JPH04176974A - 建築構造物 - Google Patents

建築構造物

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JPH04176974A
JPH04176974A JP30304290A JP30304290A JPH04176974A JP H04176974 A JPH04176974 A JP H04176974A JP 30304290 A JP30304290 A JP 30304290A JP 30304290 A JP30304290 A JP 30304290A JP H04176974 A JPH04176974 A JP H04176974A
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floor
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Hiroshi Kawase
博 川瀬
Ikuo Takahashi
郁夫 高橋
Toshiaki Sato
俊明 佐藤
Yasuhiro Hayashi
康裕 林
Toru Ishii
透 石井
Sekio Nanbu
世紀夫 南部
Yutaka Inada
裕 稲田
Tetsushi Kiyokawa
清川 哲志
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野コ 本発明は、地震、風等により生しる建築構造物の振動を
おさえることができる建築構造物に関するものである。
1従来の技術1 建築構造物は中高層ビルであれ超高層ビルてあれ強風や
地震動などの水平力に対して安全てかつ住人にとって不
快でないような応答をするへく設計する必要かある。
従来のビルにおいては、水平力に対し柱・梁によるフレ
ームとしての剛性やプレース・耐震壁なとによる剛性に
よってたた単に耐える(−変形が過大にならず、生ずる
力が限界値以下である)よう設計されてきた。その結果
最大応答は建築構造物自体の減衰に強く依存し、その値
は高々鉄骨造で1〜2%、RC造で5%程度である。
それではあまりに効率か悪いので、近年になりチューン
ドマスダンパ一方式やチューントスロッジングタンパ一
方式と呼ばれるダイナミックタンパ−か超高層ビルや観
光タワーなとに使われるようになってきた。その原理は
、建築構造物の固有振動数に非常に近い固有振動数を持
つ小さな付加バネ−マス−タンバー系を建築構造物に取
付け、建築構造物の振動工不ルキーをこの付加系に導き
そこで二不ルギー吸収することにより、建築構造物のみ
かけの減衰を増大させようとするものてある。この方式
には、■付加系のマス(質ff1)は大きいはと効果は
高いか様々な制約のためあまり大きくてきない、■最上
階の最も価値の高いスペースか犠牲になる、■地震時に
は付加系の振幅か大きくなりすきるので使えないかまた
は効率が悪化する、■−次固有振動数に対してしか効果
がない等の問題がある。
もっと直接に建築構造物全体の減衰を増大させる方法と
して、プレース・耐震壁なと水平耐力部材に何らかの減
衰機構を組込む方式も多(提案されている。この方法に
は、■層間相対変位または速度に依存しているので一つ
のユニットで吸収するエネルキーか非常に小さく、十分
な減衰をえるためには非常に多くのユニットを取付ける
必要がある、■コスト高である、■メンテナンスか面倒
、■建築構造物重量か増大する等の問題かある。
上記の問題を解決した制振システムとして、参考文献(
特公平1−1946)のようにワイヤーを2字状に繰り
返し左右に張り回す方式のものが既に提案されている。
当該制振システムは、第29図に示すように、一連のワ
イヤー2の両端を高層建築物1の上階層に固定すると共
にそのワイヤー2の中間部を高層建築物lの下階層に位
置させ、かつ高層建築物1の各階層における柱と梁の接
合部のそれぞれに滑車3を備えて、前記ワイヤー2の一
端から中間部までの間の一方側半分は、上方から下方へ
ほぼ同し方向に傾斜する傾斜部と、はぼ水平の水平部と
を順次繰り返して成すように前記それぞれの滑車3に架
け渡し、前記ワイヤー2の他端から中間部までの間の他
方側半分は、上方から下方へ前記ワイヤー2の一方側半
分の傾斜部とは逆の方向に傾斜する傾斜部と、はぼ水平
の水平部とを順次繰り返して成すように前記それぞれの
滑車3に架け渡し、高層建築物1の基礎に、前記ワイヤ
