JPH0718916A - 制振建物 - Google Patents

制振建物

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Publication number
JPH0718916A
JPH0718916A JP18863593A JP18863593A JPH0718916A JP H0718916 A JPH0718916 A JP H0718916A JP 18863593 A JP18863593 A JP 18863593A JP 18863593 A JP18863593 A JP 18863593A JP H0718916 A JPH0718916 A JP H0718916A
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JP
Japan
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steel pipe
building
column
viscous material
vibration
Prior art date
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Pending
Application number
JP18863593A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kaneko
佳生 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Publication of JPH0718916A publication Critical patent/JPH0718916A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物に主構造体とは別途に減衰装置を設置す
る事なく、地震、風による振動を抑える構造の制振建物
を提供する。 【構成】 梁、柱からなるラーメン構造を持つ建物にお
いて、梁を鋼構造とし、柱をその反曲点で切断した鋼管
として、その鋼管の内部には粘性材を鋼管とは絶縁状態
で充填し、その鋼管内部の梁と柱の仕口部に支圧部を設
け、該切断部には伸縮機構を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,地震,風による建物の
振動を抑える制振建物に関し,特に建物に主構造体とは
別途に減衰装置を設置する事なく,地震,風による振動
を抑える構造の制振建物に関する。
【0002】
【従来の技術】建物がより高層化するのにともない,従
来の高さの低い建物とはことなり高さが200mを越す
建物においては風による振動対策も必要になり,建物の
安全を保ちかつ,その中に居住する人々が快適に生活で
きるようにするために,建物の振動対策は重要なものに
なっている。これらの建物の振動対策としては,重量物
とバネとにより建物の振動を抑える減衰装置や,エネル
ギー吸収能力の大きい減衰装置を建物の主構造体とは別
途に設置することにより建物の振動を抑えるものがあ
る。
【0003】重量物とバネにより建物の振動を抑える減
衰装置は,建物の頂部に設けられる機械室などに,建物
の総重量の約300分の1におよぶ重量物をバネを介し
て移動自在にした減衰装置を設置するもので,この重量
物が建物の振動で作動し建物の振動を打ち消す方向に移
動することにより,建物の振動を抑えようとするもので
ある。エネルギー吸収能力の大きい減衰装置は,建物の
各層あるいは複数層の構造体である梁,柱間に,エネル
ギー吸収能力の高い減衰装置たとえば,ゴム,アスファ
ルト系の粘性ダンパーや,鉛の可塑性を応用した鉛押し
だしダンパーなどを壁,ブレース材に配置する方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】重量物とバネによる減
衰装置では,建物の規模にもよるが,重量物は100ト
ンを越えるほどの重量が必要となり,また,減衰装置を
設置するスペースも大きく必要とし,場合によってはそ
のための構造的な補強も必要とし,さらに,減衰装置設
置の手間もかかる。また,この減衰装置の場合は,重量
物の振動の周期を建物の周期に合わせる必要があるが,
地震による振動の周期は1次周期以外の高次の周期が含
まれるので,一つの周期に合わせるだけでは地震の振動
を減衰することは不可能であり,風による振動にのみ有
効なものである。
【0006】また,エネルギー吸収能力の高い減衰装置
を用いる場合には,梁,柱間にこの減衰装置が設置され
るために,梁,柱間のスペースが有効に利用できず,建
物の平面レイアウト計画が自由に出来ないと言う欠点が
ある。エネルギー吸収能力の高い減衰装置は,設置した
層の上下階の間の変形に応じて働くため地震,風に対し
て有効ではあるが,建物の高さが高くなるにつれて建物
の変形は,建物全体が曲がる曲げ変形が大きなものとな
るので,地震に対する制振効果は薄れるという欠点を持
つ。
【0007】これらの問題点の解決は,建物がより高層
化するのに従い望まれるところ大なるものである。本発
