JPH01261343A - ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルの製法 - Google Patents

ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルの製法

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JPH01261343A
JPH01261343A JP8957588A JP8957588A JPH01261343A JP H01261343 A JPH01261343 A JP H01261343A JP 8957588 A JP8957588 A JP 8957588A JP 8957588 A JP8957588 A JP 8957588A JP H01261343 A JPH01261343 A JP H01261343A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテ
ルを高純度で製造する方法に関する。
ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルは非常に
反応性に富むトリクロロメチル基を有し、例えばこれよ
り容易に誘導できるジカルボン酸は耐熱性樹脂あるいは
高分子液晶の原料として非常に有用な化合物である。
(従来の技術) メチル置換基を有する芳香族化合物の側鎖はラジカル反
応開始剤の添加又は光照射等によるラジカル反応によっ
て選択的に塩素化されることはよく知られているが、活
性なベンゼン環を有する分子の側鎖塩素化反応では副反
応も多く、側鎖のみを高選択的に塩素化することは非常
に困難であることも知られている。
従来ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルの製
造法としては次のような方法が知られている。
(1)米国特許 第3376350号 ジフェニルエーテルをクロロメチル化してビス(クロロ
メヂル)ジフェニルエーテルとした後、四基化炭素中太
陽灯照射下で塩素化を行う方法。
(2)ソビエト特許 第245061@ジメチルジフエ
ニルエーテルに五塩化燐を添加し、110〜250℃で
紫外線を照射しながら塩素化を行う方法。
(3)ソビエト特許 第273186号ジメチルジフェ
ニルエーテルに脂肪族ニトロエステルを添加し高温に加
熱して塩素化を行う方法。
また、ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルの
製造を目的とするものではないが、ジメチルジフェニル
エーテルの側鎖塩素化に際してラジカル反応開始剤を用
いる従来法として以下のものが知られている゛。
(4)特開昭55−89237号 ジメチルジフェニルエーテルを含窒素化合物及び含硫黄
化合物とラジカル反応開始剤の共存下で塩素化して主と
してジクロロメチル側鎖を有する化合物を得る方法。
(5)特開昭56−125326号 ジメチルジフェニルエーテルを含硫黄化合物とラジカル
反応開始剤の共存下で塩素化して主としてジクロロメチ
ル側鎖を有する化合物を得る方法。
(発明が解決しようとする課題) 上記(1)、(2)の反応初期から紫外線を照射する方
法及び(3)の高温塩素化を行う方法のいずれも得られ
るビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルは黒色
のタール状副生物で著しく汚染されている。これは分子
内のエーテル結合によって活性化されたベンゼン環によ
り引き起こされる副反応(例えば脱塩化水素によるター
ル状オリゴマー生成、核塩素化、環化反応等)に起因す
るものと考えられる。上記従来の光塩素化法の場合、反
応開始当初からタール状副生物の生成により反応液が着
色するため反応が進行すると共に光の透過が悪くなり、
反応速度の減少、暗黒反応による副生物の増加、最悪の
場合には反応を完結することができないという事態が生
じた。従って、従来法では反応液中の原料ジメチルジフ
ェニルエーテルの濃度はできるだけ小さい領域で行わね
ばならないという制約があったが、しかしそれでもなお
上記現象を完全に抑えることはできなかった。
しかもこれらの方法によって得られた反応液からビス(
トリクロロメチル)ジフェニルエーテルを得るためには
