JPS5816851Y2 - サンドイツチボ−ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の内壁、天井等に用いられるサンドイッチ
ボードに関し、特に接着性に優れ、かつ難燃効果も高く
、シかも防水性、防湿性も良好なサンドイッチボードに
関するものである。

従来、合成樹脂発泡体を芯材とし、この芯材の両面を面
材で被覆してなるサンドイッチボードにおいて、防水性
、防湿性及び接着性の改良のために、面材としてガラス
繊維を主成分とする繊維構造体を合成樹脂フィルムに積
層してなる基材（実開昭５３−４６３７２号）、或いは
不織布とプラスチックフィルムを積層してなる基材（実
公昭５４−２９６９号）を用いることが提案されている
。

しかしながら、これらのサンドイッチボードを建物の内
壁、天井等に平面性良く貼り合せるためには、接着剤と
して硫酸カルシウムを主成分とした無機質接着剤（例え
ばＧＬボンドという商標で吉野石膏より市販されている
ものなど）を用いることが特に不陸調整の点で好ましい
が、上述した従来のサンドイッチボードはこの種の接着
剤を使用した工法における初期接着力が劣るため、剥離
現象や脱落現象が起る欠点がある。

また、ガラス繊維を主成分とした表面材を用いたサンド
イッチボードは取扱い上ガラス繊維が手や肌などに付着
して好まし、くなく、更にバインダーとしてポリビニル
アルコール（ポバール）等の有機物を使用するため極め
て燃え易い欠点がある。

本考案は上述した従来技術の欠点を解決したもので、接
着性が良好で、特に無機質接着剤を用いた場合でも初期
接着力が優れ、従って剥離、脱落現象が生じることもな
く、シかも難燃効果も高い上、防水性、防湿性も良好な
サンドイッチボードを提供することを目的とする。

即ち、本考案は、硬質金性樹脂発泡体を芯材とし、この
芯材の両面を面材で被覆してなり、少なくとも一方の面
材を壁や天井等の被接着面に接着することにより使用す
るサンドイッチボードにおいて、前記一方の面材として
無機質材料が１０〜２００ｇ／ｍ２の付着量で塗布もし
くは含浸された不織布にプラスチックフィルムが積層さ
れてなる基材を用い、前記一方の面材は前記プラスチッ
クフィルム面側を前記芯材に向けてこの芯材を形成する
発泡体発泡時の自己接着で接着剤を用いることなく芯材
と一体化されており、前記無機質材料が塗布もしくは含
浸された不織布を壁や天井等の被接着面に接着させて用
いることにより、上記目的を達成したものである。

以下、本考案の一実施例につき第１図を参照して説明す
る。

図中１は硬質合成樹脂発泡体よりなる芯材で、この芯材
１の両面はそれぞれ面材２，３で被覆されている。

これら両面材２，３は、それぞれ無機質材料が塗布もし
くは含浸された不織布４にプラスチックフィルム５が積
層された構成とされ、プラスチックフィルム５を芯材１
側に配し、芯材１と一体化されている。

この場合、芯材１となる硬質合成樹脂発泡体としては、
硬質ポリウレタン発泡体、硬質ポリイソシアヌレート発
泡体、硬質フェノール樹脂発泡体、硬質エポキシ樹脂発
泡体、硬質ポリイミド樹脂発泡体等が使用できる。

また、不織布としてはいかなる種類のものでもよいが、
サンドイッチボードの製造の容易さからガラス繊維不織
布、或いはガラス繊維不織布、或いはガラス繊維と合成
繊維との混抄不織布を用いることが好ましい。

この場合、ガラス繊維と混純させる合成繊維としてはビ
ニロン繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイ
ロン繊維等が好適に使用し得る。

なお、本考案においてはガラス繊維を含まない不織布を
用いることもできるが、サンドイッチボードを一体成型
するに際し、引張り応力をかけるため、伸びが生じて良
好なボードが得られない場合がある。

