JPH0125050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドアーウエザーストリツプ等の管状
のウエザーストリツプに関するものである。

従来より、自動車ドアのインナーパネル及びフ
レームには、外部からの水や埃の侵入を防止する
ために、その側部全周縁に沿つて、ドアーシール
用ウエザーストリツプが設けられている。この種
のウエザーストリツプは、種々の形状のものが提
供されているが、特に中空ウエザーストリツプで
は、断面形状において、ドアーの周縁部に固定さ
れる基部と該基部に立つ２個の側壁部と、該２個
の側壁部の各頂を結び、各基部及び該２個の側壁
部と共に基部空間を形成する梁部と、該梁部の該
基部空間の反対側に周壁空間を形成し、両端が該
２個の側壁部の各頂を結び、ドアーフレームと接
する弧状の周壁部とで構成されている管状のウエ
ザーストリツプが知られている。この基部空間及
び周壁空間の２つの中空部を持つ管状のウエザー
ストリツプにおいては、ドアの閉じる際に生じる
ウエザーストリツプの変形にもとずく反発力によ
り、ドアの閉じ動作に大きな力が必要となり、そ
の結果ドアーの開閉フイーリングが悪化する。こ
れを阻止するために、ウエザーストリツプの管状
壁部の肉厚を均一に薄くし、それにより、ウエザ
ーストリツプの変形にもとずく反発力を引き下げ
ている。しかし、この様に管状壁部の肉厚を均一
に薄く形成することは、ウエザーストリツプをド
アーインナーパネル及びドアーフレムの側部全周
縁に沿つて取り付けた場合に、ドアーインナーパ
ネル及びドアーフレームの屈曲部において、基部
空間が押しつぶされ、ウエザーストリツプが横倒
れし、それによりシール作用を損なうおそれがあ
つた。

本考案は上記した問題点を克服するもので、ウ
エザーストリツプの反発力が比較的小さく、かつ
ウエザーストリツプの屈曲部においても基部空間
が比較的押し潰されにくい、シール特性のよいウ
エザーストリツプを提供するものである。

即ち、本考案のウエザーストリツプは、上記し
た従来のウエザーストリツプの改良に係るもの
で、断面形状で、上記２個の側壁部をそれらが各
頂が互いに近づく方向に傾斜させると共に、上記
頂を結ぶ梁部はその両端間の一ケ所で切断され不
連続としたものである。

即ち、本考案のウエザーストリツプにおいて
は、基部空間及び周壁空間の中空部を隔てる梁部
をその梁部を支える両端間のいずれか１か所で切
断して不連続とすることにより、ウエザーストリ
ツプが変形する際に、梁部による抵抗をなくした
ものである。すなわち、梁部が切断されているた
めに、梁部に生じる反発力はほとんどゼロとな
り、ウエザーストリツプの変形がより小さい力で
可能となる。一方、屈曲部においては、ウエザー
ストリツプの２個の側壁部は、基部に対して互い
に近づく方向に傾斜している。従つて、屈曲部に
おけるウエザーストリツプの側壁部は、屈曲され
ることにより、更に互いに近づく方向に傾斜す
る。この場合に、側壁部の傾斜は、梁部により阻
止されるので側壁部の傾斜がそれ以上進まず、ウ
エザーストリツプの横倒れが阻止される。即ち、
１箇所で切断され不連続となつている梁部は側壁
部の接近により互いに当接し、１本の梁部とな
る。この梁部により２個の側壁部の各頂が互いに
支えられ、それ以上の傾斜ができなくなる。従つ
て、シール部の屈曲部においても、本考案のウエ
ザーストリツプの中空部特に基部空間を形成する
中空部は、押し潰されず、シール性を高めること
ができるものである。尚、本考案のウエザースト
リツプの構成部分である２個の側壁部及び梁部
は、屈曲したシール部に取り付けられる際に、そ
れら２個の側壁部及び梁部が座屈しない程度に厚
い肉厚を持つものである必要がある。