ー2の中間部の変位を抑制するタンパを装備したことを
特徴としたものである。
【発明か解決しようとする課題] しかしながら、従来技術においては以下に掲げる問題点
かあった。
■滑車3と滑車3の間のワイヤーが必要なのでその分重
量か増えるしコストか高くなるという問題点。
■滑車と滑車の間のワイヤーも斜娯品抽φめワイヤーと
同し張力を受は同し割合て伸ひるので、建築構造物に生
した水平変位を基礎部に伝達する過程で、ワイヤーの伸
びによる損失か大きくなるという問題点。
■沢山の滑車を必要とするのでその分重量か増え、コス
トか高くなるという問題点。
■沢山の滑車における摩擦損失が有るので、建築物に生
じた水平変位によりワイヤーに生しる引張力を基礎部に
伝達する過程で、減衰装置へ入力する前記引張力の損失
か大きくなるという問題点。
■各階における滑車と滑車との間のワイヤー(水平方向
に延在するワイヤー)により係る梁材か軸方向に圧縮力
を受けるので、梁材の補強が必要であるという問題点。
■機構か複雑なのでメンテナンスに手間かかかるという
問題点。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、
その課題とするところは、従来技術に比へて、コストを
低減し、引張材(ワイヤー)の延びを減少し、引張力の
損失を減少し、梁材の補強を不要とし、かつメンテナン
スの手間を軽減することができる建築構造物を提供する
点にある。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、建屋と、当該建屋に端部を固定した一
連の引張材と、当該引張材に生じる引張力を吸収するよ
うに介在させた減衰装置とを備えた、地震、風等による
振動を抑えることができる建築構造物であって、前記引
張材は、前記減衰装置を挟んで一方側半分と、他方側半
分とが1箇所において交叉するように前記建屋に架け渡
してなることを特徴とした建築構造物に存する。
[作用] 従来技術に比へて引張材の長さを減少させる(例えば、
引張材の角度か45°のとき従来技術に比べて60%以
下の長さとする)。このことより引張材の延びか減少す
るとともに、機構か簡略化しメンテナンスの手間か低減
する。
引張材を斜張するので、引張材を水平方向に張設した場
合に比べて梁に生しる軸方向圧縮力を低減させる。
単に一点において交叉するようにしているので、従来技
術に比へて滑車の数を減少させる。このことより滑車に
よる引張材に生しる引張力の摩擦損失が減少し、その結
果減衰装置への引張力の入力の減少を防止する。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説
明する。たたし、本実施例に記載されている構成部品の
寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な
記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限
定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
(実施例1) まず、実施例1に係る建築構造物Aの構成について第1
図ないし第5図を用いて説明する。
当該建築構造物Aは、第1図に示すように32階建の高
層ビルであり、建屋10と、当該建屋10の各外壁11
において端部を固定した3本のワイヤー20(引張材)
と、当該ワイヤー20に生じる引張力を吸収するように
前記各ワイヤー20の中間部に各別に介在させた3機の
鉛プラグ入り積層ツム30(減衰装置)とを備えたもの
である。
前記各ワイヤー20は、前記鉛プラグ入り積層ゴム30
を挟んで一方側半分と、他方側半分とが建築構造物への
正面視における幅方向中央の1箇所において交叉するよ
うに前記建屋10に斜設したものである。さらに詳しく
説明すると、一連のワイヤー20の両端を屋上階の左端
と右端とに固定しく以下、ワイヤー20の端部を固定し
た部分を「固定部40」と称する。)、このワイヤー2
0の一端から中間部までの片側半分はその点から直接、
基礎部14の上記固定部40と反対側の下側端部に取り
付けられた導入部滑車41に斜めに架け渡し、そこでさ
らに地下室に取り付けられた水平部滑車42により水平
に架け渡し、前記ワイヤー20の他端から中間部までの
半分も固定部40から直接、基礎部14の固定部40と
