JPH0131440B2 - - Google Patents
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- JPH0131440B2 JPH0131440B2 JP56052270A JP5227081A JPH0131440B2 JP H0131440 B2 JPH0131440 B2 JP H0131440B2 JP 56052270 A JP56052270 A JP 56052270A JP 5227081 A JP5227081 A JP 5227081A JP H0131440 B2 JPH0131440 B2 JP H0131440B2
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Description
本発明は、下水その他より排出される有機排水
を生物学的処理によつて浄化するとともに含有す
るリンを濃縮回収する方法に関する。 し尿、下水などの生活排水、或いは、各種工場
排水には有機物とともに窒素及びリン酸塩類が含
まれている。これ等排水が自然水域、特に閉鎖水
域に流入すると富栄養化の原因となつて重大な汚
染を招くことは周知である。特にリンは、上記富
栄養化の第1誘因物と考えられている。 このため、排水からリンを除去する事が要請さ
れている。又、リンは有用な資源であり、濃縮出
来ればリン資源として使用出来るため高い濃度で
リンを固定する方法は種々研究されている。 資源として利用するには、リン資源として使用
されるリン鉱石が通常P2O5として30%以上(P
として13%以上)であることから、少くなくとも
Pとして10%以上好ましくは13%以上が必要であ
る。その他リン資源として必要な条件としては次
の事が挙げられる。(1)アルミニウム、鉄等の塩の
含有量が少ないこと。これは最終製品まで残るか
らである。(2)有機物が少ないこと。有機物が入つ
ていると製品品質が低下する。(3)重金属、有害物
質がないこと。これが入つていると肥料等の原料
としては使用出来ない。このような観点からリン
の除去回収法について多くの提案がなされてい
る。例えば生物学的脱リン法、イオン交換樹脂
法、化学的凝集沈澱法などがある。これ等のう
ち、生物学的脱リン法は、従来の活性汚泥処理プ
ロセスの中でBOD、SS等とともにリン酸塩類も
同時に除去されるので、優れた処理方法として評
価されている。生物学的脱リン法は、リン酸塩類
が好気性汚泥処理によつて汚泥中に過剰に取込ま
れ、この汚泥を嫌気状態とすればリンが放出され
る性質を利用したもので、リンの固定濃度を高く
するため例えば特開昭54−24774号等の方法が提
案されている。この方法は、好気性汚泥処理によ
つて汚泥中にリンを高濃度に取込むことを目的と
するもので、汚泥に対するリンの濃度を通常5〜
15%とすることが出来る。しかし、この汚泥は脱
水工程を経て処理されるが、脱水工程に入る前に
濃縮、貯留工程が入り、ここで帯留時間が半日か
ら1日かかるため嫌気状態となりリンの放出が始
まり、放出されたリンを含有した溶液は結局排水
中に戻されるので、排水のリン負荷量が増大し、
リンが処理水に出て来ることとなる。 本発明者らは、リン酸塩類が含有された有機排
水を浄化するとともにリン資源として十分使用出
来る程度にまで含有濃度を高めた汚泥を得べく鋭
意研究した結果、(1)汚泥の濃度が1.5%以上にな
ると、嫌気リン放出槽8内における単位汚泥当り
のリン放出速度が急速に早くなること。(2)嫌気状
態にしてリンを放出せしめる場合、静置状態でリ
ンを放出せしめるのに比して、撹拌すると以後静
置又は撹拌するにかかわらず汚泥のリン放出速度
が早くなること。を知見した。 本発明は、以上の知見に基づいて完成されたも
ので、リン成分を含有する有機排水を生物学的処
理により浄化し、汚泥に取込んだリン成分を嫌気
状態に維持することにより溶液中に放出せしめ従
来のリン除去法を改良して、排水の浄化とともに
排出する凝集スラツジをリン資源として利用出来
る程度までリン含有濃度を高め得る方法を提供す
