JPH0127945B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、乗場より行先階を登録する共通の行
先階登録装置を備えた群管理エレベータのシステ
ムにおけるエレベータの群管理制御方法に関する
ものである。

〔発明の技術的背景〕

従来、複数機のエレベータを有する群管理エレ
ベータシステムの乗場には行先階登録装置はな
く、代わりに昇方向及び降方向の乗場呼びボタン
が設置され、この乗場呼びが登録されると、複数
機のエレベータの中から瞬時に最適機を選択し
て、乗場呼びに割当て、割当てられたエレベータ
のかごは乗場呼びに応答して戸開して乗客を誘導
し、乗客がかご内でかご呼びを登録することによ
り目的階へ運行させていた。ところで、最近にな
つて技術の進歩に伴い乗場で行先階を登録するボ
タン（スイツチ）や音声認識により行先階を認識
する装置を備えたものが提案されている。またビ
ル（ビルデイング）建設上の理由等から群管理エ
レベータのサービス階不揃い（段違い）のものが
増えており、サービス階不揃いの場合、乗場呼び
に応答するかごが必しも目的階をサービスできる
かご（停止できるかご）とは限らず、サービスで
きない場合途中で乗り換えねばならなかつた。

第１図はサービス階床数が10階床で群６台の群
管理エレベータでＡ号機〜Ｃ号機は８階と10階は
不停止となつている。第１図において、５階で８
階へ行きたい人が来て乗場呼ボタンを押しても、
必ずしもＤ号機〜Ｆ号機が割当てられ応答すると
は限らず、もしＡ号機〜Ｃ号機が割当てられ応答
しても８階へは行けないからＤ号機〜Ｆ号機が応
答するまで待たねばならなかつた。

すなわち段違いのある群管理エレベータでは、
目的階がサービスできないかごが割当てられると
待客は焦燥感にかられ、何度も呼びボタンを押さ
ねばならず、また、エレベータの無駄運転を増や
し、エレベータ運転効率を低下させていた。

そして従来は乗場で行先階を登録するもので
も、単に総合的な判断のみで割当てていたため必
ずしも行先階をサービスできるかごを割当てると
は限らないので前述問題は解決できなかつた。

〔発明の目的〕

本発明は乗場で行先階を登録する装置（もちろ
ん人の音声を認識して目的階を登録する装置でも
よい。）を設けた群管理エレベータシステムにお
いて、乗客の目的に沿つたサービスにより焦燥感
を防止し且つエレベータの無駄運転をなくしてエ
レベータの効率的な運転を実現し、乗客へのサー
ビス向上および省エネルギを図つたエレベータの
群管理制御方法を提供することを目的としてい
る。

〔発明の概要〕

本発明は乗場で行先階が登録されたら行先階が
サービスできるエレベータの中から応答機を選択
して割当て乗場にサービスさせることを特徴とし
ている。

〔発明の実施例〕

第１図は群６機サービス階床数10階床の群管理
エレベータのサービス可否を示すものでＡ号機〜
Ｃ号機は８階と10階はサービス不可能である。
（停止しない）ここでは第１図のケースを例にと
つて説明するが、もちろん本発明はサービス階床
数や台数、不揃い階の位置等には全く関係がな
い。第１図でＡ〜Ｃ号機は１〜７階、９階、Ｄ〜
Ｆ号機は１〜10階のサービスが可能であり下可能
な階床は×印で示してある。

第２図はエレベータホール見取図であり、１は
ホールランターンで号機別に全階床にあり、中間
階では方向別にもつている。割当て方式のエレベ
ータではホールランターンは乗場呼びに割当てら
れると点灯（または点滅）して乗客を誘導し戸閉
完了で消灯する。

第３図において、２ａは乗場行先階登録装置の
登録操作部で５階を例にとつてある。４は５階を
示す表示で５階には登録できない。３は行先階登
録ボタンで〜が押されると降方向の乗場呼び
が登録され〜が押されると昇方向の乗場呼び
が登録される。