反対側の下側端部に取り付けられた導入部滑車41に斜
めに架け渡し、そこでさらに地下室に取り付けられた水
平部滑車42により水平に架け渡し、こうして右からと
左から架け渡されたワイヤー20を繋ぐ形のワイヤ−2
0中間部において鉛プラグ入り積層コム30を介在させ
、適度な張力を与えたものである。また、1次振動だけ
てなく高次振動においても減衰効果か得られるように、
16階、24階及び屋上階に固定部40を設はワイヤー
20を張っている。蓋し、水平線とワイヤー20とのな
す角度が大きくなると、ワイヤー20張力と水平力の間
の変換効率か悪化するので、前記なす角は出来るたけ小
さい方(水平に近い方)か望ましいからである。そのた
め実施例1においては、24階の固定部40と基礎部1
4に設置された導入部滑車41を直接結合し、その角度
を保って、屋上階の固定部40と8階に設置された導入
部滑車41、及び16階の固定部40と基礎の中間位置
に設置された導入部滑車41を結合している。
前記各固定部40には、実施例2(第11図)において
掲げるピンを用いたもの等、本発明を実施するうえて好
適なものを用いればよい。
前記導入部滑車41は第2図に示すように、柱16・梁
17接合部にその軸か外壁11と垂直に(水平方向に)
取り付けられ、鉛直面内で自由に回転できるようになっ
ている。さらにワイヤー20の張力により生ずる力が柱
16・梁17接合部を局所的に変形させたりしないよう
に補強プレート43によって補強している。
前記水平部滑車42については第3図に、基礎部14(
地下階)に設置された水平部滑車42の詳細を示す。滑
車は取付プレート44に取り付けられている。当該取付
プレート44は非常に厚く補強された壁に埋め込まれた
アンカー(図示路)により柱16に取り付けられており
、前記導入部滑車41から鉛直下方に張られたワイヤー
20を水平に方向転換し、鉛プラグ入り積層コム30に
導いている。
前記鉛プラグ入り積層コム30は、第4図及び第5図に
示すように幅方向中央に所定間隔を介して4つの孔を設
けてなるコムと鋼板を交互に積み重ねてそれらを加硫接
着して積層コム31とし、さらに前記孔に円柱形の鉛プ
ラグ32を埋め込み、積層コム3Iの剪断変形かそのま
ま鉛の剪断変形となるようにしたもので、基礎部14に
設けられている。免震建築構造物A用のものは柱16脚
部に取り付けるために外形略円筒形としているか、実施
例1においては鉛直荷重を受けないので、第4図に示す
ように平面視略長方形のものを用いている。前記積層ゴ
ム31及び鉛プラグ32は鋼製のトッププレート33と
同じく鋼製のベースプレート34に固着され、当該ベー
スプレート34は床スラブI5にアンカーされた取付ホ
ルト35によりと固定されている。前記トッププレート
33には、その両端部に取付である平面視コの字状の取
付金具38を介してワイヤー20か取り付けられ、地震
、風等に起因する建築構造物Aの水平方向の動き(主と
して、前記トッププレート33の長手方向の動き)か、
トッププレート33に伝達される。ワイヤー20の取付
方法は、左右それぞれの取付金具38に巻着し、締付用
ホルト36とナツト37とにより締結されている。
次に、前記建築構造物への作用について説明する。
前記固定部40は、前記各ワイヤー20の両端部を建屋
10に固定する。
前記導入部滑車41は、斜設した前記ワイヤー20の張
設方向を鉛直方向に転換する。
前記水平部滑車42は、鉛直方向に延在する前記ワイヤ
ー20の張設方向を水平方向に転換する。
前記ワイヤー20は、建屋10の振動により生じた引張
力を前記導入部滑車41と前記水平部滑車42とを介し
て前記鉛プラグ入り積層コム30に伝達する。
前記鉛プラグ入り積層コム30は、前記ワイヤー20か
左右とちらかに引張られるとトッププレート33か引っ
張られそれに伴って積層コム31及び鉛プラグ32が剪
断変形する。前記鉛プラグ32は第6図(ロ)に示すよ
うに完全弾塑性型の履歴ループを有しており、わずかな
変形に対しても履歴による工不ルキー吸収を行う。例え
ば、長さ180cm、幅60cm、高さ27cm(9層
)のもので約150tの減衰効果かある。なお、第6図
(イ)は鉛プラグ32の履歴特性を示す図、第6図(ハ
)は鉛プラグ入り積層コム30の履歴特性を示す図であ
る。このように前記鉛プラグ入り積層ゴム30は、前記
ワイヤー20に生じた引張力と釣り合うことによりワイ
ヤー20の移動を抑制し、ひいては建屋10の振動を減
