JP4232732B2 - 電磁スイッチ - Google Patents
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Description
この電磁スイッチは、スタータの所定位置に組み付けられる前のスイッチ単体で、プランジャ120がスプリング150の反力で反鉄心方向(図示右方向)へ押し戻された時に、インシュレータ140をストッパとして鉄心160の端部に当接させている。
本発明の電磁スイッチは、インシュレータを介して可動接点を支持するシャフトがプランジャに固定されており、且つ、スタータの所定位置に組み付けられる前のスイッチ単体の状態で、プランジャがスプリングの反力で反鉄心方向へ押し戻される時に、そのプランジャの戻り力をインシュレータが鉄心に当接することで受け止める構造であり、鉄心は、インシュレータの端面が当接する当たり面を有すると共に、鉄心の反プランジャ側の端面と当たり面との間に段差が設けられて、当たり面が反プランジャ側の端面より低く形成されていることを特徴とする。
また、インシュレータの厚みの増大分を段差の高さ(深さ)より小さくすれば、両者の差分(段差の高さ−増大分)だけ、プランジャが反鉄心方向へ突出する量が増えることになり、スタータへの組み付けが容易になる。
請求項1に記載した電磁スイッチにおいて、鉄心は、反プランジャ側の端面と当たり面との間に設けられる段差が、インシュレータの厚みより小さく形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、インシュレータの端面が鉄心の当たり面に当接した状態で、可動接点が鉄心の反プランジャ側の端面に当たることはないので、可動接点の薄板化が可能である。つまり、プランジャが反鉄心方向へ押し戻された時に、可動接点をストッパとして鉄心に当接させる必要がないので、プランジャの戻り力に耐え得るだけの強度を可動接点に持たせる必要もなく、その分、可動接点の薄板化および軽量化が可能である。
請求項1または2に記載した電磁スイッチにおいて、インシュレータは、中央部に丸孔が開口するリング板状に設けられ、丸孔にシャフトを挿通して取り付けられており、プランジャの外周に確保される径方向のクリアランスより、インシュレータの外径と段差の内径との間に確保されるクリアランスの方が大きく設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、プランジャが径方向にずれた場合、あるいは傾いた場合でも、インシュレータが鉄心の端面に乗り上げることはなく、プランジャの戻り不良を防止できる。
本発明の電磁スイッチは、インシュレータを介して可動接点を支持するシャフトがプランジャに固定されており、且つ、スタータの所定位置に組み付けられる前のスイッチ単体の状態で、プランジャがスプリングの反力で反鉄心方向へ押し戻される時に、そのプランジャの戻り力をインシュレータが鉄心に当接することで受け止める構造であり、鉄心は、インシュレータが当接する当たり面を有すると共に、この当たり面が鉄心の反プランジャ側の端面からテーパ形状に窪んで形成され、インシュレータには、当たり面のテーパ形状に対応して、テーパ形状に突き出るストッパ面が設けられ、このストッパ面が当たり面にテーパ嵌合することを特徴とする。
請求項4に記載した電磁スイッチにおいて、ストッパ面が当たり面にテーパ嵌合した状態で、鉄心と可動接点との間に所定の隙間が維持されていることを特徴とする。
この構成によれば、可動接点が鉄心の反プランジャ側の端面に当たることはないので、可動接点の薄板化が可能である。つまり、プランジャが反鉄心方向へ押し戻された時に、可動接点をストッパとして鉄心に当接させる必要がないので、プランジャの戻り力に耐え得るだけの強度を可動接点に持たせる必要もなく、その分、可動接点の薄板化および軽量化が可能である。
実施例1に係る電磁スイッチ1は、図1に示す様に、カップ形状を有するスイッチヨーク2と、磁気回路の一部を形成するステーショナリコア3と、ボビン4に巻線されてスイッチヨーク2の内部に収容される励磁コイル5と、ボビン4の内周にスリーブ6を介して挿入されるプランジャ7と、このプランジャ7に固定されるシャフト8と、スタータ(図示せず)のモータ回路に設けられるモータ接点(後述する)等より構成される。
