JPH01243A - 耐熱・耐摩耗アルミニウム合金 - Google Patents

耐熱・耐摩耗アルミニウム合金

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JPH01243A
JPH01243A JP62-154500A JP15450087A JPH01243A JP H01243 A JPH01243 A JP H01243A JP 15450087 A JP15450087 A JP 15450087A JP H01243 A JPH01243 A JP H01243A
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resistance
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晃 松山
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日産自動車株式会社
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、常温のみならず高温においても高強度かつ高
耐摩耗性を有し1例えばエンジン部品のシリンダライナ
のように熱的な面においてもまた耐摩耗性の面において
も厳しい環境で使用される部品の素材として好適に利用
できる耐熱・耐摩耗アルミニウム合金に関するものであ
る。 (従来の技術) 最近、自動車の軽量化やフロントエンジン・フロントド
ライブ方式への転換のために、とりわけエンジンの軽量
化が必要となっており、それゆえシリンダブロックは鋳
鉄に代えてアルミニウム合金を素材として製作したもの
が使用されるようになってきている。 このアルミニウム合金製シリンダブロックの場合には、
鋳鉄製のシリンダライナが鋳ぐるまれていることが多い
、このシリンダライナをアルミニウム合金製のものにす
ると、軽量化のほかに、熱伝導率が鋳物より良いことと
、鋳鉄よりも熱膨張係数が大きくシリンダブロック素材
のアルミニウム合金と近いので昇温時でもシリンダライ
ナとシリンダブロックとの密着性がよいことから、放熱
性ノ良いエンジンとなり、シリンダライナの内壁温度を
低くできることから潤滑油の寿命が長くできたり、低粘
度の潤滑油の使用が回部となったりし、燃費の向上が図
れるとされている。また、ピストン素材であるアルミニ
ウム合金の熱膨張係数と近いので、ピストンとのクリア
ランスを小さく設定できることによる燃費の向上やオイ
ル消費の低減も期待できる。 さらに、高Siのアルミニウム合金は摩擦係数が低いた
め、シリンダライナとして使用すれば、ピストンリング
との間のフリクションロスが低減されることから、燃費
の向上が期待される。 このように、シリンダライナの素材にアルミニウム合金
を適用することの長所は多いが、従来公知のアルミニウ
ム合金では次に示すような問題点があり、このような鋳
ぐるみ用シリンダライナ素材としては不十分である。 例えば、アルミニウム合金製シリンダライナ素材として
最も代表的なものは、AA規格のA390合金(代表的
組成(重量%)は、AfL−16〜18%5i−4〜5
%Cu−0,5〜0.6%Mg−0,5%Fe−0,2
%T i −0,1%Zn)の粉末押出材あるいは鋳造
材がある。 これらのうち、粉末押出材は、A390合金のアトマイ
ズ粉をCIP(冷間等方圧加圧)により固めた後熱間押
出により得られたもので(例えば、特開昭52−109
415号公報)、鋳造材により得られたものに比較して
強度、切削性に優れるだけでなく、摩擦係数も低いとい
う性質を有している。しかし、この粉末押出材よりなる
シリンダライナを用いたとしてもアルミニウム合金製シ
リンダブロックに鋳ぐるむ時にある程度軟化してしまう
という欠点を有している。また、さらにシリンダライナ
はコスト面やエンジン全長を極力短くしたいことからで
きるだけ薄肉とすることが望ましいが、薄肉となると実
際の使用時に負荷される熱や応力により軟化、変形を生
じやすくなるという欠点を有している。 この熱による軟化、変形の防止に関しては、例えば、A
文中に、Si : 10.0〜30.0%と、Ni :
5.0〜15.0%と、さらに必要に応じてCu:0.