衰する。
次に、前記建築構造物Aの作動原理について第7図を用
いて説明する。なお、第7図に示す建築構造物Aにおい
ては、理解を容易にすへく鉛プラグ入り積層ゴム30を
1つ、ワイヤー20を1本に簡略化する。
今、建築構造物Aが、地震力または風力を受けて振動し
、ある瞬間に釣り合い位置く第7図における点線で示す
位置)から第7図における実線で示す位置に変形したと
する。この結果建築構造物への右上部と左下部の間の相
対距離か増大し、よって右上固定部40から左下方間に
張られたワイヤー20は引っ張られ、その変位は導入部
滑車41と水平部滑車42とに架け渡された引張側ワイ
ヤー20aにより鉛プラグ入り積層ゴム30に伝えられ
る。当該引張側ワイヤー20aはその張力により弾性変
形し、固定部40と導入部滑車41との間の相対変位の
うち幾分かを吸収するが、大部分は鉛プラグ入り積層ゴ
ム30に対する入力となる。鉛プラグ入り積層ゴム30
は入力変位もしくは入力速度に比例した減衰力を発生し
ワイヤー20の張力と釣り合う。こうして建築構造物A
の右方向への変形に対し、ワイヤー20と鉛プラグ入り
[コム30によってその変形を抑える方向に力か発生し
、当該力か建築構造物Aに作用する。
一方、建築構造物Aの左上部と右上部の間の相対距離は
減少するので、鉛プラグ入り積層ゴム30から水平部滑
車42と導入部滑車41とを経て反対側の左上固定部4
0に至る部分の圧縮側ワイヤ−20bには大きな張力は
働かす、たた引張側ワイヤー20aに引かれるまま、た
るみを生ずることなく移動する。
反対に、次の瞬間には水平に左方向に変形したとすると
、建築構造物Aの左上部と右下部の間の相対距離か増大
し、よって左上固定部40から右下方向に張られたワイ
ヤー20は引っ張られ、その変位は導入部滑車41と水
平部滑車42を経て鉛プラグ入り積層ゴム30に伝えら
れ、鉛プラグ入り積層ゴム30は入力変位もしくは入力
速度に比例した減衰力を発生しワイヤー20の張力と釣
り合う。こうして建築構造物Aの左方向への変形に対し
、右方向への振動抑制力か発生する。一方、ワイヤー2
0の、右上固定部40から左下方向に張られた部分は圧
縮側ワイヤー20bとなり、たるみを生ずることなく移
動する。
次に、以上のように構成した建築構造物Aの効果につい
て説明する。
従来技術に比へてワイヤー20の長さを減少させ、また
、このことよりワイヤー20の延びか減少するとともに
、機構が簡略化するのでメンテナンスの手間を低減する
ことができるとともに、引張力を斜めに斜張するので、
水平方向に延在すワイヤー20による軸方向圧縮力を低
減することができ、さらに単に一点において交叉するよ
うにしているので、従来技術に比へて滑車の数を減少す
ることができ、このことより滑車によるワイヤー20に
生じる引張力の摩擦損失を減少し、その結果鉛プラグ入
り積層ゴム30への引張力の入力の減少を軽減すること
ができる。
また、上記のように、屋上階、24階及び16階に設け
た固定部40と基礎部14とをそれぞれ各ワイヤー20
により直接つないでいるので、小さな建築構造物Aの振
幅に対しても、大きな、ワイヤー20の移動量か得られ
る。すなわち各固定部40と基礎部14との相対変位そ
のものを取り出すことができる。これにより、鉛プラグ
入り積層ゴム30に対する入力か大きくなり、少ない鉛
プラグ入り積層コム30で効率よく工率ルキー吸収する
ことが可能となる。
また、ワイヤー20を一箇所において交差するように張
設したことにより、ワイヤー20にたるみを生じないよ
うにするとともに、履歴ダンパーを用いたときに残留変
形か生ずるたびにその分たけ釣合い点か移動し減衰機構
の動かなくなる領域が拡大していくという問題を解決で
きる。
また、屋上階のみならず24階及び16階にも固定部4
0を設けているので一次振動のみならず高次振動をも減
衰することができる。
また、前記各ワイヤー20は、前記鉛プラグ入り積層ゴ
ム30を挟んで一方側半分と、他方側半分とが建築構造
物Aの正面視における幅方同中央の1箇所において交叉
するように前記建屋10に架け渡してなるので、左右方
向の振動(例えば、第1図を示す紙面の左右方向の振動
)に対して均等に減衰効果を得ることができる。
なお、本実施例においては鉛プラグ入り積層コム30と
して鉛プラグ入り積層ゴム30を用いているが本発明の