ることを目的とするものである。即ち、本発明の
要旨はリン酸塩類を含有する有機排水を生物学的
処理する処理法において、上記排水に対し嫌気処
理、曝気処理を順次行なつて、有機物を除去する
とともに含有するリン酸塩を汚泥に摂取せしめ、
このリン酸塩を摂取した汚泥の混合液を沈降分離
して、上澄水は系外に放流し、沈降した汚泥の一
部は、返送汚泥とし、残部の汚泥を嫌気リン放出
槽に導入するに際し、上記嫌気リン放出槽に、汚
泥濃度が1.5%以上で、かつ撹拌処理した汚泥を
導入して、汚泥中のリンを溶液中に放出せしめ、
リン酸分を放出した濃縮汚泥と、汚泥より放出さ
れたリン酸分を含有した上澄水に分離し、該上澄
水を凝沈処理し、沈降したスラツジを系外に取出
し、リン資源として利用することを特徴とした排
水中のリンの除去回収法である。 以下本発明を図面を参照して説明する。 第1図は、本発明の実施する方法の代表的フロ
ーシートを示すもので、図中符号1は、リン酸塩
を含む有機排水の導入ラインである。リン酸を含
む有機排水は、返送汚泥ライン2により返送され
る返送汚泥とともに嫌気槽3に導入される。嫌気
槽3において返送汚泥中に含有されているリンは
溶液中に放出され、汚泥はリンを摂取し易い状態
となる。嫌気処理された汚泥混合液は、曝気槽4
に導入され、BOD等が除去されるとともに、含
有するリンは汚泥中に摂取される。曝気処理され
た混合液は、最終沈澱槽5に導かれ沈降分離さ
れ、上澄水は放流される。沈降分離されたリンを
含有した汚泥は、一部返送汚泥としてライン2よ
り嫌気槽3に送られ、残部余剰汚泥はリン回収系
に送られる。リン回収系に送られる汚泥(通常汚
泥濃度1.0%以下である)は、先ず汚泥を1.5%以
上の汚泥濃度になるように濃縮する。濃縮する方
法としては特に限定しないが、例えば遠心濃縮装
置を好ましい例としてあげることができる。しか
し、上記最終沈澱槽から排出される汚泥濃度が
1.5%以上であれば、上記濃縮は行なわなくても
よい。この濃度1.5%以上の汚泥を撹拌槽7に導
き撹拌する。静置状態でリンを放出させるのに比
して、撹拌を加えると以後静置又は撹拌するに
かゝわらず汚泥のリン放出速度が早くなり、嫌気
リン放出槽8に入れる前に、少なくとも1時間程
度度撹拌すれば、嫌気リン放出槽8におけるリン
放出速度を早めることができる。撹拌の方法及び
装置は特に限定しないが撹拌エネルギーとして槽
m3当り少なくとも0.15軸KWとするのが好まし
い。以上の操作は当然のことながら空気遮断の状
態で行なわれる。撹拌槽7より出た混合液は、次
いで嫌気リン放出槽8に導かれる。嫌気リン放出
槽8における帯留時間は1〜10時間である。この
場合汚泥濃度は、1.5%以上でありかつリン放出
速度は、撹拌によつて早められているので、嫌気
リン放出槽8の上澄液中のリン濃度を高くするこ
とができる。すなわち嫌気リン放出槽8において
リンを放出しながら沈降する汚泥は、ライン9′
によつて導入される低リン溶液又は実質的にリン
を含まない液によつて向流洗浄され、リンは効率
的に溶液中に移行される。上記洗浄液としては、
最終沈澱槽5の放出上澄水(ライン9)、沈降槽
13の上澄水(ライン10′)、又は流入水(ライ
ン10)を用いて行なわれる。嫌気リン放出槽8
においてリンを放出した汚泥11は引抜かれ系外
に除去されるが、一部嫌気槽3に返送されること
もある。又嫌気リン放出槽8の上澄水である高濃
度リン溶出液に対しては、公知のリン除去方法を
適用することができる。その一例として石灰凝沈
法について説明する。高濃度リン溶出液は反応槽
12に入りPH8.4〜9.2となるように、消石灰12
aが添加されカルシウムヒドロキシアパタイトが
生成される。次いでこの反応液は、沈降槽13に
導入されカルシウムヒドロキシアパタイトを主成
分とする凝集スラツジ14は系外に取出されリン
資源として利用され、上澄水は曝気槽4に戻され
る。消石灰とリンの反応は、化学量論的に消石灰
が消費されず、リン濃度に無関係に溶液中のPHに
依存する。反応条件としてPH8.4〜9.2にコントロ
ールすれば、リンはほぼ完全にカルシウムヒドロ
