで形成しており、このポリオレフィン系
合成樹脂フィルムで形成される防湿、防水層は、芯材で
ある硬質合成樹脂発泡体の吸湿、透湿を有効に防ぐもの
ではあるが、反面表面が吸湿せず、不活性である□ため
接着剤、特にセメント□系接着剤、石膏系接着剤、水ガ
ラス系接着剤等の水溶媒型接着剤による合成樹脂発泡断
熱板同志の貼り合せや、他の建築材料及び建物躯体との
接着が不可能であった。

それ故、従来の防湿、防水層を設けた合成樹脂発泡断熱
板はその使用用途に大きな制限を受けるものであった。

この従来の防湿、防水層を設けた合成樹脂発泡断熱板の
有する欠点を改善する目的で実開昭５４−１７１４９３
号に開示されているように、石綿紙と可撓性シートとを
接着剤で貼着し、該可撓性シート表面に防湿性合成樹脂
フィルムを積層してなる表面材の防湿性合成樹脂フィル
ム表面に硬質合成樹脂発泡体を積層し、該硬質合成樹脂
発泡体の表面に第２表面材として無機質板を積層するか
、又は前記表面材を防湿性合成樹脂フィルム面が硬質合
成樹脂発泡体表面に隣接するように積層してなる合成樹
脂発泡断熱板が開発された。

しかしながら、実開昭５・４−１７１４９３号に開示さ
れた合成樹脂発泡断熱板は石綿紙と防湿性合成樹脂フィ
ルムとの間に、クラフト紙等の吸湿性シートカｊ介在す
るので、石綿紙を通して吸湿した水分により、吸湿性シ
ートが寸法変化を起こしたり、吸湿性シートのところか
ら層間剥離を起こす等の問題があり、なお十分なもので
はなかった。

本考案は、これら従来め合成樹脂発泡断熱板の欠点を改
善し、防湿、防水性に優れるとともに、反りがなく、か
つ初期接着力の弱い水溶媒型接着剤で建物壁面ともプレ
スなしで強固に接着し得るばかりでなく、コンクリート
、モルタル、プラスターとの打設及び塗り仕上げ時の接
着性に優れた合成樹脂発泡断熱板を提供せんとするもの
である。

すなわち、本考案の合成樹脂発泡断熱板は、パルプ含有
量１０％以下で、日付量１００ｇ／ｄ以上の石綿紙１に
防湿性合成樹脂フィルム２を積層してなる第１表面材３
の防湿性合成樹脂フィルム２表面に硬質合成樹脂発泡体
４を積層し、第２表面材５を該硬質脅威樹脂発泡体４の
他方表面に積層してなるものである。

石綿紙１としては、パルプ含有量が１０％以下で重量１
００ｇ／ｌｙｒ以上のものが使用できる。

パルプ含有量が１０％を越えた場合には、水溶媒型接着
剤を使用する等湿気にあうと吸湿により伸縮が発生し、
パルプの表面材として使用するとパルプの反りの原因と
なり好ましくない。

また、重量が１００ｇ／ｄ未満の場合には石綿紙の強度
が弱く、パネルの反りを押えきれないのでパルプの表面
材としては好ましくないものである。

強度を向上させ、反りを少なくするため好ましくは目付
量１２０ｇ／ｄ以上の石綿紙を使用するのが良い。

又、ガラス繊維など、他の添加材は２０％以下迄ならば
含有してよい。

防湿性合成樹脂フィルム２としてはポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム、ポリエステルフィルム等防湿性を有するものであ
れば何でも使用できる。

防湿性合成樹脂フィルムの厚味は防湿性能上１０μ以上
、好ましくは２０μ以上が良い。

第１表面材３は上述した石綿紙１、防湿性合成樹脂フィ
ルム２から構成されるものである。

第１表面材３は石綿紙１と防湿性合成樹脂フィルム２と
を接着又は加熱圧着等の手段で積層してなるものである
。

硬質脅威樹脂発泡体４としては、硬質ウレタン発泡体、
硬質インシアヌレート発泡体、硬質エポキシ発泡体、フ
ェノール発泡体、尿素樹脂発泡体などが使用できる。

硬質脅威樹脂発泡体は自己接着性があり、一体皮型（一
体発泡）のできるものを選択すれば、本考案の合成樹脂
発泡断熱板を製造する上で有利である。

硬質脅威樹脂発泡体として自己接着性のないものを使用
する場合には、表面材は接着剤を介して積層しても良い
。

また硬質脅威樹脂発泡体として難燃性硬質合成樹脂発泡
体を使用すれば、防湿、防水効果や反りが少なく接着性
が向上するといる効果に加えて合成樹脂発泡断熱板の防
火性、耐炎性をも向上させることができ好ましいもので
ある。

合成樹脂発泡体の第１表面材を積層していない他方表面
には第２表面材５として無機質板又は装飾シート、又は
前記と同じ表面材又は前記表面材或いは無機質板に装飾
シート６を積層したものなどを積層する。