ステーショナリコア3は、中央部に丸孔が開口する環状体であり、スイッチヨーク2の底壁部2aとの間に励磁コイル5を挟んでスイッチヨーク2の開口部側に配置されている。このステーショナリコア3の内周側は、ボビン4の内側まで軸方向に延設されている。
スリーブ6は、例えば、ステンレス製で円筒形状に設けられ、ボビン4の内周からスイッチヨーク2の底壁部2aに開口する丸孔の内周にかけて配設されている。
このプランジャ7には、反コア側に開口する筒状の凹部7aが形成され、この凹部7aに伝達ロッド10が挿入されている。伝達ロッド10は、プランジャ7の動きをシフトレバー(図示せず)に伝達するもので、凹部7aから突き出る一方の端部にシフトレバーの端部が係合する係合溝10aが形成されている。なお、プランジャ7の凹部7aには、伝達ロッド10の周囲にドライブスプリング11が配置され、このドライブスプリング11の反力により、伝達ロッド10の端面が凹部7aの底面に押し付けられている。
モータ接点は、2本の端子ボルト12、13を介してモータ回路に接続される一組の固定接点14と、この一組の固定接点14に対向して可動する可動接点15とで構成され、可動接点15が両固定接点14に当接して両固定接点14間を導通することによりモータ接点が閉状態となり、可動接点15が両固定接点14から離れて両固定接点14間の導通が遮断されることでモータ接点が開状態となる。
接点カバー16は、ステーショナリコア3の外側にゴムパッキン17を挟んで配置され、スイッチヨーク2の開口部にかしめ固定されている。
インシュレータ18は、例えば、樹脂製であり、中央部に丸孔が開口するリング板状に設けられ、丸孔にシャフト8を挿通して取り付けられる。丸孔の周囲には、図2に示す様に、板厚方向の一方側(図2の右側)へ突き出る円筒ボス部18aが設けられ、この円筒ボス部18aの外周に可動接点15が支持される。
保持板19は、可動接点15の反インシュレータ側に配置され、インシュレータ18と共に可動接点15をシャフト8に対して絶縁保持している。
一方、インシュレータ18は、図2に示す様に、円筒ボス部18aを除く厚みtが、ステーショナリコア3に設けられた段差の高さ(深さ)Dより大きく(厚く)設けられている。従って、インシュレータ18の端面がステーショナリコア3の当たり面3aに当接した時に、可動接点15がコア端面3bに当接することはなく、両者間に所定の隙間xが維持される。
励磁コイル5が通電されてステーショナリコア3が磁化されると、軸方向に対向するステーショナリコア3とプランジャ7との間に吸引力が作用するため、プランジャ7がステーショナリコア3に吸引されて、リターンスプリング9を押し縮めながら図1の右方向へ移動する。このプランジャ7の移動により、シャフト8の端部に支持された可動接点15が固定接点14に当接してモータ接点が閉状態になる。
その後、励磁コイル5への通電停止により吸引力が消滅して、リターンスプリング9の反力でプランジャ7が図1の左方向へ押し戻されると、可動接点15が固定接点14から引き離されて、モータ接点が開状態となる。
本実施例の電磁スイッチ1は、図1に示すスイッチ単体の状態で、プランジャ7がリターンスプリング9の反力により反コア方向へ押し戻された時に、ステーショナリコア3のコア端面3bより低く形成された当たり面3aにインシュレータ18の端面が当接する。つまり、ステーショナリコア3に段差を設けたことにより、インシュレータ18の端面がステーショナリコア3の当たり面3aに当接した時に、ステーショナリコア3とインシュレータ18とが軸方向にオーバラップするので、インシュレータ18の厚みtを厚くしても、電磁スイッチ1の軸長が増大することはなく、インシュレータ18の厚みtを厚くしたことにより、インシュレータ18の強度向上を図ることができる。
C1<C2……………………………………(1)
これにより、スリーブ6の内側でプランジャ7が径方向にずれた場合、あるいは傾いた場合でも、インシュレータ18がコア端面3bに乗り上げることはないので、プランジャ7の戻り不良を防止できる。
この実施例3に係る電磁スイッチ1は、ステーショナリコア3の当たり面3aがコア端面3bからテーパ形状に窪んで形成され、インシュレータ18には、当たり面3aのテーパ形状に対応して、テーパ形状に突き出るストッパ面18bが設けられ、このストッパ面18bが当たり面3aにテーパ嵌合する構成を有する。