キシアパタイトとして固定される。PHが9.2より
高いと未反応のCa++分やCaCO3等の含有量が増
加し、実質的にカルシウムヒドロキシアパタイト
を主成分とする汚泥中のリン含有率が低下する。
従つてPH条件が同じならば溶液中のリン濃度が高
い程未反応のカルシウム分等が少なくなりカルシ
ウムヒドロキシアパタイトの純度が高くなる。例
えば10%以上の含有リン濃度のカルシウムヒドロ
キシアパタイトを得るには、消石灰と反応させる
溶液中のリン濃度は25mg/以上あるのが好まし
い。凝集スラツジ14が分離された上澄水は、排
水とともに嫌気槽3に送られる。 第2図は、脱窒槽15を加えて、硝化液循環ラ
イン16を加え、リン以外に窒素の除去も行なう
プロセスである。その他は同一であり、同一部分
には同一符号を付してその説明を省略する。 次に実施例を示し本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例 1 下水処理場の最初沈澱池溢流下水を用い、第1
図の方法によつて処理した。溢流下水の組成を第
1表に示す。 (a) 使用した装置の大きさは、嫌気槽:1.5m3、
曝気槽:4.5m3、最終沈澱槽:9m3、撹拌槽:
20、嫌気リン放出槽:50、反応槽:2、
沈降槽:20である。 なお、最終沈澱槽の引抜汚泥の汚泥濃度は、
1.5%より高かつたため濃縮手段を省略した。 (b) 操作条件は次の如し。下水排水流量は、36
m3/日となるように調整した。曝気槽での活性
汚泥濃度は、平均MLSS:3500mg/、
MLVSS:2440mg/であつた。また各槽にお
ける帯留時間はほぼ、嫌気槽:1時間、曝気
槽:3時間、撹拌槽:3.3時間、嫌気リン放出
槽:8.2時間、反応槽:20分、沈降槽:3.3時間
とした。また、返送汚泥量は0.26Q、返送汚泥
濃度は約17000mg/である。一方嫌気リン放
出槽の下部より引抜かれる汚泥量は0.15m3/
日、嫌気リン放出槽下部に導入される洗浄水と
しては、最終沈澱槽の上澄水を用い、その量は
0.15m3/日とした。また、反応槽はPH8.6〜9.2
にコントロールした。処理した結果を第1表、
第2表に示す。
を生物学的処理によつて浄化するとともに含有す
るリンを濃縮回収する方法に関する。 し尿、下水などの生活排水、或いは、各種工場
排水には有機物とともに窒素及びリン酸塩類が含
まれている。これ等排水が自然水域、特に閉鎖水
域に流入すると富栄養化の原因となつて重大な汚
染を招くことは周知である。特にリンは、上記富
栄養化の第1誘因物と考えられている。 このため、排水からリンを除去する事が要請さ
れている。又、リンは有用な資源であり、濃縮出
来ればリン資源として使用出来るため高い濃度で
リンを固定する方法は種々研究されている。 資源として利用するには、リン資源として使用
されるリン鉱石が通常P2O5として30%以上(P
として13%以上)であることから、少くなくとも
Pとして10%以上好ましくは13%以上が必要であ
る。その他リン資源として必要な条件としては次
の事が挙げられる。(1)アルミニウム、鉄等の塩の
含有量が少ないこと。これは最終製品まで残るか
らである。(2)有機物が少ないこと。有機物が入つ
ていると製品品質が低下する。(3)重金属、有害物
質がないこと。これが入つていると肥料等の原料
としては使用出来ない。このような観点からリン
の除去回収法について多くの提案がなされてい
る。例えば生物学的脱リン法、イオン交換樹脂
法、化学的凝集沈澱法などがある。これ等のう
ち、生物学的脱リン法は、従来の活性汚泥処理プ
ロセスの中でBOD、SS等とともにリン酸塩類も
同時に除去されるので、優れた処理方法として評
価されている。生物学的脱リン法は、リン酸塩類
が好気性汚泥処理によつて汚泥中に過剰に取込ま
れ、この汚泥を嫌気状態とすればリンが放出され
る性質を利用したもので、リンの固定濃度を高く
するため例えば特開昭54−24774号等の方法が提
案されている。この方法は、好気性汚泥処理によ
つて汚泥中にリンを高濃度に取込むことを目的と