蒸留あるいは再結晶などの精製の手段が不可欠である。
また、従来法の上記(4)、(5)の方法は、主として
ジクロロメチル側鎖を有する化合物の製造を目的とする
ものであるが、このような第三物質を添加する方法は生
成物中にこれらが残存し、これを分離除去せねばならな
いという問題が残っている。
一方、上記含窒素化合物や含硫黄化合物の如き第三物質
を共存させずにラジカル反応開始剤のみによって側鎖塩
素化する方法も考えられるが、この方法は、反応を完結
させるために長時間を要するという難点がある。また、
この方法は反応後期における反応速度の急激な低下をラ
ジカル反応開始剤の逐次添加によって補わねばならない
といった煩わしさがあるし、この大組に添加したラジカ
ル反応開始剤を分離除去せねばならないといった精製処
理上の問題もある。
一般にビス(トリクロロメチル)ジフェニルエーテルは
、(i)沸点が高く、熱に対して不安定である、(11
)融点は低く、有機溶媒には易溶である、(iii)求
核性を有する化合物と容易に反応する、等の性質が知ら
れており、上記従来法によって得られた反応液を通常の
精製法、例えば蒸留を行うと、上記(+>の性質のため
蒸留中熱分解を起こしたり、また再結晶による精製を行
うには、上記(ii)、  (iii>のため使用可能
な溶媒が限定されるなど、精製に大きな損失を伴うこと
は避けられなかった。また上記従来法(1)〜(3)の
場合反応液はタール状副生物のために濾過が困難である
など操作上の不利もあった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、ビス(トリクロロメチル)ジフェニルエ
ーテルの製造法において、反応後反応液を蒸留もしくは
再結晶などの精製工程を加えることなく、減圧濃縮等の
簡便な操作のみで高純度な目的物を(9るためには、上
記副反応を最小限に抑えることが工業生産上重要である
と考え、タール状副生物、更には核置換塩素化物を如何
に抑えるかに主眼をおいて鋭意検討を行った。
その結果、ラジカル反応開始剤存在下での塩素化はター
ル状副生物の生成を抑えうろこと、更に側鎖に塩素があ
る程度導入されたジメチルジフェニルエーテルの塩素化
物は、核塩素化に対して殆んど不活性であるとの知見を
基にして本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)(但し、上記(
I)式中メヂル基はメタ位又はパラ位に位置する) で表わされる化合物を塩素化するに際し、反応初期にお
いてラジカル反応開始剤を含む不活性溶媒中に上記(I
)式化合物と塩素とを同時に導入して反応させる工程を
含む塩素化方法によって行うことを特徴とする一般式(
n) (但し、上記(n)式中トリクロロメチル基はメタ位又
はパラ位に位置する) で表わされるビス(トリクロロメチル)ジフェニルエー
テルの高選択的製法であり、更には、反応初期において
上記(I)式化合物と塩素とを同時に導入して反応させ
る工程で行い、反応終期において光照射下に塩素を導入
して反応を完結させる工程で塩素化反応を行うことを特
徴とする上記(II)式で表わされるビス(トリクロロ
メチル)ジフェニルエーテルの高選択的製法である。
本発明において原料となる一般式(I>で表わされるジ
メチルジフェニルエーテルは非常に活性なベンゼン環を
有しており、分子状塩素を接触させただけで容易に核塩
素化される。従って、分子状塩素とジメチルジフェニル
エーテルとの接触時間を可能な限り少なくすることが核
塩素化を抑える点で重要で必る。ラジカル反応開始剤の
存在下でジメチルジフェニルエーテル溶液に塩素を導入
するという既知の方法によると、反応初期は分子状塩素
によって最も核置換を受は易いジメチルジフェニルエー
テルが導入される塩素に対して大過剰に存在しているこ
とになる。従って、このような気−液二相反応では、導
入された塩素ガスがそのまま過剰に存在するジメチルジ
フェニルエーテルと反応して核塩素化を避けることがで
きない。
本発明者らの実験によると、塩素ラジカルによる側鎖メ
チル基の塩素化は分子状塩素による核塩素化より、より
速やかに進行し、かつ都合のよいことに、側鎖メチル基
に塩素が導入されるとその電子的効果によりジフェニル
エーテルのベンゼン環は分子状塩素に対して殆んど不活
性になり核塩素化し難く、また光照射によるタール状副
生物が生成し難くなることが分かった。そこで本発明の