前記不織布に塗布もしくま含浸させる無機質材料として
は、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化
チタン、砥の粉（ＳｉＯ２，Ａｌ２Ｏ３゜Ｆｅ２Ｏ３を
主成分とするもの）、その他の粘土質などが好ましく用
いられ、これらの無機質材料はポリ酢酸ビニル等のバイ
ンダー溶液に分散させて不織布に塗布もしくは含浸させ
るが、この場合、無機質材料の塗布もしくは含浸は不織
布にプラスチックフィルム５が積層、一体化されてなる
基材に対して行なってもよく、或いは不織布に予め無機
質材料を塗布もしくは含浸させたものをプラスチックフ
ィルム５と一体化させて基材を製造してもよい。

なお、無機質材料の不織布への付着量は１０〜２００ｇ
／ｍ２程度とするもので、これにより無機質材料が塗布
もしくは含浸した不織布を壁や天井等に接着した場合、
十分は接着力が得られる。

また、本考案で用いるプラスチックフィルム５は、防湿
、防水性の大きな材料であることが必要で、例えばポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化
ビニルフィルム、ポリエステルフィルム等が使用できる
。

上述した構成のサンドイッチボードは、無機質材料が塗
布もしくは含浸された不織布４にプラスチックフィルム
５が積層されてなる面材２，３を互にそのプラスチック
フィルム５面が対向するように所定の間隔を置いて配置
し、その間に硬質合成樹脂発泡体用原料液を供給し、こ
れを発泡させ、発泡体の自己接着で面枠２，３を一体化
させることにより製造し得、これにより無機質材料付着
量を１０〜２００ｇ／ｍ２としたことを合わせ、不織布
４、プラスチックフィルム５、芯材１が強固に接着一体
化したボードが得られる。

第２図は本考案の他の実施例を示すもので、この例にあ
っては一方の面材２は上記実施例と同−構成であるが、
他方め面材３として無機質板６を用いたものである。

この場合、無機質板６としては石膏ボード、石綿スレー
ト板、珪酸カルシウム板、パーライト板、アルミニウム
板、鉄板等が使用できる。

なおまた、第１図の実施例において、他方の面材３に接
着剤を介して上述した無機質板６を一体化するようにし
てもよく、その他の構成についても本考案の要旨の範囲
内で種々変更可能である。

本考案に係るサンドイッチボードは、無機質材料が塗布
もしくは含浸した不織布４にプラスチックフィルム５が
積層されてなる面材（第１図の実施例にあっては一方の
面材２又は他方の面材３、第２図の実施例にあっては一
方の面材２）に接着剤を塗布し、壁、天井等の所望の面
に接着して使用するもので、この場合接着剤としては無
機質接着剤が好適であり、無機質接着剤を用いた場合に
後述するように大きな効果を発揮するが、その他一般に
接着剤を用いて施工することもできる。

本考案のサンドイッチボードはこのように無機質材料が
塗布もしくは含浸した不織布４を接着剤を介して壁、天
井等に接着するようにしたことにより、従来の不織布を
そのまま面材とし、この不織布を接着剤を介して壁、天
井壁に接着するようにしたものに比べ、壁、天井等への
初期接着力が大巾に向上し、剥離現象や脱落現象がみら
れないものである。

この点につき更に説明すると、本考案品としてガラス繊
維とビニロン繊維との混純不織布に１ｍ２当りＳｉＯ２
，Ａｌ２Ｏ３及びＦｅ２Ｏ３を主成分とする砥の粉約４
０ ｇをポリ酢酸ビニルをバインダーに用いて塗布し、
これにポリエチレンフィルムを積層して面材を得ると共
に、この面材をそのポリエチレンフィルム面が硬質ポリ
ウレタンフォーム芯材側になるように配置し、厚さ２０
ｍｍの第１図に示す実施例と同一構造のサンドイッチボ
ードを芯材の自己接着により製造し、別に従来品として
不織布に砥の粉を塗布しない以外は上記と同一の構成の
サンドイッチボードを製造した。