5〜5.0%およびMg:0.2〜3.0%添加させた
り(特開昭59−13040号公報〕号公報中に、Si
:10.0〜30.0%と、Fe:3.0〜15.0%
またはMn:5.0〜15.0%のうち1種または2種
(2種の場合は合計で3.0−15.0%)と、必要に
応じてCu:0.5〜5.0%およびMg:0.2〜3
.0%とを添加させたり(特開昭59−13041号公
報)して、耐熱強度の向上をはかり、使用時に負荷され
る熱や応力により軟化、変形が生じるのを防止するよう
にしたアルミニウム合金も開発された。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記したアルミニウム合金によれば、確
かに熱による軟化、変形の防止に関してはある程度の効
果は認められるものの、実際のエンジンに組み込んで実
験を行った結果、オイル消費量の低減を図るにはシリン
ダライナとピストンリングとの間の摩耗量をさらに一段
低いレベルにおさえる必要のあること、および燃費の向
上のためにはシリンダライナとピストン系の間のフリク
ションロスをさらに低くしてやる必要のあることが明ら
かになった。 (発明の目的) 本発明者は以上の問題を解決することを目的として種々
の組成について検討を行なった結果、本発明者らがすで
に発明したA文−M n −F e −Zr−Cu系の
耐熱アルミニウム合金(特公昭61−57380号公報
)をベースに、主に自分自身の耐゛摩耗性向上のために
Stを添加し、かつまた主にシリンダライナとピストン
系との間のフリクシ1ンロス低減のためにPb、Snを
添加した特定組成のアルミニウム合金が、優れた耐熱・
耐摩耗性を示すだけでなく、ピストン系とのフリクシ、
ンロスも少なくシリンダライナ素材として最適であるこ
とを見いだした。
【発明の構成】
(問題点を解決するための手段) 本発明に係る耐熱舎耐摩耗アルミニウム合金は1重量%
で、Mn;6〜8%、Fe;0.5〜2%、Cu;2〜
5%、Zr;0.03〜0.5%、Si;12〜24%
、Pb;4〜14%。 Sn;0.4〜4%を含み、残部AiLおよび不純物よ
りなることを特徴とするものであり、基本的にはアトマ
イズ法によって製造された粉末を粉末冶金的手法を用い
て成形、押出することにより製造を行うことを特徴とす
るものである。 次に、本発明に係る耐熱Φ耐摩耗アルミニウム合金を構
成する各合金元素およびそれらの含有量(重量%)の限
定理由について説明する。 Mn(マンガン);6〜8% Mnはアルミニウム合金の耐熱性および耐摩耗性を向上
させるのに有効な元素であるが、6%未満の場合には十
分満足しうる耐熱強度を得ることができず、8%を超え
るとアトマイズ法で得られる冷却速度ではMn化合物の
粗大相の晶出や偏析を生じかえって耐熱強度が低下して
しまうことから、6〜8%の範囲とした。 Fe(鉄);0.5〜2% Feは人文−Mn系合金の強制固溶体および微細なA 
l −M n系金属間化合物の高温安定性を向上させる
のに有効な元素であるが、0.5%より少ないとそのよ
うな効果を得ることが出来ず、2%を超えると7トマイ
ズ法ではA l −M n −FeあるいはAl−Fe
系の脆い相が晶出するので、0.5〜2.0%の範囲と
した。 Cu(銅);2〜5% Cuはアルミニウム合金の常温強度を向上させるのに有
効な元素であり、2%よりも少ないとこのような強度向
上の効果が期待できず、5%を超えるとアルミニウム合
金の耐食性を低下させるとともに、A fL−M n系
合金の強制固溶体および微細なA l −M n系金属
間化合物の高温安定性をも低下させるので、2〜5%の
範囲とした。 また、Cuのほかに常温強度向上元素としてMgの添加
も考えられる。このMgはStと結びついてMg2Si
相の析出を生ずることにより特に常温での強度上昇をは
かることができるが、200℃を超えた範囲での強度上
昇効果はCu添加に比べて少ないことから、この発明の
主たる構成成分からは一応除外した。 Zr  ジルコニウム ;0.03〜0.5%ZrはA
 l −M n系合金の強制固溶体および微細なA l
 −M n系金属間化合物の高温安定性を向上させると
共に、結晶粒の微細化にも有効な元素であるが、0.0
3%より少ないとそのような効果を得ることができず、
0.5%を超えるとAl−Zr相の粗大化が生じるので
、0.03〜0.5%の範囲とした。 St(ケイ素);12〜240 Siは特にマトリックス中に固溶して硬さを増すととも
に硬い初晶Siを晶出させることによる耐摩耗性の向上
に有効な元素であるが、12%よりも少ないと初晶Si
の晶出が不十分で耐摩耗性不足となり、24%を超える