第４図は本発明の一実施例の適用されるシステ
ムの構成を示すものである。２は乗場行先階登録
装置であり、詳細は第５図に示してある。５Ａ〜
５Ｆはかご単体制御装置であり、かごの動きを制
御するものである。なお、ここでは各部を示す符
号に号機別にＡ〜Ｆのサフイツクスをつけて各号
機毎の構成を区別している。６は群管理制御装置
で乗場呼びと各号機の情報から各号機の動きを制
御するものである。また、これらを結ぶ信号線は
複数の並列信号線が用いられる場合も一本の線と
して示している。この図において乗場行先階登録
装置２の行先階が登録されるともし乗場の階床よ
り下の階の行先ボタン（スイツチ）の入力であれ
ば降方向の乗場呼びを、もし乗場の階床より上の
階の行先ボタンの入力であれば昇方向の乗場呼び
を検知して群管理制御装置６内のホールコンデイ
シヨン情報テーブル（以下「HCT」と称する）
２４（メモリーの一部に保持されている）の各乗
場方向に対応するインデツクスのうち該当するイ
ンデツクスのデータのビツト＜11＞がセツトさ
れ、群管理制御装置６内の演算装置（入出力装置
を含む）２６がこれをサーチして、この場合６機
（Ａ〜Ｆ号機）の中から最適機を選択し準かご呼
び登録回路１３Ａ〜１３Ｆに割付出力を与える。
この時予報灯の有するシステムではホールランタ
ーンが点灯する。また同時にHCT２４の割付け
対象ホールのインデツクスのビツト＜10＞がセツ
トされる。そして割当てを受けたかごが乗場割当
に応答して減速するとかご位置セレクタ１４Ａ〜
１４Ｆからのかご位置信号により乗場呼び消去リ
レーHSLA〜Ｆが付勢されて乗場呼び登録（行先
階呼び）は消去されHCT２４のビツト＜11＞も
リセツトされる。また割当てかごがドアを開き乗
場にサービスし終ると前記かご位置セレクタ１４
Ａ〜１４Ｆからのかご位置信号により前記ホール
ランターンは消灯され同時に割当てビツトHCT
２４のビツト＜10＞もリセツトされる。１１Ａ〜
１１Ｆはかご呼び登録回路であり、かご内操作盤
の階床別かご呼び登録スイツチ１５Ａ〜１５Ｆが
オン操作されると、かご呼びが登録されHCT２
４の該当号機に対応するビツト（ビツト＜０＞〜
ビツト＜５＞のいずれか）がセツトされ、登録さ
れた階をかごがサービスし終えるとかご位置セレ
クタ１４Ａ〜１４Ｆからのかご位置信号を得て前
記登録が消去されHCT２４の該当号機に対応す
るビツトもリセツトされる。１２Ａ〜１２Ｆはか
ご状態バツフアであり、セレクタ１４Ａ〜１４Ｆ
からのかご位置信号を始めドア開時に閉じるリレ
ー等の接点１６Ａ〜１６Ｆ、無方向状態になると
閉じるリレー接点１７Ａ〜１７Ｆ、走行中に閉じ
る接点１８Ａ〜１８Ｆ、かご昇方向時で閉じる接
点１９Ａ〜１９Ｆ、かご降方向で閉じる接点２０
Ａ〜２０Ｆ、群制御可能時に閉じるリレーの接点
２１Ａ〜２１Ｆ等の信号が入力される。これらの
信号はかご状態信号として各号機毎に群管理制御
装置６内のかご状態情報テーブル（以下「CCT」
と称する）２２（メモリー内に保持されている。）
に登録される。また乗場呼び行先階登録装置２で
登録された行先階信号は乗場階床をインデツクス
として、行先階を左詰めでビツトに対応させて群
管理制御装置６内の行先階登録情報テーブル（以
下「KCT」と称する２３（メモリー内に保持さ
れている）に入力される。例えば５階で８階の行
先階が登録されればKCTの５階に対応するワー
ド内のビツト＜７＞がセツトされ、割当号機減速
時にリセツトされる。