以下、実施例により説明する。

本考案の実施例のウエザーストリツプを自動車
ドアーのインナーパネルの側部全周縁に沿つて、
取り付けた状態を第１図に示す。また第１図のＡ
−Ａ矢視断面を第２図に、Ｂ−Ｂ矢視断面を第３
図にそれぞれ示す。このウエザーストリツプ１は
第２図に示すように、ドアーインナーパネル２に
固定された基部１１と、基部１１より第２図上下
方向に突出した２個の側壁部１２，１３と、この
２個の側壁部１２，１３の各頂を結び中央にスリ
ツト１４ａを持つ梁部１４と、２個の側壁部１
２，１３のそれぞれの頂を結ぶ弧状の周壁部１５
と、周壁部１５の一端に設けられたリツプ１６と
で構成されている。このウエザーストリツプ１に
は、基部１１と２個の側壁部１２，１３及び梁部
１４で囲まれる基部空間１７と、梁部１４及び周
壁部１５で囲まれる周壁空間１８の中空部がそれ
ぞれ形成されている。本実施例のウエザーストリ
ツプ１は、第２図に示す断面を持つ管状体であ
る。そして、基部空間１７内に頭をもつピン３に
より、基部１１がドアーインナーパネル２の周縁
に貫通固定され、これによりウエザーストツプ１
がドアインナーパネル２の周縁に固定されてい
る。

本実施例のドアーウエザーストリツプにおい
て、側壁部１２及び１３が基部１１よりそれら頂
が互いに近づく方向に傾斜している。このため、
このウエザーストリツプ１においては、ドアーイ
ンナーパネル２の屈曲部に固定される際に、第４
図に示すように、側壁部１２，１３が互いに、そ
れらの頂が近づく方向に更に屈曲する。そして、
梁部１４の中央スリツト１４ａにおいて、２個の
部分でできた梁部１４の両端が互いに当接し、２
個の側壁部１２，１３がそれ以上傾斜して倒れる
のを防止する。これにより、特に基部空間１７が
潰れるのを阻止している。

一方、ウエザーストリツプ１がドアーインナー
パネル２と、ドアーフレーム４との間で変形され
た状態を第３図に示すように、ウエザーストリツ
プ１の周壁部１５が、第３図の上方に示す図上左
方向に押し付けられた場合においても、逆に第３
図の下方に示す図上右方向に押し付けられた場合
においても、梁部１４がそれぞれ互いに離れる方
向に変形する。本実施例のウエザーストリツプ１
においては、梁部１４がスリツト１４ａにおい
て、２個の部分に分断されているために、変形に
より梁部１４に作用する応力はほぼ０となり、梁
部に作用する応力の分だけ、ウエザーストリツプ
１の変形に要する力が少なくてすみ、それだけ、
小さな力で本実施例のウエザーストリツプを変形
させることができる。このため本実施例のウエザ
ーストリツプを用いたドアーの開閉はよりスムー
スになる。

なお、従来の管状のウエザーストリツプを第５
図に示すように２つの側壁部１０２，１０３は基
部１０１にほぼ垂直方向に立つている。そして、
これら側壁部１０２，１０３の項は梁部１０４で
直結されている。従つて従来のウエザーストリツ
プは本実施例のように梁部が開いている第３図に
示すような変形ができない。また屈曲部に取り付
けた場合には両方の側壁部１０２，１０３が同一
の方向に倒れ、基部空間１０７がつぶれ、シール
性が低下する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本実施例のウエザーストリツプ１を
装着した自動車のドアー部分を示す斜視図、第２
図は、第１図のＡ−Ａ矢視断面図、第３図はウエ
ザーストリツプ１がドアーフレーム４によつて、
変形された状態を示す第１図のＢ−Ｂ矢視断面
図、第４図は、ウエザーストリツプ１がドアーイ
ンナーパネル２の屈曲部に固定された時の状態を
示す断面図、第５図は従来のウエザーストリツプ
の断面図である。 １……ウエザーストリツプ、２……ドアーイン
ナーパネル、３……ピン、４……ドアーフレー
ム、１１……基部、１２，１３……側壁部、１４
……梁部、１５……周壁部、１７……基部空間、
１８……周壁空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 断面形状において、ドアーの周縁部に固定され
   る基部と、該基部に立つ２個の側壁部と、該２個
   の側壁部の各頂を結び、該基部および該２個の側
   壁部とともに基部空間を形成する梁部と、該梁部
   の該基部空間と反対側に周壁空間を形成し、両端
   が該２個の側壁部の各頂を結びドアーフレームと
   接する弧状の周壁部とで構成されている管状のウ
   エザーストリツプにおいて、 断面形状で、上記２個の側壁部はそれら各頂が
   互いに近づく方向に傾斜し、上記梁部はその両端
   間の１ケ所で切断され、不連続となつていること
   を特徴とするウエザーストリツプ。