と初晶Siの粗大化が起こり、相手材に対する攻撃性が
増すだけでなく、熱間押出性の悪化や押出ダイスの寿命
低下などの製造上の問題を生じる。また、アルミニウム
合金製シリンダブロック材に鋳ぐるまれでシリングライ
チ材として使用される場合、S
【添加量の増大とともに
熱膨張係数は小さくなり、Siが24%を超えるとシリ
ンダブロック材との密着強度が悪くなったり、ピストン
との間のクリアランスを大きくする必要が生じたりする
ことから、Siの添加量としては12〜24%とした。 Pb();4〜14% pbは後述するSnとともにマトリックス中に均一かつ
微細に分散して相手材とのなじみ性を向上させることに
よりフリクションロスを低下させるのに有効な元素であ
るが、4%よりも少ないと分散量不足によりその効果が
認められず、一方、14%を超えると押出し時に一部偏
析を生じたり、微細割れを生じたりして強度低下を起こ
すことから、pbの添加量は4〜14%とした。 Sn  スズ)、0.4〜4% Snはマトリックス中にPbと共存して均一に分散する
ことによりなじみ性を向上させる効果を有するとともに
、pbと結びつくことによりPbのエンジンオイルに対
する耐食性を向上させる効果も有する元素であるが、0
.4%未満ではそのような耐食性向上の効果が認められ
ず、4%を超えて添加しても耐食性向上の効果がかわら
ないだけでなく、Snと共存したpbがマトリックス中
に均一かつ微細に分布しないで粒界にネットワーり状に
形成されて強度を低下させてしまうことから、Snの添
加量としては0.4〜4%とした。 本発明に係る耐1%拳耐摩耗アルミニウム合金において
重要なことは、マトリックス中に分布しているSiおよ
びPb(はとんどがSnと共存している)の大きさおよ
び分布状況である0本発明に係る耐熱令耐摩耗アルミニ
ウム合金の大きな特徴は、Si、Pb、Snを含め他の
添加元素も合金粉末の形で用意し、これらを粉末冶金的
手法で成形、押出を行うことにより、SlおよびPbを
粒状あるいは塊状に微細かつ均一に分布させている組織
とすることにより好適に得られる0本発明者による種々
の実験の結果から、初晶Siの大きさとしては20IL
m以下、Pb粒子としては15g、m以下の場合に耐摩
耗性となじみ性がとくに優れていることがわかった。さ
らに望ましくは、初晶Siの大きさが5〜15ILm、
Pb粒子の大きさが2〜10pmの時に耐摩耗性となじ
み性とのバランスがとくに良好なものとなるだけでなく
、耐熱強度も高く、とりわけアルミニウム合金製シリン
ダライチ素材として著しく適していることが判明した。 次に、本発明に係る耐熱・耐摩耗アルミニウム合金のよ
り望ましい製造法について述べる。 まず、上述の理由によって規制した範囲の合金組成とな
るように成分を調整したアルミニウム合金溶湯を溶製し
、この合金溶湯を7トマイズ法を用いて急冷凝固させて
各合金粉末を得る。ついで、この合金粉末を冷間等方圧
加圧(c z p)等で圧粉して成形体を得たのち、こ
の成形体を熱間押出する。 この場合、圧粉圧力は0.5〜3ton/Cm2程度で
行い、圧粉体密度は真密度比で70%以上とするのが圧
粉体のハンドリング上好ましい、また、熱間押出は35
0℃以上の温度、より好ましくは380〜450℃の温
度債域で行うのがよい、この理由は、380℃よりも低
い温度であると粉末粒子の変形抵抗が大きく、粉末同士
が強固に結びつくことができる押出比では押出すのが非
常に困難となり、逆に450℃よりも高いと7トマイズ
粉末の状態での過飽和固溶体からの析出、およびすでに
晶出している金属間化合物の粗大化による高温強度の低
下、が認められることのほかに、押出時にPb−3n系
の溶は出しによる偏析等も生じるために好ましくないこ
とによる。 熱間押出は圧粉体を大気中または非酸化性雰囲気中で予
熱し、はぼ同温度のコンテナ中に装入して行う、なお、
押出比としては、10以上が好ましい、この理由は、押
出比が10未満であると押出材中に空孔が存在したり、
粉末相互間の拡散接合や金属間化合物の分断効果が不十
分になったりして1強度の高い材料が得られないためで
ある。 (実施例) 以下、実施例について説明する。 第1表に示す組成(供試材尚、1〜15)の各アルミニ
ウム合金溶湯を溶製したのち、各アルミニウム合金溶湯
をガスで7トマイズし、−48meshの粉末を得た0
次いで、各アルミニウム合金粉末を冷間等方圧加圧(C
I P)によって1 、5 t o n7cm”の圧力
で成形した後、得られた各成形体を400℃に加熱し、
同じ温度に加熱保持された押出コンテナ中に装入して、
間接押出法により押出(押出比12)を行い、75mm