第５図は乗場行先階登録装置の回路図で、５階
の乗場行先階登録装置を例に示してある。この図
において１Ｋ〜４Ｋ、６Ｋ〜１０Ｋは乗場行先階
登録押ボタン（スイツチ）でこれが押されるとボ
タンに対応するサイリスタ１Ｓ〜４Ｓ、６Ｓ〜１
０Ｓがオンとなり呼び登録押ボタンランプＬ１Ｋ
〜Ｌ４Ｋ、Ｌ６Ｋ〜Ｌ１０Ｋが点灯する。そして
入力バツフア（主として抵抗で構成されている）
３２を介して群管理制御装置内入力インターフエ
ース３５に入力されKCTとしてセツトされる。
また押ボタン１Ｋ〜４Ｋの登録に対してはオアゲ
ート３３を介して５階降り方向ホール呼び５ｄが
登録され、HCTの５ｄをインデツクスとするビ
ツト＜11＞がセツトされる。また押ボタン６Ｋ〜
１０Ｋの登録に対してはオアゲート３４を介して
５階昇方向ホール呼び５ｕが登録され、HCTの
5uをインデツクスとするビツト＜11＞がセツト
される。これらの呼びに割当てられたかごが乗場
割当てに応答して減速すれば乗場呼び消去リレー
HSLDA〜HSLDF（降方向）又はHSLUA〜
HSLUF（昇方向）が付勢されて、呼び消去ユニ
ツト３１によつて呼びは消去されＬ１Ｋ〜Ｌ４Ｋ
又はＬ６Ｋ〜Ｌ１０Ｋは消灯する。３６ｕ，３６
Ｄは抵抗である。

第６図ａは乗場呼び（昇呼び、降呼びは区別さ
れている）応答可否テーブル（以下「SHT」と
称する）であり、群管理制御装置６内演算装置２
６内のROM（リードオンメモリ）（又はRAM（ラ
ンダムアクセスメモリ））にセツトされるテーブ
ルで予めある乗場呼びに応答できる号機には１を
セツトし、応答できない号機には０がセツトして
ある。例えばＡ〜Ｃ号機は１０ｄ，８ｄ，８ｕ，
９ｕの乗場呼びには応答できない。よつてそれら
の呼びにはＤ〜Ｆ号機を割当てるのは公知であ
る。

第６図ｂは行先階サービス可否テーブル（以下
「SKT」と称する）であり、群管理制御装置６内
演算装置２６内にROM（又はRAM）にセツトさ
れるテーブルで行先階にサービス可能な号機には
１をセツトし、サービスできない号機には０をセ
ツトしてある。例えばＡ〜Ｃ号機は８階、10階に
はサービスできないからＤ〜Ｆを割当てるように
する。

第７図ａは本発明の一実施例における群管理制
御装置６内演算装置２６の処理の概要を示すフロ
ーチヤート、第７図ｂは同実施例の割当号機選択
方法の詳細を示すフローチヤートである。

例えば５階乗場において８階の行先階を登録し
た場合の本実施例の動作について説明する。５階
乗場で８階の行先階登録ボタン８Ｋが押されると
サイリスタ８Ｓがオンとなり、行先階が登録され
ると同時にランプＬ８Ｋが点燈し、オアゲート３
４を通して５階昇方向乗場呼び５ｕが登録され入
力インターフエース３５を通じてHCTのインデ
ツクス５ｕのビツト＜11＞がセツトされる。また
同時にKCTの５階のビツト＜７＞（8K）がセツ
トされる。この時第７図ａのフローチヤートに示
す様に0.5秒〜１秒のサイクルタイムでこの処理
が行なわれているので、乗場呼びが１秒以内に検
知できる。プログラムがスタートするとイニシヤ
ルクリアを実行したのち、リピートスタートRS
から実行する。まず、かご状状信号（CCTの内
容）を全号機分入力し、全号機群外ならばリピー
トスタートRSへ戻るが群中かごがあればかご状
態に伴う処理（例えば満員処理、到着、出発処理
等）を行なう。次にホールサーチを開始しホール
インデツクスに対するHCTを入力してビツト＜
11＞が１（乗場呼び有）でビツト＜10＞が０（割付
末）の時は最適号機を選択してその号機に割付出
力を出し、準かご呼びを登録すると同時にHCT
のビツト＜10＞には１がセツトされる。それらの
処理を全乗場呼び（昇降別）について実行終了後
分散待機処理および行先指定処理を実行してリピ
ートスタートRSへ戻る。

