JPS625401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車、とりわけサツシユレスドア型
車のドアウエザーストリツプに関する。

サツシユレスドア型車は周知のように、車体開
口縁部にドアウエザーストリツプを装着し、ドア
閉時にドアガラス周縁部が直接該ドアウエザース
トリツプに密接して車室内外をシールするように
してある。

第２図はかかるサツシユレスドア型車に用いら
れる一般的なドアウエザーストリツプを示すもの
で、該ドアウエザーストリツプはベース部１と中
空リツプ２とからなり、ベース部１にリテーナプ
レート５を嵌合して該リテーナプレート５を介し
て車体開口縁６に固定するようにしてあり、また
前記中空リツプ２の中空部３内にはリツプ支持壁
２′と略平行に補強ブリツジ４を設けて適度のシ
ール反力が得られるようにしてある。

ところが、この従来のウエザーストリツプにあ
つては、ドア閉時にドアガラスＧが中空リツプ２
に当接すると、シール面Ｓがブリツジ４との接続
点Ｐより内側に倒れ込むように変形し、車室Ｒ側
のドアガラスＧ周端部とシール面Ｓとの間に隙間
δが生じてシール性を損なつてしまう不具合があ
つた。また、この他、第３図に例示するように中
空のアウタリツプ２ａとインナリツプ２ｂとの間
に谷部２″を形成してこの谷部２″でドアガラスＧ
周端縁を受容するように構成し、この谷部２″背
面とベース部１とを曲折したブリツジ４ａで接続
する一方、該曲折ブリツジ４ａとインナーリツプ
２ｂとの間を支持ブリツジ４ｂで接続し、ドアガ
ラスＧの閉時に前記曲折ブリツジ４ａがアウタリ
ツプ２ａの中空部３ａ内に折畳まれて重合してア
ウタリツプ２ａのガラス保持剛性を増大し、か
つ、支持ブリツジ４ｂでアウタリツプ２ａの外方
への拡がりを抑えてドアガラスＧ周端縁を抱持
し、高速走行時におけるドアガラス付近の発生負
圧によるドアガラスＧの浮上りを阻止するように
したものもある。しかし、この場合もドアガラス
Ｇの周縁の内面に対してインナリツプ２ｂがよく
馴染まずに該ガラス内面より浮上つた状態となつ
て隙間δを生じてしまい、シール性を損なつてし
まうものであつた。更に、ドア閉時には前述の曲
折ブリツジ４ａがドアガラスＧによつて圧縮変形
するため、シール反力が大となりドアが完全に閉
まらなくなつてしまうおそれがあつた。

本考案はかかる従来の欠点を解消するためにな
されたもので、中空リツプのドアガラス周縁の内
面との馴染みがよく、密接面積を拡大できてシー
ル性を著しく向上できると共に、反力増大を伴わ
ないでドアの閉扉を確実に行うことのできるドア
ウエザーストリツプを提供するもので、以下その
実施例を図面と共に詳述する。

即ち、本考案にあつては第４，５図に例示する
ように、ベース部１にドアガラスＧ周縁に密接す
る中空リツプ２を一体に形成した構成にあつて、
この中空リツプ２の中空部３内に、当接ブリツジ
７と支持ブリツジ８とからなる補強ブリツジ９を
一体に設けてある。当接ブリツジ７は、丁度中空
リツプ２のドアガラスＧ周縁と当接するシール面
Ｓのドアガラス当接部位の背部に、該部位と略直
角に接続し、かつ車体開口縁６にリテーナ５を介
して固定したベース部１方向に曲折して形成して
ある。また、支持ブリツジ８は前述の当接ブリツ
ジ７より２股に分岐してそれぞれベース部１両側
の中空リツプ２成形基部に接続している。

この実施例構造のドアウエザーストリツプによ
れば、ドア閉時ドアガラスＧ周縁が中空リツプ２
のシール面Ｓに当接すると、当接ブリツジ７がシ
ール面Ｓのガラス当接部位と略直角に接続してい
るため該当接ブリツジ７の形成部分で閉荷重を受
ける結果シール面Ｓの内側への倒れ変形を抑制
し、該当接ブリツジ７形成付近のシール面Ｓが広
い範囲でドアガラスＧ周縁の内面と密接するよう
になる。また、この当接ブリツジ７は途中からベ
ース部１側に閉荷重の入力線に対して横方向にあ
る角度を以つて曲折し、そして２股の支持ブリツ
ジ８に接続しているため、この２股の支持ブリツ
ジ８から作用する反力は前記曲折部分で弱めら
れ、仍つて反力が過度に大となつてドア閉りに悪
影響を及ぼすのを回避できるのである。また、支
持ブリツジ８は一方のブリツジ８ａが閉荷重をベ
ース部１側に伝達し、他方のブリツジ８ｂが当接
ブリツジ７と一方の支持ブリツジ８ａの倒れ変形
を抑える作用をして相乗的に該当接ブリツジ２を
支持するため、ドアガラスＧ端末部付近のシール
面Ｓが内側に大きく変形して隙間を生じるのを防
止し、シール面ＳとドアガラスＧ周縁の内面との
密接面積を広く確保できるのである。

なお、第６図Ａに示すように中空リツプ２のシ
ール面ＳのドアガラスＧ周端末の外方部位にアウ
タリツプ状に突出部１０を設けたり、あるいは同
図Ｂに示すようにシール面ＳのドアガラスＧ周縁
の内面が当接する部位に内側に向けて若干反りを
付与しておけばより一層ドアガラスＧ周縁の内面
に対するシール面Ｓの馴染みがよくなつて密着面
積を拡大してシール効果を高められる。

以上のように本考案によれば、中空リツプのシ
ール面のドアガラス周縁の内面と当接する部位に
略直角に設けた当接ブリツジで、該シール面の内
側への倒れ込みを抑制し、しかも該当接ブリツジ
を途中からベース部方向に曲折して２股に分岐し
た支持ブリツジで支持して、反力増大を回避する
と共に当接ブリツジの倒れ込みを防止するように
しているため、シール面とドアガラス周縁の内面
との密接面積を大幅に増大することができ、この
結果シール性を著しく向上できるという実用上多
大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はサツシユレスドアを備えた自動車の外
観図、第２図、第３図は第１図のＡ−Ａ線に沿う
従来のドアウエザーストリツプの各異なる例を示
す断面図、第４図は本考案ドアウエザーストリツ
プの断面図、第５図は同ウエザーストリツプとド
アガラスとの関係を示す断面図、第６図Ａ，Ｂは
本考案の各異なる例を示す断面図である。 １……ベース部、２……中空リツプ、３……中
空部、６……車体開口縁、７……当接ブリツジ、
８……支持ブリツジ、９……補強ブリツジ、Ｒ…
…車室、Ｓ……シール面、Ｇ……ドアガラス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体開口縁に取付き、ドアガラス周縁と密接し
   て車室内外をシールする中空リツプを備えたドア
   ウエザーストリツプにおいて、前記中空リツプの
   中空部内に、リツプシール面のドアガラス周縁の
   内面と当接する部位の背面で該部位に略直角に接
   続し、かつ車体開口縁に固定したベース部方向に
   曲折した当接ブリツジと、該当該ブリツジより２
   股に分岐して前記ベース部に接続した支持ブリツ
   ジとからなる補強ブリツジを一体成形してなる自
   動車のドアウエザーストリツプ。