X10mmの角板状押出材No、 I N+16)、 
15を得た。そして、角板状押出材No、 1−Nb、
 l 5は押出のまま(第2表の熱処理の種類欄では「
F」と記す、)として後記する評価試験に供した。 (比較例) 以下、比較例について説明する。 第1表に示す組成(供試材fl&)、16〜No。 28)の各アルミニウム合金溶湯を溶製したのち、各ア
ルミニウム合金溶湯をガスで7トマイズし、−48me
 s hの粉末を得た0次いで、各アルミニウム合金粉
末を冷間等方圧加圧(CI P)によって1.5ton
/cm2の圧力で成形した後、得られた各成形体をNb
、18〜1lk)、25については400℃、階、26
〜tlb、28については450℃に加熱し、同じ温度
に加熱保持された押出コンテナ中に装入して、間接押出
法により押出(押出比12)を行い、75mmX 10
mmc7)角板状押出材陽、16〜No、28を得た。 そして、角板状押出材No、 16〜No、 25 、
No、 27は押出のまま(第2表の熱処理の種類欄で
は「F」と記す、)とし、No、26 、No、28は
押出材を480℃X2hr保持後水冷し、175℃×1
0hrの時効処理(第2表の熱処理の種類の欄では「T
6」と記す、)を施して、後記する評価試験に供した。 他の比較例として、第1表に示す組J&、(供試材No
、29)をもつA390合金の金型鋳造材を500℃X
10hr保持後水冷し、175℃×10hrの時効処理
(T6)を施したものを用意して、後記する評価試験に
供した。 さらに、参考のために、片状黒鉛鋳鉄についても、以下
に示す評価試験を行った。 (評価試験例) 上記各押出材(No、1−No、28)、A390相轟
鋳造材(No、29)および片状黒鉛鋳鉄からそれぞれ
引張試験片を切出し常温および200℃で引張試験を行
った。なお、200℃の引張試験は各試験温度で100
hr保持後行った。その結果を第2表の引張強度の欄に
示す。 次に、上記各押出材(No、1−陽、28)およびA3
90相当鋳造材(No、29)の別の部位から直径70
mmの円板を切出し、次の要領で耐焼付性試験、耐摩耗
試験および摩擦係数の測定を行った。 まず、耐焼付性の評価に使用した試験装置は、第1図お
よび第2図に概要を図解的に示すものであって、ステー
タ1に取外し可能に取付けられた直径70mmの円板(
供試材)2の中央には、裏側から注油孔3を通じて潤滑
油が注入される。ステータ1には油圧装置(図示せず)
によって右方へ向けて所定圧力で押圧力Pが作用するよ
うにしである0円板2に相対向してロータ4があり、駆
動装置(図示せず)によって所定速度で回転するように
しである。ロータ4の円板2に対向する端面に取付けら
れた試料保持具4aには、5 mmX5mmXIQmm
の角柱状試験片(相手材)5が、同心円上に等間隔に3
個取外し可能にかつ正方形端面が円板2に対して摺動自
在に取付けである。このような装置においてステータ1
に所定の押圧力Pをかけながら所定の面圧で円板(供試
材)2と試験片(相手材)5とが接触するようにしてお
いて、注油孔3から摺動面に所定給油速度で給油しなが
らロータ4を回転させる。一定時間毎にステータ1に作
用する圧力を段階的に増加して行き、ロータ4の回転に
よって、相手の試験片5と、円板2との摩擦によりステ
ータ1に生ずるトルク(摩擦力により生ずるトルク)T
をスピンドル6を介してロードセル7に伝達させ、その
変化を動歪計8で読みとり、記録計9に記録させる。そ
して、トルクTが急激に上昇したときに焼付が生じたも
のとして、その時の接触面圧をもって焼付面圧とし、こ
の大小により耐焼付性の良否を判断するようにした。 試験に供した円板(試験片)2は、300℃×f00h
rの熱処理後研磨仕上げをしたものを使用し、相手材で
ある試験片5は、球状黒鉛鋳鉄で摺動面に硬質Crめっ
きを施したものと、平均粒径0 、8 gmのSiCを
面積率で15〜20%基地中に分散させた鉄めっきを施
したものの2種類とし、研磨仕上げを行ったものを使用
した。この結果を第2表の焼付発生面圧の欄に示す。 また、参考のために、従来よりシリンダライナ素材とし
て使用されている片状黒鉛鋳鉄についても行った。この
ときの試験条件は、速度8m/sec、潤滑油はエンジ
ンオイル(SAE20ベースオイル)で、温度90℃、
油量300mal/minとし、接触圧力は、20Kg
/cm’で20分間の馴らし運転後30Kg/cm’i
’3分間、そのvk3分経過毎に10Kg/cm’づつ
上昇させていくパターンとした。この結果を第2表の焼
付発生面圧の欄に示す。 次に、厚耗試験および摩擦係数の測定は、前記耐焼付性