最適号機の選択は第７図ｂに詳細を示す。同図
において、まずカーインデツクスを０にし、（Ａ
号機にセツト）、SHTを参照する。5u呼びに対し
ては全号機応答可能である。次にSKTを参照す
る。８Ｋ呼びに対してはＡ〜Ｃ号機は０にセツト
されており、サービス下可能であるからこれらの
かごには割付禁示フラグをセツトする。そしてＤ
〜Ｆ号機には１がセツトされており、サービス可
能であるから３機の中から評価値を計算し最適号
機をセツトする。そして、ここで選択された最適
号機を割当て乗場に応答させる。

しばらくして割当てを受けたかごが５階乗場に
昇方向で減速した時は押ボタン６Ｋ〜１０Ｋの行
先階登録消去信号を出すので押ボタン８Ｋの登録
はリセツトされる。但し押ボタン１Ｋ〜４Ｋの登
録はリセツトされない。

このようにして、不揃い階の行先階登録がされ
た時は、行先階をサービスできる号機の中から選
択して割当て応答させるので乗継ぎは必要なくエ
レベータの効率的な運転を行なうことができる。

なお、乗場で行先階登録押ボタン８Ｋによる登
録がされ、割当号機出力がされた後に押ボタン９
Ｋによる登録がされても新たな号機を割当てるこ
とはない。但し押ボタン９Ｋによる登録がされ、
割当号機出力がされた後押ボタン８Ｋによる登録
がされた時はもう１機割当てることがある。（Ａ
〜Ｃ号機が最初に割当てられた場合） なお本発明は前述し且つ図面に示す実施例にの
み限定されることなく、その要旨を変更しない範
囲内で種々変形して実施することができる。

例えば乗場行先階登録装置は、人の音声により
認識するものであつても同様の効果が得られる。

〔発明の効果〕

本発明によればサービス階不揃いのある群管理
エレベータシステムにおいて、任意の乗場からの
行先階情報をもとに乗場呼び応答可否テーブルお
よび行先階可否テーブルを参照し乗場呼び応答可
能で行先階サービス可能なものの中からサービス
機の選択を行なうようにしているので、乗場呼び
応答可否テーブルおよび行先階可否テーブルの内
容を変更するだけでエレベータサービスの変更に
簡単に応じることができる。このことは、例えば
建物の各階の使い方が代わつて、エレベータサー
ビスの内容を変更したいような場合にもこれに簡
単に対処できるようになり、融通性に富んだエレ
ベータサービスを提供できる。しかし、乗客の混
乱をなくし且つエレベータの無駄運転をなくし、
エレベータの効率的な運転を行なうことができ
る。よつて長持ちは減少し従来群管理システムの
適用が困難であつたサービス不揃いの建物でも群
管理制御システムにし易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例が適用される群管理
エレベータサービス可否説明図、第２図は同エレ
ベータホール見取図、第３図は同乗場行先階登録
装置の入力操作部を示す図、第４図は本発明の一
実施例のシステム構成図、第５図は同実施例にお
ける乗場行先階登録装置の図路図、第６図ａは同
実施例における乗場呼び応答可否テーブル、同図
ｂは同実施例における行先階サービス可否テーブ
ル、第７図ａは同実施例における演算装置の処理
を示すフローチヤート、同図ｂは同実施例におけ
る割当号機選択方法の詳細フローチヤートであ
る。 ２……乗場行先階登録装置、５Ａ〜５Ｆ……か
ご単体制御装置、６……群管理制御装置、１１Ａ
〜１１Ｆ……かご呼び登録回路、１２Ａ〜１２Ｆ
……かご状態バツフア、１３Ａ〜１３Ｆ……準か
ご呼び登録回路、１４Ａ〜１４Ｆ……階床選択
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サービス階不揃いの複数機のエレベータを対
   象とし各乗場にかつ各機に共通に設けられた行先
   階登録装置により行先階呼びが登録されるとこの
   乗場をサービスするサービス機を選択決定して応
   答させるエレベータの群管理制御方法において、
   予め各階の乗場呼び応答可否テーブルとエレベー
   タ各機の行先階可否テーブルを設定し、乗場から
   の行先階情報をもとに上記乗場呼び応答可否テー
   ブルおよび行先階可否テーブルを参照し乗場呼び
   応答可能で行先階サービス可能なものの中から上
   記サービス機の選択を行なうことを可能にしたエ
   レベータの群管理制御方法。