明は,前記事情にかんがみて為されたものであり,その
目的とするところは,減衰装置を別途設置するスペース
を不要とし,地震,風の両方に起因する建物の振動を抑
える構造の,制振建物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,梁,柱からな
るラーメン構造を持つ建物において,梁を鋼構造とし,
柱をその反曲点で切断した鋼管として,その鋼管の内部
には粘性材を鋼管とは絶縁状態で充填し,鋼管内部の
梁,柱の仕口部に支圧部を設け,該切断部には伸縮機構
を持つ事を特徴とする制振建物に関する。
【0009】
【作用】本発明による制振建物では,梁,柱からなるラ
ーメン構造を持ち,梁を鋼構造とし,柱をその反曲点で
切断した鋼管として,その鋼管の内部には粘性材を鋼管
とは絶縁状態で充填し,その鋼管内部の梁と柱の仕口部
に支圧部を設け,該切断部には伸縮機構を持つので,鋼
管と粘性材は絶縁材と伸縮部により相互に移動自在なの
で,建物に加わる鉛直力および水平力は,梁と柱の仕口
部に設けられた支圧部より粘性材に伝達されて,粘性材
の減衰力により効果的に制振がなされる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は,本発明の制振建物の主要部を示
す立断面図である。本実施例の制振建物1は,鋼構造か
らなる梁2を,鋼管柱4に固定されるブラケット13に
ガセットプレート(図示せず)を介して梁2のフランジ
部,ウエブ部をボルト締めしたり,または鋼管柱4に梁
2のフランジ部,ウエブ部を直接溶接するなどして固定
している。梁2と鋼管柱4との仕口部11には,支圧部
3を設けている。鋼管柱4の反曲点には,伸縮部12を
設けている。鋼管柱4の内部には,絶縁材10を介在し
て粘性材9を充填している。絶縁材10としては,たと
えばグリース,テフロンなどが用いられる。粘性材9と
しては,生ゴム,合成ゴム,シリコンゴムなどのポアソ
ン比が0.36〜0.60の材料が用いられる。
【0011】図2は,仕口部11の詳細を示す立断面図
である。本実施例では,鋼管柱4の仕口部11において
ブラケット13の上下のフランジ部を鋼管5を貫通させ
内部に突出させて,支圧部3を形成している。支圧部3
は,この他にブラケット13とは別個に鋼管5の内部に
固着させてもよいが,その位置は梁応力の伝達状態か
ら,ブラケット13のフランジ部の位置が望ましい。こ
の支圧部3は,制振建物1に加わる鉛直力,水平力を粘
性材9に伝達する働きをする。
【0012】図3は,伸縮部12の詳細を示す立断面図
である。鋼管5は,鋼管柱4の反曲点で切断されてお
り,この切断部には上下の鋼管5,5’を数ミリから数
センチメートルの間隔で対峙させるスリット8を設けて
いる。切断された鋼管5の上端または下端に,鋼管5の
内径よりも微小分外径が小さく,対峙する鋼管5の下端
または上端と所定の長さで遊嵌部7を形成する内部鋼管
6を固着させて,伸縮部12をなしている。遊嵌部7の
鋼管5’には,長穴14を複数個所設けてあり,内部鋼
管6の外面にはピン15を固着しこの長穴14に突出さ
せている。鋼管5には,絶縁材10を介して粘性材9を
充填してあるので,伸縮部12ではピン15の側部が長
穴14の端面に当接するまで鋼管5の上下方向の移動が
可能である。
【0013】次に,本発明の制振建物1に対して外力が
加えられた際の振動の減衰について説明する。制振建物
1に鉛直力(矢印A)が作用すると,図2に示すように
梁2,ブラケット13を通じて鋼管柱4に鉛直力が伝達
される。鋼管柱4の仕口部11の内側には支圧部3を設
けてあるので,鋼管柱に伝達された鉛直力は支圧部に伝
達される。そして,鋼管柱4の内部には絶縁材10を介
して粘性材9が充填され,鋼管柱4の鋼管5は遊嵌部7
を介して互いに間隔を持っているので,鋼管柱4と粘性
材9とは相対的に移動し,支圧部の鉛直力は粘性材9に
を伝達される。(矢印B) 鉛直力の加わった粘性材9(矢印C)のポアソン比は
0.36〜0.60程度であるので粘性材9そのものは
体積変化を起こさず,従って鉛直力が伝達された粘性材
9は上下方向に縮小する分,水平方向に拡大して体積を
一定に保とうとする。この水平方向の拡大による力(矢
印D)は,鋼管柱4の鋼管5のリングテンション(引っ
張り力)として伝達,支持されることになる。このよう
に制動建物1に加わる鉛直力は,支圧部3から,減衰性
能を持つ粘性材9を介して伝達されるので大きな減衰が
行われるとともに,最終的には鋼管5の引っ張り力とし
て伝達されるので,鋼材の特性である引っ張り力に強い
点を有効に活用して構造体のコスト低減も向上できる。
【0014】つぎに,制振建物1に水平力が作用する場
合について述べると,水平力がもっとも作用する仕口部
においては,梁2と鋼管柱4は剛接合されているので,
従来の鉄骨造と同様の力の伝達がなされそのため曲げモ
ーメントは,鋼管柱4に直接伝導される。加えて鋼管柱
4の水平方向の移動にともない仕口部は回転を起こし,
鋼管5の内部に設けてある支圧部3が粘性材9を押すこ
とで,水平力は前記制振建物1に鉛直力の加わった場合
と同様に,粘性材9に伝達され最終的にリングテンショ