如く、ラジカル反応開始剤を溶解した不活性溶媒中にジ
メチルジフェニルエーテルと塩素とを同時に導入して塩
素化を行ったところ、同時に導入されたジメチルジフェ
ニルエーテルは塩素ラジカルによって速やかに側鎖塩素
化され核塩素化物の01生は従来の方法より大幅に抑制
されることが確認された。また、ラジカル反応開始剤を
含む不活性溶媒中で原料を同時導入して塩素化するとい
う比較的穏和な条件下では、従来法の致命的欠点ともい
うべきタール状副生物の生成はほぼ完全に抑えられるこ
とも分かった。
更に、本発明においては、上記ラジカル反応開始剤の存
在下で原料化合物と塩素とを同時導入する工程の後、反
応終期において光照射下での塩素化により反応を完結せ
しめれば最小のラジカル反応開始剤でもって最短の反応
時間で反応を遂行することができるという利点も見出さ
れた。この方法は光照射なしで反応を完結せしめる方法
に比べて反応時間が著しく少なくてすみ、しかも得られ
た目的物は高純度であり、核置換塩素化物などの不純物
も極端に少ないビス(トリクロロメチル)ジフェニルエ
ーテルであることが分かった。
塩素化反応によって得られた生成物中に残存するラジカ
ル反応開始剤の分解物は、本発明の目的物であるビス(
トリクロロメチル)ジフェニルエーテルとの間に非常に
大きな沸点差があるので、反応後精留を行うまでもなく
、単なる減圧濃縮だけで容易に反応混合物から除去する
ことができる。
本発明に用いられる原料化合物の(I)式化合物の具体
例としては、3,3°−ジメチルジフェニルエーテル、
 3.4’−ジメチルジフェニルエーテル及び4,4°
−ジメチルジフェニルエーテル等の前記(I)式中メチ
ル基がメタ位又はパラ位に位置する化合物である。
本発明に用いられる不活性溶媒としては、例えば四塩化
炭素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素
化に対して不活性なものが挙げられる。
原料ジメチルジフェニルエーテルの全仕込量に対して使
用する溶媒が少なすぎると、反応に際して反応液の粘度
の上昇、塩素溶解速度の減少等の影響によって核塩素化
副反応が起こり易い状況となり目的物の純度は低下する
。また多すぎると、純度的には良好なものが得られても
、大量の溶媒を回収して循環させる必要が生じるので工
業的には返って不利である。従って溶媒の使用量は、原
料ジメチルジフェニルエーテルの全仕込量に対して重量
で8倍以上、好ましくは8〜50倍、特に好ましくは1
0〜30倍が望ましい。
本発明に用いられるラジカル反応開始剤としては、ベン
ゾイルパーオキサイドに代表される有機過酸化物やアゾ
ビスイソブチロニトリルに代表されるアゾ化合物が挙げ
られ、ラジカル反応開始剤と溶媒との組合せは反応温度
と該開始剤の半減期を考慮して適宜選択される。ラジカ
ル反応開始剤の添加量は塩素の導入速度によって異なる
が、少ないと塩素導入速度を抑える必要があるので反応
時間が長期化し返って不利である。また多すぎると該開
始剤の分解生成物の分離がし難くなるので、通常原料の
ジメチルジフェニルエーテルに対して0.1〜20重足
%、好ましくは1〜10重但%重量囲が適当である。ラ
ジカル反応開始剤は反応の初めに必要伍を一括して投入
し反応を完結させることができるが、該開始剤の消費の
ために反応後半において反応速度は減少する。この傾向
は原料のジメチルジフェニルエーテルへの側鎖塩素化率
が70%を超える時点から顕著になるので、反応時間の
短縮を望むならば、原料ジメチルジフェニルエーテルの
供給が終了し側鎖塩素化率が70〜90%に達した時点
で該開始剤を追加投入することが好ましく、その量は初
期投入mの5〜50重間%で十分である。
塩素化反応は、反応初期において不活性溶媒中に所定間
のラジカル反応開始剤を添加しておき、これに原料ジメ
チルジフェニルエーテルと塩素とを同時に導入すること
によって行われる。導入するジメチルジフェニルエーテ
ルと塩素のモル比は製品の純度を決定する大きな要因と
なる。側鎖メヂル基を塩素化する速度は反応初期におい
ては非常に速いが、塩素化度が増大するにつれて急激に
減少する。そのため、ジメチルジフエ・ニルエーテルに
対し塩素のモル比が高いと反応系中に過剰の塩素を生じ
ることになり、核塩素化を促進する結果となる。また塩
素のモル比が低いと反応系中に未反応のジメチルジフェ
ニルエーテルを蓄積する結果となり好ましくない。従っ