するもので、汚泥に対するリンの濃度を通常5〜
15%とすることが出来る。しかし、この汚泥は脱
水工程を経て処理されるが、脱水工程に入る前に
濃縮、貯留工程が入り、ここで帯留時間が半日か
ら1日かかるため嫌気状態となりリンの放出が始
まり、放出されたリンを含有した溶液は結局排水
中に戻されるので、排水のリン負荷量が増大し、
リンが処理水に出て来ることとなる。 本発明者らは、リン酸塩類が含有された有機排
水を浄化するとともにリン資源として十分使用出
来る程度にまで含有濃度を高めた汚泥を得べく鋭
意研究した結果、(1)汚泥の濃度が1.5%以上にな
ると、嫌気リン放出槽8内における単位汚泥当り
のリン放出速度が急速に早くなること。(2)嫌気状
態にしてリンを放出せしめる場合、静置状態でリ
ンを放出せしめるのに比して、撹拌すると以後静
置又は撹拌するにかかわらず汚泥のリン放出速度
が早くなること。を知見した。 本発明は、以上の知見に基づいて完成されたも
ので、リン成分を含有する有機排水を生物学的処
理により浄化し、汚泥に取込んだリン成分を嫌気
状態に維持することにより溶液中に放出せしめ従
来のリン除去法を改良して、排水の浄化とともに
排出する凝集スラツジをリン資源として利用出来
る程度までリン含有濃度を高め得る方法を提供す
ることを目的とするものである。即ち、本発明の
要旨はリン酸塩類を含有する有機排水を生物学的
処理する処理法において、上記排水に対し嫌気処
理、曝気処理を順次行なつて、有機物を除去する
とともに含有するリン酸塩を汚泥に摂取せしめ、
このリン酸塩を摂取した汚泥の混合液を沈降分離
して、上澄水は系外に放流し、沈降した汚泥の一
部は、返送汚泥とし、残部の汚泥を嫌気リン放出
槽に導入するに際し、上記嫌気リン放出槽に、汚
泥濃度が1.5%以上で、かつ撹拌処理した汚泥を
導入して、汚泥中のリンを溶液中に放出せしめ、
リン酸分を放出した濃縮汚泥と、汚泥より放出さ
れたリン酸分を含有した上澄水に分離し、該上澄
水を凝沈処理し、沈降したスラツジを系外に取出
し、リン資源として利用することを特徴とした排
水中のリンの除去回収法である。 以下本発明を図面を参照して説明する。 第1図は、本発明の実施する方法の代表的フロ
ーシートを示すもので、図中符号1は、リン酸塩
を含む有機排水の導入ラインである。リン酸を含
む有機排水は、返送汚泥ライン2により返送され
る返送汚泥とともに嫌気槽3に導入される。嫌気
槽3において返送汚泥中に含有されているリンは
溶液中に放出され、汚泥はリンを摂取し易い状態
となる。嫌気処理された汚泥混合液は、曝気槽4
に導入され、BOD等が除去されるとともに、含
有するリンは汚泥中に摂取される。曝気処理され
た混合液は、最終沈澱槽5に導かれ沈降分離さ
れ、上澄水は放流される。沈降分離されたリンを
含有した汚泥は、一部返送汚泥としてライン2よ
り嫌気槽3に送られ、残部余剰汚泥はリン回収系
に送られる。リン回収系に送られる汚泥(通常汚
泥濃度1.0%以下である)は、先ず汚泥を1.5%以
上の汚泥濃度になるように濃縮する。濃縮する方
法としては特に限定しないが、例えば遠心濃縮装
置を好ましい例としてあげることができる。しか
し、上記最終沈澱槽から排出される汚泥濃度が
1.5%以上であれば、上記濃縮は行なわなくても
よい。この濃度1.5%以上の汚泥を撹拌槽7に導
き撹拌する。静置状態でリンを放出させるのに比
して、撹拌を加えると以後静置又は撹拌するに
かゝわらず汚泥のリン放出速度が早くなり、嫌気
リン放出槽8に入れる前に、少なくとも1時間程
度度撹拌すれば、嫌気リン放出槽8におけるリン
放出速度を早めることができる。撹拌の方法及び
装置は特に限定しないが撹拌エネルギーとして槽
m3当り少なくとも0.15軸KWとするのが好まし
い。以上の操作は当然のことながら空気遮断の状
態で行なわれる。撹拌槽7より出た混合液は、次
いで嫌気リン放出槽8に導かれる。嫌気リン放出
槽8における帯留時間は1〜10時間である。この
場合汚泥濃度は、1.5%以上でありかつリン放出
速度は、撹拌によつて早められているので、嫌気
リン放出槽8の上澄液中のリン濃度を高くするこ