そして、以上の２種のサンドイッチボードについて、硫
酸カルシウムを主体とする無機質接着剤（吉野石膏（株
）より市販されているＧＬボンド）を用いた場合のコン
クリート壁面への初期接着力を測定した（このＧＬボン
ドは時間経過とともに粘性を失ない、硬化するので、初
期接着力の測定は室温下で接着させてから９０秒後に行
なった。

）。その結果、従来品は２５ｃｍ２当り０．５〜０．６
ｋｇの初期接着力しか有していないのに対し、本考案品
は０．９−１．０ ｋｇ／２５ ｃｙｎ２の初期接着力
を示し、従来品の約２倍の初期接着強度を有することが
認められた。

従って、このことからも明らかなように、本考案によれ
ば、従来のサンドイッチボードと比較して約２倍の初期
接着力を示し、従来欠点とされていた剥離現象や脱落現
象がない優れたサンドイッチボードを提供できるもので
ある。

更に、本考案ボード、特に第１図に示したような両面材
をいずれも無機質材料が塗布又は含浸された不織布とプ
ラスチックフィルムとにより構成したものは、コンクノ
ートを流し込んでコンクリートと無機質材料が塗布又は
含浸された不織布とを接着させた場合、同様に優れた接
着強度を示すものである。

また、本考案によれば、無機質材料の付着量が１０〜２
００ ｇ／ｍ２であり、無機質材料は実際上不織布に浸
透してこれと一体化しているため、無機質材料の割れ、
脱落が生じ難く、無機質材料が塗布もしくは含浸した不
織布を壁等の被接着面に接着した場合、剥離のないもの
であると共に、本考案ボードは発泡体の自己接着で少な
くとも一方の面材と発泡体とが接着されており、この場
合不織布と発泡体との間にプラスチックシートが介在し
ているため、発泡体（芯材）と一方の面材との接着性が
非常に良いものである。

なおまた、本考案のサンドイッチボードは、不織布に無
機質材料を塗布もしくは含浸させているため、難燃効果
が顕著となり、例えば上述した本考案品、比較品を用い
てＪＩＳ Ａ１３２１燃焼試験を行なった場合には、従
来品は標準曲線を越える高い発熱量をもって燃焼するの
に対し、本考案品は標準曲線以下の低い発熱量しか示さ
ず、優れた難燃効果を有することが裏付けられた。

更に、従来めガラス繊維を主体とする不織布が表にその
まま出ているサンドイッチボードで゛は、その取扱い玉
肌にガラス繊維が付着し、刺激を与えるなどの好ましく
ない現象がみられるが、本考案においては不織布に無機
質材料が塗布もしくは含浸されているので、このような
不都合が生じず、取扱いが非常に容易であると共に、壁
、天井等の施工側からの水分等の侵入をプラスチックフ
ィルムによって確実に遮断でき、防湿、防水性の高いも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は本考
案の他の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・芯材、２，３・・・・・・面材、４・・
・・・・無機質材料が塗布もしくは含浸されている不織
布、５・・・・・・プラスチックシート、６・・・・・
・無機質板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．硬質合成樹脂発泡体を芯材１とし、この芯材１の両
   面を面材２，３で被覆してなり、少なくとも二方の面材
   ２を壁や天井等の被接着面に接着することにより使用す
   るサンドイッチボードにおいて、前記一方の面材２とし
   て無機質材料が１０〜２００ｇ／ｍ２の付着量で塗布も
   しくは含浸された不織布４にプラスチックスフィルム５
   が積層されてなる基材を用い、前記一方の面材２は前記
   プラスチックスフィルム５面側を前記芯材１に向けてこ
   の芯材１を形成する発泡体発泡時の自己接着で接着剤を
   用いることなく芯材１と一体化されており、前記無機質
   材料が塗布もしくは含浸された不織布４を壁や天井等の
   被接着面に接着させて用いることを特徴とするサンドイ
   ッチボード。 ２、他方の面材３として無機質板６を用いた実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のサンドイッチボードへ