範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明においては
他のもの、例えば、回転式減衰装置50、オイルタンパ
−1あるいはそれらの組み合わせ等、本発明を実施する
うえで好適なものを用いることができる。前記回転式減
衰装置50は第8図及び第9図に示すように、その上部
に位置する同軸プーリー51と、下部に位置する基体5
2とがらなるものである。前記同軸プーリー51は前記
ワイヤー20の中間部を2重ないし3重に巻着しており
、ワイヤー20の移動量に応じて回転するものである。
前記基体52は、その下面を基礎部14の床に固定して
おり、前記同軸プーリー51と装置下部との間に相対運
動が生ずるものである。この開に粘性体(コム状物質)
53を満たしておけば、運動の向きと反対方向に力が発
生する。この力により建築構造物Aのエネルキーは最終
的には粘性体の熱エネルギーとなって消費される。
また、前記鉛プラグ入り積層ゴム30は平面視長方形を
してなるか、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではな
く、本発明においては他の形状、例えば、平面視円形等
、本発明を実施するうえて好適な形状のものを用いるこ
とができる。
また、緊張材としてワイヤー20を用いているか、本発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明におい
ては他のもの、例えば鋼製ロット等、本発明を実施する
うえて好適なものを用いることができる。
また、ワイヤー20を外壁11部に取り付けることを想
定しているが、内部のエレベータ・機械室等を配置する
コア部分の内壁に沿って配置することも可能である。そ
の場合内壁の一方の面(例えば外側)に右上から左下に
張られたワイヤー20を配置し、もう一方の面(例えば
内側)に左上から右下に張られたワイヤー20を配置す
ればよい。いずれの場合にもワイヤー20を張った面に
対し直交する方向(面外方向)の建築構造物Aの曲げ変
形(例えばはらみたしのような変形)に対してワイヤー
20が建築構造物Aに接触しないよう、十分なりリアラ
ンスを取る。
また、導入部滑車41と水平部滑車42を一つの滑車で
兼ねることも可能である。また滑車に直接回転式の鉛プ
ラグ入り積層コム30を組み込むことにより、水平に架
け渡されたワイヤー20に取りつく鉛プラグ入り積層コ
ム30を設置しないことも可能である。
また、−次振動たけに減衰効果を求める場合には屋上階
にだけ固定部40を設けて当該固定部40にワイヤー2
oを張設すればよい。建屋10各部にも取付けた場合に
は高次振動数に対しても効果がある。つまり振動モード
の腹と節に相当する部分を結合すればそのモードに対し
て効率よく制振できる。
また、ワイヤー20を一点において交叉させているが、
本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明に
おいては他の方法、例えば第17図に示すように8階か
ら基礎部14内に交叉することなく張設することもてき
る。
(実施例2) 次に、本発明の一実施例である実施例2について第10
図ないし第13図を用いて詳細に説明する。
実施例2に係る建築構造物Aは、第10図に示すように
、28階建の高層ビルであり、建屋10と、当該建屋1
0の各外壁11において端部を固定した3本のワイヤー
20からなるワイヤー20群と、当該ワイヤー20群に
生じる引張力を吸収するように前記各ワイヤー20の中
間部に各別に介在させてなる3機の鉛プラグ入り積層ゴ
ム30とを備えたものである。
前記ワイヤー20群を構成する3本のワイヤー20は、
一連のワイヤー20の、前記鉛プラグ入り積層ゴム30
を挟んで一方側半分と、他方側半分とが建築構造物への
正面視における幅方向中央の1箇所において交叉するよ
うに前記建屋10に斜設してなるものである。さらに詳
しく説明すると、前記ワイヤー20群を構成する各ワイ
ヤー20は、屋上階、22階及び16階に設けられた固
定部40に端部を各別に固定してあり、基礎部14の1
階部分に設けられた導入部滑車41に架け渡し張設方向
を鉛直方向に変換し、基礎部14内部に取り込まれ、さ
らに、水平部滑車42に架け渡し張設方向を水平方向に
変換するように架け渡し、中間部に前記鉛プラグ入り積
層ゴム30を介在させ、適度な張力を与えたものである
。したかって、前記ワイヤー20群には右上から左下に
