JPH0130770Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、継電器、とくに内燃機関始動装置
に装着される継電器の改良に関するものである。

従来、この種の継電器として第１図に示すもの
があつた。第１図において、１は継電器、２は軟
鋼板のプレス加工によつて製造された有底筒状の
継鉄、３は上記継鉄２の大径先端部２ａ内周面に
ゴム製パツキング４およびキヤツプ集合体５と共
に図示しない螺子で螺着されたフランジであつ
て、フランジ３はこれの中心部の貫通穴３ａにか
しめ固着されたカラー６と共に磁気回路を構成し
ている。７はソレノイドであり、このソレノイド
７はナイロンなどの合成樹脂材からなるボビン
８、このボビン８に巻装されたソレノイドコイル
９およびボビン８の内周面に嵌着された非磁性で
筒状のブツシユ１０で構成され、軟鋼板のプレス
加工で構成されたワツシヤ１１および非磁性ステ
ンレス鋼板（JIS SUS304など）でプレス加工さ
れたプレート１２と共に上記継鉄２に収納固定さ
れている。１３はブツシユ１０の内周面に摺動可
能に遊挿された可動鉄心であつて、可動鉄心１３
は上記ソレノイド７の通電付勢によつてカラー６
方向に吸引され、可動接点集合体１４を押圧付勢
するように構成されている。１５は合成樹脂材で
構成された可動接点軸、１６は可動接点、１７は
接点押圧スプリング、１８はばね受であり、ばね
受１８は可動接点集合体１４を第１図右方に押圧
付勢する圧縮用コイルスプリング１９の受圧座面
を構成するように可動接点軸１５の後端部に装着
されている。２０は上記可動接点１６に対向して
樹脂部材で構成されたキヤツプ２１の貫通穴２２
に螺着された１対の固定接点、２３はソレノイド
コイル９のリード線９ａが接続されたターミナル
である。

次に、上記構成の従来の継電器の動作について
説明する。ターミナル２３に外部電源電圧が印加
されて、ソレノイドコイル９が通電付勢される
と、継鉄２−フランジ３−カラー６−空隙−可動
鉄心１３−ワツシヤ１１−継鉄２の磁気閉回路が
構成され、空隙部に発生する磁気吸引力で可動鉄
心１３がカラー６に吸着される。この吸着によ
り、可動接点軸１５が第１図左方に移動されて、
可動接点集合体１４が左方に移動され、このた
め、可動接点１６が固定接点２０に当接され、接
点閉回路が構成される。ソレノイドコイル９の付
勢が解除されると、圧縮用コイルスプリング１９
の付勢力で可動接点軸１５が第１図右方に押圧付
勢され可動接点集合体１４および可動鉄心１３が
第１図の状態に復帰される。プレート１２は、可
動鉄心１３の復帰力を受圧し、可動鉄心１３を係
止してこれの軸方向位置決め機能を果している。
ここで「軸方向位置決め」とは、可動鉄心１３の
静止位置すなわち可動鉄心１３とカラー６との間
における軸方向間隔（磁気吸引空隙）寸法の決定
を意味する。また、プレート１２は、上述の磁気
閉回路を構成するために継鉄２の底部と可動鉄心
１３との間の空隙部分を形成する機能も有してい
る。

上述のような従来の継電器は、磁気空隙部を構
成するプレート１２を必要とし、構造が複雑で高
価になる欠点があつた。

この考案は、上述のような従来のものの欠点を
除去するためになされたもので、補強のためにソ
レノイド内周面に装着されたブツシユを延長し、
このブツシユに突起部を設けることにより、構造
を単純化し、小型で軽量な継電器を提供すること
を目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。

第２図において、２４はソレノイドであつて、
このソレノイド２４は、従来のものと同様な材質
で構成されたボビン２５の内周面に、これを貫通
して非磁性材からなる筒状のブツシユ２６が嵌着
されている。また、ボビン２５の外周には従来の
ものと同様なソレノイドコイル９が巻装されてい
る。さらに、ブツシユ２６には、内周面に突出さ
れる突起部２７が円周方向の複数個所（または１
個所）に打出し加工され、可動鉄心１３の当接座
面を構成している。なお、この実施例の上述した
以外の構造は、第１図に示す従来の継電器と同様
に構成されているので、これらの部分は第２図中
に第１図と同一符号を付して説明を省略する。

この実施例の継電器は、可動鉄心１３がその静
止位置でブツシユ２６の内周面に形成された突起
部２７に当接して位置決めされ、これにより可動
鉄心１３とカラー６との間における軸方向間隔で
ある磁気吸引空隙の寸法を設定することができる
ので、従来のものの機能を損なうことなく、プレ
ート１２が省略できる。

なお、ブツシユ２６は黄銅によつて構成された
パイプ材を使用して製造すれば、きわめて低コス
トで上記作用を有するものが得られる。

以上説明したように、この考案によれば、ソレ
ノイド２４の内周面に非磁性の筒状ブツシユ２６
を装着し、このブツシユ２６に可動鉄心１３の静
止位置を位置決めし磁気吸引空隙の寸法を設定す
る突起部２７を突設したので、継電器としての機
能を損なうことなく構造の単純化ができ、また、
小型、軽量化ができて、コストダウンの可能な継
電器を提供できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の継電器の同図Ｉ−Ｉ線上半部と
下半部とが互いに直角方向の縦断面を示す図、第
２図はこの考案の一実施例による継電器の要部を
示す断面図、第３図ａは第２図の継電器のブツシ
ユを示す正面図、第３図ｂは第３図ａのＢ−Ｂ線
断面図である。 ２……継鉄、７，２４………ソレノイド、８，
２５……ボビン、１３……可動鉄心、１０，２６
……ブツシユ、２７……突起部。なお、図中、同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ソレノイドの内部空間に摺動可能に嵌挿された
   可動鉄心の移動によつて押圧付勢されて閉成され
   る接点を備えた継電器において、前記ソレノイド
   の内周面に装着され、前記可動鉄心が遊嵌される
   非磁性筒状のブツシユと、前記可動鉄心の静止位
   置を決め前記可動鉄心とこれに対向する固定鉄心
   との間の磁気吸引空隙寸法を設定すべく前記ブツ
   シユの内周壁を部分的に内方へ突出させて形成さ
   れた少なくとも１つの突起部とを備えてなる継電
   器。