とができる。すなわち嫌気リン放出槽8において
リンを放出しながら沈降する汚泥は、ライン9′
によつて導入される低リン溶液又は実質的にリン
を含まない液によつて向流洗浄され、リンは効率
的に溶液中に移行される。上記洗浄液としては、
最終沈澱槽5の放出上澄水(ライン9)、沈降槽
13の上澄水(ライン10′)、又は流入水(ライ
ン10)を用いて行なわれる。嫌気リン放出槽8
においてリンを放出した汚泥11は引抜かれ系外
に除去されるが、一部嫌気槽3に返送されること
もある。又嫌気リン放出槽8の上澄水である高濃
度リン溶出液に対しては、公知のリン除去方法を
適用することができる。その一例として石灰凝沈
法について説明する。高濃度リン溶出液は反応槽
12に入りPH8.4〜9.2となるように、消石灰12
aが添加されカルシウムヒドロキシアパタイトが
生成される。次いでこの反応液は、沈降槽13に
導入されカルシウムヒドロキシアパタイトを主成
分とする凝集スラツジ14は系外に取出されリン
資源として利用され、上澄水は曝気槽4に戻され
る。消石灰とリンの反応は、化学量論的に消石灰
が消費されず、リン濃度に無関係に溶液中のPHに
依存する。反応条件としてPH8.4〜9.2にコントロ
ールすれば、リンはほぼ完全にカルシウムヒドロ
キシアパタイトとして固定される。PHが9.2より
高いと未反応のCa++分やCaCO3等の含有量が増
加し、実質的にカルシウムヒドロキシアパタイト
を主成分とする汚泥中のリン含有率が低下する。
従つてPH条件が同じならば溶液中のリン濃度が高
い程未反応のカルシウム分等が少なくなりカルシ
ウムヒドロキシアパタイトの純度が高くなる。例
えば10%以上の含有リン濃度のカルシウムヒドロ
キシアパタイトを得るには、消石灰と反応させる
溶液中のリン濃度は25mg/以上あるのが好まし
い。凝集スラツジ14が分離された上澄水は、排
水とともに嫌気槽3に送られる。 第2図は、脱窒槽15を加えて、硝化液循環ラ
イン16を加え、リン以外に窒素の除去も行なう
プロセスである。その他は同一であり、同一部分
には同一符号を付してその説明を省略する。 次に実施例を示し本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例 1 下水処理場の最初沈澱池溢流下水を用い、第1
図の方法によつて処理した。溢流下水の組成を第
1表に示す。 (a) 使用した装置の大きさは、嫌気槽:1.5m3、
曝気槽:4.5m3、最終沈澱槽:9m3、撹拌槽:
20、嫌気リン放出槽:50、反応槽:2、
沈降槽:20である。 なお、最終沈澱槽の引抜汚泥の汚泥濃度は、
1.5%より高かつたため濃縮手段を省略した。 (b) 操作条件は次の如し。下水排水流量は、36
m3/日となるように調整した。曝気槽での活性
汚泥濃度は、平均MLSS:3500mg/、
MLVSS:2440mg/であつた。また各槽にお
ける帯留時間はほぼ、嫌気槽:1時間、曝気
槽:3時間、撹拌槽:3.3時間、嫌気リン放出
槽:8.2時間、反応槽:20分、沈降槽:3.3時間
とした。また、返送汚泥量は0.26Q、返送汚泥
濃度は約17000mg/である。一方嫌気リン放
出槽の下部より引抜かれる汚泥量は0.15m3/
日、嫌気リン放出槽下部に導入される洗浄水と
しては、最終沈澱槽の上澄水を用い、その量は
0.15m3/日とした。また、反応槽はPH8.6〜9.2
にコントロールした。処理した結果を第1表、
第2表に示す。
【表】
【表】
嫌気リン放出槽の上澄水のT−P濃度は、120
〜190mg/範囲で安定しており、したがつて、
これを消石灰と反応せしめて分離乾燥したカルシ
ウムヒドロキシアパタイトを主成とした汚泥中の
T−P濃度は、15〜17%となり、リンの資源とし
て十分使用することが出来る。 実施例2、比較例1 種々な濃度の汚泥を用い、いずれも20℃の温度
下、撹拌槽で滞留時間3.3時間で撹拌し、嫌気リ
ン放出槽に導入し、滞留時間8.2時間で固液分離
し、上澄水中のTotal−P濃度、およびリン放出
速度を測定した。結果を第3表に示す。