て同時に導入するジメチルジフェニルエーテルに対する
塩素のモル比は、2〜4.5倍、好ましくは2.5〜4
倍の範囲が好適である。
上記ジメチルジフェニルエーテルと塩素との同時導入に
よる塩素化反応は、上記モル比で行われた後、詳しくは
側鎖メチル基に上記モル比に相当する量の塩素が導入さ
れた時点で原料ジメチルジフェニルエーテルの導入を中
止し、続いて塩素のみの導入を行い、必要ならラジカル
反応開始剤を追加添加し最終目的物になるまで塩素化す
ることによって反応は完結する。
上記塩素化反応に続いて反応終期に光照射による塩素化
反応を行う場合には、原料ジメチルジフェニルエーテル
の側鎖塩素化率が70〜90%に達した時点、更に好ま
しくは塩素化された原料化合物からベンジルプロトンが
消失したときに光照射下での塩素化反応を開始すればよ
い。この段階での側鎖塩素化率は反応条件によっても異
なるが、通常75〜85%の範囲にある。側鎖塩素化率
が70%未満では低次塩素化物(例えば、メチル及びペ
ンシルプロトンを有するもの)の割合が多く、このもの
は光照射により副反応を起こし易いので好ましくない。
また90%を超えてからの光塩素化では反応速度の減少
によって反応に長時間を要する結果となり、更に系内に
過剰の塩素が蓄積するために光照射開始時に爆発的な反
応が起こり操作上好ましくない。
光塩素化に使用される光源は350〜500nm程度の
通常の紫外線が用いられ、高圧水銀灯を用いるのが好適
である。
上記反応によって生成した塩化水素は核塩素化の触媒効
果を持つことが知られており、反応温度が低いと塩化水
素の溶解徂が増大するために製品純度が低下する。従っ
て反応温度は50〜150’Cの範囲、好ましくは反応
系が緩やかに還流する温度で行うのがよい。また窒素の
如き不活性ガスを導入して反応系から塩化水素7を追い
出しながら反応を行ってもよい。反応中の撹拌は局部的
な塩素の高a度化を防ぐために重要であり、原料ジメチ
ルジフェニルエーテル及び塩素の導入方法等は目的物の
純度に影響を与えるが、これらは実施に際し実験により
容易に定めることができる。
(実施例) 実施例1 ベンゾイルパーオキサイド2.9gを四塩化炭素520
9に溶解し、緩やかに還流させながら、これに4.4°
−ジメチルジフェニルエーテル及び塩素とを別々の導入
管よりそれぞれ0.321g/min及び140Ird
l/minの速度で同時に導入した。4,4°−ジメチ
ルジフェニルエーテルは3時間で導入を終了し引き続き
塩素化を行った。4,4°−ジメチルジフェニルエーテ
ルの総仕込mは58.29 (0,29モル)であった
。4,4°−ジメチルジフェニルエーテルの導入を終了
した時点での側鎖塩素化率はガスクロマトグラフィ分析
によると63%であることが確認された。反応開始から
7時間後、NMRにより塩素化物中のベンザルプロトン
の消失が確認され反応は完結した。
反応器、系に窒素ガスを導入して溶存する塩化水素、塩
素ガスを追い出した後、減圧濃縮して無色油状物119
gを得た。これをガスクロマトグラフィーを用いて分析
したところ4,4゛−ビス(トリクロロメチル)ジフェ
ニルエーテル98.911%、核塩素化物1.1重量%
の割合で生成していた。
実施例2 i oowの高圧水銀灯照射装置を内部に備えた反応器
に、ベンゾイルパーオキサイド1,7gと四塩化炭素5
20111を仕込み、系を緩やかに還流させた。水銀灯
を点灯せずに、この中に4,4°−ジメチルジフェニル
エーテル及び塩素とを別々の導入管よりそれぞれ0.3
25g/min及び140m/minの速度で導入し塩
素化を開始した。4,4°−ジメチルジフェニルエーテ
ルは3時間で導入を終了し、引き続き塩素を導入して反
応を続行した。4,4゛−ジメチルジフェニルエーテル
の総仕込母は58.51j (0,295モル)であっ
た。4,4°−ジメチルジフェニルエーテルの導入を終
了した時点での側鎖塩素化率は62%であることがガス
クロマトグラフィ分析により確認された。反応開始より
3時間40分経過した時点で、NMRにより塩素化物の
ベンジルプロトンの消失がほぼ確認され、4時間目から
水銀灯を点灯し光塩素化を開始した。この4時間目の時
点での側鎖塩素化率は83%であることがガスクロマト
グラフィ分析により確認された。反応開始より5時間後
、ベンザルプロトンの消失がNMRで確認され反応は完
結した。