試験に使用したと同じ試験機により、研磨仕上げを行っ
た円板(供試材)2に対し、球状黒鉛鋳鉄の摺動面に硬
質Crめっきを施して研磨仕上げをしたものを相手材試
験片5として用い、次の条件でテストした。 すなわち、速度は8m/secとし、潤滑油としてエン
ジンオイル(SAE20ベースオイル)を使用し、油温
90℃、油1500mM/min、面圧100Kg/c
m2で摺動距離500Kmとした。 そして、摩耗量の測定にあたり、円板(供試材)2の摩
耗量は、表面粗さ計にて90°ずつずれた位置で4ケ所
摺動方向と直角となるように触針を走らせ、摩耗痕の状
況をチャート上に記録し、しかる後、摩耗痕の四部の面
積を求め、材料間の相対比較を行うようにした。この結
果を第2表の摩耗量の欄に示す、第2表においては、片
状黒鉛鋳鉄の円板の速度8m/sec時の摩耗痕の断面
積を1としたときの相対比で表わした。また、相手材試
験片の摩耗量は、試料保持具4aに取付けられた4本の
角状試験片5の高さ寸法をテスト前後にマイクロメータ
で測定し、その平均の差を求める方法によった。 さらに、摩擦係数の測定は、200Km走行後にトルク
を記録計9より読み取ることによって算出した。この結
果を第2表の摩擦係数の欄に示第2表に示した結果より
明らかなように、本発明合金(No、 1〜No、 1
5)は比較合金(動。 16〜Nb、29)および片状黒鉛鋳鉄に比較すると焼
付発生面圧が高く、また自分自身の摩耗量が少ないだけ
でなく相手材の摩耗量もきわめて微少なものにしかつ摩
擦係数も非常に小さいという特徴を有していることがわ
かる。 さらに、200℃における引張強さも常温強度からの低
下代が少ないこともあり、かなりの高強度を示し、高温
強度と耐摩耗性、耐焼付性、低摩擦特性をもあわせもつ
ものであって、従来の合金にないきわめて優れた合金で
あることがわかる。 このような特性から、本発明合金は、アルミニウム合金
製シリンダブロックに鋳ぐるまれてエンジン作動時に比
較的高い温度域で使用され、ピストンリングとの相性(
耐摩耗性、耐焼付性、低フリクシヨン性など)の良いこ
とが要求されているシリンダライチ素材として最も適す
るものである。 また、本発明合金は、従来脆い化合物を作るために使用
できなかったようなFe、Mnを多量に含むスクラップ
の使用をも可能とするため、経済的なメリットも大きい
だけでなく、従来においてはAM−高St系アルミニウ
ム合金シリンダライチ素材を使用する場合はピストンス
カート部に耐摩耗性および低フリクシヨン性向上のため
に鉄めっきを施す必要があったのに対して、本発明合金
の場合はこの鉄めっきを施さなくてもスカート部の耐摩
耗性および低フリクシヨン性を十分確保することができ
るというメリットもある。 【発明の効果】 以上説明してきたように1本発明に係る耐熱拳耐摩耗ア
ルミニウム合金は、重量%で、Mn;6〜8%、Fe;
0.5〜2%、qu;2〜5%、Zr;0.03〜0.
5%、Si;12〜24%、Pb、4〜14%、Sn;
0.4〜4%を含み、残部Alおよび不純物よりなる組
成を有するものであるから、著しく優れた耐熱・耐摩耗
性を有し、しかも摩擦係数が小さく相手材への攻撃性も
少ないものであり、とくにアルミニウム合金製シリンダ
ブロックのシリンダライチ素材として使用した場合に、
著しく優れた耐熱・耐摩耗性を示すだけでなく、ピスト
ン系とのフリクションロスも少なく、シリンダライチ素
材として非常に適したものであり、オイル消費量の低減
および燃費の向上に寄与するという著大なる効果がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は耐焼付性、耐摩耗性および摩擦係
数の測定に使用した試験装置の概要を示す各々部分縦断
面図および■−■線側面図である。 特許出願人   日産自動車株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、Mn;6〜8%、Fe;0.5〜2%
    、Cu;2〜5%、Zr;0.03〜0.5%、Si;
    12〜24%、Pb;4〜14%、Sn;0.4〜4%
    を含み、残部Alおよび不純物よりなることを特徴とす
    る耐熱・耐摩耗アルミニウム合金。
JP15450087A 1987-06-23 1987-06-23 Heat resistant wear resistant aluminum alloy Pending JPS64243A (en)

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