〜190mg/範囲で安定しており、したがつて、
これを消石灰と反応せしめて分離乾燥したカルシ
ウムヒドロキシアパタイトを主成とした汚泥中の
T−P濃度は、15〜17%となり、リンの資源とし
て十分使用することが出来る。 実施例2、比較例1 種々な濃度の汚泥を用い、いずれも20℃の温度
下、撹拌槽で滞留時間3.3時間で撹拌し、嫌気リ
ン放出槽に導入し、滞留時間8.2時間で固液分離
し、上澄水中のTotal−P濃度、およびリン放出
速度を測定した。結果を第3表に示す。
【表】
第3表より、汚泥濃度が1.5%以上となると、
上澄水中のTotal−P、リン放出速度が大幅に高
くなることがわかる。 実施例3、比較例2 同じ汚泥濃度の汚泥を用い、一方は滞留時間
3.3時間で撹拌し、他方は撹拌しないでそれぞれ
嫌気リン放出槽に導入し、8.0時間滞留させて上
澄水中のTotal−Pおよびリン放出速度を測定し
た。結果を第4表に示す。
上澄水中のTotal−P、リン放出速度が大幅に高
くなることがわかる。 実施例3、比較例2 同じ汚泥濃度の汚泥を用い、一方は滞留時間
3.3時間で撹拌し、他方は撹拌しないでそれぞれ
嫌気リン放出槽に導入し、8.0時間滞留させて上
澄水中のTotal−Pおよびリン放出速度を測定し
た。結果を第4表に示す。
【表】
第4表から、撹拌により嫌気リン放出槽におけ
る上澄水中のTotal−P濃度、およびリン放出速
度が大幅に高くなることがわかる。
る上澄水中のTotal−P濃度、およびリン放出速
度が大幅に高くなることがわかる。
第1図は本発明の方法を実施する装置の一例を
示すフローシート、第2図は、第1図のフローシ
ートに脱窒槽を付加した図である。 1……排水導入ライン、2……返送汚泥ライ
ン、3……嫌気槽、4……曝気槽、5……最終沈
澱槽、6……濃縮手段、7……撹拌槽、8……嫌
気リン放出槽、9,9′,10,10′……洗浄水
導入ライン、11……嫌気リン放出槽の沈降汚
泥、12……反応槽、12a……消石灰、13…
…沈降槽、14……凝集スラツジ、15……脱窒
槽、16…硝化液循環ライン。
示すフローシート、第2図は、第1図のフローシ
ートに脱窒槽を付加した図である。 1……排水導入ライン、2……返送汚泥ライ
ン、3……嫌気槽、4……曝気槽、5……最終沈
澱槽、6……濃縮手段、7……撹拌槽、8……嫌
気リン放出槽、9,9′,10,10′……洗浄水
導入ライン、11……嫌気リン放出槽の沈降汚
泥、12……反応槽、12a……消石灰、13…
…沈降槽、14……凝集スラツジ、15……脱窒
槽、16…硝化液循環ライン。
Claims (1)
- 1 リン酸塩類を含有する有機排水を生物学的処
理する処理法において、上記排水に対し嫌気処
理、曝気処理を順次行なつて、有機物を除去する
とともに含有するリン酸塩を汚泥に摂取せしめ、
このリン酸塩を摂取した汚泥の混合液を沈降分離
して上澄水は系外に放流し、沈降した汚泥の一部
は、返送汚泥とし、残部の汚泥を嫌気リン放出槽
に導入するに際し、上記嫌気リン放出槽に、汚泥
濃度が1.5%以上で、かつ撹拌処理した汚泥を導
入して、汚泥中のリンを溶液中に放出せしめ、リ
ン酸分を放出した濃縮汚泥と、汚泥より放出され
たリン酸分を含有した上澄水に分離し、該上澄水
を凝沈処理し、沈降したスラツジを系外に取出
し、リン資源として利用することを特徴とした排
水中のリンの除去回収法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5227081A JPS57167797A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Removing and recovering method for phosphorus in waste water |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5227081A JPS57167797A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Removing and recovering method for phosphorus in waste water |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57167797A JPS57167797A (en) | 1982-10-15 |