斜設したものと左上から右下に斜設したものとがある。
前記各固定部40は第11図に示すように、柱16・梁
17接合部において外壁11に垂直に(水平方向に)固
定された固定ピン45を備え、当該固定ビンにより前記
各ワイヤー20の端部を固定するものである。屋上階に
設けである固定部40は屋上階の左端と右端とにそれぞ
れ設けられ、22階と16階に設けられた固定部40は
、張設すべき両ワイヤー20の水平線とのなす角が、屋
上階から張設されたワイヤー20の水平線とのなす角と
同一の角度となる位置に設けられている。
さらに実施例2においては前記各ワイヤー20群の交点
には、滑車を用いた接触防止装置46をワイヤー20群
の交点に介挿している。当該接触防止装置46は、第1
2図及び第13図に示すように正面視菱形の鋼製板状体
46aに前記各ワイヤを架け渡すことができるように複
数のプーリー4、6 bを両面に設けであるものである
水平部滑車42、導入部滑車41、鉛プラグ入り積層ゴ
ム30及びその設置方法等の構成につ(Xでは実施例1
と同様の構成となっている。
前記建築構造物Aは上記のごとき構成となっているので
、実施例1に係る建築構造物Aと同様の、鉛プラグ入り
積層ゴム3oの作動原理を奏し、作用効果を得ることが
できる。
さらに実施例2においては、前記ワイヤー20群の交点
に接触防止装置46を介装しているので前記各ワイヤー
20の摩耗を防くことができる。
なお、実施例2ては前記ワイヤー20群を建屋10の外
壁11部に取り付けることを想定しているか、内部のエ
レベータ・機械室等を配置するコア部分の内壁に沿って
配置することも可能である。
斯かる場合においては、内壁の一方の面に右上から左下
に張られたワイヤー20を配置し、もう−方の面に左上
から右下に張られたワイヤー20を配置すればよい。
また、上記いずれの場合にもワイヤー20を張った面に
対し直交する方向(面外方向)の建築構造物Aの曲げ変
形(例えばはらみたしのような変形)に対してワイヤー
20か建築構造物Aに接触しないよう、十分なりリアラ
ンスを取るようにする。
その他の変形例においても実施例2の実施を妨げないこ
とを条件として適用することができる。
(実施例3) 次に、本発明の一実施例である実施例3について第14
図ないし第16図を用いて詳細に説明する。
実施例3に係る建築構造物Aは、第14図に示すように
、中央にアトリウム・中庭・天蓋付き吹き抜き等の空洞
部12を持つ平面視において外輪郭四角形の22階建て
の高層ビルであり、建屋10と、当該建屋10の各内壁
13において端部を固定した3本のワイヤー20と、当
該各ワイヤー20に生じる引張力を吸収するように前記
各ワイヤー20の中間部に各別に介在させた3機の鉛プ
ラグ入り積層ゴム30とを備えたものである。
前記各ワイヤー20は、その両端部を前記建屋10の内
壁13に設けた固定部40に固定し、前記鉛プラグ入り
積層ゴム30を挟んで一方側半分と、他方側半分とが前
記空洞部12の正面視における幅方向中央の一点におい
て交叉するように前記建[10に斜設したものである。
さらに詳しく説明すると、屋上階、22階及び16階の
内壁13の左縁部又は右縁部に固定部4oを設け、当該
各固定部40に一連のワイヤー20の各端部を各別に固
定し、前記空洞部12の反対側にさし渡す形で斜設し、
右縁部又は左縁部に設けた導入部滑車41に架け渡し、
さら°に基礎部14に設けた水平部滑車42を架け渡し
、前記各ワイヤー20の中間部に鉛プラグ入り積層ゴム
30を介在させ、適度な張力を与えたものである。
屋上階における前記固定部40は第15図に示すように
、柱16・梁17接合部隅角部において内壁13に垂直
に(水平方向に)固定された固定ビンにワイヤー20の
一端が固定されるようになっている。22階及び16階
における固定部40も同様の構成となっている。
前記導入部滑車41は、屋上階、22階及び16階に各
別に固定された3本のワイヤー20の端部を架け渡すこ
とができるように、第16図に示すごとく鉛直方向に列
設されている。
水平部滑車42、鉛プラグ入り積層コム30及びその設
置方法等については実施例1と同様の構成となっている
なお、本実施例では、空洞部12を有する建築構造物A
に適用しているので空洞部12内において自由にワイヤ
ー20を張ることができる。従って、例えば右上から左
下へ張られたワイヤー20を奇数番号の柱16に、左上
から右下へ張られたワイヤー20を偶数番号の柱16に
