JPH01263333A - 構造物の可変曲げ剛性装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は制置構造物に用いられる可変曲げ剛性装置に
関するもので、構造物に入力する地震、風等の外力に応
して架構、特に柱の伸縮剛性を変化させ、地震等に対処
させるものであり、いわゆるペンシルビルや鉄塔等、主
として構造物の曲げ変形の卓越する細高い構造物の制振
に適する。

〔従来の技術〕

従来、高層建築や重要構造物等の耐震設計においては地
震時の地盤の動きや建物の応答を計算し、安全性をチエ
ツクする動的設計が行われている。

耐震の方法としては建物と基礎の間に積層ゴム支承やダ
ンパーを介在させた免震構法あるいは滅震構法、建物構
成部材の・うち、非主要部材の破壊により地震エネルギ
ーを消費させる方法、壁あるいは柱等にスリットを設け
、建物を最適の剛性に調整する方法等がある。

ところで、現行の耐震設計手法により設計された建物の
地震時における安全性の確認は、構造物の塑性化を伴な
う履歴特性による吸収エネルギーが構造物に作用する地
震エネルギーを上回るという基本思・想によるが、これ
には履歴ループ特性に対する信頼性の問題がある。

また、従来の方法はいずれも地震や風等の自然外力に対
し、受身の耐震構造を与えるものであり、建物が特定の
固有振動数を有するため地震という不確定な入力に対し
、共振現象を避けて通ることはできない。

これに対し、出願人は特願昭６１−１１２０２６号にお
いて、上述のような受身の耐震方法でなく、感知した地
震動に基づく応答予測システムの判断のもとに建物自体
の剛性を能動的に変化させ、共振領域外または共振の少
ない状態とし、建物および建物内の機器、居住者等の安
全を図った制置方法を提案している。

上記の制置方法では柱、はり５プレース、壁並びにそれ
らの゛接合部の全部もしくは一部、または建物と基礎あ
るいは隣接する建物との間に、コンビ１−ターの指令に
より連結状態が変化する制御装置を設け、次のようにし
て、建物の制置を行なう。

■　地震の発生を建物を中心に狭域および広域に配置し
た地震感知装置により感知し、観測データを有線、無線
の通信網によりコンピューターに伝達する。広域の地震
感知装置は既設の地震観測点における地震計あるいは専
用に設置したものをマイクロ回線あるいは電話回線等で
結ぶ。

また狭域の地震感知装置は建物の周辺あるいは周辺地盤
内に設けた地震計や、建物基部や建物内に設置した振動
センサーからなり、風力等の影をは建物内の振動センサ
ーで感知する。

■　感知した地震について、コンピューターにより地震
の規模の判断、周波数特性の分析、応答量の予測等を行
ない、建物の振動を制御すべきか否か、また制御すべき
場合の制御量について、共振をかわし、地震応答量の少
ない最適剛性（固有振動数）を与えるものとして判断を
下す。

■　コンビゴーターの指令を建物の各部の制御装置に伝
え、建物の剛性をコンピューターの予測に基づく最適剛
性となるよう制御装置を作動させる。連結状態の調整は
固定状態と連結解除状態を油圧機構、電磁石等によりオ
ン、オフで調整するものや、固定状態、連結解除状態の
外、緊張力の導入や任意の位置での固定を油圧機構ある
いは特殊合金等を用いて調整するもの等が考えられる。

また、建物内に配した振動センサーにより、建物各部に
おける応答量並びに制御を行った場合の実際の振動が検
知でき、これをフィードハックして、制’＜ＩＩＩ　ｍ
の修正等を行なうことができる。

（発明が解決しようとする課題〕 ところで、構造物の変形にはせん断変形成分と曲げ剛性
成分があり、従来考えられている可変剛性装置は主に前
者の変形に対して有効であった。

しかし、いわゆるペンシルビルや鉄塔のように建物の幅
に仕べて高さの高い、細高い構造物においては、後者の
曲げ剛性成分が卓越してくるため、この曲げ変形を抑制
することが構造物の制振において重要となる。

この発明はこの曲げ剛性成分を制御■シ、地震等の際の
構造物の安全性の向上を図ったものである。

（課題を解決するだめの手段〕 以下、この発明の概要を第１図および第２図に基づいて
説明する。

従来の可変剛性建物の考え方としては、例えば第２図の
ように柱１と梁２で囲まれる構面内のプレース３を伸縮
させたり、プレース３自体の剛性を可変としたり、ある
いは柱１または梁２とプレース３との連結状態のオン、
オフの切換えにより架構の剛性を変化させる等して制御
Ｂを行っている（特願昭６１−２１５４０２号、特願昭
６１−２５８７９４号、特願昭６２−２８５０６９号、
特願昭６２　＝２８５０７０号、特願昭６２−２８９７
８０号等参照）。

これに対し、この発明では構造物の柱１に沿って、柱１
と略平行に拘束材４を設け、拘束材４と柱１との連結状
態を可変とすることにより、柱１の伸縮剛性を補助的に
変化させ得るよう構成し、構造物全体の剛性を制御する
ようにしたものである。例えば、柱１と拘束材４との間
の連結状態を制御し、オン、オフにより連結、連結解除
を繰り返し、柱１に対する拘束材４の拘束状態を変化さ
せることにより、補助的に柱１の伸縮剛性を変えること
ができる。また、柱１と拘束材４を固定した状態で、拘
束材４を柱］に対し、伸縮させることによっても建物全
体の曲げ剛性を制御することができる。