ンとして鋼管5に伝達される。特に付加圧縮軸方向力
は,鉛直荷重時と同様に直接粘性材9へと伝導される。
また,鋼管柱4そのものに加わる上下方向の引っ張り力
は,伸縮部12に設けたスリット8を拡張するように働
くが,この際,鋼管5,内部鋼管6に設けたピン15の
側部が長穴14の端面に当接するまでスリット8は拡張
するが,その後は拡張せず鋼管柱4への引っ張り力とし
て伝達される。そのうえ,伸縮部は反曲点に設けられて
いるので,水平力による応力が生じることもない。前記
の如く,水平力が作用する場合も支圧部3が粘性材9を
押して水平力を伝達するので,大きな減衰力が期待でき
る。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように,本発明の制振建物
は,梁,柱からなるラーメン構造を持ち,梁を鋼構造と
し,柱をその反曲点で切断した鋼管として,その鋼管の
内部には粘性材を鋼管とは絶縁状態で充填し,その鋼管
内部の梁と柱の仕口部に支圧部を設け,該切断部には伸
縮機構を持つので,鋼管と粘性材は絶縁材と伸縮部によ
り相互に移動自在なので,建物に加わる鉛直力および水
平力は,梁と柱の仕口部に設けられた支圧部より粘性材
に伝達されて,粘性材の盛衰力により効果的に制振がな
されるので,建物の主構造体とは別途に盛衰装置を設置
する事が不要になり,かつ装置を設置する手間,スペー
スが不要となる。そのうえ,梁,柱間が自由に使えるの
で,スペースの有効利用,自由なレイアウトも可能にな
る。また,主構造体が盛衰装置をなしているので,地
震,風のいずれに起因する振動も抑える制振建物が実現
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】制振建物の主要部を示す立断面図
【図2】仕口部を示す立断面図
【図3】伸縮部を示す立断面図
【符号の説明】
1.制振建物 2.梁 3.支圧部 4.鋼管柱 5,5’.鋼管 6.内部鋼管 7.遊嵌部 8.スリット 9.粘性材 10.絶縁材 11.仕口部 12.伸縮部 13.ブラッケット 14.長穴 15.ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁,柱からなるラーメン構造を持つ建物
    において,梁を鋼構造とし,柱をその反曲点で切断した
    鋼管として,その鋼管の内部には粘性材を鋼管とは絶縁
    状態で充填し,その鋼管内部の梁と柱の仕口部に支圧部
    を設け,該切断部には伸縮機構を持つ事を特徴とする制
    振建物。
JP18863593A 1993-07-02 1993-07-02 制振建物 Pending JPH0718916A (ja)

Priority Applications (1)

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JP18863593A JPH0718916A (ja) 1993-07-02 1993-07-02 制振建物

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JP18863593A JPH0718916A (ja) 1993-07-02 1993-07-02 制振建物

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JPH0718916A true JPH0718916A (ja) 1995-01-20

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ID=16227159

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JP18863593A Pending JPH0718916A (ja) 1993-07-02 1993-07-02 制振建物

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JP (1) JPH0718916A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10252308A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Shimizu Corp 建築物の制振構造
WO2003100198A1 (en) * 2002-05-27 2003-12-04 Cambridge University Technical Services Ltd. Building collapse control system and method

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JPH10252308A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Shimizu Corp 建築物の制振構造
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