取り付けるといったことができる。また平面視において
対角線に一致するように上に張設することもてきる。そ
の他の作用効果については実施例1と同様の作用効果と
なっている。
また、実施例2においては−の柱16にワイヤー20の
端部を固定しているが、本発明の範囲をそれに限定する
趣旨ではな(、それぞれ異なる柱16に端部を固定する
こともできる。斯かる場合においては固定部40を設け
た各柱16に1つの導入部滑車41を取り付ければよい
また、その他の変形例においても実施例3の実施を妨げ
ないことを条件として適用することができる。
(減衰実験) 最後に、上記構成の建築構造物Aの減衰実験結果につい
て説明する。本減衰実験は以下に掲げる31類の実験モ
デルを用いてシミュレーションを行ったものである。
(A)実験モテル 本減衰実験に係る実験モデルは、従来型の非制振建築構
造物A(以下、[○R1100jと表す。
)、減衰装置としてタツン二ポントによるワイヤー制振
法を用いた建築構造物A(以下、rDS Ploo」と
表す。)及び減衰装置として鉛入り積層コム30による
ワイヤー制振法を用いた建築構造物A(以下、LRBO
80と表す。)である。
■ 0RI100 ○RI100はワイヤー制振法を用いた建築構造物Aと
の比較に用いる、S造28階建て(高さ約110m)、
重量約4万1、減衰定数2%、−次固有周期約3秒の建
築構造物Aである。
ワイヤー制振法を用いた二つの建築構造物Aは、固有値
解析結果の振動モードの形状を考慮し、22階、15階
、8階と地表との間、並びに屋上階と8階との間をワイ
ヤー20により斜設し、ワイヤー20の中間部分に減衰
装置を取り付けたものである。
■ LRBO80 ワイヤー制振法を用いた建築構造物Aの実験モデルのう
ち、LRBO80は減衰装置として鉛プラグ入り積層ゴ
ム30を用いた建築構造物Aである。
前記鉛プラグ入り積層コム30は、基本的に鉛の塑性化
に伴う履歴吸収によって工不ルキー吸収を行うものであ
り、減衰性能は鉛の断面積にほぼ比例する。本実験モテ
ルにおいては最大変位135cmの時1241の塑性耐
力(水平力に対する塑性域での限界の力、すなわち水平
力か増加することなく変位のみか増加するようになる力
)となるよう設計した。また、減衰特性については第5
図に示すものと同様となっている。
建屋10フレームの水平剛性は、張設したワイヤー20
の水平剛性に対する影響を考慮し、0R1100の80
%に減じている。その他の建屋10のサイズ、水平剛性
等については0R1100と同様としている。
前記ワイヤー20は、直径10cmのワイヤー20の4
本を1組としてエネルギー吸収装置1台と結ぶ。LRB
が150tの塑性端方を経験する時、約1/4はワイヤ
ー20の弾性変形によって吸収される。
■ DSP]00 DSPlooは、減衰装置としてオイルタンパ<−を用
いた建築構造物Aである。前記オイルタンパ−は、前記
鉛プラグ入り積層ゴム30と同様の減衰性能を有するも
のである。建屋10の寸法、水平剛性、ワイヤー20等
についてはLRBO80と同様の構成としている。
以上の条件から設定された○R1100,LRBO80
,DSP100の解析用モデルの概念図を第18図(イ
)ないし第18図(ハ)に順次示す。
(B)実験結果 斯かるワイヤー制振法を用いた建築構造物Aの強震時に
おける性能を確認するため、設計用のスペクトル特性を
考慮した人工地震波を用いてシミュレーション解析した
。その結果の一部を以下に示す。
0RI100の地震応答の加速度・速度・変位各成分波
形の例を第19図に示す。同様に、DSPlooの応答
波形の例を第20図に、LRBO80の応答波形の例を
第21図に示す。
第19図ないし第21図に示すように、0Rr100で
は地震動か終わった後、徐々に減衰するか、100秒を
越えても完全には振動は収まらない。これに比へ、ワイ
ヤー制振法を用いた建築構造物Aは地震動が終わった後
、急速に減衰している。また、建築構造物A最大応答加
速度と建築構造物A最大応答変位の鉛直分布とは、第2
2図と第23図とに示すように、LRBO80及びDS
Plooでは0RI100の半分以下になっている。
同様にして強風時の応答特性も比較した。風向直行方向
の建築構造物への加速度・速度・変位応答波形を0RI
100、DSP100SLRBO80の順に第24図な
いし第26図に示す。第24図ないし第26図に示すよ
