JPH0318178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、断熱性、防水、防湿性に優れ、かつ
機械的強度も高い断熱サンドイツチパネルに関す
る。

従来より、レゾール系フエノール樹脂フオーム
を芯材として使用した表裏面材を有する断熱サン
ドイツチパネルは、軽量でかつ高い防火性能を有
するが故に断熱建材として広く使用されつつあ
る。

しかしながら、レゾール系フエノール樹脂フオ
ームは、フオーム製造時に多量の水分が発生し、
フオーム中にそのまゝ含有されてしまうので断熱
性能を低下させる欠点があつた。

本考案は、このようなレゾール系フエノール樹
脂フオームを芯材とするサンドイツチパネルが有
する欠点を解消し、芯材中に含まれる水分が少な
く断熱性に優れ、吸湿、透湿がなく、しかも高い
機械的強度を持つ断熱サンドイツチパネルを得る
ことを目的とするものである。

すなわち本考案の断熱サンドイツチパネルは、
表面材および裏面材間に芯材として発泡性のレゾ
ール系フエノール樹脂材料を流延し、発泡させて
該材料の反応時の自己接着性を利用して一体に形
成した複合レゾール系フエノール樹脂フオームパ
ネルにおいて、表面材および裏面材が段ボールの
片側表面に金属箔を接着したものであり、金属箔
が接着されていない段ボール面側にフオーム芯を
形成させてなるものである。

本考案の断熱サンドイツチパネルは、レゾール
系フエノール樹脂材料が発泡し、反応するときの
フオームの自己接着性により、面材と一体成形に
より製造するものである。フオーム芯の厚味は、
断熱性能面から５mm以上、好ましくは15mm以上が
良い。本考案に使用する段ボールは、片面ダンボ
ール、両面段ボール、複両面段ボールがある。レ
ゾール系フエノール樹脂フオーム芯の両面に使用
する段ボールは、同種又は異種のもので良く、特
に限定するものでない。

段ボールは、JISP−3902に示すライナー６と
JISP−3904に示す中芯７から成る。

片面段ボール３は、１枚のライナー６と１枚の
中芯７を張り合わせたものであり、中芯面がレゾ
ール系フエノール樹脂フオーム芯と積層一体化す
る。両面段ボール４は、１枚の中芯７を表裏２枚
のライナー６ではさんだものである。

複両面段ボールは、片面段ボール３と両面段ボ
ール４を張り合せたものである。段ボールのライ
ナーと中芯としては、クラフト紙、ライナー紙、
ルーフイング紙、石綿紙などがある。紙の坪量
は、100ｇ／m²以上、好ましくは150ｇ／m²以上が
良い。中芯の段の数は、30cm当り36から144、段
の高さは、10から50mmのものが使用に適する。段
の形式はＵ型又はＶ型どちらでもよく、限定され
るものではない。

金属箔２は、アルミニウム箔、鉄箔、銅箔など
がある。金属箔２の厚味は7μmから100μm好まし
くは15μmから50μmが良い。金属箔２は、防錆の
ために金属箔の表又は表裏面に表面処理層１０を
積層してもよい。表面処理層１０としては、亜
鉛、ニツケル、スズ等の電気メツキ層、リン酸処
理、クロム酸処理層、塗料層、合成樹脂シート層
がある。

段ボールと金属箔２を接着する接着剤９として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらでもよ
い。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂等があり、又熱硬化性樹脂と
しては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フエノー
ル樹脂等がある。

本考案の断熱サンドイツチパネルの製造方法
は、レゾール型のフエノール、アルデヒド重縮合
物、発泡剤、酸性硬化剤とを含む混合物を段ボー
ルと金属箔を接着した面材の上に流延し、この液
体上に上記面材と同種の面材を所定の厚さの液体
の均一な拡がりとなる様に直接適用し、フオーム
発泡、硬化を行なわしめる条件下にて連続又は非
連続に製造する。

本考案の断熱サンドイツチパネルは以上のよう
な構成からなるものであるから、レゾール系フエ
ノール樹脂フオームの発泡、硬化時に発生する水
分は、反応熱及び外部からの加熱により蒸気とな
つて段ボールのライナー６や中芯７を通過し、段
の空隙８よりサンドイツチパネル外に放出され
る。従つて、従来のこの種のフエノール樹脂フオ
ーム芯を有するサンドイツチパネルのフオーム芯
の含水率が10〜20％と高いのに対して、本考案の
サンドイツチパネルではフオーム芯の含水率は１
％未満であり、高い断熱性能を有する。

また使用する段ボール面材は適宜材質のものを
必要に応じて選択して使用することができるか
ら、石綿紙からなる段ボールを使用した場合に
は、準不燃材料試験に合格する難燃性能を有す
る。

また段ボールの最外面に金属箔を接着した表裏
面材をフオーム芯と一体に接着させるものである
から、防湿、防水性に優れるとともに、フオーム
が接着する表面がフオームと接着性の優れる段ボ
ールであるため、極めて強固に接着一体化し、面
材の段ボール構造と相まつて、面材の剥離もな
く、サンドイツチパネルの機械的強度が増大し、
パネルの反りも起りにくくなるものである。

本考案の断熱サンドイツチパネルはこのよう
に、断熱性、強度、防水、防湿性に優れるきわめ
て有用なものであり、断熱建材として広い用途を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は本考案の実施例を示
す断面図である。 １……レゾール系フエノール樹脂フオーム芯、
２……金属箔、３……片面段ボール、４……両面
段ボール、５……複両面段ボール、６……ライナ
ー、７……中芯、８……空隙、９……接着剤、１
０……表面処理層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面材および裏面材間に芯材として発泡性のレ
   ゾール系フエノール樹脂材料を流延し、発泡させ
   て該材料の反応時の自己接着性を利用して一体に
   形成した複合レゾール系フエノール樹脂フオーム
   パネルにおいて、表面材および裏面材が段ボール
   の片側表面に金属箔を接着したものであり、金属
   箔が接着されていない段ボール面側にフオーム芯
   を形成させてなる断熱サンドイツチパネル。