また、ストッパ面18bが当たり面3aにテーパ嵌合した時に、可動接点15がステーショナリコア3に当たることはなく、可動接点15とコア端面3bとの間に所定の隙間が維持されている。
また、可動接点15がコア端面3bに当たることはないので、実施例1に記載した様に、プランジャ7の戻り力に耐え得るだけの強度を可動接点15に持たせる必要はなく、その分、可動接点15の薄板化および軽量化が可能である。
3 ステーショナリコア(鉄心)
3a 当たり面
3b コア端面(鉄心の反プランジャ側の端面)
7 プランジャ
8 シャフト
9 リターンスプリング(スプリング)
14 一組の固定接点
15 可動接点
18 インシュレータ
18b ストッパ面
C1 プランジャの外周に確保される径方向のクリアランス
C2 インシュレータの外径と段差の内径との間に確保されるクリアランス
t インシュレータの厚み
D 段差の高さ(深さ)
Claims (5)
- 磁気回路の一部を形成する鉄心と、
この鉄心に対向して可動するプランジャと、
前記鉄心と前記プランジャとの間に配置され、前記鉄心に対し前記プランジャを反鉄心方向へ付勢するスプリングと、
スタータのモータ回路に接続される一組の固定接点と、
前記プランジャに固定されて前記プランジャと一体に移動するシャフトと、
このシャフトの反プランジャ側の端部にインシュレータを介して支持され、前記シャフトと共に前記プランジャと一体に可動して、前記一組の固定接点間を断続する可動接点とを有し、
前記スタータの所定位置に組み付けられる前のスイッチ単体の状態で、前記プランジャが前記スプリングの反力で反鉄心方向へ押し戻される時に、そのプランジャの戻り力を前記インシュレータが前記鉄心に当接することで受け止める構造を有する電磁スイッチにおいて、
前記鉄心は、前記インシュレータの端面が当接する当たり面を有すると共に、前記鉄心の反プランジャ側の端面と前記当たり面との間に段差が設けられて、前記当たり面が前記反プランジャ側の端面より低く形成されていることを特徴とする電磁スイッチ。 - 請求項1に記載した電磁スイッチにおいて、
前記鉄心は、前記反プランジャ側の端面と前記当たり面との間に設けられる段差が、前記インシュレータの厚みより小さく形成されていることを特徴とする電磁スイッチ。 - 請求項1または2に記載した電磁スイッチにおいて、
前記インシュレータは、中央部に丸孔が開口するリング板状に設けられ、前記丸孔に前記シャフトを挿通して取り付けられており、
前記プランジャの外周に確保される径方向のクリアランスより、前記インシュレータの外径と前記段差の内径との間に確保されるクリアランスの方が大きく設けられていることを特徴とする電磁スイッチ。 - 磁気回路の一部を形成する鉄心と、
この鉄心に対向して可動するプランジャと、
前記鉄心と前記プランジャとの間に配置され、前記鉄心に対し前記プランジャを反鉄心方向へ付勢するスプリングと、
スタータのモータ回路に接続される一組の固定接点と、
前記プランジャに固定されて前記プランジャと一体に移動するシャフトと、
このシャフトの反プランジャ側の端部にインシュレータを介して支持され、前記シャフトと共に前記プランジャと一体に可動して、前記一組の固定接点間を断続する可動接点とを有し、
前記スタータの所定位置に組み付けられる前のスイッチ単体の状態で、前記プランジャが前記スプリングの反力で反鉄心方向へ押し戻される時に、そのプランジャの戻り力を前記インシュレータが前記鉄心に当接することで受け止める構造を有する電磁スイッチにおいて、
前記鉄心は、前記インシュレータが当接する当たり面を有すると共に、この当たり面が前記鉄心の反プランジャ側の端面からテーパ形状に窪んで形成され、
前記インシュレータには、前記当たり面のテーパ形状に対応して、テーパ形状に突き出るストッパ面が設けられ、このストッパ面が前記当たり面にテーパ嵌合することを特徴とする電磁スイッチ。 - 請求項4に記載した電磁スイッチにおいて、
前記ストッパ面が前記当たり面にテーパ嵌合した状態で、前記鉄心と前記可動接点との間に所定の隙間が維持されていることを特徴とする電磁スイッチ。
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