JPH0123805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシート用表皮、特に表皮の表面側に形
成する窪み模様の付加に関するものである。

従来、車輛用シートは第１図に示すように、シ
ートクツシヨン部１、シートバツク部２から構成
され、シートバツク部２はリクライニング機構３
によつて回動角を調整できるように構成されてお
り、上記シートクツシヨン部１、シートバツク部
２は、第２図に示すようにフレームなどによつて
保持される発泡ウレタンなどから成る緩衝材４
と、この緩衝材４の表面側を被う表皮５とから形
成される。上記表皮５は例えば合成樹脂シート又
は獣皮などから形成されるもので、その表面側に
は窪み模様６が複数本形成される。この窪み模様
６を形成するに当つては、従来、表皮５を、各表
皮素材５ａの端部の折り返し部分５ｃを互いに縫
製により接続することにより形成し、この接続部
分によつて所定の窪みを形成するようにして模様
としている。上記折り返し部分５ｃの接続部分は
緩衝材４方向に図示しない引き手段によつて引き
付けられることもある。

しかしながら、従来の上記窪み模様を付加する
方法によれば、複数枚の表皮素材５ａを互いに縫
製により繋ぎ合せなければならないために作業が
煩雑となり量産化を図ることができないという欠
点を有していた。また、縫製に用いた糸が切れて
しまい、綻びが生じて表皮５の一部にだぶつきが
発生してしまうという欠点を有していた。

本考案の目的は、緩衝材の表面側を被う表皮と
して、間に綿材を介在させた複数枚の表皮材より
構成し、この表皮材を互いに模様パターンに沿つ
て点状に互いに溶着せしめ、この点状の溶着部分
に沿つて窪み模様が形成されるようにし、上記欠
点を除去するものであり、以下実施例を用いて詳
細に説明する。

第３図は本考案によるシート用表皮の一実施例
を示す断面図であり、同図において、緩衝材４を
被うシート用表皮１５は少なくとも窪み模様６を
形成すべき個所の表皮１７が２枚の表皮材１８，
１９と、この表皮材１８，１９の間に介在された
綿材２０から形成されている。上記表皮材１８は
例えば合成樹脂シート、獣皮などから形成され、
また表皮材１９は例えば織布又は不織布などの布
材から成り、上記綿材２０は例えば化学繊維から
形成されており、本願においては、窪み模様６を
形成すべきパターンに沿つて上記窪み模様６を形
成するに足る個所のみ表皮材１８と表皮材１９と
が点状に溶着されて、互いに十分離間した点状溶
着部分２１が形成されている。この点状溶着部分
２１は第４図に示すように表皮材１９と１８とを
綿材２０を介在させて重ね合せ、これを超音波加
工装置を構成する基台３０の上に載置し、模様パ
ターン６に沿つて複数本の出力棒３１を押し当て
ることにより出力棒３１の先端の触れた部分、及
びその近傍を溶融して互いに溶着することがで
き、これにより点状溶着部分２１を形成できる。
このように形成された表皮１７と他の表皮４０等
を互いに接続して袋状となし、これで緩衝材１４
を被うことによりクツシヨン体を形成することが
できる。

従つて本考案によれば、模様パターンに沿つて
点状の溶着部分２１を形成したのでこれにより溶
着部分に対応する表皮材１８側が表皮材１９側に
窪むことになり、窪み模様６を形成することがで
きる。したがつて従来のように窪み模様６を形成
するに当つて窪み模様のパターンに沿つて縫製を
行なわないので、製造が簡単となり、また使用中
に糸が切れてしまい表皮にだぶつきが発生する虞
れがなく、高品位のシートを形成することができ
る。また、本願においては、模様パターンに沿つ
て窪み模様６を形成するに足る個所のみ点状の溶
着部分２１を設けるようにしたので、模様パター
ンに対応する個所の表皮の強度を大きくすること
ができる。すなわち、模様パターンに沿つて連続
した溶着部分を形成した場合には模様パターンに
対応する個所の全体が溶融されてしまうことか
ら、この部分の強度が弱くなり、使用中に模様パ
ターン６に対応する個所が破れてしまう虞れがあ
るが、本考案によれば点状の各溶着部分２１の間
が溶着されないので、模様パターンに対応する個
所の表皮の強度を強くすることができ、長期間の
使用中に起る破れを防止することができる。ま
た、本考案によれば、表皮材１８と１９との間に
綿材２０を介在させるとともに各溶着部分２１を
十分に離間して形成したので、綿材２０間の空気
の移動が自在となり表皮１７のクツシヨン性を高
めることができ乗員に安楽感を与えることができ
る。

なお、本考案においては直線状の窪み模様６を
形成する場合について本考案を適用するものとし
て説明したが、本考案はこれに限定されず、第５
図に示すように円形状のパターンに沿つて点状の
溶着部分２１を設けるようにし、このような窪み
模様によつて通常シートに装着するボタンなどの
装飾部材に近似する模様を形成するようにしても
よい。

また、本考案によれば２枚の表皮材１８，１９
を互いに溶着する場合について説明したが、本考
案はこれに限定されず３枚以上の表皮材の間に綿
材を介在させ、各表皮材を点状に溶着するように
してもよい。

以上説明したように、本考案によるシート用表
皮によれば、複数枚の表皮材の間に綿材を介在さ
せ、各表皮材同志を所定の窪み模様のパターンに
沿つて該窪み模様を形成するに足る個所のみ点状
に溶着するようにしたので、これにより外側の表
皮材を窪ませることができ、所定の窪み模様を形
成することができ、しかも窪み模様形成個所の強
度及びクツシヨン性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のシート用表皮の一例を
示す斜視図および断面図、第３図、第４図は本考
案によるシート用表皮の一実施例を示す断面図、
第５図は本考案によるシート用表皮の他の実施例
を示す斜視図である。 １……シートクツシヨン部、２……シートバツ
ク部、４……緩衝材、５……表皮、６……窪み模
様、１８，１９……表皮材、２０……綿材、２１
……点状溶着部分、３１……出力棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートを構成する緩衝材を被う表皮において、
   繊維状の綿材を介在させた複数枚の表皮材から構
   成し、各表皮材同志を窪み模様のパターンに沿つ
   て該窪み模様を形成するに足る個所のみ点状に溶
   着するようにしたことを特徴とするシート用表
   皮。