うにワイヤー制振法を用いた建築構造物Aの応答波形の
振幅は0R1100の応答波形の振幅よりも小さくなっ
ており、制振効果が明らかである。
また、建築構造物A最大応答加速度と建築構造物A最大
応答変位との鉛直分布を、第27図と第28図とに示す
。第27図及び第28図に示すように、建築構造物へ頂
部の加速度応答値を見ると、0RI100て約12Ga
Lのものか、ワイヤー20制振建築構造物Aでは6〜7
Ga Lまて低下している。
なお、実験モデルに係る減衰装置として、回転式減衰装
置50を用いることもてきる。当該回転式減衰装置50
は、第8図及び第9図に示すように円形ドラムの間に注
入された粘性体の剪断粘性抵抗を利用したものであり、
実験式より最大速度31cm/secの時124tの減
衰力となるような装置の直径は約1.3m高さは0.5
mと求められる。前記鉛プラグ入り積層ゴム30や、前
記オイルダンパーと同様の減衰効果を有する回転式減衰
装置50であれば、上記実験結果とほぼ同様の結果を得
ることができる。
[発明の効果] 本発明は、以上のように構成されているので以下に掲げ
る効果を有する。
従来技術に比べて引張材の長さを減少させ、また、この
ことより引張材の延びが減少するとともに、機構か簡略
化するのでメンテナンスの手間を低減することができる
とともに、引張力を斜めに斜張するので、水平方向に延
在す引張材による軸方向圧縮力を低減することができ、
さらに単に一点において交叉するようにしているので、
従来技術に比べて滑車の数を減少することができ、この
ことより滑車による引張材に生じる引張力の摩擦損失を
減少し、その結果減衰装置への引張力の入力の減少を軽
減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の一実施例である実施例1
を示すものであり、第1図は建築構造物の概略構成図、
第2図は導入部滑車の正面図、第3図は水平部滑車の正
面図、第4図は鉛プラグ入り積層ゴムの平面図、第5図
は鉛プラグ入り積層ゴムの側面図、第6図(イ)は鉛プ
ラグの履歴特性を示す図、第6図(ロ)は積層ゴムの履
歴特性を示す図、第6図(ハ)は鉛プラグ入り積層コム
の履歴特性を示す図、第7図は建築構造物の作動原理を
示す図、第8図はその他の実施例に係る回転式減衰装置
の平面図、第9図はその他の実施例に係る回転式減衰装
置の側断面図、 第1o図ないし第13図は本発明の他の実施例である実
施例2を示すもので、第10図は建築構造物の概略構成
図、第11図は固定部周辺の側面図、第12図は接触防
止装置の正面図、第13図は接触防止装置の側面図、 第14図ないし第16図は本発明の他の実施例である実
施例3を示すもので、第14図は建築構造物の概略構成
図、第15図は固定部周辺の側面図、第16図は導入部
滑車周辺の側面図、 第17図ないし第28図は減衰実験に係り、第17図は
建築構造物の概略構成図、第18図(イ)ないし第18
図(ハ)は建築構造物の解析用モデルを示す図、第19
図ないし第21図は各建築構造物における地震応答波形
を示す図、第22図は各建築構造物の地震による最大応
答加速度を示す図、第23図は各建築構造物の地震によ
る最大応答変位を示す図、第24図ないし第26図は各
建築構造物Aにおける風応答波形を示す図、第27図は
各建築構造物の風による最大応答加速度を示す図、第2
8図は各建築構造物の風による最大応答変位を示す図、 第29図は従来例に係る建築構造物の概略構成図である
。 A・・・・・・建築構造物、 10・・・・・・建屋、20・・・・・・ワイヤー(緊
張材)、30・・・・・・鉛プラグ入り積層ゴム(減衰
装置)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 建屋と、当該建屋に端部を固定した一連の引張材と、当
    該引張材に生じる引張力を吸収するように介在させた減
    衰装置とを備えた、地震、風等による振動を抑えること
    ができる建築構造物であって、前記引張材は、前記減衰
    装置を挟んで一方側半分と、他方側半分とが1箇所にお
    いて交叉するように前記建屋に架け渡してなることを特
    徴とした建築構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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