JPH0131440B2 true JPH0131440B2 (ja) | 1989-06-26 |
Family
ID=12910080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5227081A Granted JPS57167797A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Removing and recovering method for phosphorus in waste water |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57167797A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4650585A (en) * | 1984-04-17 | 1987-03-17 | Air Products And Chemicals, Inc. | Method for minimizing diurnal swing in phosphorus content of effluent streams from wastewater treating plants |
DE10227533C1 (de) * | 2002-06-20 | 2003-12-11 | Groz Beckert Kg | Nadel mit Umhängefeder |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52124768A (en) * | 1976-04-12 | 1977-10-20 | Air Prod & Chem | Method of inhibiting breeding of fiborous biomass |
JPS5539243A (en) * | 1978-09-12 | 1980-03-19 | Ebara Infilco Co Ltd | Biologically treating method for waste water |
JPS55155798A (en) * | 1979-05-23 | 1980-12-04 | Ebara Infilco Co Ltd | Treating method of organic waste water |
-
1981
- 1981-04-07 JP JP5227081A patent/JPS57167797A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52124768A (en) * | 1976-04-12 | 1977-10-20 | Air Prod & Chem | Method of inhibiting breeding of fiborous biomass |
JPS5539243A (en) * | 1978-09-12 | 1980-03-19 | Ebara Infilco Co Ltd | Biologically treating method for waste water |
JPS55155798A (en) * | 1979-05-23 | 1980-12-04 | Ebara Infilco Co Ltd | Treating method of organic waste water |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57167797A (en) | 1982-10-15 |
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