JPH0123906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動二輪車の車体にサイドカバーを
取付ける取付構造に関するものである。

従来技術 自動二輪車においては、通常、車体側部のシー
ト下方部にサイドカバーが取付けられている。こ
のサイドカバーは樹脂製のものが多いが、薄鋼板
等の金属製のものもある。

樹脂製のサイドカバーは裏面に凸部を一体に成
形し、この凸部を車体フレームに設けた取付部に
差込んで車体に取付けるのが一般的であるが、金
属製のサイドカバーにおいては上記のような凸部
を一体に成形することが難かしいので、通常、ボ
ルト等により車体フレームに取付けられている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このようにボルト等によつて取付けた
金属製サイドカバーでは、ボルト等の取付部が外
面に露出し、外観上好ましくない場合があり、ま
た取付け、取外しに手数がかかつた。

問題点を解決するための手段および作用 本考案は、車体のサイドカバー取付位置にエア
クリーナを配設し、このエアクリーナを介して金
属製サイドカバーを車体に取付けることによつ
て、上記問題点を解決したものである。すなわち
本考案においては、金属製サイドカバーの面板の
裏側に、取付穴を有する取付ステーを前記面板か
ら間隔を隔てて設け、一方、車体フレームに固定
したエアクリーナケースのカバーには凸形の取付
ボスを突設し、この取付ボスに前記取付穴を嵌め
込むことにより金属製サイドカバーを車体に取付
ける。

本考案によれば、金属製サイドカバーをボルト
等の煩雑な締結部材を使用することなく極めて簡
単に車体に取付け、または取外すことができ、ま
たボルト等の取付部が外面に露出することもな
い。さらに、サイドカバーの面板と取付ステーと
の間の空間を例えば取扱説明書等の格納場所とし
て利用することができる。

実施例 以下添付図面により本考案の一実施例について
説明する。

第１図は本考案を適用した自動二輪車の上部を
示す側面図である。車体フレームはヘツドパイプ
１と、このヘツドパイプ１から車体中心面に沿つ
て後方へ延びる一本のメインパイプ２と、同じく
ヘツドパイプ１から車体中心面に沿つて後方へ下
向きに延びる一本のダウンチユーブ３とを備え、
メインパイプ２の後端部から左右一対のアツパパ
イプ４が後方へ延び、各アツパパイプ４の後端に
はグラブレール５の前端が固定されている。グラ
ブレール５はリヤフエンダ６の外側部に沿つて後
方へ延び、かつリヤフエンダ６に固定されてい
る。アツパパイプ４の後端にはまた左右一対のロ
アパイプ７の後端がそれぞれ連結されており、こ
れらのロアパイプ７は車体下部の両側を通つて前
方へ延び、前記ダウンチユーブ３の下端において
相合し該ダウンチユーブ３に固定されている。８
はアツパパイプ４とロアパイプ７とを連結するセ
ンタパイプである。車体上部には前記メインパイ
プ２をまたいで燃料タンク９が設置されており、
その後方にフロントシート１０およびリヤシート
１１が順次配置されている。

この車体の側部、前記フロントシート１０の下
方にサイドカバー１２が張設されている。このサ
イドカバー１２は前記アツパパイプ４、ロアパイ
プ７およびセンタパイプ８によつて囲まれた部分
に設けられているが、車体フレームに直接取付け
られているのではなく、第２図に示すようにエア
クリーナケース１３を介して取付けられている。
すなわち車体フレームを構成する前記各パイプ
４，７，８にはそれぞれエアクリーナケース取付
用のステー１４が固設されており、これらのステ
ー１４にボルト１５によりエアクリーナケース１
３が取付けられている。このエアクリーナケース
１３の内部は、第１図に示すように、吸気管１６
により外気に連通し、給気管１７により気化器を
介してエンジンの吸入口に通じている。

エアクリーナケース１３は樹脂材料により第２
図および第３図に示すように箱形に成形されてお
り、その開口面はエアクリーナケースカバー１８
で密閉されている。このカバー１８も樹脂製で、
締付ねじ１９によりケース１３に固定されてい
る。そしてこのエアクリーナカバー１８の外面に
は、適所に凸形の取付ボス２０が突設されてい
る。これらの取付ボス２０は図示のように先端の
大径部２１と基部の小径部２２とから成り、根元
がくびれた突起状をなしている。