無機質板としては、石膏ボード、石綿スレート板、硅酸
カルシウム板、パーライト板の他鉄板やアルミニウム板
等の金属板が使用できる。

無機質板の厚味は出来上った合成樹脂発泡断熱板の強度
上、金属板では０．３飄以上が良く、その他の無機質板
では３簡以上が良く、好ましくは５＋ｏ＋＋程度のもの
が良い。

また、合成樹脂発泡断熱板の軽量化のために厚味の上限
は１５閣程度である。

装飾シート６としては、紙を素材とする壁紙、プラスチ
ックを素材とする壁紙、繊維を素材とする壁紙の他、木
板、レザー、各種の布帛等一般に使用されている装飾シ
ートが使用できる。

これら装飾シートや無機質板を硬質脅威樹脂発泡体に積
層するには、硬質合成樹脂発泡体の発泡時に一体成型し
ても良いし、硬質合成樹脂発泡体に接着剤を介して積層
接着しても良い。

装飾シートを無機質板又は表面材に積層するには一般に
使用されている接着剤（例えば酢酸ビニルエマルジョン
タイプの接着剤）等を使用して積層するものである。

本考案の合成樹脂発泡断熱板をコンクリートやプレキャ
ストコンクリート等の建物躯体に接着するには、第１表
面材が建物躯体表面に接するように接着すれば良い。

表面材の一方に装飾シート存在する場合には、もちろん
装飾シートの存在しない方の表面材が建物躯体表面に接
するように接着するものである。

即ち本考案の合成樹脂発泡断熱板は第１表面材が多湿条
件下に爆雷されるように施工（使用）することが有効で
ある。

本考案の合成樹脂発泡断熱板は上述のように構成されて
いるので従来の合成樹脂発泡断熱板の有する軽量、高強
度、高断熱性を損なわず、更に次の特徴を有する。

即ち石綿紙、防湿性合成樹脂フィルムが順次積層されて
なる表面材を使用し、該表面材の防湿性合成樹脂フィル
ム面が硬質合成樹脂発泡体表面に接するように積層され
ているので湿気や水分が硬質合成樹脂発泡体に吸収され
るのを防止できるばかりでなく、合成樹脂発泡断熱板の
表面には従来の合成樹脂発泡断熱板のように合成樹脂フ
ィルムが存在せず石綿紙が露出しているので水ガラス系
接着剤、セメント系接着剤、石膏系接着剤等の水溶媒型
接着剤を使用していてもフリクの大きいコンクリート壁
面に該サンドイッチパネルをプレスなしで強固に接着す
ることができる。

又、該合成樹脂発泡断熱板の表面に、コンクリート、モ
ルタル、プラスター等を打設や塗り仕上げにより施せば
強固に接着できる。

即ち表面の石綿紙に水溶媒型接着剤の水溶媒やコンクリ
ート、モルタル、プラスターなどの水が吸収されると共
にこれらの溶質が石綿紙の内部に浸入するもので、強固
な接着ができるのである。

しかも、石綿紙と合成樹脂フィルムとの間にクラフト紙
等の吸湿性シートが存在しないので、吸湿性シートの吸
湿による寸法変化や、吸湿性シートのところからの層間
剥離等の問題も全くないものであった。

本考案に使用できる石綿紙は石綿含有率が定まつており
、パルプ含有量１０％以下であれば、吸湿や吸水による
伸縮がほとんどなく、水溶媒型接着剤を使用した場合で
も吸湿、吸水によるサンドインチパネルの伸縮、反りの
発生を有効に防止できる。

更には水溶媒型接着剤ばかりでなく無溶媒タイプの反応
型接着剤（例、ウレタン系、エポキシ系）、溶剤型接着
剤（例、ゴムをトルエン等に溶解したもの）、エマルジ
ョン型接着剤（例、合成樹脂エマルジョン）など幅広く
使用できるため、コンクリート壁、金属板、合板壁、木
材等の任意の材料への接着も可能となり、その使用用途
を著しく広げることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は各々本考案品の一例を示す断面図であ
り、第３図は本考案品を建物躯体に施工したときの説明
図である。 １・・・・・・石綿紙、２・・・・・・防湿性合成樹脂
フィルム、３・・・・・・第１表面材、４・・・・・・
硬質合成樹脂発泡体、５・・・・・・第２表面材、６・
・・・・・装飾シート、７・・・・・・水溶媒型接着剤
、８・・・・・・建物躯体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パルプ含有量１０％以下で、日付量１００ｇ／ｒｒ１以
   上の石綿紙に防湿性合成樹脂フィルムを積層してなる第
   １表面材の防湿性合成樹脂フィルム表面に硬質合成樹脂
   発泡体を積層し、第２表面材を該硬質合成樹脂発泡体の
   他方表面に積層してなる合成樹脂発泡断熱板。