拘束材４としては、鋼管等の柱材、形鋼、ＰＣ鋼杯、あ
るいはピアノ綿、ＰＣ鋼線等からなるワイヤー等か使用
できる。

〔作　用］ 第９Ｍに示すような細高い建物に地震等が作用ずろと、
第１０回のような曲げ変形カッ士し、建物の片側の柱Ｉ
に伸びが律し、反対側の社１には縮のが／−にしる。

この発明に係る拘束材４の連結状態を制御することによ
り、第１１図に示すように両側の柱１の伸びおよび縮み
を拘束することができる。すなわち、第１０図のような
曲げ変形に対しては、図中右側の柱１に゛ついて拘束材
４を伸長させることにより朴］の縮みを拘束し、口中左
側の柱］については拘束材４を縮めることにより柱１の
伸長を拘束することができる。逆方向の変形についても
これと逆の操作により、変形を拘束することができ〔実
施例］ 次に図示した一実施例について説明する。

第３図および第４図は具体的な実施例を示と７たちので
、建物におりる９２の高さにおいて、支持梁５を柱１の
外側に突出させ、上下の支持梁５間に油圧ジヤツキ６を
介して、鋼管からなる拘束材４を設置したものである。

構造物に作用する曲げ変形成分により柱１に圧縮力か作
用する場合には、油圧ジヤツキ６を伸長さゼることによ
り、柱１に沿わせた拘束材４を介して上下の支持梁５間
を押し広げるような刀が加わり、曲げ変形成分により柱
１に作用する圧縮力の−・部が相紗され、柱１の縮のを
抑制することができる。また、柱１に引張力が作用する
場合には油圧ジヤツキ６を戻すことにより、柱１に作用
する引張力の一部が相殺され、柱１の伸びを抑制するこ
とができる。この油圧ジヤツキ６の制御はコンピュータ
ー等により行われ、時々刻々入力される振動波や＋Ｍ構
造物変形状態に応して、共振および過大な変形が生しな
いようにする。

第５図は水平断面におりる拘束材の配置例を示したもの
で、曲げモーメン１〜に対しては、図のように建物の外
周に沿った柱１に拘束材４を設置するのが、効率的であ
る。鉄塔等の場合も同様に外周に沿った柱部分に拘束材
を配置することが好ましい。

どの拘束材４を効かせるか、効かせないかについては、
コンピューター等て地震動の周期成分と建物の状態を判
断し、その上で可変剛性指令を発ずろ。

第６図〜第８図は拘束材の設置方法の一例を示したもの
で、まず建物の外周に片持ち梁形式Ｇご支持梁５を設り
る（第６Ｈ参照）。次に下側の支持梁５上に油圧シャン
キロ等の駆動装置をセットする（第７Ｍ参照）。最後に
拘束材４を油圧シャツ十Ｇと１−側の支持梁５との間に
挟み込みセットが完了する。

基本的な制御システムにおける制御手順の一例を述べる
と、次のようになる。

■　地震動の検知 ■　地震動の分析 ■　可変曲げ剛性指令 ■　可変曲げ剛性装置の作動 ■　建物曲げ剛性変化 ■　地震動との非共振化による建物応答の低減■、■に
おいては地震動の卓越周期成分から外れた建物周期が実
現するような曲げ剛性を選択し、指令を発する。

また■について、具体的には第１２図および第１３ｌ６
こ示ずように直交する２方向（χ、Ｙ方向）を独立して
制御卸する。ずなゎち、各々の方向に対して最適な剛性
を選択し、それに応じて油圧ジヤツキ、その池の駆動装
置を作動させる。第１２図および第１３図は建物のある
階の平断面に相当し、地震動のＸ方向の成分に対しては
、第１２図中×１゜ｘ２列の拘束材を効がずことにより
曲げモーメントＭｘに対する抵抗が増し、回転剛性が増
大する。

Ｘ方向も同様に第１３図中Ｙ、、Ｙ２列の拘束材を効か
ずことにより曲げモーメンｌ−Ｍｖに対する抵抗が増し
、回転剛性が増大する。

（発明の効果］ ■　地震等の水平外力により構造物に生しる曲げ変形成
分を、社に沿わせた拘束材による制御により抑制するこ
とができるため、特に細高い建物において構造物の過大
な変形を防止し、建物の安全を図ることができる。

■　他の制振構法と同様、振動外力に応じて構造物全体
の剛性を変化させ、共振を避け、地震等の影響をＪＵ小
眼に抑えることができる。

■　柱に沿わせた拘束材によって制御するため、制御さ
れる柱との対応関係が明瞭であり、効率のよい制御が可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の基本概念を示す概要図、第２図は制
振構造における従来の考え方を示す概要図、第３図は具
体的な実施例を示す側面図、第４図は同しく正面図、第
５図は拘束材の平面配置の一例を示す水平断面図、第６
図〜第８図は装置の設置手順を示す側面図、第９Ｍ〜第
１１図は作用を説明するための概要図、第１２図および
第１３図は２方向制御を説明するための斜視図である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）構造物の柱に沿って柱と略平行に拘束材を設け、
   該拘束材と柱との連結状態を可変とすることにより、柱
   の伸縮剛性を補助的に変化させ、構造物全体の剛性を制
   御するよう構成したことを特徴とする構造物の可変曲げ
   剛性装置。
2. （２）拘束材は柱より張り出した上下の支持梁間に設置
   されている請求項１記載の構造物の可変曲げ剛性装置。
3. （３）拘束材と支持梁との間には拘束材長手方向に伸縮
   可能なジャッキを介在させてある請求項２記載の構造物
   の可変曲げ剛性装置。