JPH0130655B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、遠隔操作により開始される調節運動
が歯車へ伝達され、この歯車からラツクへ伝達さ
れ、頭支えが摺動片により案内される２つの保持
棒をもち、背もたれに固定されたレールに、歯車
を収容しかつラツクを案内するケースが支持され
ている、自動車用座席の遠隔操作により高さ調節
可能な頭支えに関する。

〔従来の技術〕

頭支えのこのような高さ調節装置はドイツ連邦
共和国特許出願公開第2925781号明細書から知で
あり、レールと保持棒がそれぞれ橋渡し片により
互いに結合され、この橋渡し片が歯車およびラツ
クの支持に役だつている。それにより、背もたれ
の強さを維持する場合、ばね特性に不利な影響を
及ぼす座席の剛性増大に加えて、少なくともレー
ルの間の範囲におけるクツシヨン厚さの減少もお
こる。さらにこのような頭支えの取付けや特に取
外しがきわめて困難になり、見通しをよくするた
め着座者のいない座席の頭支えを簡単に引抜くこ
とが不可能である。

頭支えの保持棒の下端が、昇降部材に取付けら
れた逆Ω状板ばねからなる継手に取外し可能に係
合している、高さ調節可能な頭支えも公知で（実
開昭55−18390号公報）、着座者のいない座席の頭
支えを引抜くことが可能である。しかしながら、
頭支えを引抜くため、継手の板ばねのばね力に打
勝たねばならず、これは、使用の際頭支えを押下
げて保持棒の自由端を継手へ差込む時より著しく
困難である。しかも大きい力を伴う保持棒の抜差
しの繰返しにより、継手の板ばねが早期に疲労し
て、ばねの逆Ωが次第に開いてしまい、もはや継
手としての連結機能を果たさなくなるという欠点
もある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、できるだけ少ない力で容易に
取付けおよび取外しでき、しかも継手の機能が不
変に維持される、遠隔操作により高さ調節可能な
頭支えを提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、一方
の保持棒の自由端が、ばね係合片として構成され
た継手へ取外し可能に係合し、継手が弾性材料か
らなるラツクの上端から突出し、頭支えが完全に
繰出されたとき、ラツクを収容するレールの底に
取付けられている板ばねの自由端により、継手が
片側へ押されて、保持棒の自由端との係合を解除
可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、頭支えが完全に繰出された位
置で、板ばねの自由端を片側即ち前方へ押すだけ
で、弾性材料からなるラツクの上端にある継手も
前方へ移動して、保持棒の自由端から外れるの
で、保持棒の自由端と継手との係合解除、したが
つて頭支ええとラツクとの連結解除が簡単に行な
われる。この場合に必要な力は、板ばねおよびラ
ツクを前方へ押すだけなので、非常に小さく選ぶ
ことができる。係合のためには、あらかじめ継手
を前方へ押しておいて、頭支え保持棒を上から挿
入した後、継手を前方へ押していた力を除けばよ
い。保持棒自由端と継手との係合またはその解除
に必要な力が小さいため、継手の機能も不変に維
持される。

本発明の別の構成によれば、板ばねの自由端が
操作ピンを備え、この操作ピンがレールの底にあ
る開口を通つて背もたれの裏側の方へ出ているの
で、覆いを通してこのピンを手探りし、これを押
すことができる。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面により以下に説明する。

互いに間隔を置いて設けられる２つのＵ字状断
面のレール１は、図示しないやり方で座席の背も
たれの背もたれ枠に結合されているが、簡単にす
るためその１つだけを示してある。２つの摺動片
２および３は、ばね４により移動を防止されてレ
ール１にはめられている。

摺動片２および３内には図示しない頭支えの保
持棒５が高さ調節可能に支持され、図示した保持
棒５の自由端６は、特に第２図に示すように、ば
ね係合片として構成されかつ可撓性ラツク１０の
自由端９に取付けられるかまたは図示しないやり
方でラツク１０に一体形成される継手７へはまつ
ている。

ラツク１０にかみ合う歯車１１はレール１に結
合されたケース１３に支持され、このケース１３
はラツク１０を案内する手段をもち、レール１か
らわずか突出している。この突出をわずかにする
ため、ラツク１０がはしご１４の形状をもち、そ
の横棒が歯を形成し、したがつて歯車１１が大き
い力の伝達に必要な深いかみ合いを行なう。歯車
１１は軸１６上に相対回転しないようにはまり、
この軸１６には第２図に示す遠隔操作装置１７が
係合して、図示しないハンドル車あるいはサーボ
モータを介して交互に回転せしめられる。

特に第１図からわかるように、レール１の底１
８には板ばね１９が取付けられ、その自由端２０
にある操作ピン２１は、レール１の底１８にある
開口２２を通して背もたれ裏側の方へ突出してい
る。保持棒５が鎖線で示す下方位置から実線で示
す上方位置へ移行すると、図示しない裏側覆いを
通して容易に探すことのできる操作ピン２１を押
込むことにより、ばね係合片８と共にラツク１０
は、ばね係合片８が係合を解除されるまで、前方
へ押される。逆に保持棒５を押込む際、まずばね
係合片８が弾性的に広がり、それから初応力で保
持棒５の凹所２３へはまる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により高さ調節可能な頭支え保
持棒の一部を切欠いた側面図、第２図は保持棒と
ラツクとを結合する継手および歯車を収容するケ
ースの一部を切欠いた正面図である。 １……レール、２，３……摺動片、５……保持
棒、６，２０……自由端、７……継手、８……ば
ね係合片、９……上端、１０……ラツク、１１…
…歯車、１３……ケース、１８……底、１９……
板ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 遠隔操作により開始される調節運動が歯車へ
   伝達され、この歯車からラツクへ伝達され、頭支
   えが、摺動片により案内される２つの保持棒をも
   ち、背もたれに固定されたレールに、歯車を収容
   しかつラツクを案内するケースが支持されている
   ものにおいて、一方の保持棒５の自由端６が、ば
   ね係合片８として構成された継手７へ取外し可能
   に係合し、継手７が弾性材料からなるラツク１０
   の上端から突出し、頭支えが完全に繰出されたと
   き、ラツク１０を収容するレール１の底１８に取
   付けられている板ばね１９の自由端２０により、
   継手７が片側へ押されて、保持棒５の自由端６と
   の係合を解除可能であることを特徴とする、自動
   車用座席の遠隔操作により高さ調節可能な頭支
   え。 ２ 板ばね１９の自由端２０が操作ピン２１を備
   え、この操作ピン２１がレール１の底１８にある
   開口２２を通つて背もたれの裏側の方へ出ている
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載
   の高さ調節可能な頭支え。