JPH0130775Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁継電器における構造の改善に関す
るものである。

従来における電磁継電器の構造は第１図乃至第
３図に示す如く、電磁コイル３が巻回されたコイ
ルボビン２がコ字状のヨーク４内に収容されポー
ル５により固定されており、このヨーク４の端部
が合成樹脂製のケース１の四隅に突設した厚肉部
に圧入保持されている。このケース１にはターミ
ナルから延長したリードラグ７が植設され、リー
ドラグ７の一端にコイルがヒユージングされてコ
イルボビン２に支持された中継ラグ８の他端に電
気溶接されている。そしてケース１には、接点Ａ
を有する接点固着部１２から伸びるターミナル１
０と接点Ｂを有する板スプリング９を固着したタ
ーミナル２０とを植設し、板スプリング９とコイ
ルボビン２との間にコイルスプリング９′で付勢
されたアーマチユア６が設けてある。作動につい
ては、電磁コイル３に通電すると、アーマチユア
６はヨーク４とポール５に第２図に図示する如
く、コイルスプリング９′にうちかつた力で矢印
方向に引付けられる為、板スプリング９は元に戻
るかたちで接点Ａ，Ｂを閉成して出力回路側を閉
じる。しかし、接点Ａ，Ｂが接触する部分は他の
部分に比べて通電電流によつて最も発熱し易く、
第３図に示す如く植設されたターミナル１０の周
囲の合成樹脂製のケース１が溶解して変形して、
ターミナル１０がぐらついて接点に位置ズレを生
じるという不具合があつた。そして、この種装置
は合成樹脂製のケース１にカバーをカシメ固定し
たりターミナルの相手部材を挿入するために、ケ
ース１の剛性不足によつてケース１に歪を生じて
内部機構に位置ズレを生じるという恐れもあつ
た。

本考案はこれらの点に鑑みなされたもので、接
点の接触時に発生する熱による不具合を解消する
と共に、合成樹脂製のケースの剛性を向上した電
磁継電器を提供することを目的とするものであ
る。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本考案
を説明する。第４図、第５図は本考案実施例を示
すもので、図面において接点Ａを有する接点固着
部１２と、そこから伸びるターミナル１１と、こ
の接点固着部１２から屈曲してターミナル１１と
反対方向に伸びる平板状の温度上昇の抑制体１３
とが、導電性の金属板体をプレス成形することで
一体成形されている。このターミナル１１を合成
樹脂製ケース１４に植設すると共に、平板状の抑
制体１３の端面に凸部１３ａを形成し、この抑制
体１３をケース１４の四隅に突設した厚肉部１５
の凹部１５ａに挿入してケース１４の厚肉部１５
の間に圧入保持する。このことにより、接点Ａが
接点Ｂに対面して位置決めされる。そして、他の
構成は従来と同様である。以上の如きであるか
ら、接点が接触して接点固着部１２周辺に発生し
た熱が温度上昇の抑制体１３によつて拡散放熱さ
れ、ターミナル１１等の温度上昇を抑制する。そ
して、合成樹脂製ケース１４の四隅に突設した厚
肉部１５の間に平板状の抑制体１３を圧入保持す
ることでケース１４の剛性が向上し、接点Ａをタ
ーミナル１１と抑制体１３とで位置決めするの
で、接点Ａの位置決め精度が向上する。

本考案は前述の如きであるから、電磁継電器に
おいて、接点を有する接点固着部から屈曲して一
体となつて伸びる温度上昇の抑制体を設けたの
で、接点が接触して接点固着部周辺に発生した熱
が温度上昇の抑制体によつて拡散放熱され、ター
ミナル周辺の合成樹脂部材が溶解して変形するこ
とによるターミナルのぐらつきや接点の位置ズレ
を防止することが出来、合成樹脂製ケースの四隅
に突設した厚肉部の間に平板状の抑制体を圧入保
持し、この抑制体をケースの補強材とすることで
ケースの剛性が向上し、合成樹脂製ケースにカバ
ーをカシメ固定したり、ターミナルの相手部材を
ケースに挿入する際に生じるケースへの応力に対
してケースに歪を生じることがなく、内部機構の
位置ズレが防止出来る。そして、ヨークを保持す
るためにケースの四隅に突設した厚肉部の間に平
板状の抑制体を圧入保持することで、抑制体がケ
ースの外側や内側に突き出したりせず、電磁継電
器を大型化することなく高い放熱効果が得られ、
接点がターミナルと抑制体とで位置決めされるの
で、接点が堅固にケースに保持されると共に組付
け時に接点の倒れ等を生じることがなく接点の位
置決め精度を向上することが出来る等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す電磁継電器の外観構造斜
視図、第２図は従来例を示す電磁継電器の作動説
明図、第３図イは従来例を示す電磁継電器のター
ミナル埋込み部の斜視図、第３図ロは従来例を示
す電磁継電器の断面図、第４図は本考案実施例を
示す温度上昇の抑制体を示す斜視図、第５図は本
考案実施例を示す電磁継電器の斜視図である。 符号の説明、１，１４……ケース、２……コイ
ルボビン、３……電磁コイル、４……ヨーク、５
……ポール、６……アーマチユア、７……リード
ラグ、８……中継ラグ、９……板スプリング、
９′……コイルスプリング、１０，１１，２０…
…ターミナル、１２……接点固着部、１３……温
度上昇の抑制体、１３ａ……凸部、１５……厚肉
部、１５ａ……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製のケース１４に接点Ａを有する接点
   固着部１２から伸びるターミナル１１と接点Ｂを
   有する板スプリング９を固着したターミナル２０
   とを植設し、該ケース１４の四隅にヨーク４を保
   持する厚肉部１５を突設し、該厚肉部１５の間に
   電磁コイル３を巻装したコイルボビン２を収容す
   るコ字状のヨーク４を圧入保持し、前記コイルボ
   ビン２と板スプリング９との間にアーマチユア６
   を配設した電磁継電器において、前記接点固着部
   １２から屈曲してターミナル１１と反対方向に伸
   びる平板状の温度上昇の抑制体１３を、前記ター
   ミナル１１と接点固着部１２と共に一体成形して
   設け、前記ターミナル１１をケース１４に植設す
   ると共に、前記抑制体１３を厚肉部１５の間に圧
   入保持して接点Ａを位置決めしたことを特徴とす
   る電磁継電器。