反応後、系に窒素ガスを通じて溶存する塩化水素、塩素
ガスを追い出した後、減圧濃縮して無色油状物120(
lを得た。これをガスクロマトグラフィーを用いて分析
したところ、4,4−ビス(トリクロロメチル)ジフェ
ニルエーテルが99.5重量%、核塩素化物が0.5重
量%の割合で生成していた。
比較例1 100Wの高圧水銀灯照射装置を内部に備えた反応器に
、4,4°−ジメチルシフテニルエーテル58.5g(
0,29モル)、四塩化炭素520gを仕込んだ。
系を緩やかに還流させて水銀灯照射下で塩素を140m
1l/minの速度で導入して塩素化を行った。
反応開始と共に反応液は次第に褐色を帯び、反応後半は
反応速度が著しく低下したが、反応開始から7時間後、
NMRによりベンザルプロトンの消失が確認されたので
この時点で反応を終了した。
反応後、窒素ガスを導入して溶存する塩化水素、塩素ガ
スを追い出した後減圧濃縮して粘稠な黒褐色油状物12
4gを得た。これをガスクロマトグラフィーを用いて分
析したところ、4,4°−ビス(トリクロロメチル)ジ
フェニルエーテル92.9重間%、核塩素化物3.2重
量%、その地鳥沸点物3.9重量%の割合で生成してい
た。
比較例2 4.4°−ジメチルジフェニルエーテル58.2(](
00,29モル、ベンゾイルパーオキサイド289Qを
四塩化炭素520gに溶解し、系を緩やかに還流させた
。これに塩素を14M/minの速度で導入しNMRで
反応を追跡した。反応開始より8時間目にベンザルプロ
トンが消失したので反応を終了した。
反応後、系に窒素ガスを導入して溶存する塩化水素、塩
素ガスを追い出した後、減圧濃縮して淡黄色油状物12
1gを得た。これをガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、4,4゛−ビス(トリクロロメチル)ジフェニ
ルエーテル96.9重量%、核塩素化物3.1重量%の
割合で生成していた。
(発明の効果) 本発明法は、ラジカル反応開始剤を含む不活性溶媒中で
の原料の同時導入による塩素化という比較的穏やかな条
件下で行われるため、従来のラジカル反応開始剤及び原
料化合物を含む不活性溶媒中での塩素化という方法に比
べて原料の溶媒に対する濃度を高めて行うことができ、
また核塩素化物、タール状副生物などの副生物を最小限
に抑えることができるので生成物は蒸留や再結晶等の植
装操作を必要とせず、減圧濃縮等の簡便な操作のみで高
純度なものを得ることができる。また本発明法において
、反応終期に光塩素化の操作を行うことにより反応時間
が短縮でき、より収率アップを図ることができる。この
ようにして得られた本発明の目的物は、耐熱樹脂、高分
子液晶の原料等にそのままで十分使用可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (但し、上記( I )式中メチル基はメタ位又はパラ位
    に位置する) で表わされる化合物を塩素化するに際し、反応初期にお
    いてラジカル反応開始剤を含む不活性溶媒中に上記(
    I )式化合物と塩素とを同時に導入して反応させる工程
    を含む塩素化方法によって行うことを特徴とする一般式
    (II) ▲数式、化学式、表等があります▼(II) (但し、上記(II)式中トリクロロメチル基はメタ位又
    はパラ位に位置する) で表わされるビス(トリクロロメチル)ジフェニルエー
    テルの高選択的製法。
  2. (2)下記一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (但し、上記( I )式中メチル基はメタ位又はパラ位
    に位置する) で表わされる化合物を塩素化するに際し、反応初期にお
    いてラジカル反応開始剤を含む不活性溶媒中に上記(
    I )式化合物と塩素とを同時に導入して反応させる工程
    で行い、反応終期において光照射下に塩素を導入して反
    応を完結させる工程で塩素化反応を行うことを特徴とす
    る一般式(II)▲数式、化学式、表等があります▼(I
    I) (但し、上記(II)式中トリクロロメチル基はメタ位又
    はパラ位に位置する) で表わされるビス(トリクロロメチル)ジフェニルエー
    テルの高選択的製法。
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