JPH0127847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関潤滑用オイルポンプの吸込
口側に設けられ、吸込口をオイルパン内に開口し
たストレーナーハウジングに保持固定されるスト
レーナー部材の取付構造に関するものである。

内燃機関の潤滑方法として、内燃機関にオイル
ポンプを装着し、内燃機関内部に潤滑油を供給す
る方法が知られている。この方法では、オイルパ
ンに溜つている潤滑油をオイルポンプで吸込んで
内燃機関内部に供給し、内燃機関内部を巡回した
潤滑油は金属粉等を含んでオイルパンに戻つて来
て、再びオイルポンプに吸込まれる。しかし、こ
のままでは潤滑油に混つた金属粉等を吸込んでし
まうので、オイルポンプの吸込口側にオイルスト
レーナーを設け、金属粉等を除去している。

従来、この種の装置においては、ストレーナー
ハウジングの吸込口内周面に、スクリーン部材を
ゴム材で形成したストレーナーフレームに焼付等
により固定したオイルストレーナー部材を圧入係
合させるものがある。このものにおいては、スト
レーナーフレームがゴム材で形成されているの
で、潤滑油や高温度にさらされるために、ゴム材
の劣化が発生し耐久性に乏しく、使用中に脱落す
る恐れがある。又、ゴム材のストレーナーフレー
ムは、圧入作業時の温度が低いと硬化して組付性
が悪く、時としてストレーナーフレームの損傷を
生じることがあり、それが原因で使用中の脱落を
生じることもある。そして、長期に亙つて使用す
る場合には、オイルストレーナー部材を取りはず
して洗浄することが必要とされるが取りはずしが
出来ないために破壊して新品と交換しなければな
らないという問題点もある。

又、オイルストレーナー部材を着脱可能に取付
けるものとして、ストレーナーハウジングの吸込
口内周面に環状溝を設け、ここに穴用止め輪を嵌
挿して係止するものも知られている。しかし穴用
止め輪による係止は僅かな〓間が生じるため、内
燃機関潤滑用オイルポンプのストレーナーのよう
に、常時振動に晒されるものにおいては、叩かれ
減少による異音や異常摩耗を生じるため不向きで
あつた。

本考案はこれらの点に鑑みなされたもので、着
脱が容易で然も〓間なく堅固に保持され、振動に
強いオイルストレーナー部材の取付構造を提供す
ることを目的とする。以下、添付図面に基づいて
本考案を説明する。

第１図は本考案実施例を示す縦断面図、第２図
は同底面図、第３図は分解斜視図、第４図、第５
図はそれぞれ第２図の−線、−線に沿つ
た拡大断面図である。

図面において、内燃機関に装着したオイルポン
プ２の吸込口側に設けられ、吸込口をオイルパン
１に開口したストレーナーハウジング３にオイル
ストレーナー部材８が保持固定されている。そし
て、オイルポンプは、内燃機関の駆動力伝達手段
により回転され、オイルパン１内の潤滑油を内燃
機関内部に供給している。第４図に示すように、
ストレーナーハウジング３は、オイルパン１内に
開口している吸込口の内周面４に、奥に向つて径
が漸増するテーパー状の底面を有する環状溝５が
形成され、その奥側にオイルストレーナー部材８
が当接する受面６が形成されている。そして、第
２図、第５図に示すように、環状溝５から開口端
面１０に至る凹部７が形成されている。次に、こ
の実施例では、スクリーン１１がストレーナーフ
レーム１２にカシメ固定されたオイルストレーナ
ー部材８をストレーナーハウジング３に挿入し受
面６に当接させた後に、環状溝５に線細工バネの
止め輪９を嵌挿してオイルストレーナー部材８を
保持固定している。第４図に示すように、線細工
バネの止め輪９が奥に向つて径が漸増するテーパ
ー状の底面を有する環状溝５に嵌挿されているの
で、止め輪９の復元力により、止め輪９には軸方
向奥に向つて推進力が働き、受面６にオイルスト
レーナー部材８を押し付けるような力が作用し、
その力によつて、ストレーナーハウジング３にオ
イルストレーナー部材８を確実に保持固定する。
又、オイルストレーナー部材８を取りはずす時に
は、凹部７にドライバー等を入れて線細工バネの
止め輪９をはずせば、簡単に取りはずせる。本実
施例では、線細工バネの止め輪９を使用したが、
穴用止め輪であれば本考案作用を得ることが出来
る。

本考案は前述の如く、オイルストレーナー部材
を吸込口内周面に挿入した後に、環状溝に穴用止
め輪を嵌挿したものであるから、組付性、耐久性
が向上し、奥に向つて径が漸増するテーパー状の
底面を有する環状溝に穴用止め輪を嵌挿するの
で、止め輪の復元力により、止め輪には軸方向奥
に向かつて推進力が働き、受面にオイルストレー
ナー部材を押し付けるような力が作用し、その力
によつてストレーナーハウジングにオイルストレ
ーナー部材を保持固定するので、内燃機関の振動
に対して、受面とオイルストレーナー部材との間
にスキマを生じることがなく、激しい振動に対し
ても堅固に保持されているので脱落することがな
い。又、オイルストレーナー部材を取りはずす時
も、穴用止め輪をはずすだけなので、極めて簡単
でしかも短時間に行え、オイルストレーナー部材
を痛めることがないので、洗浄後の再使用に何ら
不都合を生じない等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す縦断面図、第２図
は同底面図、第３図は分解斜視図、第４図は第２
図における−線に沿つた拡大断面図、第５図
は第２図における−線に沿つた拡大断面図。 符号の説明、１……オイルパン、２……オイル
ポンプ、３……ストレーナーハウジング、４……
吸込口内周面、５……環状溝、６……受面、７…
…凹部、８……オイルストレーナー部材、９……
穴用止め輪、１０……開口端面、１１……スクリ
ーン、１２……ストレーナーフレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関潤滑用オイルポンプの吸込口側に設け
   られ、吸込口をオイルパン内に開口したストレー
   ナーハウジングに保持固定されるオイルストレー
   ナー部材の取付構造において、前記ストレーナー
   ハウジング３の吸込口内周面４に、奥に向つて径
   が漸増するテーパー状の底面を有する環状溝５
   と、該環状溝５の奥側のオイルストレーナー部材
   ８の当接する受面６と、前記環状溝５から開口端
   面１０に至る少なくとも１つの凹部７とを形成
   し、オイルストレーナー部材８を吸込口内周面４
   に挿入した後に、環状溝５に穴用止め輪９を嵌挿
   し、環状溝５の前記テーパー状の底面による止め
   輪９の軸方向推進力によつて、オイルストレーナ
   ー部材８を受面６に圧接保持したことを特徴とす
   るオイルストレーナー部材の取付構造。