サイドカバー１２は鋼板等の金属製で、面板２
３と上下左右の各側板２４を備えている。そして
上記面板と側板によつて囲まれた空所に、面板２
３との間に間隔を置いて、このサイドカバー１２
を前記取付ボス２０を介してエアクリーナカバー
１８に取付けるための取付ステー２５が設けられ
ている。本実施例においては第４図に示すように
２個の取付ステー２５ａ，２５ｂが設けられてお
り、取付ステー２５ａには第３図の取付ボス２０
ａ，２０ｃに係合する取付穴２６ａ，２６ｃが設
けられ、取付ステー２５ｂには取付ボス２０ｂに
係合する取付穴２６ｂが設けられている。なお、
エアクリーナカバー１８には図示のように凸部１
８ａが形成されているので、この凸部１８ａを避
けるために、取付ステー２５ａはく字状に屈曲さ
せて上方、下方および前方の各側板２４ａ，２４
ｂおよび２４ｃ（第４図）に固定してある。また
取付ステー２５ｂは上方の側板２４ａから後方の
側板２４ｄへかけて斜めに設けられている。

サイドカバー１２をエアクリーナカバー１８に
取付けるには、取付ステー２５の各取付穴２６に
グロメツト（ゴム環）２７を嵌着し（第２図参
照）、これを前記各取付ボス２０に当てがつて、
サイドカバー１２全体をエアクリーナカバー１８
に対して強く押し付ければ、グロメツト２７が取
付ボス２０の大径部２１を通過して小径部２２に
嵌まり込む。グロメツト２７はその弾性により小
径部２２をしつかりと把持するので、サイドカバ
ー１２はエアクリーナカバー１８に、従つてまた
エアクリーナカバー１８およびエアクリーナケー
ス１３を介して車体フレームに確実に固定され、
かつグロメツト２７の緩衝作用により、車体の振
動、衝撃によつてがたつくようなこともない。こ
のサイドカバー１２を取外すには、取付けの場合
と反対方向に強く引けば、グロメツト２７が取付
ボス２０から引抜かれるので、簡単に取外すこと
ができる。

サイドカバー１２の取付ステー２５は前述のよ
うに面板２３から間隔を隔てているので、サイド
カバー１２をエアクリーナカバー１８に取付けた
時に、前記取付ボス２０の頭部と面板２３との間
に第２図に示すように空所２８ができる。この空
所２８は例えば取扱説明書等のパンフレツト類の
格納場所として利用されるが、前記のようにサイ
ドカバー１２の脱着が容易であるため、格納物の
出し入れを極めて簡便に行なうことができる。

さらに、このサイドカバー１２はその裏側に設
けた取付ステー２５を介して取付けられるので、
外観にボルト等の取付部があらわれることはな
い。

考案の効果 以上の通り、本考案においては、金属製サイド
カバーの面板の裏側に、取付穴を有する取付ステ
ーを前記面板から間隔を隔てて設け、このサイド
カバーを、車体フレームに固定したエアクリーナ
ケースのカバーに突設した凸形の取付ボスに前記
取付穴を嵌合させることにより、車体に取付ける
ようにしたので、サイドカバーの車体に対する取
付け、取外しが極めて容易であり、かつ、確実に
取付けることができる。また車体に取付けたサイ
ドカバーの外観にはボルト等の取付部があらわれ
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した自動二輪車の上部を
示す側面図、第２図は第１図の−線に沿う断
面図、第３図はエアクリーナの斜視図、第４図は
サイドカバーの斜視図てある。 １……ヘツドパイプ、２……メインパイプ、３
……ダウンチユーブ、４……アツパパイプ、５…
…グラブレール、６……リヤフエンダ、７……ロ
アパイプ、８……センタパイプ、９……燃料タン
ク、１０……フロントシート、１１……リヤシー
ト、１２……サイドカバー、１３……エアクリー
ナケース、１４……ステー、１５……ボルト、１
６……吸気管、１７……給気管、１８……エアク
リーナケースカバー、１９……締付ねじ、２０…
…取付ボス、２１……大径部、２２……小径部、
２３……面板、２４……側板、２５……取付ステ
ー、２６……取付穴、２７……グロメツト、２８
……空所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製サイドカバーの面板の裏側に、取付穴を
   有する取付ステーを前記面板から間隔を隔てて設
   け、このサイドカバーを、車体フレームに固定し
   たエアクリーナケースのカバーに突設した凸形の
   取付ボスに前記取付穴を嵌合させることにより、
   車体に取付けるようにした、自動二輪車における
   金属製サイドカバーの取付構造。